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ソニー,新型スマホ「Xperia 1 III」や「Xperia 10 III」を発表。ハイエンドは5Gのミリ波にも対応
今回発表となったのは,「Xperia 1 III」(エクスペリア ワン マークスリー)と「Xperia 5 III」(エクスペリア ファイブ マークスリー),および「Xperia 10 III」(エクスペリア テン マークスリー)という3製品だ。このうち,Xperia 1 IIIはKDDIとソフトバンクから,Xperia 10 IIIはKDDIから,6月中旬以降の発売を予定する。残るXperia 5 IIIの国内発売について,ソニーは明らかにしていない(2021年4月14日18:40頃追記)。
本稿では,Xperia 1 IIIとXperia 10 IIIのグローバルモデルについて,特徴やスペックを紹介したい。
5Gのミリ波に対応したXperia 1 III
まずは,Xperia 1 IIIから見ていこう。
本製品は,搭載SoC(System-on-a-Chip)にQualcomm製のハイエンド市場向け「Snapdragon 888」を採用するフラグシップモデルである。5Gで利用する周波数帯のうち,6GHz以下の「Sub6」に加えて,27〜29GHz帯を使用することでより高速な通信が可能な「ミリ波」にも対応するのが特徴だ。
公称本体サイズは,71(W)× 165(D)× 8.2(H)mmで,前世代の「Xperia 1 II」とあまり変わっていない。ただ,背面のデザインは,Xperia 1 IIが艶のある加工だったのに対して,Xperia 1 IIIはフロストガラス風の処理となっている。
ボタン類では,「Xperia 5 II」や「Xperia Pro」でも採用していた側面の「スマートボタン」が追加となったのが目に付くところだ。
また,従来からあるシャッターボタンも,エンボス加工を施したことで押しやすくなっている。
ディスプレイには,Xperia 1 IIと同じ約6.5インチサイズで,解像度1644×3840ドット,横持ち時のアスペクト比が21:9の「4K HDR」有機ELパネルを採用する。最大リフレッシュレートが120Hzへと向上したほか,表示補間技術を用いて,240Hz相当の表示にも対応したのがポイントだ。
また,タッチパネルのサンプリングレートが240Hzに向上しており,よりゲーム用途に適したスペックになっている。
オーディオ機能についても触れておきたい。
Xperia 1 IIIは,ソニーが開発する独自の立体音響技術「360 Reality Audio」の認証を,スマートフォンとして初めて取得した。360 Reality Audioに対応した楽曲を聞く場合,これまではスピーカーやヘッドフォンが必要であった。しかし,Xperia 1 IIIは,スマートフォン本体のスピーカーで360 Reality Audioが利用できるそうだ。また,一般的な2chのステレオ音源から,立体的な音場をつくり出す「360 Spatial Sound」も新たに搭載している。
Xperia独自のゲーム向け機能「Game Enhancer」にも,画面表示とサウンド関連の機能が追加された。
まず画面表示では,画面のガンマ値を自動調整することで,暗い部分を明るくする「L-γ レイザー」が新たに加わった。サウンド面では,特定帯域の音量を調整することで,足音や会話などの音を強調する「オーディオイコライザー」を搭載したほか,音声チャット用マイクの最適化が行えるようになったという。
アウトカメラは3眼式
ペリスコープ式の望遠カメラを新たに採用
Xperia 1 IIIは,カメラ機能も大きく強化している。標準と広角,および望遠という3眼構成であるのは,Xperia 1 IIと変わらないが,望遠カメラにペリスコープ(潜望鏡)式のカメラユニットを採用したのが見どころとなる。
この望遠カメラには,スマートフォンでは世界初という可変式望遠レンズを採用しており,内部のレンズ群が移動することで,ひとつのレンズユニットで70mm(35mmフィルム換算,以下同)と105mmという2つの焦点距離を実現するという。Xperia 1 IIIは3眼構成であるが,この可変式望遠レンズの採用で,事実上4つの焦点距離を持つカメラになるわけだ。
なお,ソニーが望遠レンズを「可変式」と呼ぶのは,70mmと105mmの中間距離には対応していないためだ。この間の焦点距離はデジタルズームで補間する形となる。
Xperia 1 IIに引き続き,カメラユニットのレンズはすべてZEISSレンズを採用する。T*(ティースター)コーティングにより,レンズ内反射を低減し,よりクリアな撮影を実現するという。
