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[E3 2015]「スターフォックス ゼロ」は懐かしさと新しさが融合したタイトルに。宮本 茂氏によるプレゼンテーションをレポート
スターフォックスといえば,1作目が1993年にスーパーファミコン用タイトルとして発売されて以降,さまざまな任天堂ゲーム機で展開されてきた人気シューティングゲームシリーズだ。
なかでも,1997年にNINTENDO 64向けに発売された「スターフォックス64」は,世界中で400万本以上を売り上げるヒット作となり,2011年にはニンテンドー3DSにリメイク移植されている。
そんなスターフォックスのシリーズ最新作となるスターフォックス ゼロは,いったいどのようなゲームなのか。シリーズの生みの親である宮本 茂氏が進行を務めた本プレゼンテーションの模様をお届けしよう。
「スターフォックス ゼロ」はプラチナゲームズとの共同制作タイトル
1人は,「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」や「Wii Fit U」を手がけ,今回ディレクターとして制作に関わる任天堂の林 悠吾氏。そしてもう1人が,「BAYONETTA2(ベヨネッタ2)」(Wii U)のディレクター 橋本祐介氏(プラチナゲームズ)であり,ここで初めて,スターフォックス ゼロがプラチナゲームズとの共同制作タイトルであることが明かされた。
林氏は,以前より宮本氏と仕事をする機会があったが,今回のスターフォックス ゼロの制作は,いつも以上にエキサイティングだったとのこと。
一方,自身がスターフォックスシリーズの大ファンだという橋本氏は,かつて「ベヨネッタ2」で「アーウィン」(スターフォックスにおける自機)を操作できるコラボステージを実現させている。それが1つのきっかけとなって,今回スターフォックス ゼロの制作に関わることになったのだという。
また,任天堂とプラチナゲームズでは,ゲームの作り方が根本から異なるため,お互いの得意とする部分がスターフォックス ゼロに反映できたのではないかと,自信に満ちた表情を見せていた。
画面(視点)の使い分けと直感的な操作方法に注目
その後,林氏の解説を交えた本作のデモプレイが披露された。
本作は,スターフォックス64をベースにデザインされており,当時のステージにアレンジを加えたものが用意されているという。ちなみに,今回のデモプレイで選ばれたステージは惑星コーネリアだ。
まず本作の特徴となるのが,テレビ画面とWii U GamePad(以下,GamePad)でカメラ視点が異なるという点だ。テレビ画面は,アーウィンを後方から眺めるおなじみの三人称視点となっており,従来作と同じ感覚でプレイできる。一方のGamePadはコックピット視点が映し出されるので,ターゲットを正確に狙い撃つことが可能だ。
プレイヤーの自機であるアーウィンは,GamePadにある2つのスティックを使って操作する。左スティックは操縦桿を意識した操作性になっており,下に倒すと機体が上昇し,上に倒すと降下するといった具合だ。反対の右スティックはスロットルで,上に倒すとブースト,下に倒すとブレーキになる。
林氏によると,この左右のスティックの組み合わせによって,Uターンやローリングといったトリッキーな動きも直感的にできるとのこと。
プレゼン会場には試遊機が用意されていたので,筆者も実際にプレイしてみたのだが,確かにテレビ画面を見ながらの操作は非常に快適で遊びやすかった。しかし,三人称視点の場合は,機体の移動に合わせて照準も動いてしまうため,攻撃を避けながらボスの弱点などを狙うのがなかなか難しい。
そこでポイントとなるのがGamePadのコックピット画面だ。コックピット画面の場合,GamePadのジャイロ操作で照準移動ができるので,自由に狙いを定められるのが嬉しい。テレビ画面だけでも十分に遊べるが,GamePadのコックピット画面を組み合わせることで,戦術の幅が広がっている印象を受けた。
そんな筆者の感想はさておき,林氏のデモプレイが終盤に差し掛かると,いよいよボス戦に突入。スターフォックス64のボス戦は,スクロールが固定された状態で戦うアーケードスタイルだったが,本作ではボス専用のフィールドが用意されており,フィールドを立体的に使った迫力のある戦いが楽しめる。
また“ターゲットビューモード”を使用すれば,カメラを常にボスの方向に向けられるので,テレビ画面でボスの動きを確認しつつ,コックピット画面でほか雑魚敵を処理したり,仲間を救援したりといったことも可能だ。
アーウィンの変形モーションに“インチキ”なし
「ランドマスター」や新たな偵察機「ジャイロウィング」も登場
林氏がボスを倒したところで橋本氏に交代し,今度はアーウィンの変形について紹介された。
本作のアーウィンは,ウォーカーと呼ばれる二足歩行ロボットに変形でき,地上を歩きながら攻撃できる。コアなシリーズファンならばピンとくるかもしれないが,これは開発が中止された「スターフォックス2」に採用される予定だった要素で,本作のために当時のデータを確認しつつ,モーションなどを作り直したとのこと。
「変形のモーションにインチキはない」と橋本氏が言うように,それぞれのパーツが織り込まれるなどして,説得力のある変形が確認できた。
また,本作では戦車型の乗り物「ランドマスター」も飛行型に変形する。アーウィンほどの機動力はないものの,いざというときに空へ逃げられるというのは,大きな強みになる。
さらに,本作で新たに追加された偵察機「ジャイロウィング」も見逃せない。ジャイロウィングにはダイレクトアイと呼ばれる偵察ロボットが格納されており,これを地上に降ろすことで,小さな穴などの探索が可能となる。パズル要素の強いステージで活躍してくれそうだ。
なお,これらの乗り物は,ステージによって固定されているわけではないため,一度クリアしたステージを別の乗り物で再挑戦することで,新たな攻略方法が生まれるとのこと。
プレゼンテーションの概要は以上となる。
昨年のE3 2014で,Wii U GamePadを活かしたタイトルとして紹介されて以降,音沙汰のなかった本作だが,今回正式に発表されたことで,ゲームの輪郭がハッキリと見えてきた。スターフォックス64がベースになっているだけあり,ところどころで懐かしさを感じられるが,各種ギミックや演出の追加によって,新たな魅力もしっかりと盛り込まれている。実際にプレイできる日を楽しみに待ちたいところだ。
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