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折りたたみ式スタンド付きタブレット「YOGA Tablet 2」発表。ほぼ同一スペックでWindows 8.1モデルとAndroid 4.4モデルを用意
YOGA Tablet 2シリーズのラインナップとメーカー想定売価,ならびに発売時期は表のとおり。本稿では,このYOGA Tablet 2シリーズの特徴を中心にレポートしよう。
製品名 | OS | 画面 | LTE | 想定売価(税込) | 発売時期 |
---|---|---|---|---|---|
YOGA Tablet 2-851F | Windows 8.1 with Bing | 8インチ | − | 3万7260円前後 | 11月下旬 |
YOGA Tablet 2-1051F | 10.1インチ | − | 5万8860円前後 | 10月下旬 | |
YOGA Tablet 2 (型番未定) |
10.1インチ | ○ | 未定 | 12月中旬 | |
YOGA Tablet 2-830F | Android 4.4 | 8インチ | − | 3万1860円前後 | 10月17日 |
YOGA Tablet 2-1050F | 10インチ | − | 3万7260円前後 | 10月17日 | |
YOGA Tablet 2 (型番未定) |
8インチ | ○ | 未定 | 12月中旬 | |
YOGA Tablet 2 (型番未定) |
10.1インチ | ○ | 未定 | 12月中旬 | |
YOGA Tablet 2 Pro-1380F | 13.3インチ | − | 6万4260円前後 | 11月中旬 |
発表会にはゲストとして,タレントでスポーツキャスターの小島瑠璃子さんが登壇。事前に新製品をしばらく試用していたそうで,YOGA Tablet 2シリーズの特徴であるスタンドを褒め称えていた。ヨガのポーズを取った小島さんを,3Dスキャナーで取り込んで3Dモデルを構築するといったデモも披露されている |
黒いボディカラーのWindows 8.1搭載モデルが登場
冒頭でも触れたように,YOGA Tablet 2シリーズにはAndroid 4.4モデルとWindows 8.1 with Bing(以下,Windows 8.1)モデルの2種類が用意されているが,ハードウェアの仕様や筐体デザインは,ほとんど同じだ。両モデルの目に見える大きな違いは,Windows 8.1モデルは「エボニー」と称するつや消し黒系のカラーリングとなったことにある。
シリンダーのように膨らんだボディ下側と,そこに装備した折りたたみ式スタンド「マルチモードスタンド」によって「3つのモード」で使い分けられるというYOGA Tabletの特徴(関連記事)に改良が加えられ,新製品では新しい「ハングモード」を加えた「4つのモード」で使い分けられるようになっている。
ハングモードとは,スタンドを170度まで開いたうえで,スタンド中央に開けられた穴を壁のフックなどに引っかけて,壁掛けタブレットとして使えるというものだ。ゲームのプレイに向いたモードではないが,新しい使い方の提案としては面白い。
Windows 8.1モデルの背面(左)。膨らんだ下側に折りたたみ式スタンドが装備された構造は変わらないが,スタンドの中央に指が通るくらいの穴が空いている。スタンドを大きく広げて本体を上下逆さまにし,穴に壁のフックを引っかけた右写真の状態がハングモードだ |
8インチモデルの本体左側面(左)。スタンドのヒンジ部分にバッテリーを搭載するため,そこ以外のディスプレイ部分は非常に薄い。本体右側面(右)には,Windowsロゴの付いた小さな[Windows]ボタンがある |
10.1インチサイズのWindows 8.1モデルには,Bluetooth接続の専用キーボードが付属する点も特徴の1つ。付属キーボードは,シリンダーの膨らみに沿って磁石で取り付けられるようになっており,装着したままで液晶パネルのカバーにもなる。本体と一体感のあるデザインは見た目を損なわないし,キーのタッチも薄さのわりにはしっかりとしていた。タブレットをノートPC的に使いたいというニーズに,しっかりと答えられそうだ。
10.1インチモデルに付属キーボードを取り付けた状態(左)。パッと見はNetbookのようだ。キーボードの上端は本体に合わせたカーブを描いており(右),シリンダー部分に磁石でくっつく |
スペックも見てみよう。先述のとおり,今回のYOGA Tablet 2シリーズは全製品が開発コードネーム「Bay Trail Refresh」ことAtom Z3745をSoCに採用している。メインメモリ容量は2GB,内蔵ストレージ容量は32GBだ。
