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AVerMediaのPCIe接続型キャプチャカード「C988」レビュー。妥協なく録画・配信したい人向けながら,初心者でもちょっと気合いを入れれば十分に使える
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印刷2017/05/22 00:00

レビュー

妥協なく録画・配信したい人向けながら,初心者でも十分扱えるキャプチャカード

AVerMedia C988(Live Gamer HD 2)

Text by 林 佑樹


C988(Live Gamer HD 2)
メーカー:AVerMedia Technologies
問い合わせ先:アバーメディアサポートセンター AVT.Japan@avermedia.com
実勢価格:2万5800円前後(※2017年5月22日現在)
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 ゲーム機標準の録画・配信機能だと,すべてのシーンをキャプチャできないということで,HDMI入力に対応したゲーマー向けビデオキャプチャデバイスは,依然として一定の人気を保ち続けている。全体としては,そのお手軽さもあって,ハードウェアエンコーダを搭載する,USB接続の外付け型が人気ながら,より高画質を狙えるソフトウェアエンコード仕様の,PCに内蔵する拡張カード型にもファンは少なくない。今回取りあげるAVerMedia Technologies(以下,AVerMedia)製品「C988」(Live Gamer HD 2)も,そんな拡張カード型製品の1つだ。

 海外市場だと「Live Gamer HD 2 GC570」という,異なる型番で呼ばれるC988は,ドライバソフトのインストールが不要で,主要な録画配信用アプリケーションの多くに対応し,1080p/60fpsでの録画配信が可能で,デスクトップ上でのプレビューは最短0.06秒というスペックを誇っているが,果たしてその実力やいかに。テスト結果をお届けしたい。


外観はとてもシンプルなC988


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 C988は,1スロット仕様のPCI Express x1カードで,基板長は実測約138mm(※突起部除く)。基板の部品面は無数の三角形スリットを備えるカバーで覆ってある。おそらくは,PCに差すとき基板をうっかり何かに当てて破損させてしまうというイベントの回避率を向上させるためのものだろう。もっとはっきり言うと,PC自作経験のあまりないユーザーに向けた配慮だと思われる。

カードのカバーや基板上の刻印は海外製品名仕様で,C988とは書かれていない。基板背面側の突起は最小限なので,取り付け時に突起で怪我をするような心配もまず無用だ
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BTOで購入できるゲームPCの,内部レイアウトの例。左のようなケーブル配線だと問題ないが,右のようにケーブルが拡張スロットを覆うようなケースでは,留めている結束バンドを切って,ケーブルを避けるような対策が必要になるかもしれないので,自作PC経験のあまりない人は注意したい
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 製品ボックスに付属するのは,本体のほか,「クイックガイド」とHDMI Type Aケーブル,3極3.5mmアナログサウンドケーブルのみ。冒頭でも触れたとおり,C988はドライバソフトのインストールが不要なので,ドライバソフトウェアの入った光学メディアのようなものは付属していない。

C988と付属品一式
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I/Oブラケットには各端子の説明刻印もあるのだが,PCケースの仕様によっては,差したとき,これらが見えなくなる可能性がある
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 C988側の外部インタフェースはHDMI入力と出力がType A端子で各1,アナログサウンドの入力と出力が3.5mmミニピン端子で各1。HDMIとアナログサウンドの出力は,入力したものをそのままパススルーで出力できるため,入力に伴う遅延は限りなくゼロに近いとされている。ざっくり言えば,PCにC988を取り付けたうえで,いま使っているゲーム機のHDMIケーブルをC988のHDMI入力へ差し,代わりにC988付属のHDMIケーブルでC988とディスプレイデバイスをつなげば,ハードウェアレベルでのセットアップは完了だ。
 なお,PCケースのデザインによっては,2つずつ並んだHDMIとアナログサウンドの各端子で入力と出力がどちらなのか判別しにくくなることがあるので,事前にスマートフォンなどでインタフェース部の写真を撮っておくことを勧めたい。

 評価のため,特別にカバーを外してみると,発光部が妙に目立つデザインなのが分かる。アクリルパーツの下にはLEDユニットが5個あり,これが通電状況を知らせるインジケータとして機能するようだ。

