Qualcomm,次世代ハイエンドSoC「Snapdragon 845」の詳細を公表。Snapdragon 835と比べてグラフィックス性能は最大3割増に
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第2世代の10nm LPP FinFETプロセスで製造されるSnapdragon 845は,「Adreno
Qualcommによると,すでにスマートフォンメーカーなどへのサンプル出荷を行っており,2018年の早い時期には,搭載製品が市場に登場するようだ。
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Snapdragon 845 | Snapdragon 835 | |
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型番 | SDM845 | MSM8998 |
製造プロセス | 第2世代 |
10nm LPP |
CPUコア | Kryo 385 | Kryo 280 |
物理コア数 | 8 | 8 |
最大動作クロック | 2.8GHz | 2.45GHz |
GPUコア | Adreno 630 | Adreno 540 |
メモリコントローラ | LPDDR4X 1866MHz | LPDDR4X 1866MHz |
統合型モデム | Snapdragon X20 LTE | Snapdragon X16 LTE |
Snapdragon 845は,現行世代のSnapdragon 835と比べて,主要なコンポーネントが一新されたと言えるほど大きく変わっている。以下に,それらのポイントを簡単にまとめてみよう。
まず,ゲーマーにとって一番重要なGPU部分のAdreno
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次にCPUのKryo 385を見てみよう。Kryo 385は,4基の高性能(big側)CPUコアと,4基の低消費電力(LITTLE側)CPUコアを搭載するbig.LITTLE構成を採用している。big側の動作クロックは最大2.8GHzに達し,Snapdragon 835と比べて25~30%の性能向上を,LITTLE側の動作クロックは最大1.8GHzで,同様に15%の性能向上を実現したという。
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これらのGPUやCPUと合わせて,AI処理の一翼を担うのが,Hex
SoCに集積するモデム機能も強化されている。新しい「Snapdragon X20 LTE modem」(以下,X20 LTE)は,最大で5つの周波数帯を束ねて通信する「5x20MHz Carrier aggregation」に対応しており,最大下り通信速度は1.2Gbpsと,Snapdragon 835が搭載する「Snapdragon X16 LTE modem」(以下,X16 LTE)の1Gbpsよりも高速なデータ通信が可能だ。
もちろん,利用する通信キャリアがこの方式に対応したうえで,その方式を利用できる通信環境での理論値であるから,実際にその恩恵を得られる場面があるかどうかは,別の話である。また,最大上り通信速度は150Mbpsのままで,X16 LTEと変わっていない。
そのほかにも,4K解像度で「Rec.2020」色空間での録画に対応する映像処理プロセッサ「Spectra 280 ISP」の搭載や,セキュリティ機能を担う「Secure Processing Unit」の搭載も特徴に挙げられている。
Qualcommの主張どおりであれば,早ければ2018年夏モデル,遅くとも2018年秋冬モデルのハイエンドスマートフォンで,Snapdragon 845を採用するものが登場するであろう。また,Snapdragon 845を使ったスタンドアロンタイプのVRヘッドマウントディスプレイも,登場してくるかもしれない。ゲーマーにとっても,今後の展開が楽しみなプロセッサとなりそうだ。
Snapdragon 845 製品情報ページ(英語)
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