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ソニー,光学式ズーム対応の望遠カメラを搭載した「Xperia 1 IV」を発表。ミドルクラス向けの「Xperia 10 IV」も登場
ソニーによると,Xperia 1 IVは,2022年6月上旬以降,Xperia 10 IVは,7月上旬以降に国内発売を予定するという。
Xperia 1 IV
Xperia 1 IVは,約6.5インチサイズで,解像度1644×3840ドット,アスペクト比21:9の有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンだ。
ディスプレイのサイズは前モデルの「Xperia 1 III」と同じだが,輝度が1.5倍に向上したという。
ディスプレイサイズと同様に,公称本体サイズもXperia 1 IIIと変わらない。公称本体重量は1gほど軽くなっているが,手にしたときのサイズ感はまったく同じと考えていいだろう。
ただ,Xperia 1 IIIでは,筐体のフレーム部分からガラスパネルが少し盛り上がっていたのに対して,Xperia 1 IVはフラットになっている。これは,予期せぬ落下時にガラス面が直接接地する可能性を下げるための変更とのことだ。
このほかにXperia 1 IVの外観で目につく点を挙げると,ボタンやインタフェース類の配置はXperia 1 IIIから変更されたことだろうか。従来は左側面にあったSIMカードスロットが,Xperia 1 IVでは,下側面に移動となった。また,右側面にあった[スマート]ボタンは,Xperia 1 IVにはない。
搭載SoC(System-on-a-Chip)は,Qualcomm製のハイエンド市場向け「Snapdragon 8 Gen 1」を採用する。国内向けモデルは,Xperia 1 IIIから引き続き,5Gで利用する周波数帯のうち,6GHz以下の「Sub6」に加えて,27〜29GHz帯を使用することでより高速な通信が可能な「ミリ波」にも対応した。
光学式ズームに対応した望遠カメラをを採用
Xperia 1 IVのアウトカメラは,引き続き標準と広角,望遠という3眼式となっている。このうち,とくに注目すべきは望遠カメラだ。
Xperia 1 IIIのアウトカメラは,可変式望遠レンズを採用しており,ひとつのレンズユニットで,70mmと105mmという2つの焦点距離で撮影を実現している。ただし,70mmと105mmの中間距離には対応していなかったので,この間の焦点距離はデジタルズームで補間する仕組みだった。
一方,Xperia 1 IVは,光学式ズームが85mmと125mmの中間距離にも対応したのが最大の見どころになる。幅広い焦点距離に対応したことで,デジタルズームにありがちな解像感の劣化がない高画質での写真撮影が可能となるわけだ。
また,120fpsの高速読み出し対応撮像センサーをすべてのカメラに搭載しており,リアルタイム瞳AFやスローモーション撮影,ハイフレームレート動画撮影などをすべてのレンズで利用できるという。
インカメラは撮像センサーが大型化し,有効画素数が向上したのに加えて,4K解像度でのHDR撮影が可能になったそうだ。
カメラアプリの改良点にも触れておくと,「Xperia Pro-I」から搭載する動画撮影用アプリ「Videography Pro」に,YouTubeへの配信を直接行う機能を追加したのがポイントとなる。
Game Enhancerは配信者向け機能を強化
ゲーマー向け機能「Game Enhancer」では,新たに配信者向けの機能を拡充したという。たとえば,Videography Proのように,Game EnhancerからYouTubeへの直接配信ができるようになった。また,視聴者のコメントをXperia 1 IVのゲーム画面にオーバーレイ表示したり,簡易的ながら配信画面のレイアウトをカスタマイズしたりできるという。
さらに,Xperia 1 IVからPCを経由して実況配信を行うときに,配信者の音声とゲーム内音声を分けてPCに伝送することにより,PC側で音声のミキシングが可能になったそうだ。
2022年も引き続き,「PUBG MOBILE」の世界大会でXperiaシリーズが公式端末として採用されることが決まったとのことだ。
また,ソニーは,高い性能を長時間維持しながら,ゲームや実況配信を行うためのXperia 1 IV専用周辺機器を開発していることも発表した。詳細は不明だが,冷却機構と配信用のポートを備えた大型ケースのようで,2022年秋以降の発売を見込んでいるという。
低音域の音圧が向上したスピーカーを搭載
継続的に機能向上を図ってきたサウンド面では,本体スピーカーのスピーカードライバとエンクロージャーを変更することで,低音域の音圧を1.2〜1.5倍に向上したそうだ。
