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大観衆が「CS:GO」の好プレイで盛り上がった「Intel Extreme Masters」シドニー大会レポート
IEMは,開催会場ごとに異なるゲームでのトーナメントを行うのが特徴で,シドニー大会の種目は,FPSの「Counter-Strike: Global Offensive」(以下,CS:GO)のみ。予選を勝ち抜いた世界各地の4チームが,大観衆を前にCS:GOの腕前を競った。
そこで本稿では,イベント会場での展示と試合の様子を写真中心にレポートしたい。
近い将来,e-SportsイベントでVRゲームが戦われるように
イベント開幕前には,ESLのCEOであるRalf Reichert氏と,Intelのゲーム分野担当マネージャーのFrank Soqui氏,およびIntelのe-Sports分野担当マーケティングマネージャーGeorge Woo氏によるパネルディスカッションが行われた。
Ralf Reichert氏(CEO,ESL) |
Frank Soqui氏(General Manager of Virtual Reality and Gaming Group,Intel) |
George Woo氏(eSports Marketing Manager,Intel) |
内容自体は,これまでの両社による取り組みを語るのが中心で,ややとりとめのない話が多かったのだが,そんな中でも興味深かったのは,両社ともVRゲームが遠くない将来には,e-Sports分野でも利用されるようになるだろうと考えていたことだ。
Soqui氏は,VR e-Sportsを実現するためには,VRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)や高性能なVR対応PCの価格が高いことと,VR HMDがワイヤレス接続に対応していないことといった課題があることを示した。そのうえで,こうした問題も3〜4年後には解決しているだろうから,その頃にはVR e-Sportsが現実のものとなっているだろうと,楽観的に見ているということだ。
またSoqui氏は,Oculus VRがゲームデベロッパのInsomniac Gamesと組んで開発している「The Unspoken」(以下,Unspoken)のような対戦型タイトルが登場しつつあること,さらにチームスポーツとしてプレイできるゲームタイトルの開発に取り組んでいることも挙げて,VR e-Sportsの実現に向けた動きが始まっているとアピールした。
一方,ESLのReichert氏は,e-SportsイベントをVRで観戦するというアイデアを持っていると述べている。イベント観戦に360度ビデオを利用する程度なら,通信帯域の問題さえクリアできればすぐにでも実現できそうだ。
また,PCのCPUだけでなく,クラウドを支えるデータセンター向け製品といったものも成長しているともSoqui氏は述べており,PC用CPUで有力な競合が登場しても,Intel全体として恐れることはないと見ているようだった。
展示ブースもVRがメイン
Unspokenを使った対戦イベントも実施
イベントの話に戻ろう。会場であるQudos Bank Arenaのロビーや展示コーナーには,各社のゲーマー向けPCを使ったゲームのデモ展示が多数行われていたのだが,中でもIntelが力を入れていたのが,VRゲームの展示である。
会場のロビーには,Oculus VRの「Rift」とモーションコントローラ「Touch」を組み合わせたゲームのデモ機が20台以上用意されており,来場者がいろいろなVRゲームを楽しめるようになっていた。VR HMD初体験という人も多かったようで,慣れないVRゲームで戸惑う人,両手に持ったTouchを振り回してノリノリで楽しむ人など,多くの来場者がVRゲームを楽しんだようだ。
展示ブースの一角では,パネルディスカッションでも言及のあったUnspokenを使ったVRトーナメントも行われた。なんと優勝者には,「GeForce GTX 1080」を2-way SLI構成で搭載するPCが送られたようだ。正直うらやましい。
そのほかにも,PCゲームメーカー大手やオーストラリアのローカルPCメーカーによるゲーマー向けPCの展示とデモやミニゲーム大会なども行われていた。トーナメント本番そっちのけで,対戦に興じている来場者も少なくなかったようだ。
写真で見るIEMトーナメント準決勝および決勝
イベントのメインであるCS:GOのトーナメントは,5月3〜4日にかけて予選リーグを行い,6日に準決勝を2試合,7日に決勝戦である「Grand Final」を行うという進行で行われた。イベントでは,2万人以上が入れるアリーナの半分ほどを使っており,4フロア分ある観戦シートの多くが埋まっていた様子からすると,両日とも7000人程度は来場者がいたのではないだろうか。
「SK Gamingはめちゃくちゃ強いから,この分だと,決勝もすぐに終わりそうだね」なんて会話を,日本からの来場者としていたほど,その強さは際だっていた印象だ。
その声援を受けてか,3マッチめはFaZeが先行して勝ちを積み重ねて,途中でSK Gamingに追いつかれるものの,それを振り切って勝利。ついにSK Gamingに土を付けることに成功した。こうなると観客も大盛り上がりである。
FaZeはここでも食い下がり,一時は勝利数で並んだりしたものの,SK Gamingとの実力差はいかんともし難いところ。最終的にはSK Gamingが4マッチめを制して,IEMシドニー大会の優勝を飾り,優勝賞金20万米ドルを勝ち取った。豪州のチームは準決勝に進出できなかったものの,大観衆は選手たちに惜しみない拍手を贈って,両者の健闘を称えていたのが印象的だ。
大盛り上がりの決勝を見ていて,筆者は,「こんなに大人数が来場して盛り上がるe-Sportsイベントがうらやましい。日本でも見てみたいな」と率直に思った。どんなタイトルで戦うかはともかく,日本でもIEMくらい大規模で盛り上がるe-Sportsイベントの数が増えてほしいものである。
IEM シドニー大会 公式Webページ
- 関連タイトル:
Counter-Strike: Global Offensive
- 関連タイトル:
第7世代Core(Kaby Lake)
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