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スターフォックス ゼロ公式サイトへ
  • 任天堂
  • 発売日:2016/04/21
  • 価格:5700円(税別)
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スペオペ3Dシューティングを新たな遊びとして再構築したリブート作「スターフォックス ゼロ」と,慌ただしさが楽しい「スターフォックス ガード」をさっそくプレイ!
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印刷2016/04/26 00:00

プレイレポート

スペオペ3Dシューティングを新たな遊びとして再構築したリブート作「スターフォックス ゼロ」と,慌ただしさが楽しい「スターフォックス ガード」をさっそくプレイ!

 「スターフォックス」シリーズといえば,家庭用ゲームではまだ珍しかった3Dグラフィックスを採用した初代「スターフォックス」(1993年発売のスーパーファミコン版),3D空間での遊びを強化して音声ナビゲーションを搭載した「スターフォックス64」(1997年発売のNINTENDO 64版),キャラクターアクションや乗り物の乗り換え要素を取り入れた「スターフォックス アサルト」(2005年発売のニンテンドー ゲームキューブ版)と,主なシリーズ作だけをピックアップしても,任天堂プラットフォームには欠かせないSFフライトシューティングである。

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 そんな,数々の時代を彩ってきたシリーズの最新作が,先日(2016年4月21日)発売されたWii U用ソフト「スターフォックス ゼロ」である。
 据え置き機での完全新作としては,2005年に発売されたスターフォックス アサルト以来であり,また任天堂とプラチナゲームズとの共同開発ということでも注目を集めている本作だが,公式サイトを眺めていると“新たなる”の文字が散見される。
 そこで本稿では,具体的にどこが新たになって,どこが魅力的なのかを,実際にプレイして解説していきたい。あわせて,関連タイトル「スターフォックス ガード」についてのインプレッションもお届けしよう。

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HD画質による初のスターフォックスらしく,緻密に描きこまれたグラフィックスは素晴らしい仕上がり
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登場キャラクターは全員動物の姿。フォックスはもこもこのふわふわ(ペッピーはツヤツヤ)で,ハードウェアの進化を実感させてくれる

「スターフォックス ゼロ」公式サイト



三人称視点とコックピット視点の両方を生かした

臨場感あふれるゲーム性


 ゲームプレイの基本となるのは,自機「アーウィン」を操って,迫り来るレーザーやミサイルなどをかわしながら敵へと照準を定めて撃墜していくタイプの,“避けて撃つ”シンプルなもの。
 ある程度定められたルートを奥へと進んでいくスクロールモードと,3D空間の中を自由に動き回れるオールレンジモードの2モードが用意され,それぞれに違った味わいの空“宙”戦を楽しむことができる。このあたりは,スターフォックス64以降のタイトルと同様だ。

画面奥へと進んでいくスクロールモード
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3D空間を自由に飛び回れるオールレンジモード
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 本作最大の特徴となるのは,2種類の視点がリアルタイムに表示される点だ。デフォルト状態では,TV画面に従来作と同じくアーウィンを後方から見た三人称視点“ビークルビュー”が,そしてWii U GamePadにはアーウィンの操縦席から見た一人称視点“コックピットビュー”が表示されている(画面を入れ替えることも可能)。
 しかも,左右のアナログスティックでの機体操作に加え,Wii U GamePadを動かすことでレーザーの照準をジャイロ操作することも可能となっている。

 これにより,移動と照準を同時に行えるのである。例えばオールレンジモードで敵の基地がフィールド中央にある場合,三人称視点では敵のビーム攻撃を確認しながら回避しつつ,一人称視点で基地の砲台を狙い撃てる。あるいは,敵の上面/下面にある弱点を狙い撃つ,といった活用法もあるなど,本作の攻略には欠かせない要素となっている。
 プレイを始めた直後はTV画面とWii U GamePadのどちらを見たらいいのか混乱して,想定外のダメージにフラストレーションがたまってしまうこともあった。しかし,慣れてくると状況ごとにどちらの画面を中心に見るべきかが分かってきて,より適切な攻略が可能となってくる。
 パイロットの視点を選択できるフライトシューターは従来からもあったが,主観と客観を同時に使うというのは,本作独自の新しい遊びと言えるだろう。

視界が広く状況がつかみやすいビークルビューと,視界は狭いが敵に狙いをつけやすいコックピットビューという具合に,同じ場面を異なる視点で2画面に表示。状況に応じて見る画面を切り替えられるようになると,戦いもスマートになる
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アーウィンの操作は,ZRボタンでレーザー(長押しでチャージ),左スティックで機体の移動を,右スティックで機体の加減速やローリング,両方の組み合わせで宙返りやUターンと,ほとんどの動作を2本のスティックだけで行えて快適だ
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自機は飛行/歩行形態に変形!

