プレイレポート
マスコット的存在のクロンを大フィーチャー。「くろネコONLINE」の新コンテンツ「クロンバトル」体験レポート&運営プロデューサーインタビュー
そんなクロンバトルをプレイしてきたので,その内容を紹介しよう。また記事の後半では,運営プロデューサーを務めるゲームオンの遠藤峻亮氏に,クロンバトルを実装した理由や今後の予定について聞いているので,そちらも見てほしい。
「くろネコONLINE」公式サイト
アクティブバトルを採用し,新しい遊びを提供する「クロンバトル」
クロンバトルは,フィールド上で収集しCランク以上に育成したクロン4体で一つのチームを組み,プレイヤー同士が対戦するコンテンツだ。通常のくろネコONLINEの戦闘システムとは大きく異なる。それぞれのクロンには「アクティブゲージ」があり,ゲージが満タンになると攻撃/防御,もしくは各種のスキルのコマンドが使用可能となる。また通常フィールドと異なり,プレイヤーのレベル以上のクロンをチームに編成できるのも大きな特徴だ。
クロンバトルでは,クロンごとに使用できるスキルが決まっており,攻撃特化型やバランス重視など,さまざまな特色のチームを編成を考えることができる。
またクロンには「バトル属性」の概念があり,じゃんけんのグー/チョキ/パーのいずれかが割り振られている。簡単に説明すると,パーのクロンなら,グーのクロンと戦うときにクリティカル率が上がることを示すといった具合だ。さらに,チーム内に同じ属性のクロンが3体いたらレベル1のボーナスが,4体すべてが同じ属性ならレベル2のボーナスが付与される。
プレイヤーのキャラクターウインドウには,新たに「クロンバトル」の項目が設けられた |
クロンにも,クロンバトル用のステータス項目が追加されている |
それぞれのクロンは,「シール」による強化が可能だ。シールには攻撃力/防御力やクリティカル率を上昇させたり,各種属性攻撃に対する抵抗を高めたりと,さまざまな種類がある。またシールにはレベルの概念もあり,勝利数などの条件を満たしてクロンバトルでクロンのレベルを上げれば,高レベルのシールを装着できるようになる。
なお,装着したシールは上書き可能だ。また,バトルによってシールが壊れてしまうこともあるが,その場合はプレイヤーの装備と同じように修復できる。
「シール」は「古代の袋」という形で購入。中身はスロットを回すまで分からない |
「シール」を装着してクロンを強化。レベルの高いものは,条件を満たさないと装着できない |
実際のバトルは,専用ロビーでルームを作成して行う。ルーム作成時には,4つのエリアと5つの対戦モードから,それぞれ一つずつ選択できる。
モードは,AI対戦,練習戦,そしてBP(バトルポイント)を賭けて戦うものに分かれている。ただし,どのプレイヤーも最初はBPがゼロなので,まずはAI対戦を選択することになる。AIと戦い,勝利すればBPが与えられる(AIの強さによってもらえるBPは変化する)。AIの強さは10ランクあり任意で設定できるが,最低ランクでも結構強いため,チュートリアル気分ではなく本気で取り組まないとと負けてしまうかもしれない。
練習用モードとして,もう一つ用意されている「練習戦」は,プレイヤー同士で戦うもの。戦略/戦術を考案したり,フレンド同士の腕試しをしたりするのに最適だ。
MOタイトルでよく見かけるタイプのロビー画面。ルームに誰かが入ってくるのを待つだけでなく,ロビー内にいるプレイヤーを指名して招待することも可能だ |
AI対戦は,いわゆるCOM戦で,AIチームと戦う。勝てばAIの強さによって決められたBPがもらえるのだが,AIチームが結構強いので,最初は苦戦を強いられるかも |
プレイヤー同士でBPを賭けて戦う,いわば本戦モードは,使用するクロンの能力に応じて「ライト級」「ミドル級」「ヘビー級」に分かれている。ルールは,相手のクロンをすべて倒すか,制限時間終了時に残っているクロンのヒットポイントが多かったプレイヤーが勝ちというもの。勝てば相手からBPを得て,負ければBPを失う。もし負け続けてBPがゼロになってしまっても,再び演習で勝てばBPを溜めることができるので,ご安心を。
バトル終了直前には,カメラが大きく動く。クロンバトル初心者は,何が起きたのか分からず,結構ビックリするかも |