カバー,そしてアクリルパーツを取り外してみたところ
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 冒頭でも述べたとおり,C988はソフトウェアエンコードタイプのキャプチャカードなので,基板上にエンコード用のプロセッサは持たない。一部,正体不明のものもあるが,載っているのは基本的にインタフェース関連のLSIばかりだ。

ITE Tech製のHDMI 1.4およびMHL 2.1対応レシーバ「IT6801FN」にHDMI 1.4対応トランスミッタ「IT66121FN」,Etron Technology製のPCI Express接続型USB 3.0ホストコントローラ「EJ168A」,Cortex-M0ベースのNuvoton Technology製マイクロコントローラ「NUC100RE3DN」,Winbond製の64Mbitフラッシュメモリ「25Q64FV」,Cirrus Logic製と思しきサウンドコントローラ「42L73C」,Texas Instruments製のライン入力ゲインドライバ「DRV602」といったところが,主な搭載部品だ
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 推奨のPCスペックは以下のとおり。最近のゲーマー向けPCであればまずもってクリアしていると言い切れるレベルではあるが,1080p/60fpsでの録画を前提にした場合は,より高いスペックがあったほうがいいようだ。この点は後述したい。

●C988の推奨スペック
  • CPU:Core i7-3770(4コア8スレッド対応,定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,L3キャッシュ容量8MB)以上
  • GPU:GeForce GTX 650もしくはRadeon R7 250X以上
  • メインメモリ容量:8GB以上


お馴染みの録画配信アプリケーション「RECentral 3」を利用可能


 C988は,ゲーム配信用の定番である「Open Broadcaster Software」や「XSplit Broadcaster」「XSplit Gamecaster」,あるいは国内でユーザーの多い「Niconico Live Encoder」といったサードパーティ製アプリケーションに広く対応する。しかもドライバソフトいらずであるがゆえ,相性問題も出にくいため,いろいろ試してみるのにも向いているが,よく分からないという初心者に対しては,AVerMediaが純正のアプリケーション「RECentral 3」も用意している。
 RECentral 3は,最近のAVerMedia製ゲーマー向けキャプチャデバイスに広く対応するツールで,「AVT-C878」のレビューで使ったときと比べても,大きな違いはない。

 とはいえ,本稿で初めてRECentral 3を目にする人もいるはずなので,今回はPlayStation 4(以下,PS4)を接続する前提で,機能面をざっと説明しておこう。なお,すでにRECentral 3を使っている場合は,録画設定のところだけチェックのうえ,次に進んでもらっても大丈夫だ。

PS4の「システム」から「HDCPを有効にする」のチェックを外す
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 というわけで説明だが,C988の利用にあたっては,PS4側で「HDCPを有効にする」のチェックを外すというのが大前提となる。ここにチェックが入ったままだとRECentral 3のプレビューエリアは青い画面が表示されたままとなってしまうので,十分に注意したい。

 続いてRECentral 3だ。AVerMediaからダウンロードしてインストールし,起動すると,下のような画面で立ち上がる。PS4側でゲームを起動していれば,この時点でプレビュー表示も行えるはずだ。

RECentral 3。ゲームのプレビュー表示を行っている状態である
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 ウインドウの左上には円とフォルダ,歯車のアイコンが見えるが,これは順に「録画/ライブ配信」「ファイル管理/シェア」「設定」の3メニューで,RECentral 3では,ここを切り換えながら操作を行うことになる。

ウインドウ左ペイン,「PC音声」とあるところの下にあるタブが,録画(左)と配信(右)を切り換えるためのものだ
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 「録画/ライブ配信」では,まず「映像設定」「デバイス音声」「録音設定」「録音品質」を設定のうえ,録画するのか配信するのかを選び,そのうえで右下のボタンを押す,という流れで録画もしくは配信を実行できる。
 こう書くと難しく感じるかもしれないが,実際はRECentral 3の初回起動時点でひととおりの設定が行われているため,いきなり右下のボタンを押してしまっても構わない(※その場合は録画が始まる)。

