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発売直前の「英雄伝説 碧の軌跡 Evolution」と,完成間近の「閃の軌跡II」の関係とは? 「Falcom jdk band Live & Talk Show」第3回の模様をレポート
このイベントでは,ファルコムjdkバンドによるアコースティックライブと,日本ファルコム 代表取締役社長 近藤季洋氏を迎えたトークライブを実施。トークでは,6月12日に発売を控えたPS Vita用ソフト「英雄伝説 碧の軌跡 Evolution」と,9月25日に発売予定のシリーズ最新作「英雄伝説 閃の軌跡II」(PS3/PS Vita)にまつわる,さまざまな話題が飛び出した。
「英雄伝説 閃の軌跡II」公式サイト
「英雄伝説 碧の軌跡 Evolution」公式サイト
jdkバンドが「零の軌跡」「碧の軌跡」の楽曲をアコースティックアレンジで演奏
イベントのオープニングでは,ファルコムjdkバンドが,「英雄伝説」シリーズの「零の軌跡」「碧の軌跡」にて使用されている楽曲のアコースティックバージョン7曲を演奏し,会場は大きく盛り上がった。メンバー構成とセットリストは以下のとおりだ。
●ファルコムjdkバンド
岡島俊治(Dr.)
小寺可南子(Vo.)
水谷美月(Vn.)
宮崎大介(Gt.)
榎本 敦(Ba.)
●セットリスト
1.The Azure Arbitrator(碧の軌跡)
2.クロスベルの午後(零の軌跡)
3.On The Green Road(零の軌跡)
4.Way of Life(零の軌跡)
5.セルリアンブルーの恋(零の軌跡 Evolution)
6.Miss You(碧の軌跡)
7.碧い軌跡(碧の軌跡)
またライブ中のMCでは,2014年夏に発売予定のファルコムjdkバンドのライブBDに,本イベントの演奏の模様が特典として収録されることや,現在,同バンドがハイレゾ音源のアルバム「KISEKI jdk ACOUSTICS」をレコーディング中であることが明かされた。このハイレゾアルバムには,今回演奏された「セルリアンブルーの恋」など,ファルコムjdkバンドの楽曲をアコースティックアレンジした楽曲が収録されるという。
2014年発売の「碧の軌跡 Evolution」と「閃の軌跡II」は深くリンクしている
トークライブでは,近藤氏と岡島さんが,2014年に相次いでリリースされる「碧の軌跡 Evolution」と「閃の軌跡II」のつながりを中心に,「軌跡」シリーズの世界観についての話題を展開した。
会場で最初に示されたのは,「零の軌跡」および「碧の軌跡」の企画/開発にあたり,近藤氏自身が最初に作った資料。近藤氏は,両タイトルについて,「空の軌跡」3部作の経験があったため,設定やキャラクターデザインに最初からブレがなく,大きな変更がなかったと振り返る。
さらに近藤氏は,ゲームの名称は,開発チームのスタッフに,そのゲームの内容や方向性を示す重要な指針になるとし,企画開発の早い段階で決めるようにしているとも話していた。これは,日本ファルコムの創業者である加藤正幸氏の教えとのことで,「あとで変えてもいいから,とにかく早く決めるように」と言われていたという。たとえば「空の軌跡」は,当初開発チーム内では反対意見もあったそうだが,今振り返ってみるとビジュアルやムービーなどが“空”で統一されており,誰が見ても名称どおりの内容になったと近藤氏は話す。
話題は,「軌跡」シリーズを通じた世界観の設定にも及んだ。たとえば近藤氏自身がプロットを手がけたというコミック「英雄伝説 零の軌跡プレストーリー ―審判の指環」には,「閃の軌跡」のトヴァルが登場しているが,こうしたキャラ設定は必ずしもシリーズの構想段階から決まっていたものではなく,ストーリーの展開を考える過程で生まれるものも多いという。
