プレイレポート
[E3 2013]「Total War: Rome II」のプレイアブルデモで「ナイルの戦い」を体験。カエサルを使ってボコボコにされてきた
中世ヨーロッパから日本の戦国時代まで,さまざまなモチーフで制作されてきたTotal Warシリーズ。ターン制で内政や対話外交を行うための戦略マップ,そしてリアルタイムで何万ものユニットがぶつかり合う戦闘を楽しめるバトルマップという2つのマップにより,1作で2度おいしいストラテジーシリーズである。
そんなシリーズの最新作となるTotal War: Rome IIは,紀元前3世紀中期からのヨーロッパを描いた作品となる。ローマやエジプトといった大国や,ブリタニアのイケニ族といった部族国家などの中から好きな国家を選び,一国の指導者として指定された地域の制覇を目指すというタイトルだ。
今作の特徴は,シリーズでは初めて「プロビンス」(州)という概念を取り入れた点にある。これにより,1つの州に複数の街が存在する形となり,その中の1つの街が敵に支配されたとしても,州の持ち主は税収のペナルティを受けながらも行政を行えるようになっている。そしてこのプロビンス制を導入したことで,海沿いから内陸部の山地まで,さらに多彩な環境を持つバトルマップを用意できるようになったという。
また,アレクサンドリアの大灯台や,砂漠にそびえるピラミッド群といったランドマーク的な建造物が領地内にある場合は,観光収入としてゴールドを毎ターン得られるというシステムも追加された。いわゆる「世界の七不思議」と呼ばれる建築物は,地中海東部に集中しているが,たとえばイギリスのストーンヘンジなども含まれているのか,気になるところである。
今回のデモでは,エジプトの沿岸都市であるアレクサンドリアから,ナイル川に沿って少し上流にある町を舞台にしたシナリオマップを,ガイウス・ユリウス・カエサルで体験できた。プトレマイオス朝との約束を破ったカエサルが,ローマ第13軍団をエジプトに上陸させたことから「ナイルの戦い」(Battle of the Nile)が勃発するという,史実に非常に近い設定のシナリオである。
200ターンを過ぎたあたりからデモが開始したため,ローマは地中海一帯に大きな勢力を持っていた。すでにカルタゴを滅亡させているためか,戦闘象(War Elephant)という強力なユニットも持っている。
対するエジプト軍は,ナイル川の河口から川に沿って丘の上に陣を張っている。正面からローマ軍を前進させても大打撃を受けてしまいそうだ。川はエジプト軍の船団で固められ,川沿いの陸地には砲台も用意されている。筆者は船団を恐る恐る敵の船団に近付けてみたものの,砲台からの援護射撃などであっけなく返り討ちにされてしまった。
これによって陸から攻めるしかなくなったわけだが,フォーメーションをあれこれと試していたら,オアシスに隠れていたラクダ弓兵が突然現れた。砂漠ではラクダにスピード補正がかかるのか,騎兵や戦闘象で追いかけてもすぐに逃げられてしまう。
そして少しでも丘に近付こうものなら弓兵に射掛けられ,いつのまにか肝心の将軍ユニットが逃げ出してしまうという有様である。「ローマ軍でプレイして勝利できたら,プレゼントをあげる」というデモ担当者のコメントに張り切って臨んだ筆者だったが,思いのほか難度の高いマップに呆然としてしまった。
なお参考までに,将軍ユニットと思われるカエサルは,今回のシナリオマップの時点では以下のようなパラメータになっていた。
Ambition(野望):3
Gravitas(美徳):92
Age(年齢):48
Rank(ランク):0
Command(指揮):2
Subterfuge(詐術):2
Zeal(熱意):2
カエサルという歴史上の有名人物だけにその能力は高く設定されているはずだが,そんなカエサルでもナイルの戦いで勝つのは難しいようだ。
詐術といえば,今回のデモを試す前の担当者による解説で,カエサルの政敵である人物の暗殺を実行するゲームシーンが紹介されていた。妙にコミカルな,ミッションの成否を表現するシリーズお馴染みのムービーシーンは,今回は見ることはできなかった。
今回見られた都市の外観は,地中海一帯は石造りが多い一方,ヨーロッパ北東部は木でできた家屋ばかりなど,地域による特性がキチンと再現されていた。都市は川や山地に沿うように不規則に成長するようで,都市の形状はそれぞれ個性豊かだ。
上記の点を含め,リアリズムという意味では,前作「Total War: Shogun 2」から格段に向上しているのが,今回のデモで実感できた。2013年9月3日の欧米での正式リリースを期待して待ちたいところだ。
「Total War: Rome II」公式サイト
4GamerのE3 2013特設ページ
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Total War: Rome II
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