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これが本場アメリカの「MAD CATZ UNVEILED」。現地でのフォトレポートと「Divekick」開発者ミニインタビューを合わせてお届け
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印刷2013/12/07 00:00

イベント

これが本場アメリカの「MAD CATZ UNVEILED」。現地でのフォトレポートと「Divekick」開発者ミニインタビューを合わせてお届け

 東京ゲームショウ開催中の2013年9月20日,幕張メッセ付近の会場にて開催されたMad Catz主催による格闘ゲームイベント「MAD CATZ UNVEILED JAPAN」「スーパーストリートファイターIV AE ver.2012」(以下,スパIV AE)を用いた,ウメハラ選手 vs. Infiltration選手のエキシビションマッチなどが組まれ,大いに盛り上がったイベントの模様については,以前にも記事を掲載して紹介しているが,そもそもこの「MAD CATZ UNVEILED」は,Mad Catz本社のある北米こそが本場。というわけで,本稿では,Mad Catzのお膝元サンディエゴで開催された「MAD CATZ UNVEILED」の様子を,フォトレポートでお届けしていこう。

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 なお今回掲載するのは,2013年7月18日にアメリカ・サンディエゴで行われた「MAD CATZ UNVEILED Comic-Con」のもの。Mad Catzのお膝元・サンディエゴでの開催であり,また世界最大級の格闘ゲームトーナメントEvolution 2013の直後ということもあって,同社やのファン及び,プロゲーマーチーム・Team Mad Catzのファンが多く集まっていた。日本での「MAD CATZ UNVEILED JAPAN」とはちょっと雰囲気の異なる,北米でのイベントの雰囲気を感じてもらえれば幸いだ。

 また記事の後半には,イベント当日に会場に居合わせた「Divekick」――2013年8月20日より北米でのダウンロード販売が開始されている2ボタン式格闘ゲーム――の開発者である,IRON GALAXYのCEO,Dave Lang氏ミニインタビューを掲載している。ほぼジャンプとキックだけで楽しめる格闘ゲームが生まれた経緯を詳しく聞いてみたので,こちらも合わせて読んでみてほしい。

■関連記事:

「Divekick」公式サイト

Mad Catz公式サイト



「MAD CATZ UNVEILED Comic-Con」フォトレポート


 まず始めに,「MAD CATZ UNVEILED」の概要を改めて説明しておこう。本イベントは,アメリカに拠点を置くアーケードスティックメーカーであり,格闘ゲームのプロゲーマーを多数擁するMad Catzが,世界各地の大型ゲームイベントに合わせて開催しているものだ。今回筆者が参加した「MAD CATZ UNVEILED Comic-Con」はその名のとおりCOMIC-CONに合わせて行われたもの。ほかにもシアトルで行われているゲームファン達の祭典「PAX Prime」や,イギリス・ボストンで開催される「PAX East」の近傍でも開催されてきた経緯がある。

 今回紹介する「MAD CATZ UNVEILED Comic-Con」は,サンディエゴにあるザ・ルーベン H. フリート サイエンスセンターを借り切って行われた。会場はMad Catzのロゴでライトアップされており,外から一望するだけでは元が科学博物館とは思えないほどだ。もちろん会場内もこれでもかというほどに装飾されていて,エクスクルーシブ感満点である。

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開場前の会場内。科学博物館の名残(?)である実験グッズなどもちらほら
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 会場では,いたるところにPCゲームやコンシューマゲーム機が設定されていて,Mad Catz製デバイスを使って自由に遊べるようになっていた。フリープレイとなっていたゲームは格闘ゲームに限らず,「マイクロソフト フライト シミュレータ X」やレースゲーム「Forza Motorsport 4」などもあった。アーケードスティックでMad Catzを知った,という人はご存知ないかも知れないが、Mad CatzのいちブランドであるSaitekからは,種々のフライトシム用コントローラが,またMad Catzブランドとしてハンドルコントローラも発売されており,これらのデバイスで遊べるようになっているというわけだ。

会場にはEvolution 2013でのステージイベントのために特別に作ったという筐体型デバイスも持ち込まれていて,Xbox One向けに開発されている「Killer Instinct」を遊ぶことができた
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 またイベント内の催しとして,Divekickを用いたエキシビションマッチや,Evolution 2013のスパIV AE部門で優勝を果たしたXian選手と対戦できるというイベントも用意されていた。これらのエキシビションは,ザ・ルーベン H. フリート サイエンスセンターに併設されたIMAXシアターでゲームをプレイするというかなり贅沢なもので,実際に目の当たりにしたときは本当に驚いたものだ。