ほかの乗り物も登場し,異なる操作性で楽しめる


 惑星ごとに用意されたステージによって,さまざまな種類のプレイヤー機体が登場する本作だが,中でも活躍の機会が多いのは,アーウィンが地上形態へと変形する「ウォーカー」だろう。
 鳥か恐竜かと思わせるような2本足の姿で地面を歩き回れるこの形態では,機敏で小回りの効く動きが可能。アーウィンではぶつかってしまうような狭い通路でも,難なく通過できるようになる。

 また,高速で飛行するアーウィンでは見逃してしまうような位置にあるギミックでも,ウォーカー形態ならば周囲を見回しやすいので,発見できる確率がアップする。
 このように,飛行形態でのダイナミックな操作感と,歩行形態による細かな探索とが同じステージ内で楽しめるのも,これまでのシリーズ作にはなかった新たな楽しさだろう。

地上を2足歩行するウォーカー。実はスーパーファミコン用に開発が進められていた「スターフォックス2」に実装される予定だったとか
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ゲームがある程度進むと,アーウィンとウォーカーはいつでも相互に変形できるようになる。両形態を使いこなすことで,新たな攻略法が見えてくることも
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ウォーカー形態でもダッシュやステップ,ホバリングが可能。小さな羽をパタパタと動かして宙に浮く姿がなんともカワイイ


 機体はほかにも,戦車の「ランドマスター」や,ローター機の「ジャイロウイング」などが登場。前者は高い攻撃力と本作から加わった飛行形態への変形を活かした戦い,後者はホバリングなどの立体的な機動と小型ロボットを遠隔操作してのハッキング操作といったように,性能や操作性が異なっており,プレイヤーを飽きさせない。

高い走破性を持ち地上戦が得意なランドマスター。これまでのブースト上昇に加えて,なんと飛行形態「グラヴマスター」への変形が可能
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ホバリング状態からゆったりとした動きをするジャイロウイング。ケーブルで接続された作業ロボット「ダイレクトアイ」を搭載し,Wii U GamePadの画面に映し出されるロボットの視点を通じてギミック解除などが行える
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乗り物別にトレーニングモードも用意されている。操作の上達=攻略となるだけに練習は欠かせない
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さまざまなステージと

繰り返し遊べるゲーム性


 メインゲームでは,宇宙空間に点在する惑星やエリアごとに用意されたミッションをクリアしていく。ミッションは敵を全滅させるだけでなく,基地への潜入や味方艦隊の防衛などバラエティに富み,チャレンジしがいがある。

ミッションは複数のフェイズからなる。コロニー外の宇宙→コロニー内都市といったように,フェイズごとに状況やモード,そして乗り物が変わったりすることも
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地球を思わせる「惑星コーネリア」をはじめ,敵基地や砂漠の惑星などバラエティ豊か。いずれも宿敵「アンドルフ軍」との戦いが待ち受けている
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 ミッションはただクリアするだけでなく,やりこみ要素が複数用意されている。その一つが,ルートの変化だ。例えば出発地点である「惑星コーネリア」では,ステージの途中にあるスイッチを押すことで隠しルートが出現し,その先には通常とは異なるボスが待ち構えている。
 隠しルートは通常ルートよりも難度が高いので,手強さを求めるプレイヤーにとってはチャレンジしがいのあるモノ。もともと,やや高めの難度設定な本作だけに,プレイヤーをかなり本気で“殺しに”くるが,その分クリアできたときの嬉しさは格別だ。

地上に隠されたスイッチをウォーカー形態で踏むと,山腹のゲートが開き隠しルートへ。怪しいものを発見できるよう,画面は注意深く見るべし
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 また,ミッション中には「勲章」を獲得するためのアイテムが配置されていたり,特定の条件を満たすことで追加ミッションが始まったりと,繰り返し遊ぶための要素はかなり充実している。
 筆者としては,こうしたやり込みや新たな発見という要素は,任天堂とプラチナゲームズの両者が共通して得意とするところだと認識しており,両社のコラボが良い方向にはたらいた結果だと感じた。

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勲章を獲得するためのアイテムは,ちょっと分かりにくい位置に配置されていることも。勲章はステージごとに五つ用意され,一定数獲得するごとに新たな要素が開放される
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ミッション終了時にはHIT数に応じてランキングが変化。最上位のゴールドカップを獲得するには,チャージ弾で敵を一掃してボーナスHITを稼ぐなど,効率の良い戦い方をする必要がある


プレイのたびに操作の上達が感じられる

良作アクションシューティング


 以上,ゲームシステムを中心にお伝えしてきたが,最後に世界観についてちょっとだけ。雇われ遊撃隊であるスターフォックスが,悪の科学者Dr.アンドルフの野望をくじくため宇宙狭しと縦横無尽に暴れまわるヒロイックなノリは健在。
 映画「スター・ウォーズ」やアニメ「クラッシャージョウ」あたりにときめいた中年男性である筆者が「うおお! この展開は燃えるぜーー!」と何度も言いながらプレイているあたりで,どんなテイストかは察してもらえるだろうか。

