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[JAEPO2013]「LORD of VERMILION III」スペシャルプレゼンテーションをレポート。一新されたゲームシステムの詳細が明らかに
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印刷2013/02/16 17:02

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[JAEPO2013]「LORD of VERMILION III」スペシャルプレゼンテーションをレポート。一新されたゲームシステムの詳細が明らかに

画像集#001のサムネイル/[JAEPO2013]「LORD of VERMILION III」スペシャルプレゼンテーションをレポート。一新されたゲームシステムの詳細が明らかに
「LORD of VERMILION III」のみが出展されたスクウェア・エニックスブース。プレゼンテーションが行なわれるスクリーンと,8台の試遊台が設置されていた
 開催中の「ジャパンアミューズメントエキスポ2013」で,スクウェア・エニックスのトレーディングカードゲーム「LORD of VERMILION III」が初披露された。

 人気シリーズの最新作だけに,ブースには開場と同時に多くの来場者が詰めかけ,またたく間に試遊の整理券がなくなってしまう状況だった。

 本稿では,本作の開発スタッフが実機映像を交えてゲームの詳細説明を行った「『LORD of VERMILION III』スペシャルプレゼンテーション」の内容を基に,大きく変化した本作の遊び方を紹介しよう。


開発スタッフが一新されたシステムを解説したプレゼンテーション


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シリーズのプロデューサーを担当する柴 貴正氏
 プレゼンテーションではまず「LORD of VERMILION」シリーズのプロデューサーを務める柴 貴正氏が登場し,シリーズの歴史をかいつまんで説明した。
 初代「LORD of VERMILION」は「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった人気シリーズの流れを汲まない,アーケード向けの新作タイトルとして2007年にリリースされたが,タイトルを重ねるごとに着々とプレイヤー数を増やし,現在ではシリーズ累計のカード数が約1000種類,累計カード出荷枚数が約1億枚にまで到達しているという。
 また,シリーズをとおして,すでに幾度かの全国大会や,多数の地方イベントが行われていることも紹介された。

 柴氏に続いてディレクターの浅尾祥正氏,メインゲームデザイナーの横山賢介氏が登場し,具体的なゲームシステムの解説を行った。

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ディレクターの浅尾祥正氏(左)とメインゲームデザイナーの横山賢介氏

 従来作とのもっとも大きな違いは,操作方法だ。前作まではレバー+ボタンで行なわれたユニットの操作は,27インチの静電容量式タッチスクリーンに集約された。移動や攻撃は,ユニットを直接タッチするため,より直感的になったという。また,タッチスクリーンの手前には,カードを配置する「プレイスクリーン」が用意される。基本的には,タッチスクリーンで指示を出し,プレイスクリーンで戦闘ユニットである「使い魔」の特殊なアクションを行う,という操作になるようだ。

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 ゲームシステムにおける最大の変更点は,従来の1対1のバトルから,最大8人のプレイヤーによるマルチプレイとなったところだろう。
 2チームに分かれたプレイヤー同士がフィールド上に入り乱れて戦うこととなるのだが,チームの勝敗以上にプレイヤーの順位を競う仕組みとなっていて,浅尾氏は「あくまでも1位を狙う“個”の戦いです」と強調していた。

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 使い魔を操作し,3つある相手側の「アルカナストーン」を攻撃して破壊すれば勝利となるルールは,従来と同じ。ただし,マルチプレイとなったことで,これまで以上の乱戦となることは必至で,プレイヤーの状況に合わせた対応力が試されることとなりそうだ。その分,奥深さも増しているとも言えるだろう。

