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「ぷよぷよテトリス」上達を目指す学生達が,3日間の強化合宿に挑戦。ゲーミングキャンプ「Red Bull Gaming U」レポート
本イベントは,Red Bullが開催する東西対抗ゲームトーナメント「Red Bull Gaming 5G」スピンオフ企画であり,今回が2度目の開催となる。会場には「ぷよテト」の上達を目指す学生達が集結。「ぷよぷよ」および「テトリス」両作品のトッププレイヤーを講師に迎え,3日間のブートキャンプ(強化合宿)が行われた。
本稿では,12月に大阪で開催予定の「Red Bull 5G FINALS 2015」でのエキシビションマッチへの出場権をかけて,合宿の最終日に行われたトーナメント戦の模様を中心に,レポートをお届けしていく。記事の最後にはRed Bull 5G プロジェクトアドバイザーの松井 悠氏へのインタビューもあるので,ぜひ最後まで読み進めてほしい。
「Red Bull Gaming 5G 2015」公式サイト
「ぷよぷよテトリス」公式サイト
4人のトッププレイヤーを講師に迎えた3日間の「ぷよテト」強化合宿
イベントの参加者は,応募者80名以上の応募者の中から選ばれた「ぷよテト」の上達を目指す15名のプレイヤー達。初級者から上級者まで,さまざまな腕前のプレイヤーが集い,3日間の合宿を通して実力を磨き合った。
講師は,ぷよぷよのトッププレイヤーであるkamestry氏とselva氏,テトリスの強豪として知られるHBM氏,サマフ氏の4人。ときには講師自らがコントローラを握り,参加者達と対戦する姿も。
3日間のスケジュールは綿密に作られており,初日は講師による各モード(ぷよぷよルール,テトリスルール)の座学が,2日目には各モードの実地訓練が実施され,最終日に対戦実習が行われた。参加者同士による対戦時には,講師によるアドバイスが随時挟み込まれるなど,効率的に実力を伸ばす環境作りが行われていた。
なかでも,合宿の参加プレイヤーがとくに念入りに練習していたのが,今年の「Red Bull Gaming 5G」で導入される新レギュレーション“スワップモード”だ。
※スワップモード……一定時間ごとに「ぷよぷよ」と「テトリス」のルールが切り替わるゲームモード。各ルール下の進行状況は別々に管理されるが,連鎖などによって発生した攻撃は,ゲームモード間を跨いで引き継がれる仕組み(公式サイトのルール説明)。
本イベントの目的の一つには,「ぷよぷよ,テトリス両プレイヤーの交流と技術交換による,スワップモード戦への対応力強化」が掲げられており,実戦講習では各々のプレイヤーが,自身の得手不得手を補いあって練習する風景も見られた。やはりモードごとに知識や実力の偏りがあるようで,そうした知識の共有は参加者にとって有意義な時間であったようだ。
最終トーナメントバトル,優勝者はさたかめ選手に決定
そうして腕を磨き合った参加者達を最後に待ち受けていたのが,“最終試験”こと合宿最終日のトーナメントバトルだ。参加者全員でシングルトーナメントを戦い,ここで優勝および準優勝したプレイヤーが,「Red Bull 5G FINALS 2015」エキシビションマッチへ出場できる形となる。
対戦形式は2ラウンドの2試合先取制。決勝戦のみ,3ラウンドの3試合先取制というレギュレーションで行われる。使用するモードは,もちろん「Red Bull 5G FINALS 2015」と同様のスワップモードだ。
ほとんどの参加者達は,こうした舞台上で戦うのが初めてで,緊張の色を浮かべる選手も多かったようだ。しかし,対戦の内容自体は非常にハイレベルで,「ぷよテト」の醍醐味である“連鎖の応酬”が,多くの試合で繰り広げられた。
トーナメント前の合宿中に講師を務めた4人のトッププレイヤーは,壇上で解説を担当することに。大会中の実況役は,Red Bull 5G 2014でも実況を行ったALF氏が務めた |
合宿開始当初は完全に初心者だったプレイヤーが大規模な連鎖を叩き出すなど,成長が見えたシーンでは,解説席の講師陣からも思わず笑顔がこぼれていた |
結果,決勝に駒を進めたのは当初より優勝候補と目されていたさたかめ選手としゃるるん選手。双方共に,ぷよぷよプレイヤーとして知られる猛者であり,本合宿における“ぷよぷよ勢”の頂上決戦ともいえる対戦カードとなった。この時点で,両名はRed Bull 5G FINALS 2015エキジビションマッチへの出場が確定しているが,真剣勝負に変わりはない。
1戦目は緊張からか,両者共にミスの多い立ち上がりだったが,そこからいち早く状況を立て直したさたかめ選手がストレートで1試合目を先取。
2試合目も同様に,さたかめ選手がペースを握ったまま1ラウンドを先取するが,2ラウンド目に状況が大きく変化。テトリスルールで大幅な追い上げを見せたしゃるるん選手が取り返し,1対1へと持ち込んだのだ。
最終的にはさたかめ選手がその後の2試合をモノにして優勝を果たしたが,内容的にはしゃるるん選手もあと一歩まで食い下がる展開で,非常に見応えのある勝負となった。Red Bull 5G FINALS 2015エキシビションマッチでは両者がどんな戦いを見せるのか,期待しておこう。
以上をもって,今回の合宿イベント「Red Bull Gaming U」は終了となった。
Red Bull 5G 2015における「ぷよテト」部門は,10月4日に行われる西代表決定戦(大阪),10月11日の東代表決定戦(東京)を経て,12月20日のFINALSに向かうこととなる。本作が気になった人は,それらの大会もチェックして,観戦してみてはいかがだろうか。
「Red Bull Gaming U」はいかにして生まれたか。イベント総括 松井 悠氏インタビュー
最後に,本イベントの総括を担当したグルーブシンクの代表取締役社長・松井 悠氏へのインタビューを掲載し,本稿の締めくくりとしたい。“競技ゲーム合宿”というイベントの発端や,今後の展望などを聞いてみたので,ぜひご一読をいただきたい。
4Gamer:
