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「Xperia Z4」は何が新しくなった? ARROWSとAQUOSの新型はどう? NTTドコモ2015年夏モデルテストレポート
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印刷2015/05/14 13:37

テストレポート

「Xperia Z4」は何が新しくなった? ARROWSとAQUOSの新型はどう? NTTドコモ2015年夏モデルテストレポート

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 既報のとおり,2015年5月13日,NTTドコモは,2015年夏モデルとなるAndroidスマートフォンとAndroidタブレット系10製品を発表した。といっても,ゲーマーの注目が集まりそうなハイエンド製品のうち,Samsung Electronics(以下,Samsung)製の「Galaxy S6 edge SC-04G」「Galaxy S6 SC-05G」はすでに販売中で,ソニーモバイルコミュニケーションズ(以下,ソニー)製の「Xperia Z4 SO-03G」はメーカーから発表済みであるため,新製品発表のインパクトには多少欠けるかもしれない。

 そんな今夏の新製品に共通する特徴としては,5インチ級スマートフォンが軒並み,64bit対応の4+4コアCPU搭載SoC(System-on-a-Chip)を採用している点が挙げられるだろう。Samsung製の2製品は,同社製SoCの「Exynos 7420」を,それ以外の機種ではQualcomm製の「Snapdragon 810」を採用している。
 ただ,展示会場でテストをしてみると,同じSoCを採用するとはいえ,チューニングの傾向はメーカーによって異なっているのは明瞭だった。スペックが同じであっても,SoCをどう活用するかについては,メーカーによる違いが現れていて面白い。
 そこで今回は,以下に挙げた4製品のテストレポートをお届けしよう。なお,Galaxy S6 edgeは,KDDI版でレビューを掲載済みなので,そちらを参照してほしい。

  • Xpeira Z4 SO-03G:6月中旬発売予定
  • Xperia A4 SO-04G:6月中旬発売予定
  • ARROWS NX F-04G:5月下旬発売予定
  • AQUOS ZETA SH-03G:5月下旬発売予定


Xpeira Z4 SO-03G


 まずはXpeira Z4 SO-03G(以下,Xpeira Z4)からだが,その外観は2014年モデルである「Xperia Z3」のマイナーチェンジといったところ。Xperiaの象徴ともいえるモノリス風のデザインも継承しており,背面にガラスパネルを採用して高級感もキープ,といった感じだ。
 要するに,いつものXperia Zシリーズの雰囲気はそのままであり,シリーズのファンは安心していい。

Xpeira Z4の前面(左)と背面(右)。どちらもフルフラットな,いつもの見た目だ。Xperia Z3と比べてみると,「強化ガラスがやや薄くなったかな?」と思うが,違いはそれくらいではなかろうか。ちなみに,発熱傾向からすると,SoCがあるのは背面から見てLEDライトとドコモロゴの中間あたりと思われる
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本体上側面(左)には,サブマイクとキャップレス防水仕様のヘッドフォン端子がある。本体下側面(右)には,ストラップホールとキャップレス防水仕様のUSB Micro-B端子が配置されている。ちなみに,歴代のXperia ZシリーズはUSB端子が防水カバーで覆われていたので,外観上の変更点としては大きなポイントだ
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本体左側面(左)には,防水カバーで覆われたnano SIMカードスロットがある。本体右側面(右)にはボタン類が集まっており,左からシャッターボタン,[音量調節]ボタン,[電源/スリープ]ボタンと並んでいた
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各側面にはアルミ製フレームを採用しているが,四隅は電波を通すためか,プラスチック製の部材が採用されている。両側面は半円を描いているため,ホールドしやすい
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 SoCにSnapdragon 810を採用したことにより,「Snapdragon 801」を採用していたXperia Z3よりもスペックは向上している。ただ,メインメモリ容量は3GB,内蔵ストレージ容量は32GBと,こちらは変わっていない。