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 次に,横山氏がプレイスクリーンによる操作を解説した。横山氏は本作の操作を対戦格闘ゲームに例え「タッチモニターはパンチやキック,移動といった基本動作。プレイスクリーンの操作はコマンドで繰り出す必殺技と思うと分かりやすい」と説明。その具体例が,プレイスクリーンに並べたカードを動かして繰り出す「スマッシュアタック」だ。スマッシュアタックは,ユニットに設定されているジョブによって効果が異なり,アタッカーは一気に敵との距離を縮める「ダッシュアタック」,ディフェンダーは相手の移動速度を一定時間低下させる「スロウアタック」,マジシャンは範囲攻撃「スプレッドショット」となっている。

 また,プレイスクリーンは上部がオフェンシブゾーン,下部がディフェンシブゾーンと区分けされていて,同じ使い魔でも,カードを置く位置によって攻撃重視,または防御重視のスタイルに変えられるようになっている。
 こういったプレイスクリーンの操作を使いこなすことが,ワンランク上の戦いができるようになる重要な要素だと説明された。

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アタッカーのカードを前後に動かすことで繰り出す「ダッシュアタック」

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ディフェンダーのカードを傾けることで繰り出す「スロウアタック」

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円を描くようにマジシャンのカードを動かすことで繰り出す「スプレッドショット」。その場で円を描き続けることで,攻撃範囲はより拡大する

 稼動時には150種類が用意されるという使い魔カードは,「人獣」「神族」「魔種」「海種」「不死」の5種族に分類される。カードには攻撃力や防御力といった基本データのほか,召喚に必要なコストが記されている。
 従来はトータルコストの上限があったが,本作では撤廃され,プレイヤーカード+使い魔7枚をデッキとするようだ。

 使い魔は,画面最下段にあるマナゲージを消費して召喚する。マナは時間の経過と共に溜まっていくので,高コストユニットの召喚には,その分時間がかかるというわけだ。また,フィールド上にある「マナタワー」を制圧することで,マナの採取が可能。RTSにおける生産のような要素が盛り込まれている。
 マナの使い方はプレイヤーによってさまざまで,マナを溜め込んで強いユニットを召喚する,あるいは低コストユニットを続々召喚するなど,さまざまなスタイルのデッキが登場することになるだろう。これまで以上に,デッキ構築が楽しく,また重要さを増すことになりそうだ。

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 使い魔は,召喚時と同じコストを追加することで,“覚醒”させることが可能。覚醒状態になると,ユニット自体のステータスがアップするのに加え,その使い魔の持つアビリティが発動する。アビリティはカードごとにさまざまな種類が用意されている。そして,覚醒状態のユニットにさらに召喚時と同コストを支払うことで,“超覚醒”の発動ができる。超覚醒状態はステータスの大幅アップに加え,さらに強力なアビリティが発動するという。これらも,デッキ構築時に考慮すべき要素といえるだろう。

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 また,前述した3種類のジョブは,アタッカーはマジシャンに,マジシャンはディフェンダーに,ディフェンダーはアタッカーに強いという3すくみの関係になっている(種族ごとの相性は撤廃された)。
 具体的には,アタッカーは移動の速さを生かしてマジシャンに迫る,マジシャンは間合いのある遠距離から弾を飛ばしてディフェンダーのHPを削る,ディフェンダーはスロウアタックでアタッカーの進行を止める,といった具合だ。こうした相性を生かして戦うことも重要となるだろう。

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 なお,プレゼンテーションでは詳しく説明されなかったが,1プレイ中に1度だけ発動できる「アルティメットスペル」や,特殊技に相当する「アーツ」といった要素も用意されているようだ。


前作のプランナー高橋氏がプレイヤー視点で柴氏に切り込んだトークセッション


 プレゼンテーションの後半では,著名プレイヤーのfan114として知られ,「ロード オブ ヴァーミリオンRe:2」(以下,Re:2)のプランナーでもある高橋 剛氏が登場してのトークセッションが行われた。高橋氏は「LORD of VERMILION III」の開発には関わっていないとのことで,いわばプレイヤー視点からの質問が柴プロデューサーに投げかけられた。その模様を紹介しよう。

