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[GDC 2012]ゲームをチャリティ活動のプラットフォームに。ゲームによる社会貢献を実現したSojo Studiosの「WeTopia」とは?
GDC 2012で開催された「ゲームを通じて社会貢献しよう」という主旨のサミット「Games for Change」に登壇したBrown氏は,2011年11月にFecebook向けとしてローンチした「WeTopia」を土台にし,どのように会社の運営と社会貢献を両立しているのかを解説した。
WeTopiaは,自分の町を拡張していくという都市開発系のソーシャルゲーム。ゲーム内で与えられたタスクをこなすと,「Joy」と呼ばれるポイントが加算され,プレイヤーはJoyを使って家を建てたり,自分の町を整備したりできる。新しい建物を早く建てたいときなどは,Joyを購入することも可能だ。
しかしWeTopiaでは,ゲームシステム自体に募金の仕組みが組み込まれており,プレイヤーが好みのチャリティ団体などにJoyを寄付できるようになっているのだ。プレイヤーが寄付したJoyは現金に換算され,実際にある程度の資金が毎日チャリティ団体へ寄付されることになる。
そのほか,Sojo Studiosは,ゲーム内広告などでも資金を集めており,WeTopiaのローンチ時に玩具メーカーのMattelが公式スポンサーとなっていたりする。
集められた資金は,50%がチャリティとして寄付されるそうで,「貧困層の子供達に食事を支給する」とか「大地震で倒壊したハイチの小学校を再建する」といったことに利用されるという。現在のところSojo Studiosは,アメリカ,ハイチ,アフリカ圏の3地域にターゲットを絞り,18団体と提携しているとのことだ。
ちなみに,実際のチャリティ活動の様子は,Sojo Studiosを通じてムービーなどで募金者にフィードバックされる仕組みになっている。どこでどのように募金が使われているのかが明確なので,より募金しやすい状況が作り出せているとBrown氏はいう。氏によれば,Sojo Studiosでは,これまで13万ガロンの飲料水をハイチに送ったり,1つの学校をアフリカに建設したり,2011年末の感謝祭では数百食のディナーを恵まれない家庭へ支給したりしているとのことだ。
とはいえ,Sojo Studiosは慈善団体というわけではないので,いかに会社として継続したチャリティ活動を続けられるかが重要だとBrown氏は言う。WeTopiaの募金システムは,社会貢献をしながらゲームがプレイでき,募金したお金が実際どこで使われているのかも分かるという,ユーザーにとっても気持ちがいいものと言えるだろう。
Sojo Studiosのようなメーカーがさらに多く現れれば,ゲームの社会的地位もより向上していくのではないだろうか。
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