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冒険はまだ終わらない。TRPG連載「『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で遊ぼう」,第4回は“オンライン・セッション”のススメ(読者プレゼントもあるよ)
テーブルトークRPGの入門として,これまで3回にわたり掲載してきた連載「『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で遊ぼう」。第3回までは実際のプレイ風景を中心に紹介してきたが,それを読んで自分もプレイしてみたい! と思った人も少なくないハズだ。そこで連載の最後を飾る第4回は,気軽にTRPGを楽しみたい人達に向け,「オンライン・セッション」の遊び方を紹介しよう。また,今回の記事の末尾には,アナログゲームについての読者プレゼント付きアンケートも用意している。アナログゲームファンは,ぜひ参加してみてほしい。
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「ダンジョンズ&ドラゴンズ」日本語版公式サイト
遊ぶ時間も場所もない……でも大丈夫!
まず一番大変なのは時間の確保だろう。なにせいい大人が5人も集まって遊ぶのだから,とくに社会人にとってはハードルが高いのは間違いない。学生ならば時間にはもう少し余裕が有るかもしれないが,今度は場所の確保に悩むことになる。ちなみに本連載で紹介したセッションの場合には,都内某所の貸会議室を使って,約5時間ほどかけてプレイの収録を行っている。5人以上の人間が集まって,長時間バカ騒ぎができる,しかも利用料がそれなりの場所というのは,世知辛い日本には,そう多くはないものなのだ。
ではこれらをどうやって解決するのか。一昔前ならば,学校や地域のゲームサークルを当たってみるのが,一般的な解決方法だった。こういったサークルは,学校の施設や市民センターなどを借り,定期的なコンベンション(ゲーム大会)を行っている。そういったサークルに所属すれば,プレイする場所のみならず,一緒にプレイしてくれるゲーム仲間まで揃ってしまう。参加料も一人当たり数百円くらいからでお財布にも優しく,とくに学生には今でもオススメしたい方法だ。
……しかし正直,それもちょっと面倒だ。よっぽどTRPGへのモチベーションが高いならいざしらず,いきなり知らないコミュニティに飛び込むのは躊躇してしまうもの。いわんや時間のない社会人をや。やはり“気軽さ”という意味では,ビデオゲームやオンラインゲームに一日の長があるのは確かだろう。
だがしかし,インターネットが普及した今なら,別の方法がある。それがオンライン上で遊ぶTRPG「オンライン・セッション」だ。プレイヤーがそれぞれの自宅から参加できるオンライン・セッションなら,時間や場所の問題はある程度解決できる。距離を隔てた昔の知己と,再びゲームを楽しめることもあり,オンライン・セッションの普及によって,往年のTRPGファンが地下迷宮探検に戻ってきつつあるのだ。
オンライン・セッション,キホンのキ
ではまずオンライン・セッションに必要な,基本的なツールを紹介していこう。ごく基本的なところでは,以下のようなものが挙げられる。
・IRCクライアント
・ダイスBOT
ダイスBOTとは,IRCのチャットルームに常駐することで,チャット上でダイスを振る機能を実現するソフトウェアだ。といっても,画面にサイコロ(ダイス)が出現したりするわけではなく,プレイヤーからの指示に対し,文字ベースで結果を返す形となる。例えば参加者が“2d6”(6面ダイスを二つ振った合計の意)という入力に対して,“8(2D6 = [5 3])”(5と3が出たので合計は8)といった,ランダムな結果を返してくれる。ダイスBOTはさまざまな種類がフリーソフトとして公開されているので,検索エンジンで探してみよう。
必ずしも必須というわけではないが,参加者全員で共有できるホワイトボード共有ソフトがあると,ゲームをスムーズに進行できる。主にダンジョンのマップや,戦闘での位置関係を示すのに便利なので,可能ならぜひ用意しておきたいところだ。専用のソフトウェアもあるが,Web上のお絵かきチャットやGoogle ドキュメントの共有機能などを使っても良いだろう。
・ボイスチャットツール
IRCチャットでの完全なテキストベースのゲーム進行は,それはそれでメリットもあるのだが,顔をつきあわせてプレイする場合に比べ,かなり時間がかかってしまうというデメリットがある。どんなにタイピングが早くても,会話に比べるとスピードが遅くなるは致し方ないところ。そこでボイスチャットツールを使えば,このデメリットをかなり軽減できる。ボイスチャットツールの有名どころといえば,「Skype」がその筆頭に挙げられるだろう。またオンラインFPSやMMORPGで使われる,より専門的なボイスチャットツールとして,「TeamSpeak 2」や「Ventrilo」 「Mumble」などがある。Skypeに比べると設定などはやや面倒なものの,同時接続人数の多さと,軽い動作が魅力的だ。
