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注目は低背キースイッチ採用の日本語キーボード「Gram Spectrum」。台湾Tesoroのゲーマー向け周辺機器をオウルテックが国内販売開始
説明会では,4月20日に一斉発売となった9製品とその販売代理店想定売価が表のとおり明らかとなり,展示もされたので,今回はその概要をまとめて紹介してみたい。
製品名 | 種別 | 販売代理店 |
---|---|---|
Gram Spectrum | 日本語配列フルキーボード | 1万8800円 |
Excalibur Spectrum | 1万7800円 | |
Tizona Spectrum | 日本語配列 |
1万8800円 |
Tizona Spectrum NumPad | 10キーボード | 7500円 |
Ascalon Spectrum | 光学センサー搭載マウス | 6800円 |
Sagitta Spectrum | 5800円 | |
Sharur Spectrum | 3800円 | |
Aegis X2 | 布製マウスパッド | 1680円 |
Oliviant Pro | USBおよび |
7500円 |
低背メカニカルキースイッチのキーボード
Gram Spectrum
今回の発表会における主役は,日本初登場となる日本語配列メカニカルキーボードの「Gram Spectrum」だ。
一般的なCherry MX互換スイッチのキーストロークは4mm,アクチュエーションポイントは2mmだ。それに対してGram SpectrumのAgileスイッチは順に3.5mm,1.5mmと,それぞれ0.5mm短い。そしてキーキャップ自体もCherry MX互換スイッチの標準的な11.5mmに対してAgileスイッチ用のものは6.2mmとなっており,これにより,素早い入力が可能になっているとのことだ。
スイッチの製造は,Cherry MX互換スイッチの製造元として知られるKaihua Electronicsが担当しているのだが,TesoroのBorggren氏は,このスイッチがTesoro独自のものであると強調していた。詳細は語られなかったが,TesoroとKaihuaの間で,何らかの独占使用契約が結ばれているのかもしれない。
配列はごく一般的な日本語112キー準拠で,専用ソフトウェアによりキー割り当てのカスタマイズやマクロ設定,LEDイルミネーションの発光色や発光パターン設定などが行えるとのこと。
同時押し関連の仕様は,Nキーロールオーバーと全キーのAnti-Ghosting(アンチゴースト)をサポートするなど,ゲーマー向けキーボードとして必要と思われる要素は,おおむねカバーしているようだ。
低背メカニカルキースイッチを採用するキーボードで,日本語配列モデルというのは珍しい。2万円を上回る税込の予想実売価格が,高いハードルとなっているのは残念だが,低背タイプのキーボードに興味のある人なら,選択肢の1つになりそうだ。
10キーボードと合体可能な10キーレスキーボード
Tizona Spectrum
もう1つ,キーボードの目玉となっていたのが,「Tizona Spectrum」(ティゾーナスペクトラム)という製品である。
Tizona Spectrumは,USBハブ機能を備えた日本語配列の10キーレスキーボードなのだが,左右側面にUSBポートがあり,ここに別売りの10キーボード「Tizona Spectrum NumPad」を合体させると,フルキーボードとして使えるというギミックが特徴だ。
10キーボード関連以外の仕様に目を向けると,Cherry MX Blue互換のメカニカルキースイッチを採用し,各キーにカラーLEDイルミネーション機能を内蔵するのに加えて,Nキーロールオーバーと全キーのAnti-Ghostingに対応するなど,ゲーマー向けキーボードに求められる要素は備えている。
Tizona Spectrumの問題は価格だ。本体の税込予想実売価格が2万304円と高めであるのに加えて,10キーボードも8100円なので,合わせると2万9000円ほどにもなってしまう。ギミックは面白いし,ゲーマー向けキーボードとして必要なスペックを備えてはいるが,相当に人を選ぶ製品となってしまっているのは残念だ。
なおオウルテックはもう1つ,Excalibur Spectrumも展示していたが,これは4Gamerで以前レビューした製品の再発売という理解でいいだろう。
赤外線センサー式キースイッチ搭載製品はCOMPUTEXで発表?