長時間のイベント,お疲れ様でした。今回の「Red Bull Gaming U」は,「Red Bull 5G」のスピンオフ企画とのことですが,いわゆる落ちゲーを対象とした強化合宿とは,珍しい試みと感じられました。どういった経緯で今回のイベントを実施されたのでしょうか。
では,スタート地点からご説明しましょう。「Red Bull 5G」は“日本のゲーミングシーンに翼をさずける”というコンセプトのもと,競技シーンの活性化を狙って開催しているイベントです。競技としてのゲームを盛り立てるなら,大会は絶対に必要ですよね。でも,ゲーム大会自体は,今やコンテンツして珍しいものではありません。私達としては,過去になかったことをやってみたい気持ちがあって。この合宿は,そんな“新しいこと”のアイデアの一つだったんです。
4Gamer:
確かに,これまでに聞いたことはないですね。
松井氏:
決定的な契機は,2013年のRed Bull 5Gの競技種目に「Halo 4」が選ばれたことです。Halo 4は世界規模で人気のタイトルではありますが,日本のコミュニティは規模がそれほど大きくありませんでした。ならば,私達がするべきは,Halo 4に興味を持ってくれる人を増やすことだと考えました。そこから“学生向けのゲーマーキャンプ”という発想が生まれました。初級者から上級者まで,いろいろな実力のプレイヤーを集め,チームを作って戦える場が生まれれば,ゲームを初めて遊ぶ人も楽しくゲームに打ち込めるハズだと。
4Gamer:
新規層の開拓と,プレイヤーへの技術拡散が狙いということですね。
松井氏:
ええ。あとはRed Bull 5Gを視聴する観客の皆さんに対する紹介,という側面もあります。
4Gamer:
というと?
松井氏:
Red Bull 5Gは5つのゲームジャンルを扱う大会ですから,知らないジャンルのゲームでも,観客の皆さんに楽しんで欲しいじゃないですか。そのためには,トッププレイヤー達の腕前がいかにスゴいものなのかを分かってもらう必要があるんです。
4Gamer:
それは確かに。つまり,合宿での対戦をあらかじめ見せておくことで,ゲームに対する理解を深めてほしいと?
松井氏:
今回の「ぷよテト」におけるスワップモードも,パッと見ただけでは何が起きているのか分からないかもしれない。そこにエキジビションマッチを一回挟むことで,FINALSの試合をより深く楽しんでもらえるんじゃないかと。
4Gamer:
なるほど。ところで,この合宿会場についてなんですが,かなり設備が整った立派な施設で驚きました。これで参加費が無料とは……お金を取っても良さそうに思えますが,なぜ無料にしたんでしょうか。
松井氏:
何より大切なのは参加者の皆さんが楽しく過ごせることですから。キャンプファイヤーを焚きながらスクリーンで対戦なんて,聞いただけで面白そうじゃないですか。ほとんど思いつきに近いもので,それ以上は何も考えていないんです。私達自身も楽しんでいますし,それで十分だと思っています。
4Gamer:
では,競技種目についてなんですが,今回の「ぷよテト」はRed Bull 5G 2014から引き続き競技タイトルに選ばれていますが,それ以外はすべて新規のタイトルになっています。これは,どうやって選ばれたのでしょうか。先ほどのHalo 4もしかり,競技シーンではあまりメジャーではないタイトルが目立っている印象を受けるのですが。
松井氏:
ゲームの大会って定番のタイトルがいくつかありますよね。で,そこから漏れたタイトルとなると,ほとんど取り上げられることがなくて,そうしたタイトルのプレイヤーは蚊帳の外,みたいな。Red Bull 5Gはそういった風潮を変えたいと思っていて,タイトル選びにはそういった考えが反映されています。ジャンル的にもプラットフォーム的にも,幅広い分野に目を向けていきたいですね。
4Gamer:
FREEジャンルという枠がありますし,今年はPCゲームから「LORD of VERMILION ARENA」が選ばれていますね。
松井氏:
ええ。ゆくゆくは,スマートフォンのゲームやアーケードゲームにも,広げて行きたいですね。
4Gamer:
ちなみに,アナログゲームはいかがですか?
松井氏:
機会が得られれば,やってみたいですね。ただやはりジャンルごとのノウハウがあるので,その点はまだまだ勉強が必要そうです。
4Gamer:
分かりました。では松井さんご自身が,この先やってみたいアイデアなんかがありましたら,最後に教えていただけませんか。
松井氏:
そうですね……Red Bull 5Gの流れになるのかどうかはさておくとして,「ゲーマー リアリティショー」をやってみたいですね。いわゆるリアリティ番組ってやつですけど,プレイヤーに密着して,何らかの目標に向かっていく姿を,長期にわたって伝えていく,みたいな。具体的な予定はまったくないですけど(笑)。
4Gamer:
「進め! 電波少年」みたいなものですか? すごく大変そうですけど,面白いかもしれませんね。実現したら,ぜひ見てみたいです。本日はありがとうごございました。
「Red Bull Gaming 5G 2015」公式サイト
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Tetris (R) & (C) 1985〜2014 Tetris Holding. Tetris logos, Tetris theme song and Tetriminos are trademarks of Tetris Holding. The Tetris trade dress is owned by Tetris Holding. Licensed to The Tetris Company. Game Design by Alexey Pajitnov. Original Logo Design by Roger Dean. All Rights Reserved. Sub-licensed to Sega Corporation.
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