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ボイスチャットのメリットデメリット
オンライン・セッションには,音声チャットで進行する場合とテキスト・チャットで進行する場合があり,どちらにもメリットとデメリットがある。
ボイスチャットは,実際に卓を囲んでゲームするのと同じ感覚でプレイでき,進行もスピーディである半面,発言が被って聞き取り辛かったり,雑談が多くなりがちだったりする。一方テキストチャットはどうしても進行が遅くなってしまうものの,キャラクターになりきったロールプレイ(演技)がしやすく,またテキストなのでログとして残しやすいといったメリットがある。
なので現在は,キャラクターとしての発言などはテキストチャットで行い,ゲーム的な処理やプレイヤー同士のメタ発言(雑談)はボイスチャットで行う,両方を併用したスタイルが一般的になってきている。
・そのほか
そのほかにも,インターネットには便利なツールがまだまだ存在している。例えば同じメンバーでの冒険を長く続けるなら,レンタルWikiなどを借りて,これまでの冒険の情報を共有しておくといいかもしれない。キャラクターシートなどの管理にも便利だし,たまたま参加できなかったメンバーも,次回のセッションに参加しやすくなる。普通は会議や飲み会などの調整に使う,Web上のスケジューラーなども工夫しだいで便利に使えそうだ。
これまで挙げてきたソフトは,どれも基本的に無料で使えるソフトばかり。元々はオンライン・セッション用に作られたものではないものがほとんどだが,うまく組み合わせることで,快適なオンライン・セッション環境を作ることができる。
しかし,昨今はそれ専用のツールも生まれてきている。今回はそんな専用ツールの一つである「どどんとふ」(Dangeons and Dragons Map Tool Flash)について,詳しく紹介していこう。案内してくれるのは,今回の冒険でベテランプレイヤーとしてマフィア達初心者を手助けしてくれた柳田真坂樹氏。“トリガーハッピー”ウィザードとして八面六臂の活躍をした,コーラ・アンダーヒルの中の人だ。
ベテランDMに,オンライン・セッションのコツを聞いてみた
柳田真坂樹:
D&D日本語版翻訳チームとして,ルールブックの翻訳と記事執筆を中心に,D&D日本語版に7年間携わっている。D&D第3.5版リプレイ「若獅子の戦賦」シリーズ,D&D第4版リプレイ「海燕〜Around the World〜」シリーズのマスターと執筆を担当。最近はペンネームのD16名義で,「D&D四方山話」と題して,テーマに沿った話を視聴者と繰り広げるUSTREAMでの動画配信を精力的におこなっている。
4Gamer:
近年,オンラインでTRPGを遊ぶ「オンライン・セッション」が流行していると聞きます。柳田さんもオンライン・セッションは良くプレイされるのですか。
レギュラーでほぼ週1ペースでプレイしています。平日の夜に2時間くらいずつですが,今のところキャラクターのレベル帯が低く,動きがシンプルなので,2時間で2遭遇くらいできます。
4Gamer:
昔に比べると,かなりオンライン・セッションは一般的になったように思います。
柳田氏:
オンライン・セッションはプレイしたことがあるが,オフライン・セッションは未経験という人もいるくらいです。余談ですがWeb小説から単行本化されて話題を呼んだ「まおゆう」(「まおゆう魔王勇者 1『この我のものとなれ、勇者よ』『断る!』」)の作者,橙乃ままれ氏なども,オンライン・セッションをかなり遊んでいると聞いています。なんでも膨大なテキストを素早く打ち込む能力は,オンライン・セッションで培われたのだとか(笑)。
4Gamer:
なるほど。しかしオンライン・セッションは,顔をつきあわせてやる通常のセッションよりも,時間がかかるというイメージがあります。
柳田氏:
そこは工夫次第ですね。2〜3時間で終わるようにシーンを切り,そのシーン単位で冒険シナリオを準備する。つまり、1回を短く,回数を多くしたほうが遊びやすくなります。対面で遊ぶときとは勝手が違うのは事実なので,てきぱき進める意識を参加者全員で持つようにすれば,快適さはかなり違ってきます。
4Gamer:
では工夫次第では,忙しい社会人でも短時間でTRPGが遊べると。
柳田氏:
“今日はこのシーンを何時までに終わらせよう”という意識を,予め共有しておくのがコツです。あとはみんなで遊ぶと楽しいところだけ残しておいて,必ずしも全員が臨席していなくていい部分は掲示板やメールで済ませておくとか。1か月に1回,6時間遊ぶのと,1か月に4回,2時間ずつ遊ぶのでは,結果的には後者のほうが濃く遊べるわけですから。
