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PS Vitaのローンチタイトル「リッジレーサー」「塊魂 ノ・ビ〜タ」を,バンダイナムコゲームスのメディア向け体験会で試してきた
今回試遊できた2作品はいずれも,現在開催中の「PlayStation Vita“PLAY”キャラバン-全国体験会-」(関連記事)で公開されているバージョンと同じものとのこと。時間に限りがあったためすべてのモードや機能を体験することはできなかったが,実際に触ってみて分かったことをそれぞれレポートしていきたい。
なお,会場ではゲーム画面の撮影を禁止されていたが,代わりにスクリーンショットやムービーを入手したので,こちらをじっくりと眺めてみてほしい。
豪快なドリフトとスピード感は健在
サウンド面も大幅にパワーアップした「リッジレーサー」
今回は都合により試せなかったが,リッジレーサーには「プラネタリーリーグ」と呼ばれるシステムが追加されている。
本システムは,プレイヤーそれぞれが,PlayStationのボタンアイコンを模した○・×・△・□チームのどこかに所属して,チーム対抗戦を行うというモードだ。ここでは,たとえばプレイヤーが所属する「○チーム」に対して,「△チームに勝とう」,あるいは「×・△チーム vs. ○・□チーム」といった形で,24時間ごとにさまざまミッションが配信される。それをクリアすると「ウィニングポイント」(WP)としてチームにポイントが加算され,同ポイントを1か月間集計し,期間中にどのチームが最もポイントを集めたかを競うという仕組みとなっている(関連記事)。
このプラネタリーリーグは,3G回線やWi-Fiによるインターネットプレイ,アドホックに対応した「WORLD RACE」モードと連動している。同モードの「GHOST BATTLE」ではゴーストデータのダウンロードも可能となっており,たとえば「□チームとの対戦に勝て」というミッションなら,□チームのプレイヤーゴーストと対戦し,勝利すればWPを得られる。つまり,オンラインで世界中のプレイヤーと対戦可能なうえ,一人でも遊べるということだ。なお,ゴーストデータはPS Vitaの「near」(プレイヤーの位置情報を利用してほかのプレイヤーとコミュニケーションを図る機能)に対応しているため,プレイヤーが移動中にデータを入手することもあるという。
上記のようにレースに勝利していけば,WP以外にもクレジット(CR)というポイントが貯まっていく。そしてこのCRと引き替えに,愛車を改造することもできる。改造は「マシン強化マップ」と呼ばれるツリー構造のメニューで行うこととなり,強化していくことで少しずつ,改造できる内容が判明していく仕組みだという。なお,車両のカラーリング(対象はボディ,ホイール)も変更できるとのことだ。
実際のレースだが,今回は「WORLD RACE」モードの「SPOT RACE」(オフラインで行う1戦完結のシングルレース)で,シリーズの過去作品にも登場していたコース「Harborline 765」を走ることができた。
なお本作のディレクターを務めるセリウスの寺本秀雄氏によれば,収録車種は5車種,コースは3種類で,コースはそれぞれにリバースバージョンが用意され,計6つになるという。この情報からボリューム面が心細いと感じる人もいると思うが,寺本氏の話では,毎日更新されるプラネタリーリーグのお題をクリアしてクレジットを貯めていき,マシン強化マップで,自分のスタイルに合わせてじっくりと愛車をチューニングしていけるとのこと。こういった点から,長く楽しめる作品に仕上げられたと考えているとのことで,さらに発売後もなんらかの施策を考えているという。こちらは続報に期待しよう。
さて,本作の基本的な操作方法は,左アナログスティックでステアリング,×ボタンでアクセル,□ボタンでブレーキ,△/○ボタンでそれぞれシフトアップ/ダウンとなっている。
走行中にドリフトを行うと,発動すれば急加速が可能になる「ニトロ」のゲージが溜まっていき,最大3発分まで保持できる。
Rボタンを押すとニトロを単発で使用し,ゲージが2つあるときにLボタンを押すとダブルニトロ,ゲージが3つとも満タンならL,Rボタン同時押しでトリプルニトロという具合に使い分けできる。もちろん,単発よりダブル,ダブルよりトリプルのほうが効果はより大きい。
そのほか,PS Vitaの前面のタッチパネル,背面のタッチパッドを使った操作にも対応する。たとえばタッチパネルの画面左端をタッチすると,画面がリアビューに切り替わり,これで後続車両の様子を確認することができる。
そして「GARAGE」メニューでは,車両の各種設定を行える。