また近藤氏は,もう一つの例として「閃の軌跡」を挙げる。このタイトルでは,「空の軌跡」の時点から軍事関連をテーマにすることが決まっていたが,実際の企画段階で,軍隊ではなく士官学校を舞台とすることになったとのことだ。さらに近藤氏は,シリーズの開発体制について,「目の前にあるタイトルに全力を注ぐのはもちろんですが,並行して次の次くらいまで考えています」と語っていた。
また映像では「閃の軌跡」では不明だった謎の力を,リィンが制御できるようになることが明かされたほか,アリサとミリアムの新たなSクラフトも紹介された。これらのSクラフトでは,翼が生えたり大気圏外から攻撃したりと,エフェクトのインフレが生じているが,近藤氏いわく「2作めでは,ビジュアル面の強化のためにこうなりがち」とのこと。
さらに近藤氏は「閃の軌跡II」について,ビジュアルやシステムを含めて,リィンのメンタル面の成長を描いているとまとめた。なお,士官学院の生徒達も「閃の軌跡」とは違った形で再登場し,ストーリー的にもシステム的にも重要な存在となるという。
「閃の軌跡」「閃の軌跡II」(帝国編)と「零の軌跡」「碧の軌跡」(クロスベル編)とのつながりについては,それぞれの流れの中で,七耀歴1204年に何が起きていたのかを時系列で示す資料が披露された。
近藤氏は,この資料を踏まえ「クロスベル編で事件があると,帝国でも1か月遅れくらいで事件がある」と指摘し,その理由を「幻焔計画が同時に進行している」からと説明。これからリリースされる「碧の軌跡 Evolution」と「閃の軌跡II」を続けて遊ぶことで,両者の密接な関係がより楽しめると話していた。
また「閃の軌跡II」では,「閃の軌跡」同様,ゲーム本編に入りきらなかったエピソードを,ドラマCD化してリリースするとのこと。近藤氏は,「トヴァルのことを覚えていると,いいことがあります」と話していた。
そのほか「閃の軌跡II」でエリゼが使う剣のデザインは,以前「ロード・トゥ・ドラゴン」とコラボレーションしたときのデザインをモチーフにしていることも明かされた。
気の早い話だが,話題は「閃の軌跡II」のエンディングにも及んだ。近藤氏によれば,これまでの「軌跡」シリーズにはなかったような内容で,「いろいろ物思いにふけるような終わり方」になるという。
トークライブの後半では,「碧の軌跡」を中心に,「軌跡」シリーズに関するさまざまな質問に対して近藤氏が回答した。
まずマニアックなところで,クロスベル編に登場するレインズ記者とR&Aリサーチ社との関係については,まだ明かせないとのこと。近藤氏は,「閃の軌跡II」にて明らかになるクロスベル編の設定や登場人物の背景もあるかもしれないとし,ぜひ注目してほしいと話していた。
また「零の軌跡」では,特定のキャラクター単体ではなく,「特務支援課が好き」というプレイヤーからの声が大きかったとのことで,「碧の軌跡」ではゼムリア大陸全体に関わるような大きなエピソードを描くことになったという。
クロスベルという地域は,共和国の影響を受けつつ,経済に勢いがあり,ダークな部分もある混沌としたところで,たとえば日本人がイメージする香港が原点にあるとのこと。そこから発展させて,今の形になったそうだ。
またリーシャと銀の関係については,プレイヤーは分かっているけれども,ゲーム内の登場人物達は二人の関係を知らないという表現に挑戦したと近藤氏は説明していた。
最後に近藤氏は,あらためて「碧の軌跡 Evolution」のリリースに言及。また「閃の軌跡II」は,最終調整とデバッグに入っており,先日,近藤氏自身も実際にプレイしてエンディングを確認したとのことだ。近藤氏は,両タイトルが深くリンクしているので,ぜひどちらもプレイしてほしいとして,トークライブをまとめた。
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