［Gamescom］シリーズ作品中，最も野心的な試みとなる「Need for Speed The Run」のプレゼンがEAブースで行われる

　Electronic Artsの「Need for Speed The Run」（PC/PlayStation 3/Xbox 360）は，スウェーデンのEA DICEの開発したゲームエンジン，「Frostbite 2」を使用した高度なグラフィックスと，プレイヤーキャラクターが車を降りて徒歩で走り回るという，シリーズ初というか，レースゲームジャンルの中でも珍しいシステムが大きな特徴となる一作だ。

ブースに展示されていた車両

　開発は，「Need for Speed」シリーズや「Skate」シリーズなどを制作するカナダのEA Black Boxが担当し，欧米では2011年11月15日の発売が予定されている。1994年にリリースされた「Need for Speed」以来17年，20作近い作品が登場した長寿レーシングシリーズの最新作だ。2010年にはFree-to-Playの「Need for Speed World」と，「Need for Speed: Hot Pursuit 2」が，そして2011年には3月には「Need for Speed: Shift 2 Unleashed」がリリースされているので，年2作という最近のゲームとしては驚くほどのペースで新作が登場している。EAが，並み居るライバルを押しのけてレースゲームジャンルのナンバーワンを目指しているのは間違いなさそうだ。

　もっとも，「Need for Speed」はシリーズを通して“ガチなレースシム”という雰囲気は少なく，あくまで爽快感を優先させたライトな作りのゲームとして知られているのは，皆さんもよくご存じのとおりだ。

「Need for Speed The Run」公式サイト

　そんなNeed for Speed The Runは，2011年6月に開催されたE3 2011（関連記事）に続き，ドイツ・ケルンで開催されたGamescom 2011でもプレゼンが行われた。ゲームの概要については，これまでにも何度かお伝えしてきたように，サンフランシスコからニューヨークまでの違法レースに参加した主人公Jack Rourkeが，警察の追跡の裏をかき，ライバル達としのぎを削っていくというものになる。
　Frostbite 2エンジンは，「FIFA」シリーズのために開発されたヒューマンアニメーションシステム「ANT」を使用しているため，本作でもJackの動きは見事で，車を走らせてよし，ヘリコプターに追われながら逃げまくってもよしという感じで，一粒で二度おいしいゲームになっている。


　表情の異なるさまざまな土地で，白熱のレースを行えるのも魅力の一つだ。2011年8月17日に掲載したEAのプレスカンファレンスで公開されたのは，ロッキー山中を走るハイウェイで，次々に起きる雪崩をかわしつつ爆走するというデモが公開された。理由はよく分からないが，雪崩の原因はミサイルっぽいものが立て続けに撃ち込まれているため。また，同じ記事中に掲載したムービーには，ネバダの砂漠地帯をニトロを吹かしながら突っ走る様子が収められている。
　このほか，グランドキャニオンや北米中央部の平原地帯など，これこそアメリカといえそうな土地が数多く登場し，その土地の雰囲気を生かしたレースが楽しめる。また，「Need for Speed: Hot Pursuit」（2010年）で初登場したソーシャルコミュニケーション機能，Autologもパワーアップしており，フレンドを含む世界中のドライバー達と抜きつ抜かれつの熱いスコア争いを繰り広げられるとのことだ。

英語版のLimited Editionに収録される，Chevrolet Camaro ZL1（左）とLamborghini Aventador（右）

　そして，毎回のお楽しみである登場車両も，McLaren MP4-12C，Ford Shelby GT500 Super Snakeなど，マニアにはたまらないものが多数登場するようだ。
　ハリウッド映画を思わせる激しいカーアクションが魅力的なシリーズ最新作。いろいろな新機軸がレースゲームファンにどのように受け入れられるか興味深い。日本での展開は，今のところ未発表だ。