トークセッションは高橋氏の疑問や質問に柴プロデューサーが答える形で進行
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高橋氏:
 8人もの対戦だと混乱しそうですが。

柴氏:
 チームには分かれていますが,チームが勝った負けたより,自分が1位になることが重要。そのため,1人でフラッと参加しても楽しめるます。チームの勝利ポイントとして50をもらえるが,撃破やアルカナ破壊で数百ポイントを稼げるようなバランスです。味方チームのプレイヤーをサポートすることで評価が得られるなど,チーム同志で協力しあうこともポイントにつながります。

高橋氏:
 成長要素はありますか。

柴氏:
 対人戦のレベルは撤廃されて,主人公のレベルはなくなります。対人戦に影響する成長要素はなくなって,腕前とカードでの勝負になるでしょう。やり込みはレベル以外の部分で用意します。

高橋氏:
 前作のセーブデータは引き継げますか。

柴氏:
 カードがRe:2のNesisからNESiCAに変わるため,戦績はリセットとなります。ただし,仕様は練っている最中ですが,称号は(特別称号を中心に)引き継げるようにする予定です。ゲスト称号は他社に交渉中で。紐付けされているBGMも引き継ぎ交渉中です。Re:2で頑張った人だけが本作でもらえる称号も用意する予定です。

高橋氏:
 使い魔カードの引き継ぎはできますか。

柴氏:
 ギリギリまで悩みましたが,引き継ぎはできない仕様にしました。ゲームシステムを一新しているのと,カードの技術仕様が古くなっているのが理由です。新しくなった分,読み取りのエラーが軽減されるはずですし,印刷工程が短くなるので,バージョンアップ時の追加カードを100枚(従来の倍)に増やすことができます。『RE:2』でSPカードを入手するために得たPPは引き継げます。

高橋氏:
 運営については,どのような計画を持っていますか。

柴氏:
 これまでどおり,あるいは以上に全国大会や地方大会を行います。展望としては,バージョンアップごとに行いたいですね。また,マルチプレイならではのイベントも行いたいです。バランス調整も従来より早く対応したいですし,プレイムービーの撮影機能も実装予定です。詳細はまだ未定ですが,撮影操作を行うと,センターユニットに動画データが出力され,USBストレージに保存できるといったようなものですね。

 本作のロケストが,3月中に全国3か所で実施されることもアナウンスされた。システムが一新されたこともあるので,新要素が気になる人は,ぜひとも参加して,自分の目で確かめてほしい。

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試遊台でのプレイによるミニレポート


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 最後に,出展されていた試遊台でのプレイで筆者が感じた点を簡単にまとめておく。今回はブースに用意された試遊台8台を使ったマルチプレイバトルを体験できた。

 従来までのレバー+ボタン操作から,タッチスクリーンでの操作に変わったことで,戸惑うかと思ったが,動かしたいユニットをタッチして指定,次に目的地点をタッチして移動,といった操作は,あまりに直感的で拍子抜けするほど簡単だった。複数のユニットを1度に選択して,タッチした場所に向かわせることができるなど,操作性は増しているといっていいだろう。

 しかしバトルでは,筆者のユニットが敵に倒されていくばかりの展開に。プレイ後に気づいたのだが,実は筆者のカードはすべてオフェンシブゾーンに配置されていた。当然ながら,スマッシュアタックにまで気が回るわけもなくプレイしていたわけである。プレイスクリーンをうまく使わなければ勝てない,ということを逆説的に証明してしまったかもしれない。

 そんな体たらくだったのだが,ほかのプレイヤーが活躍してくれたおかげか,チームは勝利。個人の順位も4位というそこそこな成績となった(ほかのプレイヤーは初心者だらけだけど……)。

使い魔カードを配置するプレイスクリーン。手前の青い部分がディフェンシブゾーン
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プレイスクリーンの左右にあるボタンは,青が「アルティメットスペル」,緑が「アーツ」,赤が数ユニットを選択するのに使う「シフト」
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