インタビュー
セガが贈るiOS向けオンラインゲーム「三国志コンクエスト」とは? その概要をプロデューサーに聞いてみた
「Kingdom Conquest」のシステムをベースに
三国志の世界を描いていく
プレイヤーは,シミュレーションパートで自分の国を強化しつつ味方プレイヤーを見つけて「同盟」を組み,敵対プレイヤーと争いながら領地や同盟の規模を拡大していくことになる。
自らの同盟を昇格させ,最終的にシミュレーションパートで魏,呉,蜀の3国にある全9か所の首都や都を占拠し,天下統一を目指すのだ。
なぜ三国志の世界観をモチーフにしたのかを佐藤氏に尋ねてみたところ,氏は「Kingdom Conquestは高い評価を得ているゲームですが,ファンタジーがモチーフとなるその世界観に深く入り込みにくかったという人もいらっしゃったと思います。そこで今回,より普遍性の高い三国志を題材にすることで,また違った面白さを演出したいと考えました」と言う。
「私自身そうなのですが,三国志が好きな人なら関羽や張飛を引き連れて戦えると聞けばワクワクしますよね」と佐藤氏。
さらに,シミュレーションパートにおける戦闘の計算式は三国志コンクエスト用に作成されているため,Kingdom Conquestを遊び込んだという人でも新しい感覚で楽しめるとのことだ。
武将カードに「三国志大戦」のイラストを採用
育成も三国志らしさを重視したものに
1つめは,シミュレーションパートでユニットを編成するための「武将カード」だ。武将カードには,それぞれの所属国家と兵種(槍兵/騎馬兵/弓兵),レベル,編成に必要なコスト,そして各種パラメータが備わっている。
各武将カードには,スキルの強化や追加を行うことができるほか,ほかの武将カード1枚を消費してレベルやパラメータを上昇させる「合成」が可能だ。合成時に利用するカードに制限はなく,高いステータスのカードを消費するほど,高い成長率が得られるとのこと。カードの合成には「士気」というパラメータを消費するが,このパラメータは時間の経過だけでなく,領地の拡大でも回復していく。したがって,攻めれば攻めるほど,武将カードを合成し,強化できるというわけである。
「やはりカードゲームは,レアなカードや自分の好きなカードを手に入れて使うことが楽しいものです。今回は三国志が題材で,かつ『三国志大戦』のカードを使用していることもあって,すでに特定の武将やカードに思い入れがある人もプレイされるかと思います。そこで,どんなカードと合成しても育成できるような方法を採用しました。もちろん強いカードを合成すれば,より高い効果が得られたりするので,いろいろ試してみてください」と佐藤氏。
佐藤氏が述べているように,セガのアーケードゲーム「三国志大戦」のイラストを武将カードに採用している点もポイントだ。複数のイラストレーターによるイラストが採用されているので,キャラクターデザインも多種多様。見ているだけでもなかなか楽しめそうだ。収集した武将カードをじっくり鑑賞することもできるだろう。
なお,佐藤氏によれば,配信開始時点では141種類+αのカードが用意されており,そのあともアップデートを通じて随時追加されていく予定とのこと。
そのほか,特定の武将カードを揃えたユニットでは「曹操四天王」のような形でボーナス効果が得られるなど,三国志のカードゲームならではの要素も盛り込まれている,また後日のアップデートでは,攻城戦特化タイプなど三国志大戦に登場する兵種をアレンジして追加していく予定もあるそうだ。
アクションパートは
直感的で爽快感の高い操作性を追求
三国志コンクエストならではの特徴,その2つめはアクションパート。Kingdom Conquestとは大きく異なり,わらわらと押し寄せる敵をバッサバッサとなぎ倒していく,いわゆる一騎当千タイプとなっている点である。
攻撃の操作は,横フリックなら威力は弱いが広範囲にダメージを与え,縦フリックなら狭い範囲に高いダメージを与えるといった,直感的なアクション性を持たせているのも特徴。そのほか,溜めて攻撃する特殊攻撃や豪傑攻撃(必殺技)も用意されており,爽快感を重視した本格的なアクション性がウリだという。
「協力プレイをすることで,あるプレイヤーが前線で敵を引きつけている間に,別のプレイヤーが後方から遠距離攻撃を仕掛けたり,あるいは城門を破壊したりといった役割分担が可能になります。ゲームが進むと攻略が難しいステージも登場しますが,4人集まればクリアの可能性は広がると思います」と佐藤氏は言う。