それに加えて,独自アプリとして「Music Pro」を新たに追加した。これは,宅録や「歌ってみた」といった歌唱動画の投稿が増えてきたことを背景としたもので,録音した音声をクラウド上で処理することで,ノイズや残響特性を除去するという機能だ。ソニーの録音スタジオでの周波数特性などにあわせて,音声データをチューニングし,あたかも高機能なマイクやスタジオを利用して録音したような仕上がりになるという。
端末本体での録音や音声編集は無料で行えるが,クラウド上での音声処理を利用するには月額料金が必要になるとのことだ。
メーカー | ソニー |
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OS | 未公開 |
ディスプレイパネル | 約6.5インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 8 Gen 1」 ・CPUコア:Kryo(最大2.995GHz) ・GPUコア:Adreno |
メインメモリ容量 | 12GB |
ストレージ | 256GB,512GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約1200万画素,F1.7,焦点距離24mm ・広角:約1200万画素,F2.2,焦点距離16mm ・望遠:約1200万画素,F2.3〜2.8,焦点距離85〜125mm |
インカメラ | 約1200万画素,F値未公開 |
対応通信規格 | 5G(Sub-6/ミリ波),LTE |
無線LAN対応 | Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax) |
Bluetooth対応 | 対応(バージョン未公開) |
バッテリー容量 | 5000mAh |
USBポート | USB Type-C |
本体サイズ | 約71(幅)×165(奥行き)×8.2(厚さ)mm |
本体重量 | 約187g |
本体カラー | ブラック,アイスホワイト,パープル |
Xperia 10 IV
Xperia 10 IVは,約6インチサイズで,アスペクト比21:9の有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンとなる。
本体カラーはホワイト,ミント,パープル,ブラックの4色展開で,販売する国や地域によって,カラーは異なる。
Xperiaシリーズのミドルクラス市場向けモデルとして,初めて5000mAhの大容量バッテリを搭載しつつ,公称本体重量約161gと比較的軽いボディを実現したのが特徴だ。搭載SoCはQualcomm製の「Snapdragon 695」を採用しており,5G通信に対応する。
アウトカメラは,既存の「Xperia 10 III」と変わらず,標準と広角,望遠の3眼構成となる。
撮像センサーのスペックは公開されていないのだが,ソニーによると画像処理アルゴリズムを変更しており,とくに暗い場面で従来モデルよりも高画質な写真を撮影できるようになったという。
メーカー | ソニー |
---|---|
OS | 未公開 |
ディスプレイパネル | 約6インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 695」 ・CPUコア:Kryo 619(最大2.2GHz) ・GPUコア:Adreno 660 |
メインメモリ容量 | 6GB |
ストレージ | 128GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約1200万画素,F値未公開,焦点距離24mm ・広角:約800万画素,F値未公開,焦点距離16mm ・望遠:約800万画素,F値未公開,焦点距離54mm |
インカメラ | 約800万画素,F値未公開 |
対応通信規格 | 5G,LTE |
無線LAN対応 | Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac) |
Bluetooth対応 | 対応(バージョン未公開) |
バッテリー容量 | 5000mAh |
USBポート | USB Type-C |
本体サイズ | 約67(幅)×153(奥行き)×8.3(厚さ)mm |
本体重量 | 約161g |
本体カラー | ホワイト,ミント,パープル,ブラック |
また国内向けのエントリー市場向けモデルとして,「Xperia Ace III」(エクスペリア・エース・マークスリー)も発表となった。こちらは2022年6月中旬以降の発売を予定しており,販路や価格は今後改めて発表するという。
ソニーのXperiaシリーズ公式Webサイト
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