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待望の「Z.O.E」続編に関する発表もあった“はいだら”づくしの「ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速〜ReBOOT Preview〜」をレポート
「Z.O.E」ファンのツボを心得たプレミアムなイベント
それぞれが客席に向かって「はいだらー!」と叫び,それに対して,まるで事前に打ち合わせていたかのような一体感をもって「はいだらー!」と叫び返す客席。よく訓練されているとでも言おうか……とにかく,開演直後から会場全体のテンションはMAX値に達していた。
まずは,「Z.O.E」シリーズ開発を振り返りながらのトークが進行する。企画段階では「九曜大戦」というまったく違った世界観の作品だったことや,そこからロボットアニメを意識したプロジェクト「アトランティス」へと移行し,最後に「Z.O.E」へと至ったという裏話などが披露された。
また,村田氏によると「コンセプトが固まる前は,ロボットものなのに,ビルの陰に隠れる要素とかありました」とのこと。それに対して小島監督は「その頃は僕らが横で『メタルギアソリッド2』を作っていたので,『隠れなアカン!』と思ったんではないですかね」と語り,会場の笑いを誘っていた。
「初期の“ヴァイオラ”はドロンジョ様だった」と語る岡村氏。レオの性格も明るく,最初の構想は,現在よりもっとコメディ寄りの作品だったようだ |
「僕にとって『Z.O.E』シリーズは趣味みたいなものでした」と新川氏。結果的に「Z.O.E」シリーズが現在の形に落ち着いたのは,新川氏のイラストの力が大きかったという |
「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」公式サイト
また,ファンから募集した質問を登壇者にぶつけていくという場面もあった。その中で「Z.O.Eが最初,ドリームキャスト向けだったと知って驚きました」という質問に答えた小島監督は,「当時『アトランティスから来た男』というテレビドラマを観まして,その主人公役のパトリック・ダフィーの海パンに渦巻きマークがあったんです。それがドリームキャストのマークにソックリで,これや! と思ったんです。で,プロジェクト名は秘密にしたかったので,アトランティスと呼ぶことにしたんです」という,冗談のような話をしていたのが印象的だった。結果的にPlayStation 2のほうがマップを広くできるなどの理由で,対応機種は変更されたという。また,Z.O.Eのほかに「レゾンデートル」や「メガドライバー」というタイトル案もあったらしい。
質問コーナーが一段落したところで,声優の井上和彦さん(ディンゴ・イーグリット役),雪野五月さん(ケン・マリネリス役),鈴村健一さん(レオ・ステンバック役),芳野美樹さん(ADA役)という,Z.O.Eシリーズのメインキャストが続々と登場。キャラクターやオービタルフレームのランキングについての感想を語ったほか,さまざまな質問に答えてくれた。
キャラクターランキングではやはり,みんな大好きADAが1位。惜しくも4位だったというケン役の雪野さんは「調子こいて出てきたのに,今は針のムシロ状態です……」と苦笑い |
乗ってみたいオービタルフレームのランキングではなぜか,ビックバイパーがランクイン。ちなみに,こちらの6位にもADAがランクインしていたらしい。広い解釈ではアリ……なのか? |
好きなディンゴのセリフについて井上さんは「“金”と力は正しいことに使え」といい声でコメントし,会場を沸かせていた。ディンゴはそんなこと言わない |
ゲーム好きなので,ビックバイパー乗りになれてとても嬉しかったと語る鈴村さん。当初は「どこかで見たことあるなぁ」と思いつつ,変形機構のせいでビックバイパーだと気づかなかったという |
生アテレコも披露され,レオとADAが再会する名シーンで井上さんと鈴村さんが「はいだらー!」を連呼するアドリブを連発。結果,滅茶苦茶な内容になってしまい,ツボに入ってまともにセリフを読めず「理解……不能です……」とつぶやく芳野さん,もといADAに会場は爆笑の渦。続くディンゴとケンの掛け合いでも,雪野さんのお株である「はいだらー!」を井上さんが強奪。しかし最後の最後,クライマックスのシーンではさすがに井上さんと鈴村さんもビシッと真面目にキメてくれた。
アテレココーナーが終了すると,ここでアニメ監督の近藤信宏氏と,演出家の山地光人氏が登壇。そして「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」の新オープニングムービーが宇宙最速上映され,PlayStation 2版との比較映像も流された。
そのあとで,速報でもお伝えしたように「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」の発売日が2012年10月25日に決定したことが発表され,プレミアムパッケージやフィギュアといった関連商品についても続々と発表。さらに……ついに「Z.O.E」シリーズの続編についても発表があった。
とはいえ,まだ始まったばかりのプロジェクトで具体的な形はなく,現在「FOX Engine」による実験が行われている最中とのこと。最新作のプロデューサーを担当する予定の鳥山亮介氏も壇上に呼ばれ,「Z.O.E」の続編に本気で取り組んでいることがアピールさせられた。ともあれ,小島監督は本気で続編を作ろうとしているとのことだ。
制作中のイメージも公開されたのだが,スクリーン上に映しだされたオービタルフレームらしき物体のデザインは,これまでの「Z.O.E」シリーズの常識を覆すもので,生体的というか,メカよりも悪魔やドラゴンといったモンスターに近く,狂気すら感じるような禍々しいオーラを放っていた。緊張した空気の中,スクリーンに釘付けになった来場者の息を呑む音が聞こえてくるようだった。
Z.O.Eファンはこの機会に,ぜひとも意見を発信してほしい。
そして,ラストを飾るのに相応しく,Z.O.Eのテーマソングがスペシャルライブで披露され,イベントは幕を閉じた。
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ZONE OF THE ENDERS HD EDITION
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(C)2012 Konami Digital Entertainment
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