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[COMPUTEX]BenQ,35インチサイズで垂直144Hz対応の湾曲液晶ディスプレイ「XR3501」を初披露。競合よりも曲がった画面の魅力を体験してきた
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印刷2015/06/05 13:46

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[COMPUTEX]BenQ,35インチサイズで垂直144Hz対応の湾曲液晶ディスプレイ「XR3501」を初披露。競合よりも曲がった画面の魅力を体験してきた

 LG ElectronicsとSamsung Electronicsの2大テレビメーカーが始めた湾曲型テレビのブームは,PC向けの液晶ディスプレイにも波及し始めた。COMPUTEX TAIPEI 2015(以下,COMPUTEX)では,ASUSTeK ComputerやAcerなどが,湾曲液晶ディスプレイを発表してきたのだ。
 ゲーマー向け液晶ディスプレイで名高いBenQもまた,この流行を見逃してはいない。COMPUTEXに合わせて同社は,台北市内にある本社にて製品発表会を開催し,ゲーマー向け液晶ディスプレイの新シリーズであるXRシリーズと,その第1弾製品となる湾曲液晶ディスプレイ「XR3501」を披露したのである(関連記事)。本稿では,XLシリーズのコンセプトやXR3501の特徴についてレポートしたい。

アスペクト比21:9の湾曲液晶ディスプレイXR3501を3台並べた様子
画像集 No.002のサムネイル画像 / [COMPUTEX]BenQ,35インチサイズで垂直144Hz対応の湾曲液晶ディスプレイ「XR3501」を初披露。競合よりも曲がった画面の魅力を体験してきた


XRシリーズのコンセプトは「リッチなゲーム体験」


 BenQは,今までゲーマー向け液晶ディスプレイとして,XLとRLという2シリーズで製品を展開していた。それでは,今回披露されたXRという新シリーズ名には,どういう意図が込められているのだろうか。
 BenQの担当者によると,XLシリーズは,「ゲームに勝つための液晶ディスプレイ」だったのに対して,XRシリーズは,「ゲームをより楽しく,リッチにプレイするための液晶ディスプレイ」に位置付けられているのだという。

XR3501の液晶パネルを光学300倍のデジタル顕微鏡で接写した写真。いわゆるマルチドメイン型のVA液晶パネルなので,1画素あたり8ドメイン構造になっているのが特徴だ
画像集 No.003のサムネイル画像 / [COMPUTEX]BenQ,35インチサイズで垂直144Hz対応の湾曲液晶ディスプレイ「XR3501」を初披露。競合よりも曲がった画面の魅力を体験してきた
 「勝つため」を重視するXLシリーズでは,応答速度の速さを重視して,1ms(GtG,以下同)という応答速度の速さが魅力のTN型液晶パネルを採用してきていた。それに対してXR3501では,BenQの傘下であるAU Optronicsが製造する,応答速度4msのVA型液晶を採用している。
 これは,AMVA(AUO Advanced MVA)と呼称されるタイプの液晶パネルで,シャープが実用化した紫外線照射配向技術を応用したリブレス画素構造を採用。応答速度こそ,TN型に及ばないものの,黒のしまりや階調表現の正確性,ネイティブコントラストの高さでは,TN型を上回っている。そのため,画質性能的には,XLシリーズを上回るとのことだった。
 なお,応答速度こそ4msであるXR3501だが,最大垂直リフレッシュレートは144Hzを維持。この点ではXLやRLシリーズに引けを取らない。低遅延の表示性能においても同様だという。


半径2mの湾曲率。144Hzをキープするために解像度は2560×1080ドットを選択


 さて,そのXR3501だが,画面サイズは35インチで,解像度は2560×1080ドットとなっている。アスペクト比21:9の湾曲液晶ディスプレイでは,解像度3440×1440ドットという製品が少なくないにも関わらず,なぜBenQは,2560×1080ドットを採用したのだろうか。
 それは「144Hzの垂直リフレッシュレートにこだわったため」だと担当者は明かす。BenQの高リフレッシュレート対応液晶ディスプレイでは,DisplayPort接続時に限って144Hzの垂直リフレッシュレートで表示できるのだが,3440×1440ドットでは,帯域的に100Hz前後が限度になってしまうのだ。
 現行のXLシリーズは,ほとんどが144Hz対応製品で,一部,120Hz対応製品が残っているという程度。120Hzを下回るモデルはない。つまり,ゲーマー向け液晶ディスプレイとしてふさわしいリフレッシュレートにこだわったため,XR3501では解像度2560×1080ドットを選択するしかなかった,というわけである。