オンライン・セッション専用ツール「どどんとふ」
オンライン・セッションをサポートするツールにはさまざまなものがありますが,柳田さんのオススメは「どどんとふ」という環境だそうですね。これはどんなツールなんでしょうか。
柳田氏:
「どどんとふ」は,TRPG専用に作られたWebアプリケーションで,修正BSDライセンスで配布されているオープンソースのソフトウェアです。設置にはサーバーの知識などが若干必要ですが,ただ利用するだけなら作者のたいたい竹流氏が運営している「どどんとふ@えくすとりーむ」というサイトで,自由に使うことができます。オンライン・セッションに便利な機能が満載で,D&Dだけでなく国内のほとんどのTRPGシステムに対応できているのが強みです。
4Gamer:
具体的には,どんな機能があるんでしょう。
柳田氏:
ホワイトボード機能,画像アップローダー,ダイスBOT,ゲーム用のチャット機能などが統合されていて,僕の場合はこれにSkypeによるボイスチャットを組み合わせて遊んでいます。
オンライン・セッション支援ツール「どどんとふ」の使い方
■「どどんとふ」を使うには
- 「どどんとふ@えくすとりーむ」のWebサイトを開き,左メニューから,“どどんとふ安定版”をクリックする(インストールなどは不要,もちろん無料)。
- “どどんとふ”のロビー画面から,「空き部屋」と表示されているプレイルームを選択する。(事前に参加者と「何時に何番ルームに集合」などと連絡を取っておく)。
- 入りたいプレイルームの番号を入力し,ログインボタンを押す(なお,No.0はテストルームなので,自由に入って体験や練習ができる)。
ログイン画面
■ログイン後の画面の見方
(1) メニューバー
ここからさまざまな機能を呼び出せる。
(2) マップ画面
背景画像・座標・マス目を表示させたり消したりできる。マップの上で右クリックし,「キャラクターの追加」でさまざまなコマを設置できる。コマはキャラクターやモンスターの位置を示すものとしてドラッグ&ドロップで操作できるほか,魔法の効果範囲などを示すこともできる。
(3) チャットウィンドウ
立ち絵機能
通常のチャット機能のほか,ダイスBOT機能が組み込まれている。またキャラクターの立ち絵を設定することで,アドベンチャーゲーム風の画面にすることもできる。
(4) イニシアティブウィンドウ
キャラクターの行動順を管理するウィンドウ。現在のヒットポイントなど,戦闘に必要なステータスも合わせて表示し,戦闘をスムーズに進行させることができる。
(5) ダイスパレット
ダイスを振る操作を,グラフィカルな表現で行うためのダイス機能。ダイスBOTの簡素な表示では物足りない時に使用する。
■そのほかの便利な機能
チャットパレット:
ここに前もってテキストを入力しておくことで,クリックするだけ定型文をチャットウィンドウに表示できる。特殊な攻撃パワーや,演出的な文章(NPCのセリフなど)を書いておくと便利。
データのセーブ・ロード
マップやアイコンの画像と位置,現在の数値データなどは,セーブを行うことで保存することができる。時間の都合などで中断した場合に,次回のゲーム時にロードすれば,そのまま続きがプレイできる。
さまざまなゲームシステムへの対応
「どどんとふ」は,D&D以外にも,さまざまなTRPGシステムにも対応している。例えば「レーティング表」という特殊な判定方法が必要になる「ソードワールド2.0」も,ここから選択することで,レーティング表判定を行えるようになる。
また,ダイスを使ったゲームだけでなく,トランプやタロットカードなどを使ったシステムにも対応。
サイバーパンクを題材としたTRPG「トーキョーN◎VA」のニューロデッキによるプレイ風景
リプレイ機能
録画機能をオンにすれば,チャットパレットへの書きこみやコマの移動履歴などをローカルに保存することができる。録画したファイルは後から好きなスピードで再生でき,プレイを振り返る場合などに便利だ。
「どどんとふ@えくすとりーむ」には,実際のプレイの様子を確認できる「お試しリプレイ」が公開されている。左のメニューの「お試しリプレイを見る」で見ることができるので,チェックしてみよう どどんとふ@えくすとりーむ
4Gamer:
では実際に「どどんとふ」を使って,プレイの様子を説明していただきます。ダイスも「どどんとふ」上から振ることができるんですよね。
柳田氏:
ダイスウィンドウから,使用するダイスを選んでクリックすれば,チャットウィンドウにその結果が反映されます。またチャットウィンドウにはダイスBOT機能もあるので,直接書き込むこともできますね。6面ダイス2つなら“2d6”と入力するだけで,OKです。スピードならこちらのほうが早いです。
4Gamer:
背景のマップも自由に変更できるんですか?