リザルト画面。これは演習なので0BPとなっているが,本戦では勝利プレイヤーは報酬としてBPを得られる |
またバトル中は,各クロンに「バトルカード」が配布される。バトルカードはアクティブゲージとは別のTP(タクティカルポイント)ゲージを消費して,特定のバトル属性のクロンを強化するなどのバフ効果を発揮するというもの。
これを使ううえで気をつけなければならないのは,敵味方の区別がないスキルカードが存在する点だ。例えば“[グー]防御力増加”というスキルカードは,バトルに参加しているすべてのグー属性クロンの防御力を上げてしまう。使用するときは敵と味方のメンバー構成を考えて使用する必要がある。ちなみに,味方のみに効果を付与する“仲間〜”と書かれたスキルカードもあるので,効果範囲を確認したうえで使いたい。
グー属性を強化するスキルカードを使用。敵味方の属性比率を把握していないと,相手が有利になってしまうこともある |
こちらは味方にだけ効果を与えるスキルカード。慣れるまでは,どのスキルカードを使うべきか少し迷ってしまう |
クロンバトルに参戦したクロンには,勝敗に応じてクロン経験値が与えられる。ここで見逃せないのが,AランクのクロンをSランクにするためには,今のところクロンバトルを通じて成長させるほかないという点だ(現時点では)。すなわちクロンバトルをやり込むほど,通常フィールドでのプレイも有利になっていくわけである。ちなみにSランクのクロンは,これまでになかった強力なスキルを持っているという。
ただしクロンは,クロンバトルを行うたびに疲労が溜まっていく。疲労度の高いクロンは成長が遅くなっていくので,ローテーションを組むなどして回復させる必要がある。クロンが全快するまでには,およそ3〜4時間かかるとのことだが,その時間を短縮するアイテムも用意されるという。
Sランクの「サボーンJr.」。Aランクまでのクロンと比較すると,スキルや能力だけでなく見た目のサイズもかなり大きくなる |
さて,クロンバトルをプレイしてみると,スピーディな展開でなかなか忙しい。どのクロンが,どのバトル属性で,どんなスキルを持っているのかなどの基本的な情報はすべて画面に表示されているのだが,バトルがリアルタイムで進行しているため,刻々と変化する状況に逐一対応するのは少々困難。「クロンのアクティブゲージが満タンになった」「このスキルカードは敵味方関係ないから……」などと,いちいち考えているようではAIのスピードにすら付いていけない感じだ。ましてバトル慣れしたプレイヤーに勝つなど,夢のまた夢かもしれない。
このスピード感の中でコンスタントにクロンバトルを勝ちたいと考えるならば,チーム編成にこだわるのはもちろんのこと,演習や練習戦を繰り返し,起こりうる状況にどう対処すればいいのかシミュレートしておく必要があるように感じた。クロンバトルはしっかりと作り込まれているため,単なるオマケモードではなく,一つのゲームとして切り出してもいいくらいやり応えがある。
運営プロデューサー遠藤峻亮氏に聞く「クロンバトル」,そして「くろネコONLINE」の今後
運営プロデューサー遠藤峻亮氏 |
よろしくお願いします。早速ですが,クロンバトルの企画意図を教えてください。
遠藤峻亮氏(以下,遠藤氏):
クロンは,くろネコONLINEの中ではプレイヤーの相棒であり,最大の魅力ともいえる存在です。そこでサービス開始前から,クロンにフィーチャーしたコンテンツを導入したいと考えていたんです。多くのクロンを集めることで,より楽しんでいただこうという意図があります。
4Gamer:
というと,クロンバトルは日本の運営チームが発案したのでしょうか。
遠藤氏:
いえ,原案は開発チームが考えました。しかしそれは簡易過ぎて,日本のプレイヤーに受け入れられる内容ではなかったので,運営チームが企画に大きく手を加えました。日本で流行っているカードゲームを開発チームに送って,どう遊ばれているのか,どこを魅力に感じるのかということを研究してもらいました。
4Gamer:
7月初頭にクロンバトルの公開テストを実施していますが,実際に遊んだプレイヤーの反応はどうでしたか。
遠藤氏:
公開テストにはGMキャラが参加して,さまざまな意見をいただきました。「楽しい」「事前情報から想像できるものより,しっかりした作りで見直した」という好意的な感想が多かったですね。大きな手応えを感じています。