搭載する液晶パネルは,8インチ,10.1インチのどちらも解像度1920×1200ドット,アスペクト比16:10となっている。8インチモデルにもフルHD解像度を超える液晶パネルを採用した点は歓迎したい。また,10.1インチモデルはHDMI Micro Type-D端子を備えて,外部ディスプレイの出力も可能だ(8インチモデルにはない)。
なお,内蔵する無線LAN機能はIEEE 802.11a/g/nどまりで,IEEE 802.11acには対応していない。
また,価格は未定だが,10.1インチモデルにはLTE通信機能を搭載する製品が12月中旬に発売の予定となっている。対応する通信キャリアなどは未公表だが,LTE対応のWindowsタブレットを狙っている人は,検討する価値がありそうだ。
●YOGA Tablet 2-851F,2-1051Fの主なスペック
- OS:Windows 8.1 with Bing(32bit)
- ディスプレイパネル:8インチTFT液晶,解像度1920×1200ドット(2-851F)
10.1インチTFT液晶,解像度1920×1200ドット(2-1051F) - プロセッサ:「Atom Z3745」(クアッドCPUコア,CPU動作クロック 1.33GHz)
- メインメモリ容量:2GB
- ストレージ:容量32GB+microSDカードスロット
- アウトカメラ:有効画素数約800万画素
- インカメラ:有効画素数約160万画素
- バッテリー容量:6400mAh(2-851F),9600mAh(2-1051F)
- 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n(2.4GHz/5GHz)
- 本体サイズ:210(W)×149(D)×2.7〜20(H)mm(2-851F)
255(W)×183(D)×3〜20(H)mm(2-1051F) - 本体重量:約426g(2-851F),約629g(2-1051F)
- 本体カラー:エボニー
- 主な機能:専用Bluetoothキーボード付属(2-1051F)
Android 4.4モデルもAtom搭載に
一方のAndroid 4.4モデルだが,Windows 8.1モデルと比べた場合,ボディカラーが「プラチナ」(銀色)であることと,内蔵ストレージ容量が16GBであること,そして本体側面の[Windows]ボタンがないこと程度の違いしかない。
それ以外のハードウェア面での違いといえば,Windows 8.1搭載の10.1インチモデルにあるHDMI Micro Type-D端子が,Android 4.4モデルにはない点くらいか。スタンドの改良とハングモードの追加も同様だ。
なお,Android 4.4モデルでは,10.1インチだけでなく8インチモデルにもLTE搭載製品が登場する予定だ。
8インチモデルの背面(左)。マルチモードスタンドの中央には,ハングモードでフックをかけるための穴がある。スタンドを90度に開いた状態で寝かせた「チルトモード」状態(右)。タブレットを机に置いてゲームをプレイするのに最適な状態だ |
初代のYOGA Tabletシリーズは,搭載SoCに「MediaTek MT8125」を採用していた。MediaTek MT8125は,当時としても高速なSoCではなく,「ゲーム用途には厳しい」という判定をくださざるを得なかった。それがAtom Z3745になったことで,どれくらい性能が向上したのだろうか。実機で試してみたいところだ。
●YOGA Tablet 2-830F,2-1050Fの主なスペック
- OS:Android 4.4(KitKat)
- ディスプレイパネル:8インチTFT液晶,解像度1920×1200ドット(2-851F)
10.1インチTFT液晶,解像度1920×1200ドット(2-1051F) - プロセッサ:「Atom Z3745」(クアッドCPUコア,CPU動作クロック 1.33GHz)
- メインメモリ容量:2GB
- ストレージ:容量16GB+microSDカードスロット
- アウトカメラ:有効画素数約800万画素
- インカメラ:有効画素数約160万画素
- バッテリー容量:6400mAh(2-851F),9600mAh(2-1051F)
- 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n(2.4GHz/5GHz)
- 本体サイズ:210(W)×149(D)×2.7〜20(H)mm(2-851F)
255(W)×183(D)×3〜20(H)mm(2-1051F) - 本体重量:約426g(2-851F),約619g(2-1051F)
- 本体カラー:プラチナ
13.3インチ液晶にサブウーファも搭載する大型タブレット
YOGA Tablet 2 Pro