 さてそのSnapdragon 810,スマートフォン用SoCとしては発熱が大きいと,海外ではもっぱらの評判であった。そのためか,Xperia Z4では,側面にはアルミ合金製の部材がおそらく放熱効率引き上げのために採用されている。
 で,気になる温度だが,テスト中,背面の1か所が妙に熱を持つことに気付いた。手が触れやすい部分の温度は,高い負荷が続いても不快なレベルにまで上昇しないように制御されている気配もあったので,このあたりは頑張っているといえるだろう。ただ,スマートフォンにおける高性能化と薄型化の両立がそろそろ限界に近づきつつあるように感じたのも確かだ。

本体のカラーバリエーションは,BlackとAqua Green,White,Copperの4種類(左)。上端と下端にはステレオスピーカーも健在だ(右)。ちなみに,NTTドコモの2015年夏モデルだと,ステレオスピーカーを備えているのはXperiaシリーズだけのようだった
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 搭載する液晶パネルは,5.2インチサイズで解像度1080×1920ドット。ソニーお得意の「トリルミナス液晶」を引き続き採用しており,発色は良好だ。液晶パネルに問題を感じることはほぼないといっていい。
 バッテリー容量は2930mAhとのこと。3000mAh前後の端末が主体の昨今では,特筆すべきものではないだろう。ちなみに,今回テストしているSnapdragon 810を搭載する3製品の中では,待受時間の公称値が一番長いのはXperia Z4だったりする。
 いずれにしても,Xperia Z3ユーザーからすればマイナーアップデートといったところだが,Xperia Z2以前のユーザーから見れば,大きくアップデートされた端末という認識でいいのではなかろうか。

 それでは恒例のベンチマークテストに入ろう。今回は,Android版「3DMark」によるグラフィックス性能の計測と,メインメモリおよびストレージアクセス性能を計測する「A1 SD Bench」,連射測定アプリケーション「ぺしぺしIkina」による連打の応答性計測,そして「CPU-Z」を使った各CPUコアの挙動観察という4種類のテストを実施している。

 まずは3DMarkのIceStorm Unlimitedプリセットをテストしてみたところ,「19304」というスコアが出た。2014年発売のXperia Z2やXperia Z3,あるいは最近登場した「ZenFone 2」と比べても,大きな違いは出ていない。Snapdragon 810に対するドライバソフトの最適化は,まだ十分とはいえないようだ。

3DMark IceStorm Unlimitedの計測結果
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 ちなみに,Physics testのスコアは「8497」で,これはGalaxy S6 edgeのほぼ半分程度。CPU部はARM製CPUコアである「Cortex-A57」と「Cortex-A53」をそれぞれ4基ずつ搭載する「big.LITTLE」構成で,CPUの最大動作クロックも,Galaxy S6 edgeの方が100MHz高いだけ。それでこれだけのスコア差が付いているのは面白い。Galaxy S6 edgeのほうが,高負荷のベンチマークテスト時にもCPUコアを全力で動かしている,ということだろうか。
 ただ,GPU性能を計測するGraphics test 2では,Xperia Z4のフレームレートがGalaxy S6 edgeを上回っていた。SoCの統合型GPUによる違いもあるだろうが,チューニングの違いが出ているようにも思える。

A1 SD benchの計測結果
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 次はA1 SD benchの結果を見てみよう。メインメモリ性能を計測する「RAM copy」は4993.09MB/s。内蔵ストレージの性能を計測する「Internal memory」では,Read(読み出し)が236.10MB/s,Write(書き込み)が86.59MB/sという結果になった。RAM copyの速度はスペックからして並といったところで,操作していても遅いと感じるようなことはなかったことを付け加えておこう。

ぺしぺしIkinaの計測結果
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 ぺしぺしIkinaでは,連打回数が9396になるように連打して,スコアは「85」となった。飽和らしい現象は50タップめと,62タップめにあった程度。ただ,軽く試し打ちしたときは「93」となったり「79」になったりと,連打の処理にはややブレがあるようだ。いずれにせよ,最初の飽和が発生する50タップ程度までは安定して連打できるので,ゲーム用としては申し分ないとはいえる。

