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[COMPUTEX]BenQ,HDMIパススルー出力対応の「格闘ゲーム用」液晶ディスプレイを公開
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印刷2014/06/06 12:00

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[COMPUTEX]BenQ,HDMIパススルー出力対応の「格闘ゲーム用」液晶ディスプレイを公開

BenQ本社ショールームで,新製品展示会が開催された
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]BenQ,HDMIパススルー出力対応の「格闘ゲーム用」液晶ディスプレイを公開
 COMPUTEX TAIPEI 2014には出展していないBenQだが,会期中の2014年6月5日に,台北市内にある同社本社内のショールームで,2014年下半期に向けた新製品展示会を開催していた。
 そこにあった製品のなかで,4Gamer的な目玉となるのは,海外市場で発表済みの「格闘ゲーマー向け液晶ディスプレイ」こと「RL2460HT」だ。

RL2460HT。ご覧のとおり,回転機能付きで,縦画面表示にも対応する
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世界初の「格闘ゲーマー向け」モデルはHDMIパススルー出力に対応


 RL2460HTは,24インチサイズ,解像度1920×1080ドットで,中間調応答速度(Grey to Grey)が1msというTN型液晶パネルを搭載するディスプレイだ。

RL2460HT独自の画質モード「FIGHTING」は,Wong氏が作り込んだものだ。ストリートファイターIVシリーズ用ディスプレイとして,RL2460HTは決定版となるか?
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 本製品が格闘ゲーマー向けとされているのは,監修を担当したプロゲーマー,Justin“JWong”Wong氏のチューニングによる画質モードが備わっているためだ。「FIGHTING」と命名されたこの画質モードは,Wong氏が「ストリートファイターIV」をプレイしやすいよう調整したものとのこと。ちょうど今夏,ストリートファイターIVシリーズの最新作「ウルトラストリートファイターIV」が発売されることもあって,BenQとしてはかなり力を入れたモデルとなっている。

 筆者が見た限りでは,標準画質の「STANDARD」モードに対して,「FIGHTING」モードは輝度と彩度を若干抑え気味にした,ややクールな画質になっていた。特別な画質エンジンを搭載し,何か特別な処理をしているというものではなく,あくまでもWong氏のプレイしやすい画質を再現しただけという説明だった。

上がFIGHTINGモードで,下がSTANDARDモード。写真でも色味が大きく違うことが分かる。FIGHTINGモードは色の派手さが抑えられた画質となっている印象だ
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 格闘ゲーマー向けと位置づけられるRL2460HTにはもうひとつ,「家庭用ゲーム機向け液晶ディスプレイ」というキャッチコピーも与えられているが,これは,液晶ディスプレイとして珍しいことに,HDMI出力端子を持つことに由来する。

接続インタフェースは左から順にHDMI(Type A)出力×1,HDMI(Type A)出力×2,DVI-D入力×1,アナログRGB(D-Sub 15ピン)入力×1
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 このHDMI出力端子は,HDMI入力端子に接続された映像をそのままパススルー出力するもの。よって,HDMI出力端子の先にビデオキャプチャデバイスなどを接続すれば,表示遅延などを一切気にすることなくゲームプレイ動画の録画を行えるわけだ。
 これまで,ゲーム映像を録画する場合,ゲーム機とディスプレイの間にビデオキャプチャデバイスを挟み込むようにして接続するのが一般的な接続方法だった。しかし,この接続方法では,場合によっては数フレームの遅延が生じてしまうケースもある。それがディスプレイ側で“表示した後の信号”を録画するようにすれば,ビデオキャプチャデバイス側の遅延がどんなに大きくとも,ゲームプレイに影響は出ない。「家庭用ゲーム機向け」というのは,「家庭用ゲーム機でのプレイを録画したい人向け」というわけである。

左がRL2460HTで,右はRL2460HTのHDMI出力端子の先に接続された別のディスプレイ。「別のディスプレイ」を接続すれば観戦用などに使えるし,代わりにビデオキャプチャデバイスを接続すれば,表示遅延を気にすることなくプレイ映像の録画ができる
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本題とは直接関係しないが,RL2460HTは最近流行のブルーライト低減機能にも対応するそうだ。青色成分を弱く調整すれば長時間のゲームプレイ時にも目が疲れにくくなるらしい
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 気になるのは,PlayStation 3(以下,PS3)のように,ゲーム映像に著作権保護機構のHDCP信号が埋め込まれているゲーム機を接続した場合だ。常識的に考えれば,このHDMI出力端子にビデオキャプチャデバイスを接続しても,録画はできないことになる。
 ひょっとして,アナログRGBで入力したらHDMIでスルー出力してくれるのか? この点をBenQのスタッフに確認したところ,「我々がこの製品に実装した特別な技術によって,その問題は回避できた」と,自信満々な回答が返ってきた。「つまり,HDCPをキャンセルする機構が入っているのか」と食い下がってみると,「詳しいことは述べられないが,PS3の映像は(RL2460HTのパススルー経由なら)ビデオキャプチャデバイスで録画できることを我々は確認している」と言い張っていたので,どうやら“そういうこと”のようだ。
 もしスタッフの言っていることが本当ならば,ゲーマーにとって重要なトピックとなるので,実際に製品が発売された暁には真っ先に検証する必要があるだろう。

