業界動向
DisneyがLucasArtsを閉鎖し,150人のスタッフを解雇。TPS「Star Wars 1313」の開発はキャンセル
2012年10月,DisneyがLucasArtsの親会社であるLucasfilmを40億5000万ドル(2012年10月時点の為替レートで約3224億円)で買収(関連記事)し,合わせて映画「Star Wars Episode 7」を発表したのは,読者の記憶に新しいところだろう。この頃から,長らく大きなヒット作に恵まれていなかったゲーム開発部門(LucasArts)の処遇については,すでに協議されていたという。今後「Star Wars」ブランドのタイトルはすべてサードパーティにライセンスされ,内部で開発が進められていたTPS「Star Wars 1313」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360),そしてシューティングゲームではないかと噂されていた「Star Wars: First Assault」の開発はキャンセルされると報じられている。
LucasArtsは,Atariのコンシューマ機にタイトルを供給する目的で1982年に設立され,1984年に「Ballblazer」や「Rescue on Fractalus!」といった作品をリリース。1987年にはアドベンチャーゲーム専用のSCUMMエンジンを開発し,「Maniac Mansion」を始め,「Indiana Jones and the Last Crusade: The Graphic Adventure」(1989年)や「LOOM」(1990年),「The Secret of Monkey Island」(1990年)など,次々とヒット作を生み出した。
当時,同社のほとんどのゲームは,映画とは関係のない独自IPだったが,1990年からは盛んにStar Warsをベースにした作品を量産している。スペースコンバットシム「X‐Wing」(1993年),同社初のコンシューマ機向けタイトルとなった「Star Wars: Rebel Assault」(1993年),FPSとして高い評価を受けた「Star Wars: Dark Forces」(1995年)などが有名どころだろう。
しかし近年のLucasArtsに昔ほどの元気はなく,BioWareの「Star Wars: Knights of the Old Republic」(PC / Mac。2003年),Pandemic Studiosの「Star Wars: Battlefront」(2004年),Petroglyph Gamesの「Star Wars: Empire at War」(PC / Mac。2006年)など,最近のヒット作はサードパーティによって開発されたものだった。そして今回,同社は,設立から30年を迎えたタイミングで,その歴史に幕を引くことになる。多くの人員を抱えたまま新作を自主開発するリスクよりも,モバイル向け/F2Pタイトルに向けたライセンスビジネスに注力したほうが良い,といった判断なのだろう。
ただし,Star Warsという巨大なIPが宙に浮いたまま放置されるというのは考えにくい。Disneyのゲーム部門Disney Interactive Studiosや,サードパーティから今後も新作がリリースされる可能性は十分にある。開発延期が決まったタイトルでいえば,大人向けアドベンチャーとしてダークな世界設定に注目が集まっていた「Star Wars 1313」などは,今後何らかの形で復活することに期待したい。
LucasArts公式サイト
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Star Wars 1313
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