トランスミッションに関しては,「AT」(オートチック),「MT」(マニュアル),「PDL」(パドルシフト)という3つのタイプが用意されていた。特徴的なのはPDLで,これは,MTではボタンを使って行うシフトチェンジ操作を,PS Vita背面のタッチパッドによって行えるというもの。タッチパネル側(正面)から見て左側でシフトアップ,右側でシフトダウンするという,PS Vitaならではの操作体系だ。
ドリフトについては,たとえば豪快にコーナーをクリアしていきたいのなら,設定を「ダイナミック」寄りに,そこまでドリフトは必要ないというのなら,「マイルド」寄りにする(その中間は「スタンダード」)。プレイスタイルに合わせて変えられる親切な作りだ。
さて,実際にプレイしてみて驚かされたのは,その美しいグラフィックス。レースが始まるやいなや,赤や黄,青など色彩豊かなカラーのレーシングマシンが次々と目に飛び込んでくる。非常に鮮烈だ。これはPS Vitaが搭載する高品質の有機ELディスプレイの賜物だろう。
また,「リッジレーサー」シリーズのユーザーインタフェースは,スタイリッシュで洗練された印象を受けるが,その点は今作でもしっかりと継承されている。ただキレイなだけでなく,どこに何があるか分かりやすく快適だった。メニュー周りの色調はパッケージと同様の青を基調としたもので,クールでカッコいい。
もちろんただグラフィックスが美しいだけでなく,ゲーム面の出来栄えも上々だ。スピード感はあるし,本シリーズのキモといえるドリフトも,非常に爽快だった。
最初はライバル車が手強くなかなか上位に入賞できなかったのだが,コースの構造を覚え,ドリフトのタイミングを把握できてくると,面白いようにライバル達を追い抜けるようになった。上達する感覚をしっかり体感できるので,モチベーションは維持しやすい。
サウンド面も驚かされた部分だ。今回はヘッドホンを装着してプレイしたが,音はとてもクリア。テンポのいいテクノミュージックとの相性も抜群で,遊んでいるだけでウキウキさせられる。
またサラウンド効果も効いており,自車にライバルが迫ってくると,背後からエンジン音が聞こえてくるし,ドリフト中は「ギャギャギャギャ」とスキール音がしっかりと聞こえてくる。トンネル内での音の反響,ニトロ時の「キュイーン」いう独特の効果音など,状況に合わせたサウンドによって,臨場感はかなり高い。
ちなみに,本作でサウンドディレクターを務める大久保 博氏によれば,「大ジャンプを決めたり,派手にクラッシュしたときにBGMにエフェクトがかかるようにしてあります」とのこと。なかなかに凝った作りだ。
本作は,ゲームカード版(パッケージ版)が3980円で,ダウンロード版が2980円(いずれも税込。2011年12月17日から2012年3月31日までの期間限定価格。期間終了後は3580円)と,新作ソフトとしては比較的安価な設定となっている。「リッジレーサー」のプロデューサーを務めるバンダイナムコゲームスの岡本達郎氏はこの点について,「本作はネットワークでつながることができ,世界中の人が参戦して『リッジレーサー』の世界で競争をしてもらいたいんです。そうするために,できるだけ手に取りやすい価格にしました」と話す。寺本氏も「値段が安いから手を抜いているというわけではなく,しっかり作られた作品です」と自信を持って答えていた。
筆者が遊んでみた印象として,操作そのものはシンプルで分かりやすく,手軽に遊べる作品だと感じた。プラネタリーリーグを試せなかったのは残念だが,話を聞く限りではプレイボリュームもあり,やり応えも大きいようだ。レーシングゲームの爽快感とネットワーク機能を活かしたやり込み要素で,かなり楽しめそうな印象を受けた。
PS Vitaのタッチパネルとタッチパッドを
うまくゲーム操作に取り入れた「塊魂 ノ・ビ〜タ」
操作方法は,左右2つのアナログスティックを同じ方向に倒して操作するという従来のプレイヤーに向けた「タッチ + いままでそうさ」と,FPSのように左アナログスティックで移動,右アナログスティックで視点をそれぞれ操作する「タッチ + よくあるそうさ」の2種類が用意される。いずれもタッチとついていることから察しがつくように,アナログスティックとボタンのほかに,タッチパネルとタッチパッドを使った直感的な操作にも対応する。なお操作方法は,ゲーム中にスタートボタンでポーズをかけ,設定画面に入ることで,いつでも自由に切り替えが可能だ。
タッチパネルやタッチパッドを使うと,どういった操作になるかを紹介しよう。
まず塊の移動はタッチパネルを使う。塊をゆっくり転がすには,塊の上で指を進みたい方向にゆっくり滑らせ,勢いを付けたいなら素早く指を滑らせる。操作は非常に直感的だ。
ほかにも背面のタッチパッド,もしくはタッチパネル上で2点を押さえると,内側にスライドさせて塊を縮めたり,外側にスライドさせて平べったくさせたりするなど,状況に応じて塊の形状を変えられる。この操作方法に関して,本作のプロデューサーを務めるバンダイナムコゲームスの中西俊之氏は,「広いところでは塊を伸ばしてゴッソリ取れるし,狭いところなら塊を縮めて進めるようになっていて,ゲーム性と戦略性がアップしています」と述べる。