 最後にCPU-Zで,CPUの動作を確認してみた。アイドル状態では,CPU6〜7が「Stopped」と表示されていた。バックグラウンドでファイルをダウンロードしてみても,あまり変化は見られない。一方,GPUの動作クロックは,アイドル時が305MHz,最大で600MHzといった動きを見せていた。
 そこで,通常のアプリと同時に起動できる「ミニブラウザ」上で,HTML5を使ったグラフィックス性能テスト「Fish Bowl」を実行しながらCPUの動きを観察したところ,Fish Bowlの設定が「AUTO」の場合は,CPU0〜3だけが動作する状態になり,表示する魚の数を2000匹にした場合は,CPU4も動作するという動きを見せていた。
 Galaxy S6 edgeでは,Fish Bowl時にすべてのCPUコアが動作していたので,Xperia Z4は,高負荷時でも全CPUコアを使い切ったりはしないようだ。このあたりも熱対策ということなのかもしれない。

Fish Bowlを実行しながらCPU-Zで各CPUコアの動作を観察した。左はAUTO状態で,右は2000匹表示の高負荷状態。全コアが動いてるわけではない点に注目してほしい
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●Xpeira Z4 SO-03Gの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 5.0(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.2インチ液晶(「トリルミナス液晶」),解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」(4+4 CPUコア,最大CPU動作クロック2GHz,Adreno 430 GPUコア)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2070万画素
  • インカメラ:有効画素数約510万画素
  • バッテリー容量:2930mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約480時間/約470時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約810分/約1180分
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz,700MHz
  • LTE-Advanced対応:あり
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:72(W)×146(D)×6.9(H)mm
  • 本体重量:約144g
  • 本体カラー:Black,White,Copper,Aqua Green
  • 主な対応サービス&機能:PS4 リモートプレイ,spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,フルセグ,ワンセグ,NOTTV,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING(クラス5),Wi-Fiテザリング,防水(IPX5,8),防塵(IP6X)


Xperia A4 SO-04G


 Xperia A4 SO-04G(以下,Xperia A4)は,Xperia Z4の弟分的な立ち位置の製品だ。
 本体サイズは66(W)×128(H)×9.1(D)mmで,液晶パネルも4.6インチワイドと最近のスマートフォンにしては小さめであるため,片手操作も可能なコンパクトサイズに収まっている。ちなみに,バッテリー容量は2600mAhで,サイズからすると多いほうである。

Xperia A4の前面(左)と背面(右)。今夏の新製品はどれも5インチ級ばかりなので,4.6インチパネルを搭載する本機は貴重な小型端末だ
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 搭載SoCはXperia Z3と同じSnapdragon 801で,メインメモリ容量は2GB,内蔵ストレージ容量は16GB。液晶パネルの解像度は720×1280ドットといった具合に,スペックはXperia Z4よりも低いものになっている。解像度を除けば,スペックは2013〜2014年前半のハイエンド並みといったところか。

基本形状はXpeira Z4と変わらないので,グリップ感は良好だ(左)。カラーバリエーションは左写真のWhiteに加えて,右写真の上からPink,Blue,Grayの4色構成。背面はザラついた感覚のある処理が施されており,高級感はないが手には馴染みやすい
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 ベンチマークテストを実行してみたところ,3DMarkのIceStorm Unlimitedでは,Xperia Z4と大差のない「19602」というスコアを記録した。「Xperia Z2」や「Xperia Z3」と同じSoCを搭載するのだから,このスコアも当然といったところだが,この結果からは,ゲーム用として選択しても問題はないといえそうだ。

3DMark IceStorm Unlimitedの計測結果
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 これはぺしぺしIkinaの結果からもいえる。スコアは「84」で,飽和は31タップめ,55タップめ,63タップめで確認できた程度と,最初の飽和が少し速いことを除けば,Xperia Z4と遜色ない程度だった。
 一方,A1 SD benchの結果を見ると,Internal memoryがやや遅めなことが気になる。とくに,Writeは42.84MB/sとXperia Z4の半分以下。アプリのインストール時に遅さを体感してしまう人もいるのではないだろうか。

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ぺしぺしIkinaの結果
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A1 SD benchの計測結果

 いずれにしても,Xperia A4は,Xperiaの下位モデルと切って捨てるには惜しい性能を持っている。コンパクトサイズでゲームも十分に楽しめるスマートフォンが欲しいというなら,Xperia A4を選ぶ価値はあるだろう。

