「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」で，ゲームと連動するフィギュア「amiibo」を体験。その勢いで「ワールドスマッシュ」モードも試してきた

　任天堂から2014年12月6日に発売が予定されているフィギュア「amiibo」（アミーボ）。任天堂の人気ゲームのキャラクターをフィギュア化し，その台座に組み込まれたNFC（近距離無線通信）チップにより，ゲームとの連動ができるというものだ。
　今回，そのamiiboを，同日発売となる「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」（以下，スマブラ for Wii U）で使うと一体どんなことができるのか，体験することができたので，その模様をお伝えしよう。また，スマブラ for Wii Uの新モードも，その場でプレイすることができたので，併せてお届けしよう。

amiiboのサイズは約10cm。キャラクターによって密度や大きさは異なっている。台座は全て共通のデザインだ

「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」公式サイト

「amiibo」公式サイト

コレクションフィギュアとしても完成度の高いamiibo

スマブラ for Wii Uでは，AI育成を楽しめる

　amiiboの実物を見てまず感じたのは，フィギュア自体の完成度が非常に高いということ。リンクやキャプテン・ファルコンなど，リアル頭身のフィギュアはかなり細かなところまで造形と塗装が施されている。マリオの場合は，ファイアボールの部分にクリアパーツが使われているのも印象的だ。どれもコレクションフィギュアとして十分に通用する完成度と言って差し支えないだろう。
　ポージングも，スマブラでの活躍を意識したもののようで，全員がこれまでにあまりないポーズをとっているのも，フィギュアファンの物欲をそそるポイントかもしれない。


　ゲームと連動するときには，Wii Uの場合なら各ゲームソフトで読み書きができる状態にして，Wii U GamePadのNFCエリアにamiiboの台座をかざすことになる。スマブラ for Wii Uでは，データの読み書きが可能。一方，後日アップデートで対応予定の「マリオカート8」では読み込みのみができるそうで，ソフトとの連動内容によって使い方も多少異なるとのことだ。


　スマブラ for Wii Uでは，amiiboを使うことで，フィギュアのキャラクターが「フィギュアプレイヤー」（FP）としてゲームに登場する。このFPを操作するのはコンピュータで，プレイヤーではない。
　しかし，プレイヤーがFPと共にゲームのモードを戦うことで，レベルが上がっていくほか，プレイヤーのクセをAIが学習していくのだ。投げを多く使えばFPも投げ中心の戦い方になり，スマッシュ攻撃ばかり使っていればFPもスマッシュ攻撃を多く使うキャラクターになるといった具合である。
　こうして自分だけのFPを育てて，マルチプレイ時などにみんなで持ち寄って対戦相手として楽しんだり，互いのFPが戦う様子を観戦したりするなど，遊び方のバリエーションが広がっていくというわけだ。なお戦ったFPのデータを残したい場合は，プレイ後に必ずamiiboに保存する必要がある。読み書きはともに体感で約1〜2秒で完了していた。
　当然ながらゲームに現れるキャラクターはフィギュアの造形と同じものなので，使いたいものを選んでamiiboを購入する必要がある。また，1体のamiiboにつき，1タイトルのデータしか書き込むことができない。例えば，マリオのamiiboをスマブラ for Wii Uと，今後登場予定の別のタイトルで使いたいという場合は，2体のamiiboを用意する必要があるので，この点は注意しておこう。


　ちなみに，こちらの記事でもお伝えしているとおり，マリオカート8の場合は，amiibo側に何かのデータを書き込むことはなく，amiiboからキャラクターのデータを読み込むことで，そのamiiboにちなんだMii用のレーシングスーツが登場する。そのため，スマブラ for Wii Uで使っているamiiboを流用することが可能だ。
　なお，マリオカート8に対応しているamiiboはマリオ，ピーチ，ヨッシー，ドンキーコング，リンク，フォックス，サムス，カービィ，ルイージ，キャプテン・ファルコンの10種類。2014年11月13日より配信される追加コンテンツ第1弾に含まれているブルーファルコンに乗るならば，やはりキャプテン・ファルコンのスーツはマストアイテムだろう。

「マリオカート8」では，amiiboとの連動によりMii用のレーシングスーツが使用可能に

　なお，amiiboはNewニンテンドー3DS，Newニンテンドー3DS LLにも対応予定（ニンテンドー3DS，ニンテンドー3DS LLは別売りの周辺機器を使用することで対応予定）だが，対応時期などの詳細は未定とのこと。

ドンキーコングの毛並みやフォックスの尻尾などにも，細かな加工がほどかされている

「8人乱闘」モードは混戦必至

「ワールドスマッシュ」モードも対人戦で盛り上がりそう

　続いて，スマブラ for Wii Uの二つのゲームモードの簡単なプレイレポートもお届けしよう。
　まずは「8人乱闘」モードだ。その名のとおりシリーズ初となる最大8人でプレイできる大乱闘モードで，「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS」（以下，スマブラ for 3DS）では不可能だった，大人数での対戦が可能となる。
　1画面に8キャラクターが登場することで，ほとんどの状況でカメラが引いた状態になるため，プレイヤー全員が混乱必至。スマブラならではのハチャメチャな大乱闘を楽しめる。もしメンツが足りない場合は，手持ちのamiiboのFPを交えて対戦してもいい。
　実際に8人で遊ぶとなると環境をそろえるのも一苦労だが，ニンテンドー3DSシリーズとスマブラ for 3DSのソフトがあれば，ワイヤレスコントローラーとして使うこともできるので，機会があればぜひ試してみてほしい。

　もう一つプレイさせてもらったのが，ボードゲーム風の盤面を使ってプレイする「ワールドスマッシュ」だ。これは最大4人がMiiを使って参加するモードで，大中小の3種類のマップのいずれかを選んで，ルーレットを回しながらマスを移動しつつ，対戦に使うファイターのフィギュアやアイテムを回収するというもの。
　プレイヤーがすれ違ったときには，通常の大乱闘のほか，スマブラ for 3DSでもおなじみの「スマッシュボンバー」などのミニゲームで対戦。ここでの勝敗によって，集めたフィギュアを奪い取ったり失ったりすることになる。そして最終ターンまでに集めたフィギュアを使って，最終戦の大乱闘を行うという流れだ。
　ボードゲームというと，じっくり考えながら遊ぶイメージが強いが，本作は全員が同時にルーレットを回しつつ，対戦時は全員が参加することになるので，本編同様に誰も退屈せずにテンポ良くプレイできるのも嬉しいところだ。
　移動する方向（ボード上はどの方向に移動するのも可能）や，ルーレットを回す前にアイテムを使って自らを優位に導いたり相手を妨害したりするなど，ボードゲーム独自の戦略性も加わっており，これまでにない対戦を楽しむことができるだろう。
　ちなみにこのモードはamiiboには未対応。Miiを使ってプレイするモードなので，当然といえば当然か。


　手軽に持ち寄って遊べるスマブラ for 3DSとは方向性が異なり，仲間数人でじっくりとプレイできるようになっているのが，スマブラ for Wii Uの特徴といえるだろう。amiiboとの連動も含めて，すでにスマブラ for 3DSを遊んでいる人も，発売日を楽しみに待っていてほしい。
　そしてamiiboは，任天堂キャラクターの公式フィギュアとしての価値も高いので，ゲームとの連動目的だけでなく，その造形自体にも要注目だ。第2弾以降のラインナップ発表にも期待したい。

「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」公式サイト

「amiibo」公式サイト