 なお,RL2460HTは世界市場で6月中の発売が予定されている。価格は未定とのことだった。

RL2460HTのスタンドには,柱の部分にcm単位の目盛りが刻印してあった。これは,プレイヤーにとっての最適な表示高を自分で把握しておくためのもの。高さの数値を覚えておけば,ゲーム大会でRL2460HTが用いられているときに,自分が好む高さにすぐ調節できるというわけである
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※2014年7月8日追記
 BenQ本社から,「当日伝えた情報に誤りがあり,HDMIパススルー出力はHDCPを保持する。そのため,PS3では基本的に利用できない。Xbox OneやXbox 360,Wii Uでは利用可能で,PS4でもおそらく利用できるだろう」という連絡がありました。本文は初出時のまま残しておきますので,事実関係に注意してください。


日本未発表モデル「XL2720Z」や4Kディスプレイも


 会場には,日本未発表の27インチ液晶ディスプレイ「XL2720Z」も展示されていた。
 XL2720Zは,日本でも発表済みの「XL2420Z」と同じ仕様で,パネルサイズだけ大きいという製品だ。あるいは,「XL2720T」の144Hz表示対応後継モデルという見方も可能だろう。1920×1080ドット解像度で,中間調応答速度1ms,垂直リフレッシュレート144Hz対応のTN型液晶パネルを採用し,XL2420ZやXL2720Tと同じく,FPS向けディスプレイと位置づけられている。

XL2720Z。XL2420Zと同じく,バックライトを高速に明滅させることで,液晶の画素書き換え過程を見せない効果と黒挿入効果を同時に実現するという「Motion Blur Reduction」に対応する。輝度はやや暗くなるが,その分,動きの速い局面において映像の鮮明さが増して見えるようになるわけだ
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 入力インタフェースは,DisplayPort×1,Dual-Link DVI-D×1,HDMI(Type A)×2,アナログRGB(D-Sub 15ピン)。
 すでに北米や欧州では発売済みなので,日本における発売時期が気になるところだが,BenQのスタッフいわく「検討中ではある。しかし,具体的なスケジュールを話せる段階ではない」とのことだった。

 もうひとつ,ゲーマー向けではないが,4Kディスプレイの新製品も展示されていたので紹介しておこう。
 「BL320IPT」と名付けられたそのディスプレイは,32インチサイズで解像度3840×2160ドットのIPS液晶パネルを採用した製品で,「CAD/CAM向けディスプレイ」に位置づけられている。

BL320IPT。展示会場では当初,「HDMI 1.4対応」と書かれたプレートが製品脇に掲げられていたが,「HDMI 2.0対応」に訂正された
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 BL320IPTでアピールされているのは,sRGB色域カバー率が100%であること。筆者は先にAcerやASUSTeK Computerの32インチ4K液晶ディスプレイをレポートしているが(関連記事),それらと仕様はよく似ているので,同種の液晶パネルを採用した製品ではないかと思われる。

 本製品が「デザイン業務向け」ではなく,あえて「CAD/CAM向け」」となっているのは,前出の「格闘ゲーム向け」と同じ発想によるものだ。要は,CAD/CAMの線画表示に適するという画質モードが用意されているのである。具体的には,暗部を極端に締めて,原色を鋭く立ち上げた,超ハイコントラストな画質になる。
 CAD/CAM図面では純色の線画が複雑に交叉して各線が見にくくなるため,線分表現を際立たせて見せるニーズがあることを知って,そうした声に応えたのだとか。

 なお,これもBenQのゲーマー向けディスプレイからアイデアを得たものだと思われるが,OSDメニューを操作するためのリモコンが用意されているのも,BL320IPTが持つ特徴のひとつとなる。このリモコンを手元で操作することにより,好みの画質設定を読み出したりできるというわけだ。

OSD操作用リモコンが付属しており,手元でディスプレイのOSDメニュー操作を行える。使わないときはスタンド軸足部に収納しておける仕様だ
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 入力インタフェースはDisplayPort,mini DisplayPort,Dual-Link DVI,HDMI 2.0,HDMI 1.4が各1系統ずつ。USBハブ機能も搭載されている。
 世界市場では,2014年9月に発売予定で,価格は未定。日本での発売は検討中という。

こちらは,2014年1月の2014 International CESで,NVIDIAブースに展示されていたBenQのG-SYNC対応液晶ディスプレイ。製品化も間近なのかと思われていたが……
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 最後に,NVIDIAが推進している,GPU主導のディスプレイ同期技術「G-SYNC」への対応状況も聞いてみたところ,研究室レベルではすでに実動モデルも存在するという答えが得られた。ただし現時点では,「コストとプレイヤーのニーズを考えるに,リフレッシュレート144Hz対応製品のようなモデルで十分」という意見も出ているため,他社の動向をもう少し見極めてから,実際の製品投入について考えたい,とのことだった。

 BenQは,G-SYNCの発表時にNVIDIAのパートナーとしてその名が挙がっていた企業だ(関連記事。つまりG-SYNCには前向きだったはずなのだが,ここに来ての突然のトーンダウンは,もしかすると,業界団体であるVESAが最近になって発表した「Adaptive-Sync」の存在が影響しているのかもしれない。

BenQ 日本語公式Webサイト

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    XL,XR,RL

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