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「Total War: Rome II」のプレイアブル種族に,ゲルマン民族からスエビ族が追加。「トイトブルク森の戦い」を収めたムービーも公開に
タキトゥスの「ゲルマーニア」にも詳しく描かれているスエビ族は,ライン川下流一帯を支配していた,ゲルマン民族の主勢力の1つだ。当時のドイツ一帯を深く覆っていた豊かな「黒い森」を背景にして,必要な時以外は他民族との交易も行わないなど,孤立を貫いていたという。
その族長アリオウィストゥスはローマの元老から「ローマ人の友」と呼ばれるほど友好な関係を築いていたようだが,何度もガリア領内に進攻しては略奪を繰り返したために,ローマと衝突することとなった。紀元前58年,ガリア戦争における戦いの1つとされる「ウォセグスの戦い」で,スエビ族はガイウス・ユリウス・カエサル率いるローマ軍に敗れている。
しかし,その後のライン川地域で台頭していたケルスキ族の族長アルミニウスがローマに対して反乱を起こした。紀元9年には,プブリウス・クィンクティリウス・ウァルス率いるローマ軍勢を,沼地だったトイトブルク森に誘い込んで,ローマの第17〜19軍団を一気に殲滅。引き際を逃したウァルスも自決し,ローマ人の誇りである銀鷲の軍旗まで奪われる事態となった。皇帝アウグストゥスが「ウァルスよ,我が軍団を返せ!」を天を仰いで絶叫したというエピソードは有名だ。
事実,これによってローマはエルベ川までの植民地化を諦めるとともに,ローマ軍の再編成を強いられることとなり,以降17,18,19の番号は,軍団に利用されることがなかったほど,ローマにとってのトラウマになった。
このように,最後までローマからの独立を保ったスエビ族とケルスキ族は本来別の部族なのだが,Total War: Rome IIでは,同じ勢力内の家系として描かれる模様だ。ムービーでもスエビ族のシンボルとされていた,頭の片方で長い髪をまとめるという風習が描写されているのが分かるだろう。
また,ゲームでは森林地帯での戦闘時や,自分の勢力よりも弱小な勢力を相手にしたときに戦力ブーストが発動するほか,チャージ能力を持つBerserkersや,森の移動に優れたNight Huntersといった特殊ユニットが用意される見通し。スエビ族の一部は民族大移動の際にイベリア半島の北西部に移住して,6世紀後半まで民族の独自性を保ったが,本作でもガリアからイベリアまでの支配がミッションの最終目標となりそうだ。
The Creative Assemblyが公開している公式Wikiページによると,Total War: Rome IIに用意されるプレイアブル勢力8種のうち,このスエビ族で6種が発表されたことになる。
前作「Rome: Total War」では,今回発表済みの勢力のほかに,セレウコス朝ペルシャやエジプト,スキタイ,スペイン,ダシア,ポントゥスなどの諸部族がプレイヤブル勢力だったが,この中からどれかが選ばれるのか,それとも別の民族がプレイアブルになるのか。今後の情報に注目しよう。
「Total War: Rome II」公式サイト
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