狂気の科学者Dr.アンドルフが潜むという辺境の惑星ベノムへと,並み居る敵を倒しながら進んでいくフォックス達。シリーズ作とはいっても物語的にはゼロからのスタートなので,何も知らなくても楽しめる
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 まとめると,避けて撃つというシンプルな遊びと,ケレン味の効いた演出や世界設定とが合わさって“ちょいムズだけど,スカッとカッコイイ”仕上がりとなった印象の本作。
 タイトルが示すように,最新の技術や時代性を取り入れてゼロからスタートを切った“リブート版スターフォックス”と言っても良さそうだ。シリーズのファンだけでなく,歯ごたえのあるフライトシューテングを求めるプレイヤーにも楽しんでほしい。

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スペースオペラよろしくケレン味たっぷりに魅せてくれるので,スター・ウォーズやクラッシャージョウの空戦シーンが好きなら興奮必至
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印象的なテーマ曲とともに,何かとフォックスたちの邪魔をしてくる悪役チーム「スターウルフ」も登場。ほかにもシリーズの名場面を思わせるシーンはあちこちで見られるので,ファンならニヤリとすること間違いなし

本文中では触れなかったが,仲間からの音声ナビゲートは本作でも重要。しかも,Wii U GamePadから聞こえてくる音声は,新技術でものすごくクリアに聞こえる。必聴!
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Wii U GamePadの特性を活かした

もどかしくも楽しい「スターフォックス ガード」


 ここからは,ダウンロード配信,およびスターフォックス ゼロとのセット販売がされている,スターフォックス ガードについてお届けする。
 記憶力のいい読者なら画面に「見覚えがあるぞ?」と思ったかもしれないが,本作は2014年のE3で宮本 茂氏が手掛けるタイトルとして発表されていたもの(関連記事)。基本的なシステムはそのままに,スターフォックスの世界観が加わったことで,スピンオフ的に楽しめるタイトルとして新生したわけだ。

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 ストーリーは,スターフォックスの一員であるスリッピーの叔父,グリッピーが経営する採掘基地に,レアメタルを狙って侵入してくる不審なロボットを撃退するというもの。
 中央のコントロールタワーを破壊されないように,敵を撃退するのがプレイヤーの役目。一定数のロボットを撃退するとミッションクリアとなる,タワーディフェンスタイプの作品だ。

迷路状になった通路の奥にあるコントロールタワー。これを破壊されたら作戦失敗だ。「プロテカム」の位置や向きは,ミッション開始前にも自由に設定できる
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 撃退の手段は,採掘場に設置されているレーザー付き監視カメラ「プロテカム」を遠隔操作して行う。ここでミソとなってくるのが,プロテカムの視界が限られているという点。
 1台で広い基地のすべてはカバーできないため,全部で12個のプロテカムが設置されている。プロテカムからの映像のすべてはTV画面に映し出されるので,ここから敵を発見して撃破をしていくことになる。

 プロテカムの切り替えは,Wii U GamePadに示された全体マップで,プロテカムの番号をタッチすることで行うのだが,そのためには一瞬,TV画面から視線を外す必要がある。
 当然だが,その間にも敵はどんどんと進行してくるので,「ええと,2番に敵がいるから……あ,9番にも敵が複数来ていて……」とアワアワすること必至。しかも敵も一筋縄では倒れてくれないので,そのやきもき具合が難しくも楽しさとなっているわけだ。

ロボットにはタワーを目指すアタックタイプと防衛の邪魔をするジャマータイプがおり,一定数のアタックタイプを破壊すればミッションクリアとなる
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 ミッションは全部で100種類用意されており,マップや出現する敵の種類などで難度に変化が付けられている。また,基本的な「メインミッション」に加え,特殊なルールに挑む「エクストラミッション」もあり,やりごたえは十二分。
 しかも,ミッションを達成することでプレイヤーランクが上昇し,敵をスローにしたりロックオン攻撃が可能な特殊な能力を持ったプロテカムが入手できたりするので,それらを使ってクリアできなかったミッションへと再挑戦することも可能だ。

配置できる台数は限られるが,ランクアップで入手できる特殊なプロテカムは攻略を手助けしてくれる
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 ほかにも防衛とは反対に,侵入ロボットの種類や出現タイミングを設定したミッションを作成して,それをインターネット上に公開することも可能だ。公開したミッションにほかのプレイヤーが挑戦し,負かすことができれば,プレイヤーランクが上昇することもある。

作成したミッションをインターネットに公開。本作のプレイヤー同士でチャレンジし合える
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 シンプルながらもWii Uならではの2画面を活かしたゲーム性は,アイディアとゲーム性がほぼイコールな1980年代のコンピューターゲームの雰囲気も漂わせている。
 1ミッションあたりの時間もさほど長くならないので,スターフォックス ゼロの合間に,コツコツと遊びたくなること請け合いだ。

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