インタビュー
「遙かなる時空の中で5 風花記」のメインキャスト10人にインタビュー。アフレコ収録後に「風花記」の見どころを聞いてきた
立花慎之介さん(小松帯刀役)インタビュー
――今回のアフレコの感想を聞かせてください。
この前,ネオロマンスのイベントに出演させていただいてセリフなどはしゃべっていましたが,ゲームの収録は約1年振りでしたから,久しぶりだなとは感じました。
久々に,ヒロインと小松の関係が目に見えて,前よりもすごく距離が近いシーンもあったので,懐かしさとともに進展を感じました。
――今回小松を演じて,新しい発見はありましたか?
立花さん:
変わったというよりも,大人の関係というのかな。いろんなものを覚悟した先の恋愛というか。
ゲームの内容には触れられないんですけど,主人公と自分のいる世界というものが,もともと違うということもひっくるめた恋愛をするというのが,すごく大人なことだなあと感じました。
前は,主人公がアタフタしているのが可愛かったりして,どんどんそれに惹かれていく小松帯刀というものがあったんですけど,それよりも一歩進んで,さらに仲を深めるためには,いろいろなものを認識して乗り越えなきゃいけない。それを覚悟した小松がいたので,そういう意味では,オトナの恋愛をしたんだなと感じました。
――ご自身と小松との共通点を感じる部分はありましたか?
立花さん:
そういう意味でいうんだったら,覚悟を決める恋愛という部分には,すごく共感を覚えました。深い先まで読んで,覚悟を持った恋愛には惹かれるものがありましたし,そういうものを自分でも持てたらいいなと感じました。
――ご自身で,一番守りたいものは何ですか?
立花さん:
守るか……。僕の中で,守るという意識ってないんですよ。守るって,やっぱり受動的なんですよ。僕は能動的に生きたいので,守るよりは攻めたい人なんですね。何かが攻めて来て守らなきゃいけないような状況でも,逆に攻めて滅ぼすくらいの気持ちなので(笑)。
なので,守ることを考えるなら,それに準ずる新しいものを見つけて,さらに進化していきたいです。
――では,こういったものを手に入れたいとか,こうなりたいといったものはありますか?
立花さん:
ネオロマのイベントで,竹本さんをうまく扱えるようになりたいですね。彼の攻めに対して守ってはいけないと思うので(笑)。
イベントに行かないと竹本さんの面白さは見られないですし,僕ら2人のコンビネーションは面白いものになっていると自負していますので,ぜひ観ていただきたいです。
――本作の見どころや注目ポイントを教えてください。
立花さん:
もちろん,まずは新キャラというか,2人増える攻略対象キャラですよね。そこに注目していただきたいです。
小松ルートとしては,前よりもより深い恋愛になっていますので,その先の恋愛がどうなったのか,どう濃くなっていくのかというところを,ヘッドフォンをつけながら楽しんでもらいたいなと思います。
――小松以外のキャラで,気になるキャラは誰ですか?
立花さん:
キャラクター的には,龍馬が,明るさとか前向きな姿勢が常に見えるというのが結構好きですね。
あとは桜智,というよりも竹本さんが気になります。あの人はどこに行くんだろうと(笑)。
でも,すごく真面目な方なので,イベントがどうやったら面白くなるか,真剣に考えてやっていることなんですよ。ぜひイベントに来て,竹本さんの面白さは見てほしいと思います。真面目さがとんがって,違う方向に向くとああなるんだと(笑)。
――「風花記」で難しかった点はありましたか?
立花さん:
イベントとかでもそうなんですけど,「5」のほうは,最終的に恋愛エンドという方向に向かって収録していくので,そういう意味では,主人公の女の子と打ち解けた,距離が縮まっている状況が多かったんです。
「風花記」では,ちょっと前に戻ったりするところがあって,出会ったばかりの冷たい小松帯刀というものを思い出すのが,難しかったといえば難しかったですね。あとはいかに甘くするかくらいで(笑)。
――今回の小松帯刀ルートを,一言で言い表すとしたらなんですか?
立花さん:
んー,ネコ? ネコがいたんです。重要なポイントで(笑)。
実は,「合理的」「理にかなう」といったセリフは今回使われていないんです。合理的な考えのうえに成り立った非合理という感じでしょうか。一言では言い表しにくいんですが,今回はそういう意味では深いんです。
――ゆき以外で,小松と絡んでいたキャラはいましたか?