●Xperia A4 SO-04Gの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 5.0(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:4.6インチ液晶(「トリルミナス液晶」),解像度720×1280ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 801 MSM8974AC」(4 CPUコア,最大CPU動作クロック2.5GHz,Adreno 330 GPUコア)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量16GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2070万画素
  • インカメラ:有効画素数約220万画素
  • バッテリー容量:2600mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約760時間/約620時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約700分/約990分
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz
  • LTE-Advanced対応:なし
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.0
  • 本体サイズ:66(W)×128(D)×9.1(H)mm
  • 本体重量:約129g
  • 本体カラー:Black,White,Copper,Aqua Green
  • 主な対応サービス&機能:PS4 リモートプレイ,spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,ワンセグ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING(クラス5),Wi-Fiテザリング,防水(IPX5,8),防塵(IP6X)


ARROWS NX F-04G


 富士通モバイルコミュニケーションズ製のARROWS NXシリーズは,基本的にハイスペック&チャレンジャブルなスマートフォンだが,今夏の新製品「ARROWS NX F-04G」(以下,ARROWS NX)における目玉機能は,生体認証技術の1つである「虹彩認証」が可能な「Iris Passport」を搭載している点に尽きると言っていいのではなかろうか。これは,画面を見つめるだけで,ロックの解除やWebサービスへのログインパスワード入力を行えるという機能だ。

本体前面(左)。液晶パネル上部の右側にあるリングで囲まれたようなものは,インカメラのように見えるが虹彩認証センサーだ。上部を拡大すると(右),左端に見える白い点がLEDライトで,以降は順に近接センサー,赤外線ライト,インカメラ,受話口と並び,右端が虹彩認証センサーとなる。ちなみに,虹彩認証センサー使用時は赤外線ライトが点灯する
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従来のARROWSで背面にあった指紋認証センサーは今回なし
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 今のところ,ゲームアプリでは使えそうもないのは残念だが,画面を見るだけでサクッとロックが解除されるというのは,なかなか便利であり,未来のデバイスといった感じもあって面白い。なお,虹彩認証を搭載したことによって,ARROWSシリーズのトレードマークでもあった指紋認証センサーは,姿を消している。

 ボディのデザインはどちらかといえば無骨で,スクエアな印象だ。ただ,背面の四辺には若干の丸みがあるので,実際に手に持つと意外と持ちやすい印象を受けるだろう。

上側面(左)には,ヘッドフォン端子とワンセグ/フルセグ用のロッド式アンテナがある。ヘアライン加工されたアルミ合金製パネルが目を惹く。形状も最近のスマートフォンらしくないデザインだ。下側面(右)には,ストラップホールとマイクがある
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左側面(左)には,中央に別売りの充電用クレイドルとつなぐ接点がある。防水カバーの内側には,USB Micro-B端子と,上下に並んだnano SIMカードスロット,microSDカードスロットがある。キャップレス防水仕様ではないため,充電のたびにカバーを開け閉めするのは少々面倒だ。そのための充電用クレイドルなのだろうが……。右側面(右)には,[電源/スリープ]ボタンと[音量調節]ボタンが並ぶ
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四角い印象を受けるボディだが,四辺が刺さるような感じもなく,実際の持ち心地はとても良好だった
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カラーバリエーションはIris Green,White,Blackの3種類。Iris Greenの背面はグラデーション塗装,Blackの背面はヘアライン加工が施されている

 SoCにはSnapdragon 810を採用して,メインメモリ容量は3GB,内蔵ストレージ容量は32GB。液晶パネルは5.2インチサイズ,解像度1440×2560ドットのIPS液晶パネルと,解像度以外はXperia Z4とよく似ている。
 では性能も同じようなものなのだろうか。発表会場で試用した機材は試作機とのことで,製品版とは計測結果が異なる可能性があることをお断りしつつ,テストしてみたい。

 というわけでまずは気になる3DMarkだが,「15462」と,低めのスコアとなった。2014年のハイエンドスマートフォンにも劣る程度で,はっきりいってこれでは物足りない。Snapdragon 810に対するドライバソフトの最適化が進んでいない印象だ。