カメラ用アプリケーションは,ソニーのレンズ交換式デジタル一眼カメラ「α」の使い勝手を継承した「Photography Pro」に一本化され,Android標準のカメラアプリはインストールされない。Photography Proは,より簡単な操作で撮影ができる「BASIC」モードを追加して,目的や利用シーンに応じて,モードを切り替えて撮影できるようになった。
Xperia 1 IIIの主なスペックは以下のとおり。
メーカー | ソニーコミュニケーションズ |
---|---|
OS | Android 11 |
ディスプレイパネル | 約6.5インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 888」 ・CPUコア:Kryo 680(最大2.84GHz) ・GPUコア:Adreno 660 |
メインメモリ容量 | 12GB |
ストレージ | 256GB,512GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約1200万画素,F1.7,焦点距離24mm ・広角:約1200万画素,F2.2,焦点距離16mm ・望遠:約1200万画素,F2.3および2.8,焦点距離70mmおよび105mm |
インカメラ | 約800万画素,F2.0,焦点距離23mm |
対応5Gバンド | 未公開 |
対応LTEバンド | 未公開 |
対応3Gバンド | 未公開 |
無線LAN対応 | 未公開 |
Bluetooth対応 | 未公開 |
バッテリー容量 | 4500mAh |
待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.1 Type-C |
公称本体サイズ | 約71(W)×165(D)×8.2(H)mm |
公称本体重量 | 約188g(ミリ波対応モデル) |
本体カラー | フロストブラック,フロストホワイト,フロストパープル |
Xperia 10 III
Xperia 10 IIIは,Xperiaのミドルクラス市場向けスマートフォンとしては,初めて5Gに対応するモデルだ。
搭載SoCは,Qualcommのミドルクラス市場向け“600”番台では,最新の「Snapdragon 690」。5G対応と内蔵バッテリーの大容量化を実現しながら,前世代の「Xperia 10 II」に比べて小型化を実現したのがポイントである。
カラーバリエーションは,ブラック,ホワイト,ブルー,ピンクの4色。なお,販売する国や地域によって,実際に発売される色の種類には違いがあるそうだ。国内向けモデルのカラーバリエーションは明らかになっていない。
バッテリー容量は,前モデルのXperia 10 IIが3600mAhだったところ,4500mAhへと25%も大容量化している。前モデルと同様に,3.5mmミニピンヘッドセット端子を備える点は,ゲーマーには魅力的かもしれない。なお,圧縮音源の高音質化機能は「DESS HX」から「DESS Ultimate」へと向上したそうで,さらなる高音質化が期待できよう。
Xperia 10 IIIの主なスペックは表2のとおり。
メーカー | ソニーコミュニケーションズ |
---|---|
OS | Android 11 |
ディスプレイパネル | 約6インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 690」 ・CPUコア:Kryo 560(最大2GHz) ・GPUコア:Adreno 619L |
メインメモリ容量 | 6GB |
ストレージ | 128GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約1200万画素,焦点距離27mm ・超広角:約800万画素,焦点距離16mm ・望遠:約800万画素,焦点距離54mm |
インカメラ | 約800万画素 |
対応5Gバンド | 未公開 |
対応LTEバンド | 未公開 |
対応3Gバンド | 未公開 |
無線LAN対応 | 未公開 |
Bluetooth対応 | 未公開 |
バッテリー容量 | 4500mAh |
待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.1 Type-C |
公称本体サイズ | 約68(W)×154(D)×8.3(H)mm |
公称本体重量 | 約169g |
本体カラー | ブラック,ホワイト,ブルー,ピンク |
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