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[TGS 2015]「PlayStation VR」でマルチプレイ。理屈抜きの面白さがある「The PlayRoom VR」を体験
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印刷2015/09/17 22:13

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[TGS 2015]「PlayStation VR」でマルチプレイ。理屈抜きの面白さがある「The PlayRoom VR」を体験

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは2015年9月17日,千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2015で「The PlayRoom VR」のデモを行った。

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SCEJ「PlayStaion VR」TGS 2015公式サイト


 The PlayRoom VRとは,「Project Morpheus」のコードネームで開発が進められていたVR(仮想現実)対応ヘッドマウントディスプレイ,「PlayStation VR」を使用して遊ぶゲームだ。VRコンテンツといえば一人で楽しむ様子が思い浮かぶが,The PlayRoom VRは, PlayStation VRを装着したプレイヤー1人と,コントローラを持ったプレイヤー4人がゲームをすることになる。PlayStation VRとディスプレイに異なる映像が出力されているため,双方が異なった画面を使ってマルチプレイが楽しめるのだ。

仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイ「PlayStation VR」
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 ちなみに,用意されたPlayStation 4には2台のディスプレイが接続されていたが,1台は周りで見ている人が分かりやすいように,PlayStation VRの画面を表示するためのもので,実際のプレイに必要なものではない。

Nicolas Doucet氏
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 会場ではPlayStation VRを手がけたソニー・コンピュータエンタテインメント・ワールドワイド・スタジオ,ジャパンスタジオのNicolas Doucet氏が解説を行ってくれた。


 1978年にフランスで生まれたDoucet氏は1996年に英国へ渡り,Electronic ArtsやEidos Interactiveなどのゲームメーカーを経てレゴへ就職し,子供や家族に向けたもの作りを学んだという。こうした経験は素晴らしいものだったが,やはりゲームを作りたいと考えたDoucet氏は2004年,ソニー・コンピュータエンタテインメント・ワールドワイド・スタジオのロンドンスタジオに参加する。そこでPlayStation 2用のカメラ「Eye Toy」用のアプリや,PlayStation 3用カメラ「PlayStation Eye」を使った「Me&My Pet」(Eye Pet)といった作品を手がけてきた。

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 2011年にジャパンスタジオへ移った氏は,ゲームには遊び心が大切だと考え,開発チーム「ASOBI! Team」を結成,AR技術を活用したPlayStation 4のThe PlayRoomを手がけたあと,The PlayRoom VRを開発することになったという。つまりDoucet氏は,PlayStation 2時代からAR・VR系コンテンツにずっと携わってきた人物というわけだ。

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 The PlayRoom VRを構築するうえでは,「皆で遊べるVRコンテンツを作りたい」という意図から,PlayStation VRとディスプレイのそれぞれに異なる画面を表示する「セパレートスクリーンモード」を考案し,街を襲う怪獣と逃げるロボットに分かれて楽しむゲーム「MONSTER ESCAPE」を開発した。同作は,E3 2015で高い評価を得ている。

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 1台のPlayStation 4で2つの異なる画面を出力する技術については,2015年6月17日に掲載したE3 2015レポートに詳しいので,興味のある人は参照してほしい。

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 今回は,そのMONSTER ESCAPEに加えて,「だるまさんがころんだ」風の新作「CAT’N MOUSE」の体験プレイも行われた。
 まずMONSTER ESCAPEだが,前述のように,PlayStation VRを装着したプレイヤーが怪獣となって町を破壊し,コントローラを持つ4人のプレイヤーが小型ロボットとして逃げ回るという内容だ。怪獣とロボットでまったく質の異なるゲームになる,非対称系のプレイが印象的だ。

 筆者まずは怪獣を担当したのだが,小さなロボット達を見下ろしつつ、彼らを追いかけていくのはちょっと優越感を覚えた。PlayStation VRを装着したまま頭を振って“頭突き”をすると,周囲のビルが粉々になり,瓦礫がロボット達に降り注ぐ。まるで本当の怪獣になったようで,なかなか爽快だ。声を出すとPlayStation VRのマイクがそれを拾い,怪獣っぽい声に加工されて聞こえてくるあたり,その気にさせる演出は細かい。