3DMark IceStorm Unlimitedの計測結果
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CPU-Zのアイドル状態。負荷をかけても動作しているCPUコア数は6基までで,動作クロックの変動もほとんど見られないなど,最適化はまだこれからといった印象だ
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 3DMarkの低さが気になったので,CPU-Zで動きを見たところ,Xperia Z4に傾向は似ているものの,常時動いているのは6コア程度で,あまり動作クロックを上げない動き方をしていた。こちらもまだ最適化が進んでいないように思える。
 とはいえ,OS自体の挙動はキビキビしたもので,A1 SD benchの計測結果は,RAM copyが4927.32MB/sで,Internal memoryはReadが222.51MB/s,Writeは126.81MB/s。Xperia Z4とおおむね同等,Writeはそれ以上という優秀なレベルだった。
 ぺしぺしIkinaの結果は「88」と,こちらもかなり優秀だ。21タップめに短い飽和が,62タップめでやや長めの飽和があった程度で,連打が必要なゲームでも問題ナシだ。

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A1 SD benchの計測結果
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ぺしぺしIkinaの結果

 現実問題として,現状の性能でも,ARROWS NXでゲームをプレイしてストレスを感じることは,あまりないだろう。とはいっても,せっかくのハイエンドスマートフォンが2014年モデルと変わらない性能では,ユーザーも満足できないはず。ソフトウェアの最適化が進み,製品版ではグラフィックス性能やCPU性能が向上することを期待したい。

●ARROWS NX F-04Gの主なスペック
  • メーカー:富士通モバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 5.0(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.2インチTFT液晶(「IPS液晶」),解像度1440×2560ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」(4+4 CPUコア,最大CPU動作クロック2GHz,Adreno 430 GPUコア)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2150万画素
  • インカメラ:有効画素数約240万画素
  • バッテリー容量:3120mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約400時間/約360時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約890分/約1200分
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz,700MHz
  • LTE-Advanced対応:あり
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:70(W)×146(D)×8.8(H)mm
  • 本体重量:約155g
  • 本体カラー:Iris Green,Black,White
  • 主な対応サービス&機能:spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,フルセグ,ワンセグ,NOTTV,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING(クラス5),Wi-Fiテザリング,防水(IPX5,8),防塵(IP6X)


AQUOS ZETA SH-03G


 最後にテストするのは,シャープ製の「AQUOS ZETA SH-03G」(以下,AQUOS ZETA)である。今夏のドコモスマートフォンでは最大となる,5.5インチサイズのIGZO液晶搭載モデルだ。外観は,いまやすっかりお馴染みになった三辺狭額縁仕様を踏襲したもので,横幅は76mmと,比較的持ちやすいサイズになっている。

AQUOS ZETAの前面(左)と背面(右)。シャープ得意の三辺狭額縁仕様で,液晶パネルが目立つ。背面にある灰色の長方形は,後述する指紋認証センサーだ
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 側面から見ると六角形という独特の形状を採用していることも,デザイン上の特徴といえよう。角張ったデザインだが,末端部は丸みを帯びているので,手のひらに突き刺さる感じはしない。

上側面(左)には,防水カバーで覆われたmicroSDカードスロットと,nano SIMカードスロットがあり,その横にはヘッドフォン端子が配置されていた。下側面(右)にあるのは,スピーカーとマイク,ストラップホールである
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左側面(左)には,キャップレス防水仕様のUSB Micro-B端子がある。その右に見えるスリット状のエリアがマジックグリップのセンサー部分。本機からイルミネーションが内蔵されて,場所が分かりやすくなった。右側面(右)にはマジックグリップのセンサーと[音量調節]ボタン,[電源/スリープ]ボタンが並ぶ
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指紋認証センサーは,指先をスライドさせて認識させるタイプ
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 もう1つ特徴的な要素として,AQUOS ZETAでは初採用となる指紋認証センサーを本体背面に搭載していることが挙げられよう。指先を押しつけると認識されるiPhoneの指紋認証センサー「Touch ID」とは異なり,AQUOS ZETAのそれは指先でなぞって認識させるものだ。
 基本的な使い道はARROWS NXの虹彩認証センサーと同じで,ロック解除やパスワード入力に使用できる。画面上でパスコードを入力したり,パターンを描いたりするよりも確実かつ安全性も高いので,こうした生体認証機能の搭載は評価したいポイントだ。
 なお,AQUOS ZETAでは,ボディ側面を握るとロックの解除が可能な「マジックグリップ」機能も用意されており,好みに応じて指紋認証とどちらを使うか選べるようになっている。