YOGA Tablet 2シリーズにはもう1機種,「YOGA Tablet 2 Pro-1380F」(以下,YOGA Tablet 2 Pro)というまったく新しいAndroidタブレット端末が加わった。コンシューマー向け製品であるYOGA Tablet 2シリーズの中では異色の,ビジネス用途での利用を視野に入れた製品である。そのため,ここでは目を引く特徴だけを簡単に説明しよう。
1つめの特徴は,13.3インチサイズで解像度2560×1440ドットという高解像度液晶パネルを採用する点だ。10インチ級で同じ解像度の液晶パネルを採用する製品もあるのでけっして珍しい特徴ではないし,ゲーム用途にはポジティブな効果が期待できないものの,高解像度の写真を見たりするときには役立つだろう。
なお,サブウーファがあるためにスタンドには大きな穴が空いているものの,四角い穴であるため,フックにひっかけてハングモードで使うという用途には,あまり向いていなさそうだ。
最後の特徴は,ヒンジ部分に小型のプロジェクタを内蔵していることにある。2m先に50インチ級の画面を表示できるというもので,主にプレゼンテーション用途を想定したものであるとのこと。本体側に光量やフォーカスを調整するスライドボタンも用意されている。
内蔵プロジェクタをゲーム画面の表示に使えないこともないが,プレイヤーは投影された画面と横向きに位置することになってしまうし,操作によって本体が動いたりすると投影画面も動いてしまう。ゲームパッドでも利用しない限り,ゲームでの実用は難しいように思えた。
ヒンジ部に内蔵されたプロジェクタ(左)。基本的にはチルトモードでの使用を想定しているらしい。右の写真は2m先のスクリーンに画面を投影したものだが,周囲が明るい屋外だったため,デモではその実力を確認できなかった |
搭載SoCは,YOGA Tablet 2シリーズと同じAtom Z3745。ただ,メインメモリ容量は3GBで内蔵ストレージ容量は32GBと,こちらは多めになっている。
●YOGA Tablet 2 Pro-1380Fの主なスペック
- OS:Android 4.4(KitKat)
- ディスプレイパネル:13.3インチTFT液晶,解像度2560×1440ドット
- プロセッサ:「Atom Z3745」(クアッドCPUコア,CPU動作クロック 1.33GHz)
- メインメモリ容量:3GB
- ストレージ:容量32GB+microSDカードスロット
- アウトカメラ:有効画素数約800万画素
- インカメラ:有効画素数約160万画素
- バッテリー容量:9600mAh
- 無線LAN対応:IEEE 802.11a/g/n(2.4GHz/5GHz)
- 本体サイズ:333(W)×223(D)×3.6〜20(H)mm
- 本体重量:約950g
- 本体カラー:プラチナ
- 主な機能:内蔵プロジェクタ
Core M搭載の薄型2-in-1ノートPC YOGA 3 Pro
最後に,ゲーマー向けの製品ではないが,変形2-in-1ノートPCであるYOGAシリーズの最新モデル「YOGA 3 Pro」を簡単に紹介しておこう。発売時期は11月中旬の予定で,メーカー想定売価は21万500円前後。単純計算すると,税込価格は22万7340円となる。
YOGA 3 Proは,CPUに最新のモバイル向けCPU「Core M-5Y70」を採用したことにより,マザーボードの小型化と厚さ12.8mmという薄型筐体を実現している。
YOGA 3 Proの本体内部(左)。中央と下側には本来バッテリーが置かれているのだが,写真の状態では外しているのでスカスカに見える。本体内部のヒンジ側には,小型の空冷ファンがある(右)。右写真中央で,ファンとヒートパイプでつながったヒートシンクの下にCore M-5Y70がある |
液晶パネルを360度回転させるヒンジには,新開発の「ウォッチバンドヒンジ」を採用。従来のYOGAシリーズが2つのヒンジで支えていたところを,6個のウォッチバンドヒンジで支えることにより,ヒンジ1つあたりにかかる負荷を軽減して滑らかな開閉が可能になったという。
新開発のウォッチバンドヒンジ(左)。これを6個使って液晶パネル部分を支えている。側面から見ると(右),独特の構造が分かるだろう |
CPU以外のスペックは,液晶パネルが13.3インチサイズで解像度3200×1800ドット,メインメモリ容量は8GBで,内蔵ストレージ容量は512GBとなっている。
ゲーマー向けの製品ではないうえ,気軽に手を出せる価格でもないが,ボディの薄さとヒンジを含むデザインに惹かれる人はいるかもしれない。
YOGA Tablet 2 特設Webページ
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ThinkPad,Miix,YOGA
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