アクションパートのステージはツリー形式で選択するタイプになっており,1つのステージをクリアすると,ツリー上にある次のステージに挑戦できる仕組みだ。またシミュレーションパートで砦を占拠すると,さらにステージが追加されていくとのこと。各ステージのクリア時には「カードパック」が引けるようになっており,上記の武将カードと,アクションパートで使用する「武器カード」を補充できる。ゲームを進めると,特殊なカードパックを入手できるツリーも登場するらしい。
ちなみに武器カードは剣/槍/弓の3種類が用意されており,それぞれのカードを入手すればアクションパートでの攻撃手段を切り替えられる。武器カードは合成不可能だが,その代わりに「槍兵に対して効果が高い」といったようなオプションが付加されたものも用意される。いいオプション効果が付いた武器カードを入手するには,ひたすらカードパックを引くほかないのだが,そこそこ戦えるものであれば普通にステージをクリアしていくだけで入手できるようである。
佐藤氏によれば,ゲームが進行すると敵が遠方にいて弓が有利になるといったステージも出てくるとのこと。「『銅鑼』と呼ばれる特殊効果は武器によって効果が異なるので,いろいろ試して自分に合うものを見つけてください」(佐藤氏)。
アクションパートのステージ選択画面では,「Pack」と記されているところでカードパックが引ける |
武器カードの一例。剣/槍/弓の3種類が用意されており,アクションパートでの攻撃手段を変更可能だ |
「立国」システムで三国志の国盗りを再現
“裏切り”の要素もアリ!?
立国システムとは,ゲーム内で「国家」を築くことができるというものだ。具体的には,同盟に所属するプレイヤー同士が協力してアクションパートのステージをクリアすると,「名声」と呼ばれるポイントが得られるのだが,この名声を高めていくと同盟が昇格していき,最終的には国家になる。さらにプレイヤー各自にも官位が与えられ,最終的には一国の王を任ぜられることとなるのだ。
面白いのは,自分の同盟が他の同盟に負けて「配下同盟」となった場合に実行可能な「離反」システム。配下同盟がある条件を満たすと,支配されている同盟を裏切ることができるというもので,物議をかもす要素となるかもしれない。
「三国志らしいフィーチャーを考えたときに,やはり自分自身で王を目指すという要素は外せません」と佐藤氏は強調する。そこで考えたのが立国システムや離反システムなのだという。
例えば「裏切り」でよく引き合いに出される呂布なら,配下にしたのはいいが,いつ裏切られるか分からないといった,三国志の雰囲気をより味わえるのだろう。佐藤氏によれば,正直,うまく機能するかどうか判断できない部分もあってドキドキしていますが,これらのシステムにより,三国志の世界観がより生き生きと表現できたのではないかとのこと。
加えて佐藤氏は,「こういったタイプのオンラインゲームでは,シーズン中盤以降,どうしても膠着状態が生まれてしまいます。離反を活用した駆け引きを上手に展開していただければ,膠着状態を打破できるのではないかという狙いもあります」と述べている。
ちなみに同盟は,所属プレイヤー各自が資源を寄付することで勢力を拡大できるが,アクションパートのクリアで得られる「戦功」ポイントを資源の代わりにすることもできるそうだ。これにはアクションゲームが得意な人や,あるいはシーズンの途中からゲームを始めた人などが,同盟に貢献できるようにする狙いがあるという。
なお,Kingdom Conquestのような海外展開やAndroid版リリースの予定があるのかを佐藤氏に聞いてみたところ,「当然ながら視野には入れているが,まずは日本国内のiOS版で実績を出したい」という答が返ってきた。
今後は,三国志大戦のアーケード版およびトレーディングカード版との連携を強め,セガの持つ三国志関連IP全体の強化にも努めていくとのことだ。
「三国志コンクエストは,Kingdom Conquestをベースに,三国志のストーリーや世界観の持つ面白さを表現できる内容を目指しました。一騎当千のアクションシーンや,離反といった要素も含めて,iPhoneでここまで三国志を体感できるゲームはなかったんじゃないでしょうか。三国志が好きという方は,ぜひ一度触れていただけると幸いです」(佐藤氏)
「三国志コンクエスト」公式サイト
「三国志コンクエスト」ダウンロードページ(iTunesが起動します)
- 関連タイトル:
三国志コンクエスト
- この記事のURL:
(C)SEGA