劇場内の写真なのでちょっと暗くて申し訳ないが,写真中央下に小さく写っているのがXian選手とその対戦相手であると言えば,その規模感が伝わるのではないだろうか
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 イベントにはアメリカのJustin Wong選手や台湾のGamerbee選手,フランスのKayane選手といったプロゲーマー達や,Divekickの制作者,Dave Lang氏なども参加しており,参加者の中にはここぞとばかりにプロゲーマー達に対戦を申し込む人がいたり,彼らから教えを請うといった一幕もあった。トーナメントシーンとはまた違った,和気藹々とした対戦風景がそこここで繰り広げられていたことが,強く印象に残っている。

筆者はKayane選手とスパIV AEで対戦して10連敗したり,鉄拳プレイヤーであるマークマンと2試合先取で戦ってなんとか勝利したり,GamerBee選手とマークマンの試合を眺めたり,Justin Wong選手と記念撮影したり,仕事を忘れて遊んでしまった
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 そんなわけで,本イベントを一言でまとめるなら,“ゲーマーのためのパーティー”という言葉がもっとも適当であるように思う。会場が広いこともあってか,参加者それぞれが好きな場所で,思い思いにゲームや会話を楽しんでおり,全体的な雰囲気はかなりゆるいものだった。また,「お互いにまったく知らないもの同士が近くにいたという理由だけで一緒にDivekickをプレイし始める」など,どの参加者も能動的に楽しみ方を見付けているようにも見えた。
 会場スペースの都合からか,プロゲーマー達のプレイを観戦することがメインとなっていた「MAD CATZ UNVEILED JAPAN」とは,かなり趣が異なるが,この辺りはまあ,アメリカが培ってきたパーティー文化の成せる業なのかもしれない。

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「Divekick」制作者Dave Lang氏ミニインタビュー


4Gamer:
 パーティーをお楽しみのところ,お時間をいただきありがとうございます。Steamでのダウンロード販売も開始された格闘ゲーム「Divekick」は,4Gamerでもなんどか紹介しているタイトルではありますが,改めてゲームの概要を聞かせてください。

IRON GALAXY CEO,Dave Lang氏
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Dave Lang氏(以下,Dave氏):
 Divekickは,DiveボタンとKickボタンの2つだけで遊べる格闘ゲームです。Diveはジャンプ,Kickは地上で押せば後方へのジャンプ,空中で押せばキックが出て,相手にキックを命中させれば勝利という,非常にシンプルなルールになっています。

4Gamer:
 とてもシンプルな操作ですが,一体どうしてこんなゲームを思い付いたんですか?

Dave氏:
 私は色々な格闘ゲームをプレイするのですが,ストIV AEやTHE KING OF FIGHTERSシリーズ,鉄拳シリーズで行われる駆け引きは,つまるところ“Spacing”――お互いの距離と,攻撃タイミングに集約されます。自分のキャラクターが安全なのか,それとも危険な状況なのかは,お互いの距離に応じて決まるわけです。

4Gamer:
 日本の格闘ゲーム用語でいうところの,いわゆる“差し合い“とか“立ち回り”の概念ですね。

Dave氏:
 ええ。既存のタイトルでは,そうした“立ち回り”の妙を楽しむためには,まずレバーとボタンを使った複雑な操作を覚えなくてはなりませんでした。それに,たくさん技があったとしても,そのすべてを使うわけでもないじゃないですか。だったら,もう少し新しい考え方で対戦格闘ゲームを作れるんじゃないか。安全域と危険域,この2つの領域を対戦の駆け引きの核に据えれば,2つのボタンでもそれを表現できるんじゃないかと考えたんです。

4Gamer:
 つまりDivekickは,立ち回りの駆け引きに特化したゲームだと。でも,どうしてジャンプとキックなんでしょうか。“差し合い”ということなら,例えば左右への移動と足払いという表現でも良かったのでは。

Dave氏:
 色々な表現を検討しましたが,最終的にはジャンプとキックに集約されていきました。まあ,Dive Panchiでも良かったんですけど(笑)。

Divekickは2013年12月7日現在,北米のPSNと,Steamで配信されている。日本からもSteam版ならば簡単に購入可能だ(ただし英語版)
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4Gamer:
 なるほど(笑)。最近の格闘ゲームって,まずトレーニングモードで一通りのコンボをできるようになってからがスタートラインというところが確かにありますよね。

Dave氏:
 私の周りのプレイヤーは,あまりトレーニングモードをやり込むということをしない人ばかりなんです(笑)。それに,20年前の格闘ゲームを思い浮かべてもらえると分かりますが,その頃はコンボという概念すら広まってなかった。それでも楽しかったですよね。ということは格闘ゲームの本質的な面白さって,移動と攻撃の二つに集約されるわけです。その戦術を突き詰めていくほうが,面白いと思ったんです。

4Gamer:
 つまり,プレイのハードルを下げたかった?