柳田氏:
「どどんとふ」には画像アップローダの機能がついてますので,地図の画像やコマの画像を予め用意しておけば,それを使うことができます。今回は,D&Dの公式サイトにあるダウンロードシナリオのマップを流用してみました。キャラクターのアイコンは,以前のWebリプレイで使用したものです(イラスト:吉井 徹氏)。
4Gamer:
絵心のある人が参加者にいると,冒険にもグッと雰囲気が出てきますね。
柳田氏:
もちろん自前でイラストが用意できればベストですが,「どどんとふ」にはいくつかサンプルイラストも用意されています。カメラから写真を取り込む機能などもあるので,それを使ってもいいですね。
用意した画像をアップロードすれば,メニューの「キャラクター追加」から読み込むことで,画面上に配置できるようになる |
マップ画像が用意できない場合も,線と色で塗り分けた簡単なマップなら,その場で作ることも可能 |
4Gamer:
なるほど。「どどんとふ」だけで随分いろいろなことができるんですね。
柳田氏:
より詳しい解説は,「どどんとふ@えくすとりーむ」にヘルプページがあるので,そこを見ると良いと思います。また同人誌になりますが,作者のたいたい竹流さんによる,どどんとふの公式解説書も出しているので,もっと使いこなしたい人は,そちらを読んでみるといいかもしれません。
[コラム]「どどんとふ」制作・管理者 たいたい竹流氏のコメント
「どどんとふ」は,元々は転勤で離れ離れになってしまった地元サークルのメンバーと,D&D 3.5版を遊びたいと思って開発したソフトです。この手のソフトは実は海外製が多いので,最初はそれを利用しようと思ったんですが,使い方がよく分からない。で,「分からん! もういいや自分で作ろう」という流れになって,制作することにしました。
今ではたくさんの方が利用してくださっているようで,ありがたい限りです。一人のTRPG好きとして,TRPGを遊ぶ機会を増やすことができたなら,それが何よりも嬉しいですね。
4Gamer:
では今回の連載を通して「久々にTRPGとか,やってみようかな」と思った読者に向けてメッセージをお願いします。
ネットのおかげで距離や時間についての問題は解決してますし,最新TRPGのゲームシステムは,昔のものに比べ,軽快かつスムーズに遊べます。21世紀になっても,やっぱり楽しさは人と遊ぶことにあると思うので。で,そのための土台はすでに準備されている。ですから,あとは飛び込むだけです。
4Gamer:
そもそもTRPGの遊び相手がまわりにいないという人は,どうすればいいのでしょうか。
柳田氏:
ぜひ仲の良い友人をTRPGに引き込んで……といいたいところですけど(笑)。もしネットの世界で探すなら,mixiのコミュニティなどで“オンセ”や“オンライン・セッション”といったワードで検索すると見つかります。それからTRPG専用のSNSというのもあって,まだ小さいですが,同好の士を探すにはうってつけです。
また手前味噌になりますが,D&Dについていうなら,公式・非公式問わずイベントが頻繁に開かれていて,赤箱からの復帰ユーザーや,新規に興味を持った人への対応を行なっております。とくにD&Dエンカウンターという,2時間ほどの限られた時間で遊ぶイベントがありまして,国内でもあちこちで開催されつつあります。
4Gamer:
この世界は皆初心者に優しいので,ぜひ旅の仲間を探してみてほしいですね。
柳田氏:
ええ。ぜひもう一度,あの地下迷宮に挑んでみてほしいです。
4Gamer:
はい。本日はありがとうございました。
※なお,D&Dの出版元であるウィザーズ・オブ・ザ・コーストも,2011年の夏頃を目処に,オンライン・セッション用ツールの公開を予定している。こちらの利用には有料サービスである“D&D Insider(英語版)”への登録が必要だ
「D&D」をもっと詳しく知りたい人のための最新情報
■連載で紹介した「赤箱」を買いたいなら……
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の入門セットである,「新赤箱」こと「ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版 スターター・セット」(5040円,税込)は,最寄りのゲームショップ,または通信販売などで購入できる。
商品情報は「こちら」。
D&D日本語版の取扱ショップ一覧は「こちら」。