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マジックグリップのイルミネーションは,着信や充電中といったステータス表示にもなる
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カラーバリエーションはWhite,Black,Redの3種類が用意されている

 スペックは,SoCにSnapdragon 810,メインメモリ容量3GB,内蔵ストレージ容量は32GBと,Xperia Z4やARROWS NXと変わらない。ただ,ベンチマークテスト結果,とくにCPU-Zでの挙動を見たところ,興味深い挙動が見られた。消費電力を低減するためか,アイドル時に動作しているCPUコアは2基だけで,動作クロックも384MHzに貼り付いたまま。GPUコアの動作クロックに至っては,190MHzまで落とされていたのだ。
 多少負荷をかけても,動作するCPUコア数はせいぜい3コア程度と,Xperia Z4やARROWS NXとはだいぶ挙動が異なっており,シャープ独自のチューニングがかなり入っている気配を感じる。

CPU-Zで動作をチェックしてみた。アイドル時は左写真のように,動いているCPUコアは2基だけ,動作クロックも384MHzから上がらない。ダウンロードやインストールのときも,2〜3コアしか動かない。注目すべきはGPUクロックで,190MHzまで落としている
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 説明員によると,AQUOS ZETAでは本体の温度とバッテリー残量に応じて,使用するコア数や動作クロックを動的に変化させているのだという。多少負荷がかかった状態になっても,動作クロックが上がるだけで,動作するCPUコア数は増やさないといった挙動を示すそうだ。Androidの動作にもっさりした様子はないので,要所要所ではきちんと動作クロックを上げているのだろう。

 ただ,テスト機材では残念ながら,3DMarkのスコアが「10791」と,非常に低かった。アプリがGPUを酷使しようとしても,AQUOS ZETA側で動作クロックを抑えてしまうのだろう。
 実際にゲームを動かしたときの性能がどうなるかは分からないが,このスコアではさすがに若干の不安を感じてしまう。

3DMark IceStorm Unlimitedの結果。2世代前のエントリー向けスマートフォンレベルのスコアであり,これではSnapdragon 810を搭載する意味がない。
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 AQUOS ZETAの発売は5月下旬なので,この挙動は製品版でもあまり変わらないと思われる。バッテリー駆動時間重視ならいいスマートフォンだと思うが,ゲーマーが積極的に選ぶ対象にはならないように思う。アプリが真に必要としたときには,きちんとグラフィックス性能を発揮できるような再チューニングを期待したいものだが,さて……。

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A1 SD benchの結果。RAM copyは4019.91MB/s,Internal memoryはReadが167.18MB/s,Writeは75.27MB/sと,これらもやや低めだ
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ぺしぺしIkinaのスコアは「72」。28タップめで最初の飽和を確認。以降は断続的に細かい飽和があった

●AQUOS ZETA SH-03Gの主なスペック
  • メーカー:シャープ
  • OS:Android 5.0(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.5インチTFT液晶(「IGZO液晶」),解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」(4+4 CPUコア,最大CPU動作クロック2GHz,Adreno 430 GPUコア)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大128GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1310万画素
  • インカメラ:有効画素数約210万画素
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約400時間/約370時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約800分/約1120分
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz,700MHz
  • LTE-Advanced対応:あり
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:76(W)×141(D)×8.3(H)mm
  • 本体重量:約150g
  • 本体カラー:Red,White,Black
  • 主な対応サービス&機能:spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,フルセグ,ワンセグ,NOTTV,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING(クラス5),Wi-Fiテザリング,防水(IPX5,7)

NTTドコモ 2015年夏モデル新製品 特設ページ

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    Xperia

  • 関連タイトル:

    arrows(旧称:ARROWS)

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    AQUOS

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