 なお,設定項目の大半には詳細設定が用意されており,RECentral 3側の基本設定を使わずに,ユーザー側で細かくカスタマイズすることができる。上から順に見ていくと,「映像設定」では「色範囲」や「色調整」の変更が行える。PC用ディスプレイを使っている場合や,最近の液晶テレビを使っている場合は,「色範囲」を「拡張」にしておこう。「色調整」はそのままで構わない。

「映像設定」の詳細設定
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「デバイス音声」のプルダウンメニュー
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 次に「デバイス音声」。これはビデオキャプチャにあたり,サウンドをHDMIから取るのかアナログから取るのかを選べる。PS4のゲームサウンドを録画したいなら,「デジタルオーディオインターフェイス(AVerMedia Live Gamer HD 2)」のほうを選択しておく。別途音声を入力したいときには「ライン(AVerMedia Live Gamer HD 2)」を選べばいい。

 「録音設定」の「マイク/他のサウンドデバイス」はPCにマイクなどを接続しているときに変更可能となる項目で,マイクを接続している場合は,マイクの選択用プルダウンメニューと,マイク入力の音量調整スライダーを設定できるようになる。
 「PC音声」は音楽プレイヤーや起動中のPCゲームなどの音声を取得するというもので,いずれも実況向けの機能だ。

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 録画用のタブを選んだ前提で話を続けると,「録画品質」は文字どおり,録画する映像の品質を決めるための項目だ。プリセットは「最高」「良い」「標準」で,テストしての結論から先に言うと,お勧めは「最高」。「良い」「標準」は,「最高」だとどうしても負荷が高すぎるとか,そういうときに考慮すればいい。ちなみにビットレートなどの設定は以下のとおりだ。

  • 最高:1920×1080p,59.94fps,映像ビットレート30Mbps,音声ビットレート256kbps
  • 良い:1280×720p,30fps,映像ビットレート12Mbps,音声ビットレート128kbps
  • 標準:848×480p,30fps,映像ビットレート4Mbps,音声ビットレート128kbps

 ほとんどのユーザーにとっては以上の説明で十分だと思うが,よりこだわりたい場合には,「カスタム」プリセットを選ぶことで,各種設定を細かく選択できるようになる。

解像度は576×360p〜1920×1080pの範囲を17段階(※映像ソースによっては1920×1080pを選択できない場合がある)
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映像ビットレートは0.3〜60Mbpsの範囲を40段階(※解像度によって選択できないビットレートがある)
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フレームレートは15〜60fpsの範囲を9段階
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音声ビットレートは32〜256kbpsの範囲を6段階
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H.264設定は「BASELINE」「MAIN」「HIGH」の3段階
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キーフレームは1〜5秒の範囲を5段階

 以上の選択項目は配信用の設定も含むため,録画品質を思いきり下げるということは可能だ。ただ,プリセットの存在も踏まえるに,ここでの選択項目は,「最高」より高画質化するためのものと言っていいだろう。
 カスタム設定にあたってのヒントを挙げておくと,設定すべきは解像度と映像ビットレート,フレームレート,音声ビットレートで,いずれも最大値を選んでおけばいい。H.264設定とキーフレームは,変更しなくてもまず問題にならないだろう。

「コーデック」のプルダウンメニュー
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 「コーデック」は,ゲームPC側のGPUでエンコードするのか,CPU統合型の専用プロセッサに任せるのか,CPUでソフトウェアエンコードするのかを選択できる。NVENC採用のGeForceを搭載する環境であれば標準で「デフォルト-NVIDIA」,VCE採用のRadeonを搭載する環境であれば標準で「デフォルト-AMD」が選択された状態になるが,これをたとえば「H.264」に変更するとソフトウェアエンコードになる。
 ものすごく簡単に説明すると,「デフォルト-NVIDIA」「デフォルト-AMD」を選ぶと,CPUに負荷をほとんどかけることなく,相応にキレイなハードウェアエンコードを利用できる。逆に「H.264」を選択するとCPUを“ぶん回す”ソフトウェアエンコードになり,スペックの要求値は高くなるものの,よりキレイな映像を得られるようになるという違いがある。