これは2016年6月のCOMPUTEX TAIPEI 2016で披露した「Tesoro IR switch」と同じものと思われるが,Borggren氏が示したスライドでは,「Tesoro Optical Switch」という名称が使われていた。
赤外線レーザーを使うスイッチと聞くと,どんなハイテクを使っているのかと不思議に思うかも知れないが,仕組み自体はシンプルだ。キー軸の下に赤外線レーザーの発振部があり,キーを押し込むと,キー軸から伸びた小さな部品がレーザー光を遮るので,それをセンサーが検出することでスイッチのオン/オフを制御するというものである。
Borggren氏は,機械式の接点を使う既存のメカニカルキースイッチがアナログ的なスイッチであるのに対して,Tesoro Optical Switchはデジタル式の新しいスイッチであると胸を張っていた。
2016年の展示では,防水防塵という方向でアピールしていたTesoro Optical Switchだが,Borggren氏のプレゼンテーションでは,長寿命という利点を強調していた。氏によれば,Tesoro Optical Switchは1000万時間の使用に耐える耐久性があり,1日8時間ゲームをプレイするとしても,3000年以上使い続けられるのだという。
桁違いの長寿命とは言えるが,現在主流のメカニカルキースイッチでも,5000万回やそれ以上の打鍵回数を保証していたりする。Tesoro Optical Switchの寿命が実用上どれだけの利点をもたらすのかは,なんとも言えないのが正直なところか。
2017年5月末に始まるCOMPUTEX TAIPEI 2017では,Tesoro Optical Switchを採用した製品が披露されるようだ。実機はどのような製品になるのか,期待して待ちたい。
マウスとヘッドセット
今回の説明会では,光学センサー搭載のゲーマー向けマウスが3製品と,マウスパッドが1製品,ワイヤードヘッドセット1製品も披露されていた。とくに詳しい説明はなかったので,まとめて紹介したい。
「Ascalon Spectrum」は,Tesoroのゲーマー向けマウスでは最上位の右手用ワイヤードマウスで,トラッキング速度が200IPS,最大加速度50Gという名称未公表の光学センサーを採用するという。
スクロールホイールとパームレストのロゴマーク部分に,約1677万色から発光色や発光パターンを選択可能なLEDイルミネーション機能を備えるのが特徴の1つである。
ボタン構成は,左右メインボタンとセンタークリック機能付きスクロールホイールのほか,スクロールホイール手前×1,左メインの左横×1,左サイド×2の計7個。左右メインボタン用には,オムロン スイッチアンドデバイス(以下,オムロン)製スイッチを採用するとのことだ。
「Sagitta Spectrum」(サギッタスペクトラム)は,光学センサー搭載の右手用マウス。センサーの名称は未公表で,トラッキング速度は130IPS,最大加速度30Gというスペックを備えるとのこと。
ボタン構成は,左右メインボタンとセンタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×1,左サイド×2の計6個で,左右メインボタンにオムロン製スイッチを採用する点は,上位モデルと変わらない。
「Sharur Spectrum」(シャーラースペクトラム)は,Tesoroのマウスでは唯一の左右対称形状マウスである。
搭載センサーは例によって名称未公表で,トラッキング速度が60IPS,最大加速度は20G。スペック的にはエントリー市場向けといったところか。
最後に紹介するのは,ワイヤードヘッドセットの「Oliviant Pro」(※国内ではOliviant Pro 7.1ch)だ。
ヘッドセット本体から伸びるケーブルは4極3.5mmミニピンだが,3極3.5mmミニピン×2変換アダプターを使ってPCなどとアナログ接続でき,さらにインラインでリモコン機能付きのUSBサウンドデバイスを統合した付属ケーブルを使ってPCとUSB接続した場合には,バーチャル7.1chサラウンドサウンド出力を利用できるという。
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