立花さん:
たぶん,ほとんど絡んでいないですよ。リンドウとの面識も,江戸城で一度会ったくらいですし。そう言われてみると,ほかの人とはほとんど会話していない気がしますね。
もちろん,全員がいる中で一言二言は会話を交わしたりはしていますけど,それは絡みとは言わないでしょうし。
そういう意味では,ゆきちゃんとひたすら会話を交わしているので,濃厚な恋愛シーンになっているとは思います。いろんな人と絡んでいるのを見たければ,イベントに来てください(笑)。
――「5」と「風花記」の甘さ,濃厚さは,10点満点で何点くらいだと思いますか?
立花さん:
「風花記」は十分甘くて,本当なら10を超えているとは思いますが……。「5」が4だとしたら,7ですかね。残り3は「小松ならまだできる」という伸びしろです。
――立花さんが,最近覚悟を決めて臨んだことはありますか?
立花さん:
日々覚悟ではあるんですが,先日あったイベントは,最近では一番大きな覚悟だったと思います。みんなで一つの大きなものを作らなくてはという意識が強調されるイベントだったと思うので,前日とかはかなり緊張していました。
キャラとしての面白さだったり,役者個人としての面白さであったりを出しつつ,みなさんに楽しんでもらうためには,うまいことバランスを考えなければならなかったので,覚悟のいるイベントだったと思います。
――小松が自分のそばにいたとしたら,どのような友達付き合いをすると思いますか?
立花さん:
小松って,セリフに「合理的」「理にかなう」とあるように,感情で動かされることはあまりなくて,仕事や職で利用する価値があると思った人を嫌うようなことってないと思うんですよ。
それは,僕の中にもある考え方だったりするので,プライベートは先のこととして,仕事としてのとっかかりでは,「こいつ,使えるかも」と思うでしょうから,きっと上手くやっていけるのではないかと思います。
――小松と一緒に出かけるとしたら,どういうシチュエーションだと思いますか?
立花さん:
小松と一緒に出かける? うーん,現代版の小松だったら,どこに行くんだろう(笑)。
クルージングですかね。豪華客船に乗って,優雅な感じの。小松って,なんか遊んでいる感覚がないんですよね。常に仕事をしていそうで。単純に,僕がクルージングに連れて行ってもらいたいというのもありますが(笑)。
逆に,苦手なところに連れて行ってみたいというのはありますね。「この人が苦手なのは何なんだろう」というのを知りたいので。なので,ゲームセンターに連れて行くのも面白そうですよね。
ただ,彼はなんでもできちゃいそうなので,格闘ゲームとかやらせたあげく,「やっぱりここもダメだった」って思い知らされるかもしれませんが(笑)。
――読者にメッセージをお願いします。
立花さん:
「5」を楽しんでくれている皆さん,お待たせしました。「風花記」という続編が,あとちょっとで出ます。それぞれの恋愛ルートもすごく濃いですし,キャラクターの特徴や性格を,すごくうまくまとめ上げたシナリオになっています。
それぞれ違った恋愛がありますから,自分の好きなキャラを攻略していただいて,追加された2人を含め,違うキャラも遊んでいただきたいなと思います。
これからも,「遙かなる時空の中で」の世界はどんどん広がっていきますので,応援していただきつつ,「風花記」を待っていていただければと思います。
――ありがとうございました。
寺島拓篤さん(桐生 瞬役)インタビュー
――まず,アフレコを終えた感想を聞かせてください。
もともとあった「5」本編の流れとは,微妙に変わっている部分があります。瞬だったらどうだろうな,とさじ加減をするのが難しくもあり,やりがいがあったなと思いました。
――「5」から瞬が進化した部分,新しい発見はありましたか?
寺島さん:
進化したというよりは,見せる幅が広がったという感じでしょうか。
瞬は,自分で課していると思うんですけど,ものすごく縛りが多いというか,自由が利かないキャラクターで,それを僕も一緒に背負っていました。
今回,「風花記」と豪華版のドラマCDで瞬を演じて,世界を救う物語の最中でも,多少そういう人間っぽさが見えたことで,本編を補足してもらっているのかなと。非常に楽しく演じさせていただきました。
――今回,瞬を演じるにあたって,難しいと感じた部分や気を遣った部分はありましたか?