また操作に関しては,当初「PS Vitaはアナログスティックが2つあるから,これでいいじゃないか」という開発スタッフからの声もあり,タッチパネルを操作に使うかは悩んだ部分だという。ただ中西氏は「塊魂を初めて遊ぶ人なら,タッチパネルによる操作も受け入れてもらえるのではないか」と語る。さらに中西氏のご息女が,iPadのゲームアプリ「塊魂モバイル」をジャイロ操作でとても楽しそうに遊んでいるのを見て,「先入観がなければいけるのではないか?」と感じ,従来の操作方法に加え,タッチパネルによる操作への挑戦を決めたという。ジャイロ操作はPS Vitaでも可能だが,こちらの実装は期間的に厳しく,今回は見送ったとのことだ。
ゲームはチュートリアルから始まるが,ここではさまざまな操作方法が画面上に表示されており,達成した操作は明るく表示され,習得した操作が一目で分かるようになっていた。実のところ筆者は「塊魂」シリーズは体験版を遊んだことがある程度だったのだが,丁寧なチュートリアルのおかげで,すぐに操作を理解してプレイに集中することができた。
チュートリアルを終えたところで,続いては「ヤングギャル」というキャラクターに話しかけ,「男の子の部屋」というマップを遊んでみた。同マップはサイコロや硬貨,チューインガム,フィギュアやこけしといった物で溢れており,3分間で15cm以上の塊を作ればクリアとなるルールだった。
最初は小さなものを巻き込んでいき,少しずつ塊が大きくなるに従って,飛び越えられる段差なども出てきて行動範囲が広がってくる。そうして塊が巨大化するごとに巻き込めるものも増えていくのが単純に面白い。また,中西氏が話していたように,塊を平べったくして,一度に多くの物を巻き込むのもかなり爽快で,夢中になって遊んでしまった。
ステージをクリアすることで,そのステージに関連するキャラクターから「アメ」をもらえるが,これは作った塊の大きさに比例して多くもらえる。どういうルートで進むと効率よく塊を育てられるか,そういったことを考える戦略性があるわけだ。実際,最初は50点と平凡なスコアだったのだが,2回めは塊を効率よく大きくすることを意識してみたら,75点までスコアを伸ばすことができた。
なお,このアメは,中西氏の話では,――シリーズでお馴染みのキャラクターである――王様のコスチュームの購入に使用するとのことだ。本作を制作するにあたり,王様にも活躍してもらいたいという願いを込めて,シリーズで初めて王様をフルポリゴン化したのだという。ゲームのオープニングでは,王様が金色の全身タイツという格好で登場し,さらにBGMとして松崎しげるさんのボーカルによる「塊オン・ザ・ステージ」が流れるという演出があるのだが,ファンからは「非常に気持ち悪い」(褒め言葉)と,大変好評なのだそうだ。
コスチュームを購入して王様の見ためを変えると,オープニングに登場する王様の服装にもしっかりとそれが反映される。一例として,王様にタキシードとシルクハットを着せたバージョンのムービーも披露されたが,こうして服装を変えただけで,紳士的に見えるとはなかなか不思議なものである。
BGMの話題が出たところで,塊魂シリーズの特徴の一つともいえる「素敵ソング」についても紹介しよう。
「塊魂 ノ・ビ〜タ」では「こちら」で紹介したとおり,全22曲のBGMが用意される。会場を訪れていた本作のサウンドディレクター井上 拓氏によると,「過去のシリーズで使用した楽曲のRemixバージョンが数曲ありますが,大半は新曲で固めています」とコメント。また「ボーカル有りの楽曲は新規で5曲録られました」とのことで,参加アーティストは松崎しげるさん,土岐麻子さん,ロックバンド「MO'SOME TONEBENDER」のボーカリスト百々和宏さんなど,バラエティに富んだラインナップになったとアピールしていた。会場では「塊オン・ザ・ステージ」がエンドレスで流れていたのだが,妙に耳に残ってしまい,今も頭から離れなかったりしている。塊魂の楽曲のファンも期待してよさそうだ。
今回の体験会では2タイトルをそれぞれ30分ずつプレイしたのだが,どちらも――取材なのだが――面白く楽しく遊ぶことができた。両タイトル共にPS Vitaの機能や特徴をしっかり活かした作品となっており,個人的にもグッと期待値が増している。発売が楽しみだ。
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(C)2011 NAMCO BANDAI Games Inc.
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