 続いてはタブを配信のほうに切り換えてみる。すると,「録画品質」以下が配信用となり,さらに右下のボタン名が「STREAM」に変わる。
 録画時と異なるのは,いきなり[STREAM]ボタンを押しても配信することはできない点で,ユーザーは先にどのプラットフォームで映像配信するかを選ぶ必要がある。

配信タブを選択した状態のRECentral 3
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 選択肢はTwitchとUstream,YouTube Live,ニコニコ生放送,Hitbox,Facebook,LIVEhouse.inの7つ。独自サーバーでの配信用としてRTMP(※プルダウンメニュー上では「Custom RTMP」)も選択は可能だが,日本のゲーマーが配信に使うのはTwitchとYouTube Live,Facebook,あとはニコニコ生放送といったところなので,そのあたりを選んでおけばいいだろう。

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 1つ選んで[次へ]ボタンを押すと,「配信プロファイルを編集します」ウインドウが開くので,そこにアカウント情報を登録し,さらに配信の名称や説明文,ジャンル――多くの場合は「ゲーム」を選ぶことになるはず――に,公開/非公開の設定といったところを指定する。

「配信プロファイルを編集します」ウインドウ
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「映像設定」のメニューで選択できる内容は基本的に録画タブと同じだが,実際に適用される設定や,設定できる範囲は,配信先のサービスによって異なる
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 「配信プロファイルを編集します」ウインドウには,録画時と同じメニューを使った「映像設定」指定がある。「映像設定」ではやはり「最高」「良い」「標準」の3プリセットと,録画時と同じ選択肢から自由に選択できる「カスタム」があるのだが,プリセットの内容は,選択した配信先に応じて変わるので,この点は注意したい。たとえば同じ「最高」プリセットでも,

  • Twitch:1920×1080p,フレームレート60fps,映像ビットレート3.5Mbps,音声ビットレート128kbps
  • YouTube Live:1920×1080p,フレームレート60fps,映像ビットレート4.5Mbps,音声ビットレート128kbps
  • ニコニコ生放送:640×360p,フレームレート30fps,映像ビットレート可変,音声ビットレート64kbps
  • Facebook:1280×720p,フレームレート30fps,映像ビットレート3.5Mbps,音声ビットレート128kbps

といった具合だ。基本的には3つのプリセットから,実際の配信状況を見ながらベターなものを選ぶといった感じでいいと思うが,詳細に設定を詰めたい場合は,AVerMediaが配布しているユーザーマニュアル(※リンクをクリックするとpdfファイルのダウンロードが始まります)が詳しいので,そちらを見てみることを勧めたい。

「詳細設定」では,ストリームの最適化や埋め込み,DVRへの対応が選べる
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 「詳細設定」は配信ならではの設定で,「ストリームの最適化」では,低遅延を重視するか,バッファリングが生じる回数を減らして滑らかに見てもらうことを重視するかなどといった,細かな指定が可能だ。

 以上,重要なポイントをかいつまんで紹介してみた。録画するだけなら,録画品質を決定して,後は録画ボタンを押せばいいというのが分かってもらえると思う。
 ただ,RECentral 3の機能はこれだけに留まらない。たとえば,標準で「ダッシュボード」が選択されているタブを「シーン」に切り換えると,録画画面のカスタマイズを行える。Webカメラや別の動画,Webページ,テキストを子画面に表示したり,Webカメラの映像をメインに据えたり,あるいはC988は2枚以上の同時利用に対応しているため,複数枚差したシステムでは,2つ以上の映像を同時に入力して,親画面と子画面で録画あるいは配信することもできるようになっている。また,配信中に何らかの事情で離席するときには専用画面に切り換えるといったことも標準で利用可能だ。