寺島さん:
難しいといえば難しいんですが,自分の意識はリンクしないで客観的に見ながら作れたので,逆にやりやすかったかもしれませんね。
人を大切に思う気持ちや,恋している相手のことを思う気持ちは一緒なので,そこは大事にしつつ,「自分じゃない」ように演じればいいので,目標は見定めやすかったです。
あと,瞬のキャラクターで守ってきた方向性のほぐし方というかほどき方もですね。ほどきすぎてもダメだし,固すぎてもダメだし,その微妙な緩め方のさじ加減は難しかったです。
――寺島さん自身と瞬で共通している,と感じる部分はありますか?
寺島さん:
僕はどちらかというとあけすけで,言いたいことは言ってしまうんです。瞬みたいに,いろんな物事を自分の中にだけ隠しながら何かと戦うことはあまりやらないですね(笑)。いつも「大変だろうな,この人の生き方は」と思いながら,演じさせてもらっています。
――本作のコンセプトに「命をかけても大切なものを守る」というのがありますが,寺島さん自身が守りたいものはありますか?
寺島さん:
今の生活です(笑)。非常に穏やかに暮らせているので,その中心の部分を維持しつつ,新しいことにも挑戦していけたらと思っています。
――本作の見どころ,注目してほしいところを教えてください。
寺島さん:
「5」本編を遊んでくださっている方には,各キャラクターの新しい面が見られますし,なにより新キャラが登場します。
私としては弟が攻略対象になったので,いろいろと「うーん」と思うところのある子ではありますが,愛してやってください。
――瞬以外に気になっているキャラクターはいますか?
寺島さん:
皆が言っているかもしれませんけど,福地桜智が気になります。2人での連鎖術とかのセリフが,「何だろうこの人」と,まあ気持ち悪いなと(笑)。イベントでの竹本さんを通して見ているというのもあると思うんですけど,どうしても気になっちゃいますよね。
あとは,新キャラのリンドウがどのようにゆきとの物語を紡いでいくのか,接していくのかも気になりますね。
――ファンディスクの瞬について,注目してほしいところを教えてもらえますか?
寺島さん:
“あの人”がいてくれたおかげでちょっと変化が生まれた,というところですね。“あの人”がどの人なのかは,プレイして確認してほしいんですけど(笑)。
本編のときって,青龍としての龍馬といったのはありましたが,瞬自身に明確に関わってくるキャラクターって,あまりいなかったと思うんですよ。
瞬の考えていることであったり,瞬の目線を分かってくれる人がいなかったので,今回“あの人”が登場してくれたことで,変化が生まれたという感じなので,注目していただきたいです。
――ちなみに,桐生祟が攻略対象になったことで,瞬と祟の関係性に変化はあったんですか?
寺島さん:
いえ,まったく(笑)。
――「風花記」で,瞬のルートを一言で表現するとしたら,どのようなものになりますか?
寺島さん:
行き着くところは,「5」本編とそう大きくは変わらないんです。彼の生きる道自体が激動なので,「平穏を手に入れる」というところですかね。
――寺島さんが瞬と一緒に出かけるとしたら,どこに行ってみたいですか?
寺島さん:
どこにも行ってくれないと思います。
僕が八葉ならやりようはあるでしょうけど,普通の人だったらまったく関わってくれないと思うので,彼とは分かり合えないでしょうね。しようがないと思います(笑)。
――最後に,読者に向けてのメッセージをお願いします。
寺島さん:
「遙か5」は,「風花記」でより深みを増したと思います。「5」をプレイしてくださった方は,皆さんが気になっていた部分,もっと見たいなと思っていただろう部分が追加されているんじゃないでしょうか。
「5」をプレイしたことのない方も,ひょっとしたら「風花記」をプレイしたら,「5」本編もプレイしてみたくなるかもしれません。
「風花記」を含め,「遙か5」全体を楽しんでいただければなと思っております。発売日を楽しみにしていてください。
――ありがとうございました。
「遙かなる時空の中で5 風花記」公式サイト
「遙かなる時空の中で5」公式サイト
キャラクターデザイン/水野十子 (C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
イラスト/水野十子 (C) TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.