インタビュー
「遙かなる時空の中で5 風花記」のメインキャスト10人にインタビュー。アフレコ収録後に「風花記」の見どころを聞いてきた
阿部 敦さん(チナミ役)インタビュー
――まずは,アフレコを終えた感想を聞かせてください。
「遙かなる時空の中で5」を演じ終えたあとだったので,キャラについては迷いなく演じられました。
前回だと,チナミ君はいっぱいいっぱいだったんですけど,今回は若干心持ちに余裕がある中で,神子であるゆきのことを守るという方向にいけましたし,「自分自身とは」「これからどうするのか」というのがしっかり描かれていました。
これが本来のチナミ君なんだろうなと思える,新たなストーリーが展開しています。
――今回,チナミを演じて新しい発見はありましたか?
阿部さん:
“兄上”のマコトに対して,並々ならぬ信頼と尊敬を抱いているというのは分かっていたのですが,今回はそのあたりも突っ込んで描かれています。
マコトをどう思っているのか,自分のチナミという名前であったり,天狗党を結成するときであったり,当時の心境がより細かく描かれていますから,前作を補完する意味でも面白かったと思います。
――今回演じたチナミと,ご自身で共通点を感じたところはありますか?
阿部さん:
結構正反対なのかなと思います。自分は割と,やりたいことだけやりたいと思っているほうだし,生きてきた中でチナミほどしっかり物事を考えたこともないので(笑)。
己を殺して誰かのために生きたり,礼儀を重んじたりというのは,カッコいいと思ったので,自分にも,もうちょっとそういう部分があったらいいのかなとは思いました。
――ご自身が,今一番守りたいものは何ですか?
阿部さん:
いろいろありますけど,今だったら姪っ子ですかね。そろそろ2歳になるんですが,可愛いんですよ。最近,ポンチョを買ってあげたり衝動買いしています(笑)。
――本作の見どころはどこだと思いますか?
阿部さん:
前回は,チナミが弱っているところにゆきちゃんが手を差し伸べてくれたという印象が強いんですけど,今回は,本来こうあるべき姿と言うか,ゆきちゃんが弱っているところにチナミが手を差し伸べます。
チナミの優しさであったり覚悟であったり,今までどう思って戦いに臨んでいたのかが分かりますし,マコトとの新たなやりとりもあったりするので,楽しみにしていただければと思います。
――「風花記」で難しかった点などはありましたか?
阿部さん:
チナミは,わりと固いと言うか一本気な男の子で,言葉遣いでは「おなご」と言ったり,「真の名は」と言ったり,アクセントも今の時代とはちょっと違う部分があったりします。でも,その硬さがあってこそのチナミ君なので,そこを崩してはいけないなと思いましたね。
――ゆきちゃんとの関係で,本編と比較してどのくらいの“甘さ”ですか?
阿部さん:
チナミは甘さ担当のキャラではないと思うんですけど(笑)。
そうですね……。チナミ君はやたら人間くさい部分もあるので,彼にしか出せない味というのもあると思います。ゆきちゃんとチナミは,等身大の同じ目線の二人ですけど,その二人がお互いを想い合って,補い合って,守り合ってというのは,「いいなあ」と思わせる一面だと思います。
基本的なスタンスは,前作とあまり変わっていないですけど,新たな視点でチナミっぽさが出ているので,そこは楽しみにしていただければと思います。いつもどおりのツンデレもあるので,そこは存分に演じさせてもらいました(笑)。
――今回演じて,印象的だったシーンを教えてください。
阿部さん:
今回,前作とはまた違う異人さんとの関わりが描かれます。チナミは,基本的に尊皇攘夷派なので,外敵は打ち払うという思想を持っています。でも,本来のチナミはもっと柔和なんじゃないかと思います。そういうところがちょっと分かるシーンがあるんですよ。
そういう,恋愛とは別の,幕末ならではの葛藤のようなものが描かれているので,そこは一つの見どころだと思いますね。
――チナミルートを,一言で言い表すとしたらなんですか?
阿部さん:
なんだろうなあ……。“開花”ですかね。
前回演じた時,チナミ君は今現在成長しているというか,「こいつ将来有望すぎるだろう」と思っていたんですが(笑),今回「風花記」で演じたことで,またチナミ君の感性が豊かになって,それを礎に成長していくんだろうなと思います。
――ゆき以外で,接点があったキャラは誰でしたか?
阿部さん:
収録だと,あまり関わっていないんですよね(笑)。
個人的には,八雲との掛け合いが結構好きなんですよね。いい喧嘩仲間といいますか。
――読者に向けて,メッセージをお願いします。
阿部さん:
「風花記」は,「遙かなる時空の中で5」の,また新たな側面が描かれた作品になっています。チナミ君も,前作とは違う考え方や成長を見せてくれると思いますし,もちろん,新たなツンデレもあります(笑)。楽しみにしていただきたいと思います。
――ありがとうございました。
岡本信彦さん(沖田総司役)インタビュー
――まずは,アフレコを終えての感想を聞かせてください。
「遙かなる時空の中で5 風花記」の発売が決まり,今回は1年振りの収録となりました。最初は少し不安もあったんですが,前作でたっぷり演じさせてもらった甲斐もあってか,すんなりと入っていけた気がしました。
追加キャラクターがいたり,攻略対象キャラクターが増えて,パワーアップしていると感じています。
――今回,あらためて沖田総司を演じて,新しい発見はありましたか?