※連載で使用した立体ダンジョンやミニチュア,ペーパークラフトなどは,本製品には含まれていません。ご注意下さい。
「D&D 第4版 スターター・セット」をAmazonで購入
「D&D 第4版 スターター・セット」をHobbyJapan OnlienShopで購入
■「D&D」をもっと遊びたいなら……
今回紹介した「赤箱」は入門用キットで,4つの種族と4つのクラスで最初の2レベルを遊べるようになっているが,基本ルールブックを買えばキャラクター作成の幅は無限に広がり,レベルも30まで上げることができる。ちなみに30レベルというのはまさに“神”クラスであり,「神のように強い」ではなく,「神そのもの」になることすら可能なのだ。
基本ルールブックは「プレイヤーズ・ハンドブック」 「ダンジョン・マスターズ・ガイド」 「モンスター・マニュアル」の3冊からなるが,プレイヤーとして遊ぶなら「プレイヤーズ・ハンドブック」(税込6090円)があればこと足りる。
さらに日本語版の公式サイトには,基本ルールと作成済みキャラクターが載っているクイックスタート・ルールと,「シャドウフェル城の影」シナリオ体験版が公開されているので,まずはこれらを活用して,D&Dの世界に触れてみるといいだろう。
もちろん,さらにキャラクターを強化するサプリメント本や世界設定本,シナリオ集なども多数発売されているので,それらを使えばD&Dの世界をどこまでも拡張していける。公式サイトには,そのほかリプレイやシナリオダウンロードなど,手厚いサポートが用意されているので,こちらぜひチェックしてみよう。
基本ルールブックの製品紹介は「こちら」。
D&D日本語版の公式サイトは「こちら」。
追加のルールブックを集めていくことで,キャラクターの強さを追求したり,さまざまな世界での冒険に出向いたりする楽しみも得られる
■手っ取り早くD&Dを体験してみたいなら……
全国のゲームショップで,「D&Dゲームデイ」や「D&Dエンカウンター」と呼ばれるイベントが行われていることがある。「ゲームデイ」は世界中で同じシナリオ・同じキャラクターを使って遊ぶ1日がかりのイベントで,その1回あたり時間を縮め,時間を区切って気軽に遊べるようにしたのが「エンカウンター」だ。募集は各ショップでおこなわれているので,チェックしてみてほしい。
エンカウンターはただいま関東で開催中。開催店舗・日程の情報は「こちら」でチェック。
公式コンベンションなどのイベント情報は「こちら」
また,関東近辺なら「初心者の初心者による初心者のためのD&Dの会in東京」といった一般の初心者歓迎コンベンションもチャンスの一つ。また,5月からプレイヤー募集が始まる「DAC愛知」は名古屋国際会議場でおこなわれる大がかりなコンベンションだ。
こんな大規模戦闘ができるのもイベントならでは
■「D&D」の世界観や物語を小説で知りたいなら……
D&Dには,冒険の舞台となる世界の設定がいくつも存在している。
「ドラゴンランス」は,新イラストで角川つばさ文庫から子ども向けに復刊されている
とくに人気がありさまざまな小説の舞台になっているのが,魔法の影響が強い「フォーゴトン・レルム」という世界で,最近では小説「ダークエルフ物語」「アイスウィンド・サーガ」などで取り上げられている。善の心を持ったダークエルフ,ドリッズト・ドゥアーデンの名前は有名なので聞き覚えのある人もいるかもしれない。
一方,ハーフエルフの主人公タニスや魔法使いのレイストリンが出てくる,有名な小説「ドラゴンランス」シリーズは,神々に見捨てられたクリンという惑星を舞台にしている。
最近のものなら,魔法と機械が融合した世界「エベロン」がある。一般読者からの投稿を元に作られた世界設定で,飛空艇や魔導列車,心のある人造兵士などが闊歩する世界観は「ファイナルファンタジー6や7に似ている」といわれることも。こちらを舞台にした小説には「ドリーミング・ダーク」三部作がある。
D&Dの小説を主に出版しているアスキー・メディアワークスのD&Dサイトは「こちら」。
魔法と機械が融合したエベロン世界を冒険するためのサプリメント本と,エベロン世界の地図→Amazon
■D&Dのビデオゲームに触れたいなら……
PCゲームの「バルダーズ・ゲート」シリーズ,「ネヴァーウィンター・ナイツ」シリーズは,前述のフォーゴトン・レルム世界を舞台にしている。また,今春に発売予定のアクションRPG「Dungeons & Dragons: Daggerdale」(PC / PS3 / Xbox 360)の舞台もこのレルムだ。
