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ARM,big.LITTLEテクノロジーをチップメーカー7社が採用と発表
ARM big.LITTLEテクノロジー | |||
配信元 | ARM | 配信日 | 2013/02/27 |
<以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載しています>
ARMパートナー7社が,2013年内にARM big.LITTLEテクノロジーをベースとしたシステムを発表
英ARM社(本社:英国ケンブリッジ,日本法人:横浜市港北区,以下ARM)は,ARMのbig.LITTLE処理テクノロジーが,世界の大手モバイルチップ・メーカーの多くに採用されていると発表しました。サムスン電子とルネサス モバイル株式会社がすでに計画を発表しているほか,CSR,富士通セミコンダクター株式会社,MediaTekを含む5社が,2013年内に実装を発表する予定です。ARMのbig.LITTLEテクノロジーは,一般的なモバイル用途でのプロセッサの消費エネルギーを最大70%削減します。スマートフォンの性能は,2000年以降で60倍,2008年以降で12倍と急速に向上しており,コンテンツの生成と消費が大幅に増加していることを考慮すれば,この省エネ技術は非常に重要です。
タブレットやスマートフォンの出荷台数がPCを上回り,2013年には10億台のスマートフォン出荷が見込まれるなど,スマート・モバイル機器は爆発的に成長しています。現在のユーザは,高度なモバイル機能を求めています。big.LITTLEなどの低消費電力技術は,高速ブラウジング,家庭用ゲーム機同等のレベル,数日以上のバッテリ寿命など,これまで不可能だったことを可能にします。
ARMのbig.LITTLEテクノロジーは,スマートフォンその他のモバイル機器の多様なニーズを満たすシステム・オンチップ(SoC)の開発という課題に対応します。この矛盾する要求を満たすには,バッテリ寿命を延長しつつ,必要なときに高い性能を発揮するスマートフォンが必要です。ARMのbig.LITTLEテクノロジーは,モバイル機器の動的な性能範囲とエネルギー効率を高める一方,ARMプロセッサ・ベースのプラットフォーム向けに現在提供されている幅広いアプリケーションとの互換性を保ちます。
big.LITTLEソリューションは,現在のスマートフォンの最大2倍の性能を提供する業界最高性能のCortex-A15プロセッサと,非常に効率の高いCortex-A7プロセッサおよびARM CoreLinkキャッシュ・コヒーレント・インタコネクト(CCI-400)を組み合わせたものです。これにより,各種デバイスがタスクの性能要件に応じて適切なプロセッサをシームレスに使用し,最適な消費エネルギーで最高のユーザ・エクスペリエンスを提供します。今後の実装では,Cortex-A53,Cortex-A57プロセッサの組み合わせも考えられます。
これにともない,高度なプロセス・テクノロジー・ノードでbig.LITTLEテクノロジー搭載SoCの実装を短納期にするコア・ハードニング・アクセラレーション・テクノロジーであるARM POP IP,Development Studio 5(DS-5)デバッグ/解析ツール,Active Assistデザインサービスなど,ARMシステム全体にわたるIPも実装をサポートします。
ARMのPresidentであるSimon Segarsは,次のように述べています。「big.LITTLE処理テクノロジーは,低消費電力におけるARMの先進性をさらに強化し,高性能かつ高エネルギー効率の処理の新基準を確立するものです。big.LITTLEテクノロジーが一般的なワークロードのプロセッサの消費エネルギーを最大70%削減することにより,ユーザは,スマートフォンで多様な作業を長時間にわたって実行できるようになります。」
「ARMのbig.LITTLE技術は,スマートフォンやモバイル コンピューティングデバイスに最適であるだけでなく,幅広い組み込みアプリケーション向けにも高性能かつ低消費電力のSoC開発を可能にします」と富士通セミコンダクター株式会社のアドバンストプロダクト事業本部 副本部長 内藤貢氏は言っています。「我々のSoC開発の専門知識とARMのbig.LITTLE処理の組み合わせにより,パフォーマンスと低消費電力の両立を実現した次世代の革新的な組み込み製品を市場に提供することができるでしょう。」
MediaTekの最高マーケティング責任者であるJohan Ledenius氏は,次のように述べています。「big.LITTLE処理は,同じ消費電力でモバイル機器の性能を高める対称マルチプロセシングがさらに進化したものです。当社は,big.LITTLE処理により,すでに人気の高いマルチコア・チップセットの機能を拡張し,スマートフォンに新たなエクスペリエンスを提供したいと考えています。」
ルネサス モバイル株式会社の取締役副社長である吉岡真一氏は,次のように述べています。「モバイル機器市場では,常に性能向上が求められます。ルネサスモバイルは,通信プロセッサとアプリケーション・プロセッサを高度に統合した世界最先端のスマートフォン・プラットフォームを提供し,このニーズに対応しています。当社のスマートデザインへの取り組みとARM社のbig.LITTLEアーキテクチャの組み合わせは,モバイル機器市場に対し,モバイルコンピューティングの伸長に不可欠の,高性能かつ低消費電力ソリューションを提供してまいります。」
サムスン電子のデバイス・ソリューション部門システムLSIマーケティング担当副社長であるTae-Hoon Kim氏は,次のように述べています。「スマートフォンやタブレットが消費者のメイン機器に進化しつつある現在,業界初のbig.LITTLE対応アプリケーション・プロセッサであるサムスンのExynos 5 Octaは,多様なモバイル・ワークロードを処理するとともに消費電力を最適化し,卓越したユーザ・エクスペリエンスを提供する革新の牽引役となるでしょう。」
Orange社のモバイル・マルチメディア&デバイス担当上席副社長であるYves Maitre氏は,次のように述べています。「モバイル・インターネットの普及より,データの利用が急激に増加しつつあります。これにともない,HDコンテンツやマルチメディア・サービスの消費が増え,新しい接続機能も登場しています。通信事業者やデバイス・メーカーが高速モバイル・ネットワークの進歩を最大限に活用するには,ARM Cortexプロセッサやbig.LITTLEテクノロジーなどの高性能,高エネルギー効率の処理技術を導入し,引き続き接続機器市場を拡大するとともに,新たなエクスペリエンスを追求していく必要があります」
Sprint社のディレクターであるVon McConnell氏は次のように述べています。「バッテリ消費は,データ利用が急増している現代においては特に,スマートフォンの利用における重要な要素です。ARM Cortexプロセッサとbig.LITTLE処理は,スマートフォンの性能とエネルギー効率を高める大きな可能性を秘めています。」
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