エッジ型の白色LEDバックライトを採用。ネイティブコントラスト比2000:1。発色は良好で,sRGBカバー率は100%を実現している
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 BenQの担当者は,湾曲液晶ディスプレイのキーである画面の湾曲率(Curvature)でも,競合製品に対して差別化できていると主張する。
 他社の湾曲液晶ディスプレイでは,湾曲率を約3mとしているのに対し,XR3501では約2mを採用しているそうだ。つまり,XR3501は「より半径の小さい円から一部を切り取った」イメージであり,分かりやすくいえば,競合製品よりも湾曲したディスプレイであるわけだ。

XR3501の背面(左)。スピーカーは内蔵していないが,DisplayPortやHDMI入力からの音声を出力するためのヘッドフォン端子があった。右写真は接続端子部に寄ったところで,DisplayPort 1.2×1,mini DisplayPort×1,HDMI 1.4×2を備えていた
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 さて,展示会場となったBenQ本社ショールームでは,このXR3501を3台並べた展示を行っていた。そこでは,レースゲームの「NEED FOR SPEED RIVALS」をステアリングコントローラでプレイできるようになっていたので,筆者もプレイさせてもらった。

XR3501×3台のデモ機で,筆者もNEED FOR SPEED RIVALSをプレイ
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3台並べた状態を斜め上から撮影してみた。視界のほとんどを覆うサラウンド感に感激するほどだ
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 湾曲率が上がっているため,表示面がスムーズにつながるように設置すると,左右に置かれたXR3501は,プレイヤーの横にまでくることになる。運転中に注視しているのは,正面のXR3501になるのだが,前から後ろに流れていく風景や敵車が,側面にまで表示され続けているのが実感できるのがなかなか面白い。仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイのようだ……というのは言いすぎだとしても,映像が視界の側面付近にまで来るのは,新鮮な体験であった。

 35インチという大きな画面サイズで湾曲率が高いということは,左右端の表示が,ユーザーにより近づくということでもあり,ゲーム用途だけでなく,通常のPC作業でも使いやすそうである。

OSD操作用のボタンはベゼルの右下部にあった
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OSDメニューをいくつか確認してみた。子画面を表示する「ピクチャーインピクチャー」機能(左)や,オーバードライブ駆動のAMA機能(右)にも対応している
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国内発売も予定。ネックは10万円を超えそうな価格か


 気になる国内での発売だが,担当者氏によると,2015年第3四半期の投入を予定しているとのことだ。国内での販売価格も未定だが,北米市場では999ドル程度を想定しているという。そうなると,単純計算した国内での販売価格は,12万円以上となりそうだ。
 VA型の湾曲液晶パネルや144Hzリフレッシュレート対応という強力なアピールポイントがあるとはいえ,競合製品に対して高めの価格が,ゲーマーにどう受け止められるかは気になるところではある。

 XR3501で残念なのは,G-SYNCやFreeSync(Adaptive-Sync)といったGPU主導のディスプレイ同期技術に対応していない点だ。本機のような湾曲液晶ディスプレイに関心があるのは,どちらかといえばハイエンドGPUを所有するユーザー層になると思われる。このタイミングでそうしたユーザー層に向けてリリースするのであれば,リフレッシュレート144Hzで解像度2560×1080ドットの製品よりも,リフレッシュレート100Hzで解像度3440×1440ドットのG-SYNCかFreeSyncに対応する製品のほうが,ウケはよかったのはないかと思うのだ。
 XR3501は,はたしてゲーマーからどのように受け止められるのだろうか。

BenQによる当該プレスリリース(英語)

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    XL,XR,RL

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