「シーン」のタブを選択したところ(左)と,シーンとして追加できる要素一覧(右)。「映像ソースの追加」は,2枚以上のC988を搭載したときにのみ選択可能だ
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例として「ウェブページを追加」を選択し,子画面で4Gamerのトップページを開いてみたところ(左)。マウスで子画面のサイズや場所を変更したり,複数の子画面を追加したときは表示順を変更したりできる。また,サイズや位置は数値で指定することも可能だ(右)
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「テキストを追加」しようとしている例。配置とフォント,フォントサイズ,エフェクトの変更などを行える
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これはいろいろと1画面に表示してみたもの。基本的な操作に慣れてたら試してみると面白いだろう
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 また,「シーン」をオンにしている状態では,「ライブ編集機能」の有効/無効も選べる。
 ライブ編集機能とは,録画しっぱなしの状態にして,後から必要な部分だけ切り抜けるというもの。別途,編集ソフトを持っているなら不要だが,特定のシーンだけ録画として残したい場合に使用してみるといいだろう。「ライブ編集機能」という言葉のイメージとはちょっと違うので分かりづらいが,感覚的には,PS4のシェア機能にある動画トリミング機能のようなものだと考えるのが分かりやすい。
 なお,ライブ編集機能を利用できる時間は,ストレージの空き容量に依存する。

「ファイル管理/シェア」。選択したファイルの管理を行える
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 メインメニューの残る2項目も簡単にチェックしておこう。
 「ファイル管理/シェア」は,保存先として指定したフォルダを参照し,再生やシェア,リネームを行うためのものだ。無理に使う必要はない。

 「設定」には,録画データの保存先を指定できる項目があるので,ある意味,とても重要な項目と言えるかもしれない。あるいは,マイク入力の音量テストや,キーボードショートカットの設定といったあたりも,相応に「使える」と思う。

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「一般」では表示言語と保存先,ビデオレンダラー(Video Renderer)を設定できる。後者は「EVR」のままで問題ないので,保存先だけ決めておこう
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「マイク」では,入力音量の調整とテストのほか,マイク音声だけMP3で保存する設定の選択も行える
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「ショートカットキー」では,「録画/配信の開始/停止」「マイク録音の開始/停止」「スナップショットの撮影」「ライブ編集でタイムマークを追加」用のキーボードショートカットの設定可能
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「共有」ではSNSアカウントとの関連付けが行える。対応しているのはFacebookとTwitter,YouTubeだ
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「設定プロファイル」では,作成したプロファイルのエクスポートとインポートを行える。「配信プロファイル」は,配信内容ごとにサービスを使い分ける場合,お世話になるだろう
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「RECentralについて」ではRECentral 3の最新版があるかどうかを確認したり,Q&Aページにジャンプしたりできる。バージョンアップの自動チェック機能が欲しいところだ

 C988(※選択肢上は「Live Game HD 2」)の設定だと,本体側LEDの明るさを設定したり,HDCP検出機能の有効/無効を指定したりできる。後者はiOSデバイス用の設定項目であり,iPhoneやiPadを接続するときには無効にする必要があるので注意したい。ゲーム機やゲームPCの映像をキャプチャするだけなら,標準の有効のままで問題ない。

C988側の設定は,LEDの明るさとHDCP信号の検出,ファームウェアの更新チェックとシンプルだ
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PS4 Pro ENHANCED対応タイトルやPCゲームのキャプチャに耐えるC988


 実際の録画データを見ていこう。今回はユニットコムの協力を得て,のとおり,RyzenおよびCore i7搭載のゲームPCを計2台用意することができた。

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 「LEVEL-R0X3-R8X-VNR」と「LEVEL-R027-i7-VNR」はいずれも「GeForce GTX 1080」搭載のミドルタワーPCで,落ち着いた外観を持つ「R-Class」に属する製品だ。いずれも十分な拡張性が特徴なので,長く使っていけるだろう。
 今回はRyzen 7 1800X搭載のLEVEL-R0X3-R8X-VNRをメインで使い,必要に応じてLEVEL-R027-i7-VNRも用いる。

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LEVEL-R0X3-R8X-VNR
メーカー&問い合わせ先:iiyama PC(ユニットコム)
BTO標準構成価格:22万6778円(税込,送料別)
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LEVEL-R027-i7-VNR
メーカー&問い合わせ先:iiyama PC(ユニットコム)
BTO標準構成価格:20万5178円(税込,送料別)