岡本さん:
前作にはなかった,総司の視点から見ると「イヤだなあ」と思うシーンがあったんですが,それは「演じるのは辛いなあ」と感じましたね。
――沖田総司というキャラクターは本質的に変わってはいないのでしょうか?
岡本さん:
そうですね。総司は「純粋な子」という印象が強いです。シーンが増えたということもありますが,主人公のゆきに心を開いたって部分が多くなった気がします。あとは彼女に対してもアクティブになっていますね。
――主人公に対しアクティブになったということですが,主人公との恋愛の見どころはどんな違いがありますか?
岡本さん:
今回の総司は,「自分で気づかないうちに体が動いている」というシーンが結構あります。それを境に,主人公に対しても饒舌になっているという印象が強いですね。
総司には,これまでセリフを多く喋るという印象はなかったんですが,心を開いてからは,自分の中にある主人公への気持ちを吐露していくという場面も多かったです。
――今回演じてみて,ご自身と沖田総司の共通点を見つけたりしましたか?
岡本さん:
ゲーム内にお菓子に関するシーンがあり,「総司はきっと甘い物が好きなんだろうな」と思いました。僕も甘い物が好きなので,そこが共通点ですね。ちなみに,今回の収録ではたい焼きをいただきました(笑)。
――本作で演じるうえで気をつけた点や,難しく感じたことはありましたか?
岡本さん:
沖田総司というキャラクターは,なかなか感情を表に出さないんです。そういうキャラクターが,主人公に対しどんどん心を開いていく際に,「このときはこれぐらい」というように時系列で変わっていくんです。その割合が難しかったですね。台本を見て,「このシーンでは主人公に対し,何%ぐらい心を開いているのだろう?」と考え,気をつけながら演じました。
あと,「あなた」って呼び方なんですが,それが言いにくいんですよ(笑)。
――「遙かなる時空の中で5 風花記」のストーリーのコンセプトとして,主人公の女の子が「命をかけて大切なものを守る」というのがありますが,岡本さんが今一番守りたいものはなんでしょうか?
岡本さん:
風邪やウイルスから体を守っていきたいですね。どの業界でも,仕事をしていくうえで体が資本だと思いますので。
――本作の見どころや,注目ポイントを教えてください。
岡本さん:
先ほども話しましたが,演じるのが辛かったシーンですね。
総司の気持ちを考えると悲劇ですし,ポイントになる部分だと思います。皆さんにもぜひ見ていただきたいです。
――甘いシーンは本編に対し,どれくらい増えているのでしょうか?
岡本さん:
甘いシーンは結構増えていましたね。総司が積極的になり,「自分がどれだけ主人公のことを好きか」ということを話すんです。
前作の総司は,「よく分かりません」「どうしたらいいか分かりません」など,恋愛のときの気持ちが分からないという部分が強かったんですが,今回は自分の気持ちを整理し,どういうところが好きになったかを明確に話したりするんですよ。
――本作の沖田総司と関わり合いの深いキャラクターを,主人公以外で挙げると誰になりますか?
岡本さん:
キャラクター個人ではありませんが,総司が所属する新撰組は,キーワードの一つになっています。
――岡本さんが演じられた沖田総司以外で,気になるキャラクターはいますか?
岡本さん:
新キャラクターのリンドウですね。どういう人なのか,どのように交わるのか,気になりますね。あと,身近なところでは桐生 祟ですね。彼が新たに攻略対象になるので,「ライバルが1人増えた」と思っています(笑)。
――リンドウとの絡みはありましたか?
岡本さん:
少しありますね。ただ,お互い言葉をたくさんかわすというシーンは,ボイスではありませんでした。
――本作での沖田総司のルートを一言で表現するとしたら,どんな言葉になりますか?
岡本さん:
「想いの力」ですね。悲劇もありますが,それを乗り越えていくというシーンもあるんです。それが何なのかを自分なりに考えたときに,「お互いがお互いを想う力なのではないか」と感じました。
――沖田総司が仮に岡本さんの友達だとしたら,一緒にどんな場所に出かけたり,どんなことをしてみたいですか?
岡本さん:
以前,六本木にある沖田総司のお墓に行って,参拝してきたんです。なぜ沖田総司のお墓が六本木にあるのか気になりますし,知りたいです。
もし総司と会えるのなら,幕末と現在の六本木に行って,両方を歩いてみたいですね。「これが君のお墓だよ」って言ったら,どんな反応をするのかも気になります(笑)。
――最後に,読者に向けてメッセージをお願いします。
岡本さん:
「遙かなる時空の中で5 風花記」は,前作よりも内容がさらにパワーアップしています。新キャラクターが追加されただけでなく,既存のキャラクターの中身も濃くなっていて,見どころがたくさん増えています。ぜひプレイしていただけると嬉しいです。初めて遊ぶ方でも楽しめる作品となっていますので,よろしくお願いします。
――ありがとうございました。
「遙かなる時空の中で5 風花記」公式サイト
「遙かなる時空の中で5」公式サイト
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イラスト/水野十子 (C) TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.