Dave氏:
 そうですね。私の娘がたまにストIVをプレイするんですが……まあ,6歳なのでレバガチャでね。でも,「何をどうしたからどうなった」が分からないようで,あんまり楽しくないみたいなんですよ。でもDivekickなら,操作が直感的なので彼女も楽しめる。これは一つの例ですが,初心者でもすぐに楽しめることは確かです。

4Gamer:
 初心者でも楽しめる,というはすごくよく分かるんです。でも,例えばEvolutionの会場などでも,Divekickは大人気ですよね。つまりビギナーだけでなく,コアな格闘ゲーマーも楽しめている。その理由は,どこにあるんでしょうか。

Dave氏:
 Divekickは操作とルールこそシンプルですが,実はキャラクターごとに,細かな性能差があります。コアプレイヤーにとっては,そういったゲームの深い部分に着目して,自分なりの戦い方を探す楽しみがあります。

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キャラクターは全部で13人。ユンの雷撃蹴のような,スタンダードな急降下キックを持つキャラクターから,Dr.ドゥームのジャンプH――通称“フッダイ”っぽいものを持つ者もいたりと,ジャンプやキックの特徴はそれぞれ異なっている
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4Gamer:
 なるほど。ちなみに,本作にはどれぐらいの競技性があるんでしょうか。つまりプレイヤーの実力と運の要素のバランスという意味なんですが。

Dave氏:
 一般的な対戦格闘ゲームだと,必殺技のコマンドをミスしたり,コンボを失敗したりといったことが発生しますが,Divekickにはそういう要素がありません。つまり,お互いに失敗しようがない状態での対戦になるのです。そういう意味では,運の要素は限りなく小さいですね。割合で言えば,プレイヤーのスキルが90%で,運は10%程度だと思います。

4Gamer:
 ああ,そうか。必殺技やコンボのような,逆転を演出するようなシステムがないと言うことは……。

Dave氏:
 私は「タツノコ VS. CAPCOM」「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」PS3 / Xbox 360)の上級者とDivekickで遊んだことがありますが,まったく勝てませんでした(笑)。

4Gamer:
 競技性は限りなく高いと。なるほど,操作方法がシンプルになることで,逆にそこは難しくなるんですね。あと,これはぜひ聞いてみたかったのですが,本作にはMad Catzのコミュニティマネージャー,マークマン氏がキャラクターとして登場していますよね。あれは一体・・・どうしてなんですか?

ゲストキャラクターとして,Mad CatzのCommunity & Sponsorship ManagerであるMark Julio(マーク・フリオ)氏ことマークマンが参戦。カラーバリエーションもTeam Mad Catzの面々に似せてあるという懲りようだ
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Dave氏:
 マークマンはAwesome(すごいん)だよ! アメリカの格闘ゲーム界を盛り立ててきてくれた彼は,私にとって永遠のヒーローなんです(笑)。

4Gamer:
 そ,そうだったんですね(笑)。では,これはぜひお願いしたいのですが,Divekickの日本語版が出るときには,日本のプロゲーマーを登場させてもらえないでしょうか。ウメハラ選手やときど選手,マゴ選手とか。

Dave氏:
 ああ,それはグッドアイデアだね! 日本語版に関しては,現在パブリッシャを探しているところなので,スタッフと話し合ってみます(笑)。

4Gamer:
 では最後に,日本の格闘ゲーマー達に向けて,何かメッセージをいただけますか。

Dave氏:
 Divekickは,ジャンプとキックだけのゲームですが,その分普段は格闘ゲームを遊ばない人でも楽しみやすいタイトルです。もちろん,20年前から格闘ゲームを遊んでいるという人も,とにかくみんなが楽しく遊べる格闘ゲームを目指したので,ぜひ日本のゲーマーにも遊んでもらえたら嬉しいですね。

4Gamer:
 DivekickがEvolution 2014の種目に選ばれることを期待しています。本日はありがとうございました。

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