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 ところが,追い詰められたロボット達は突然,戦隊ヒーロー風の姿に変身し,周囲に転がっている荷物やら何やらを投げて反撃してきた。ここでは頭を動かして飛んでくる物体をかわすのだが,首をちょっと傾げた程度ではダメで,ある程度大きく動かなければならない。また,視界の外に回り込んだロボットから攻撃されることもあるため,あちこち見回さなければならないのも,いかにもVR的体験として楽しかった。

 続いて担当したロボット側では,ゲームの趣がたいぶ異なる。港へと続く一本橋をひたすら逃げていくのだが,怪獣が背後から大暴れしつつ迫ってくるので,かなりスリリング。変身後に周囲の荷物を投げるのだが,怪獣側プレイヤーの頭の動きがそのまま画面上の怪獣に反映されるため,視界の外へ逃げたり,フェイントを掛けたりするのが面白かった。ものを投げて当てるというのは,理屈を超えた根源的な楽しさといえるだろう。

 こうした方向性を更に追究したのが,チーズをめぐる「だるまさんがころんだ」とも呼べる,CAT’N MOUSEだ。

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 これは,チーズのカケラがたくさん転がった台所を舞台に,PlayStation VRを装着したプレイヤーがになり,コントローラを持った4人のプレイヤーが操作するネズミと対決するというゲーム。猫はすべてのネズミを捕まえれば勝ち,ネズミは1匹になっても,すべてのチーズを奪えば勝利となる。

 猫とネズミの間はカーテンで仕切られており,猫はネズミが動いているときにタイミング良くカーテンから顔を出せば捕まえられる。この“顔を出す”行為をPlayStation VRで実際に行うわけだ。

がPlayStation VRを装着した猫側プレイヤーが見ている画面で,がネズミ側プレイヤーの画面だ。2台のディスプレイが使われているのはあくまで説明のためで,実際にはPlayStation VRとPlayStation 4,ディスプレイがそれぞれ1台あればプレイ可能となる。PlayStation VRプレイヤーはハンズフリーでプレイできるようにデザインされているので,コントローラは人数分あればいい。緑色のブロッコリーの背後にネズミが隠れており,同じ場面を異なる視点で見た画面であることが分かる
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 ネズミは空き缶や牛乳パックなどに隠れることができ,隠れた状態なら猫に見つかっても平気だ。しかし,これでは膠着状態になってしまうので,猫は頭を引っ込めてネズミが隠れ場所から出てくるのを誘い,ネズミはそのスキに急いでチーズを回収しようとする。
 まさにVRで遊ぶ「だるまさんがころんだ」で,猫は首を出したり引っ込めたりするだけ,ネズミは左スティックで移動するだけと操作が簡単なうえ,勝敗が非常にハッキリしており,しかも,お互いに動きの読み合いが発生するので,こちらも理屈抜きの面白さだった。集まった取材陣の多くが,もう一回,もう一回と、筆者を含めてすっかりハマってしまった様子だ。

上と同じく,左が猫,右がネズミの見ている画面。カーテンは何重かになっており,一番外側のものは写真のように透けているため,猫が首を出そうとしているのが分かる
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 画像がクリアで動きも滑らか,続けてプレイしても3D酔いが感じられないなど,PlayStation VRを使ったThe PlayRoom VRは非常に楽しく,2016年が予定されている発売が楽しみになってきた。
 こうしたVR系コンテンツは文章ではなかなか面白さを伝えづらいのがライター泣かせ。The PlayRoom VRはソニー・コンピュータエンタテインメントブースでプレイアブル出展されているので,公式サイトを参考に,あらかじめ「チェックイン」を済ませてから会場に出かけてほしい。

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  • 関連タイトル:

    PlayStation VR本体

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