GALAXブランドのGALAXY Microsystemsは,COMPUTEX TAIPEI 2016のメイン会場であるTaipei Nangan Exhibition Center, Hall 1に出展し,「
GeForce GTX 1080」「
GeForce GTX 1070」(以下順に,GTX 1080,GTX 1070)搭載グラフィックスカード一挙6製品を展示していた。
そのうち2製品が,NVIDIAによる北米市場におけるメーカー想定売価となる599ドル(税別)もしくは379ドル(税別)のモデルだというのは
先に掲載した記事で紹介済みだが,GALAXといえばオーバークロック耐性を追求した製品シリーズ「
HOF」(Hall Of Fame)という認識の人も少なくないだろう。本稿では,HOFシリーズの2製品,とくに完成品が展示されていたGTX 1080搭載モデルについて聞いてきた結果をお伝えしたい。
「GALAX GeForce GTX 1080 HOF」(左)と,現状ではGPUチップが載っていないが,「GALAX GeForce GTX 1070 HOF」(右)。いずれも,Founders Editionと同等か,若干高い程度の価格を目指しているという。なお,後者の電源フェーズ数は8+4
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メーカーレベルのクロックアップ設定が入った状態で出荷予定の「GeForce GTX 1080 EX OC」(左)と,詳細未決定というGTX 1070カード(右)。いずれもGALAX独自のGPUクーラーを搭載し,北米市場におけるメーカー想定売価はは599ドル(税別)から699ドル(税別)の間になる見込み
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別記事でも紹介している,非Founders Editionのリファレンスデザイン採用GTX 1080(左)およびGTX 1070(右)カード
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GTX 1080のオーバークロックは,NVIDIAの対応待ち?
GALAX GeForce GTX 1080 HOFのGPUクーラーはいわゆる2.5スロット仕様。外部出力インタフェースはリファレンスデザインと同じだ
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HOFシリーズの白い基板を誇らしげに掲げ,ブースの一角ではGTX 1080搭載モデルでオーバークロッカーによるクロック引き上げデモまで行っていたGALAX。それだけに,新世代HOFについては自信満々だと思ったのだが,担当者は,8+4フェーズ構成の電源部を採用した基板レベルの設計には満足した顔をしつつもも,現時点におけるGTX 1080は,オーバークロック動作に関連して,1つ大きな制限がかかっていると苦笑いしていた。
GALAX GeForce GTX 1080 HOFの基板。圧巻の8+4フェーズ構成で,補助電源は8ピン×2となる
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GALAX GeForce GTX 1080 HOFの基板背面
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いわく「『GPU Boost 3.0』(
関連記事)がらみで,VCoreが1.4Vくらいまででロックされてしまう。なので,空冷で2.2GHz,極冷でも2.5GHzが上限となってしまい,第2世代Maxwellのトップモデルより高いスコアを出しようがなくなっている」(GALAX)。
GALAXによると,もちろんGPUごとの個体差はあるものの,どれも1.4VくらいがVCore設定の上限で,これを超える設定は行っても無視されてしまうという。「VBIOSレベルで対応できる話のはず」というGALAXでは,NVIDIAにロック解除を依頼し続けているが,現状,発売直後でバタバタしているのか,NVIDIA側の動きはまだないそうだ。
電源部に寄ったところ
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GALAXのロードマップとしては,ロックが解除され次第,HOFシリーズに対してVBIOSアップデートを提供するとのこと。また,独自に検証した高耐性モデルを直販限定の特別版として発売する計画があるとのことだった。
ゲームをプレイする用途で,GALAXの言う“1.4V前後の壁”が問題になることはほとんどないはずだが,HOFシリーズの新作が気になるような人は,自己責任でのオーバークロックを楽しむと思われるだけに,オーバークロック関連における現状のステータスは押さえておきたいところだ。
GALAXブースにはHOFロゴ入りの「SLI HB Bridge」も置いてあったが,NVIDIAからの部材供給がないため,すぐに発売できたりはしないという。ひょっとすると,HOFシリーズのカードを2枚買った人向けのプレゼントにするかもしれないそうだ
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