PS4 Proならではのグラフィックを楽しめるHorizon Zero Dawn。やたらと気合いの入ったスクリーンショット機能も楽しい
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 テストにあたって,ゲームハードはPS4 Pro,ゲームタイトルは「Horizon Zero Dawn」をピックアップ。ゲーム側のグラフィックス設定は「画質優先」とし,さらに「PS4 Pro ENHANCED」を使用した。そのため,いったん4K近い解像度で描画したものをフルHDにリサイズした映像をキャプチャすることになる。また,ゲーム中は何かと動くもの,細かいものが多いため,その点でもエンコード性能のチェックに最適と判断した次第だ。
 ただ,オープンワールドを採用するHorizon Zero Dawnの場合,まったく同じ状況を再現するのは難しい。今回はゲームデータを読み出して,なるべく同じルートを移動して,その模様を比較することになるので,その点はあらかじめお断りしておきたい。

 まずは,Ryzen 7 1800X搭載環境のみを使い,RECentral 3側からプリセットを変えて,ムービーを4本撮ってみたので,以下のとおりお伝えしたい。ここでの「カスタム」は,プリセットの1つとして扱い,設定できる最高設定,具体的には1920×1080p,フレームレート60fps,映像ビットレート60Mbps,音声ビットレート256kbpsを選択した。また,ムービーは前半がコーデック「デフォルト-NVIDIA」,後半が「H.264」を選択している。
 ちなみに前段で,「最高」がお勧めであって,それ以上を狙うときに「カスタム」が有用という話をしたが,その根拠がこれらのムービーである。

※ここで示した画質比較ムービーはいずれも参考のためのものです。未編集のムービーは4Gamerにアップしておいたので,興味のある人はダウンロードのうえ,手元のプレーヤーで再生してみてください。
未編集ムービーをダウンロード(rar自己解凍方式,611MB)

 ハードウェアエンコードとソフトウェアエンコードによる画質の違いの話もざっくりしておくと,ぱっと見だと大きな違いはないながらも,GPUにエンコードを任せたほうでは,ドット単位で見たときにトーンジャンプらしきものを確認できる。また動体の多いシーンではH.264ベースのソフトウェアエンコードと比べて精細感が弱くなるといった違いがある。このあたりは「最高」設定でぼんやり見比べると分かりやすいだろう。
 「カスタム」まで設定を上げると,違いはそれほど目立たなくなるので,ハードウェアエンコード時はそちらを積極的に使うというのはもちろんアリだ。ただし,今後のゲームグラフィックスにおける進化を考えれば,ソフトウェアエンコードに耐えるPC環境のほうが,なにかとストレスが少ないゲームライフを送れるはずである。

 なお,今回はデータの保存先としてHDDを選択しているが,書き込み性能は最もキレイになる選択肢であってもまったく問題ないレベルなので,少なくともPC内蔵ストレージであれば,その性能が録画の妨げになることを恐れる必要はなさそうだ。

 続いて下のムービーは,Ryzen 7 1800XとCore i7-7700を採用する2台のゲームPCで,「カスタム」から最も高い描画設定を選択のうえ,「コーデック」でH.264を選んだときのCPU負荷率推移を追ったものだ。Ryzen 7 1800Xの場合は25〜30%程度に収まる一方,Core i7-7700ではざっくり35%平均で,時折40%超を示すこともあった。この結果からすると,8コア16スレッドのRyzen 7を搭載する環境なら,H.264でまったく問題ないが,Core i7-7700クラスの場合は,GPUにエンコードを頼ったほうがよさそうな気配が感じられる。


 スクリーンショットの切り出しは可能だが,それにあたっての設定項目はなく,すべてJPEG形式で保存される。画質の設定もできないが,十分にキレイであり,カスタム設定で最も高い値に上げて,それを切り出したようなデータが得られるとは言える。ひとまず鑑賞できるレベルにはある,といった感じだ。
 掲載したスクリーンショットを見てもらうと分かるが,従来のAverMedia製キャプチャデバイスで広く発生していた症状「画面端の黒いバー」がなく,改善が見られた点は,特筆すべきだろう。ちなみにこれはスクリーンショットだけでなく,録画時でもだ。大変めでたい。