もっと古い時代の世界設定としては「ミスタラ」があり,カプコンのアクションゲーム「タワー・オブ・ドゥーム」とその続編「シャドーオーバー・ミスタラ」の舞台はここだった。
2011年第4四半期には,Atariの最新作「Neverwinter」の発売も予定されている
※そのほか「プール・オブ・レディアンス」「アイ・オブ・ザ・ビホルダー」など,今では入手困難なものばかりだが,RPGの元祖であったD&Dのゲームは古くから数多くがリリースされている。
■ミニチュアも入ったD&Dのボードゲームなら……
「キャッスル・レイヴンロフト」および「ラス・オヴ・アシャーダロン」というD&D第4版のボードゲームが発売中。箱を開けるとダンジョンのボードとミニチュア,カード類がずっしりと詰まっている。
シナリオが多数用意されており,それに従って敵を動かしつつ,プレイヤー達が協力して敵を倒すというゲームで,ダンジョン・マスターなしで遊べるTRPGのような感じだ。お値段はやや高いがかなりの歯ごたえがあり,まずはこれを遊んでみるのもいいだろう。
「ラス・オヴ・アシャーダロン」(税込8400円)→Amazon 「キャッスル・レイヴンロフト」(税込8400円)→Amazon
元祖にして最新のRPG「D&D」への誘い
D&Dは,たった1つの箱から始められるが,シナリオを考えキャラクターを育てていくかぎり,無限に終わることのないゲームだ。
D&Dは,RPG最古の歴史と伝統を持つ一方,長い時間をかけて洗練されてきた遊びやすさを持つ最新のゲームだ。
D&Dは,さまざまな数値とサイコロの確率に操られた“デジタルな”要素と,コミュニケーションやその場のノリが創造的な物語を作り出す“アナログな”要素とを兼ね備えたゲームだ。
D&Dは,プレイヤー同士が協力して一人では乗り越えられない困難をクリアする爽快さと,一歩間違えばいつキャラクターが死んでもおかしくないスリルと,会話から生まれる抱腹絶倒の笑いとを,バランスよくミックスしたゲームだ。
いったん踏みこめばその奥深さと面白さに驚嘆すること請け合いの,ダンジョンズ&ドラゴンズの世界に,今こそ来たれっ!
“アナログゲームの記事をもっと読みたい?”
“読みたいとしたら,どんな記事?”D&D連載完結記念,アナログゲーム意識調査アンケート
これまで4週にわたってお届けしてきた,連載「『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で遊ぼう」もこれが最後。普段はビデオゲームやPCゲームを中心に扱っている4Gamerでは,ちょっと珍しいアナログゲームの連載となったが,いかがだっただろうか。なにせ手探りで始めた企画だっただけに,ここまで読んでくれた読者の中には,もっとこんな切り口で! とか,このタイトルを取上げて! とか,思うことは沢山あったかもしれない。
そこでその連載の締めくくりとして,今回はプレゼント付きのアンケートを用意させていただいた。テーマはずばり「4Gamerでアナログゲームの記事をもっと読みたいか」。なおご協力いただいた方の中から,抽選で3名に「ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版 スターター・セット」をプレゼント。アナログゲームに興味のある読者は,振るって応募してほしい。
プレゼントに応募するには,下記のリンクから応募フォームへ進み,すべての必須項目に記入して送信ボタンをクリックしてください。 重複応募は当選を無効とさせていただく場合がございます。締め切りは,5月9日(月)14:00です。
当選者へは,抽選後メールにてご連絡いたします。発送日の確定や本人確認,当選の結果などについてのお問い合わせには一切お答えできませんので,ご了承ください。
「D&D 第4版 スターター・セット」が当たる!
アナログゲーム意識調査アンケートに回答する
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」日本語版公式サイト
- 関連タイトル:
ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版
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