PNGでの記録もさせてほしかったというのも正直なところだが,十分にキレイな画質が得られている
画像集 No.058のサムネイル画像 / AVerMediaのPCIe接続型キャプチャカード「C988」レビュー。妥協なく録画・配信したい人向けながら,初心者でもちょっと気合いを入れれば十分に使える


「プレビュー表示,最短0.06秒の遅延」にゲーマーは何を期待できるか


 本稿の冒頭でも触れたとおり,C988を差した環境では,プレビュー映像を「最短」0.06秒の遅延で得られるとされている。「最短」と断り書きがあるのは,使用状況によって変動があるためだ。
 この点についてAVerMediaに確認してみたところ,「遅延の変動に関係しているのは,『AVerMedia LGHD Stream Engine』という,RECental 3のインストール時,同時にインストールされるプラグインである。本プラグインは映像表示能力を引き上げるものだが,これが原因で表示遅延は0.06秒より大きくなるケースがある。AVerMedia LGHD Stream EngineだけをRECentral 3から無効化することはできないが,サードパーティ製アプリケーションでは使わない選択も可能なので,最短遅延0.06秒でプレビューをチェックすることが可能」という旨の回答が得られた。

 今回はRECental 3を前提にしているため,0.06秒より大きな遅延が発生する可能性を踏まえたテストになっているが,0.06秒は約3.8フレームで,これだけでも,「プレビューを見ながらプレイできるゲームジャンル」はかなり絞られると言える。


 筆者がテストした限り,オープンワールドのゲームだとそれほどストレスを感じなかったが,FPSやRTSだとかなり苦しいといったところだ。また興味深かったのは,ターン制SLGで,遅延があまり関係なさそうな「スーパーロボット大戦V」で,「インターミッションや,マップ上でのカーソル移動において,遅延を露骨に体感できた」こと。もちろん,プレイ自体に問題はないのだが,遅延を露骨に体感できる分,ストレスが徐々に蓄積しがちで,個人的には「無理」と判断した次第である。
 以上を踏まえるに,最短0.06秒という遅延データを論拠に,「プレビュー画面を見ながらゲームできるかも!」と期待しているなら,かなり厳しいのではないかと思う。素直にパススルーで,本来のゲームプレイ用画面を見たほうがいいだろう。



「プレビューを見ながらプレイ」に過度の期待は禁物ながら,とにかく安定して録画できるのは大きな魅力


画像集 No.059のサムネイル画像 / AVerMediaのPCIe接続型キャプチャカード「C988」レビュー。妥協なく録画・配信したい人向けながら,初心者でもちょっと気合いを入れれば十分に使える
 今回はRECentral 3を使って,どちらかといえば初めてAVerMedia製品を使う人向けの評価を行ったが,ドライバレスで動作し,OBSをはじめとするさまざまなサードパーティ製配信ソフトに対応,さらに複数枚の同時利用に公式対応というあたり,C988は相当に懐の深い製品と言っていいのではなかろうか。ウリ文句の1つでもあるプレビュー最短0.06秒の遅延こそ過度の期待は禁物ながら,これはパススルーを使えば問題にならない。また,黒いバーのなくなった画質も含め,完成度は非常に高い。

画像集 No.060のサムネイル画像 / AVerMediaのPCIe接続型キャプチャカード「C988」レビュー。妥協なく録画・配信したい人向けながら,初心者でもちょっと気合いを入れれば十分に使える
 GPU側のエンジンを用いたハードウェアエンコードで気軽にキャプチャを楽しむにあたっては,運用のハードルが非常に低く,検討しやすい。また,ソフトウェアエンコードによる画質の向上も明らかにあるので,システムを用意できるならこちらもアリだ。
 使っているキャプチャデバイスの性能に不満がある人も,これから配信を始めようという人にとっても,C988は真剣に検討する価値のある製品と言える。

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