4Gamer:
クロンバトルが実装されたら,どんな遊び方をしてほしいですか。
遠藤氏:
フィールドでクロンを集め,育てて,クロンバトルで戦わせるというサイクルが望ましいですね。さらにクロンバトルで遊んでいると,クロンをSランクまで育成できますから,ぜひ頑張ってください。
またクロンバトルはCランク以上のクロン4体が必要になりますから,ぜひたくさんのクロンを育ててください。自分なりの戦略/戦術を確立してクロンマスターを目指してもらえると嬉しいですね。
4Gamer:
今後,クロンバトルをどのように展開させていくのでしょうか。
遠藤氏:
まず,実装後の状況を踏まえたバランス調整やゲームシステム改善(不具合修正)のパッチをあてます。
そして「観戦モード」を導入します。観戦できるようになると,オフラインでの大会や,Ustreamなどを使った対戦イベントの生中継が可能になりますから早く実現したいですね。
また今後,クロンバトルで使用するカードをプレイヤーが任意で設定できるような仕様を入れる予定です。カードはクロン図鑑の様にカード図鑑に登録されて,そこからプレイヤー自身がカードデッキを組んでクロンバトルで戦うようになります。
4Gamer:
ちなみに遠藤さんは,どういったチームでクロンバトルに臨むのですか。
遠藤氏:
今考えているのは,ネコっぽいクロンで編成したチームですね。公開テストでプレイヤーの皆さんと実際に対戦したのですが,1回も勝てなかったので,そのチームで見返してやろう,と(笑)。
4Gamer:
それでは,くろネコONLINE全体についても教えてください。現在の動向はいかがでしょうか。
遠藤氏:
サービスの開始から約半年が経ち,定着いただいたプレイヤーも多数いるため,まだまだ賑わっている状況です。とくに露店の集まる1チャンネルは活気がありますね。
また,これまではレベルを上げて上位コンテンツに挑むという内容でしたが,今回のクロンバトル実装で横方向への広がりが出ますので,最近「くろネコONLINE」をプレイしていない方にも積極的に訴求していきたいところです。
4Gamer:
クロンバトル以降に実装されるコンテンツの中で,今,公開できるものを教えてください。
遠藤氏:
2011年内実装を目標に,ハウジングと新職業を開発中です。ハウジングは個人でできるもののほかにギルド単位のものを用意して,ゆくゆくはギルド戦にまで発展させたいと考えています。開発チームもかなり乗り気で,互いにさまざまなアイデアを出し合い,何を盛り込むか検討している段階です。
新職業は,まだどんな内容か教えてもらえていないのですが(笑),データとして武器だけ見せてもらいました。
4Gamer:
日本独自アイテムを実装する予定はありますか。
遠藤氏:
随時,日本で企画しています。また,以前実施したアバターコンテストの応募作品のアバター化も着々と開発が進んでいます。せっかくですから季節イベントや何かの記念イベントと時期を合わせて実装できないかと案を練っています。
またクロンバトルで表示されるイラストにも,日本オリジナルのものを入れる予定です。
4Gamer:
今,アップデートはどのくらいの頻度で実施しているんですか。
バランス調整やゲームシステム改善(不具合修正)なども含めると,月1回ペースですね。今後は,先ほどお話したハウジングや新職業の実装前に,一度,職業バランスの見直しを図るアップデートをしたいと考えています。
またゲームシステム改善などは,リリースを通じて逐一皆さんに報告するようにしています。以前アンケートで,新コンテンツ実装とゲームシステム改善のどちらを優先すべきかという問いを設けたのですが,圧倒的に後者を支持する回答が多かったんですよ。それであれば,ゲームシステム改善(不具合修正)を優先して,きちんと報告していきましょう,と。「アピールがうるさい」と言われててしまうこともあるのですが,しっかりとお伝えしたほうがいいと捉えています。
4Gamer:
くろネコONLINEというと,コラボレーションに期待している人も多いと思いますが,進捗はいかがでしょうか。
遠藤氏:
2011年内にもう一つ実施するために準備を進めています。
4Gamer:
それでは,くろネコONLINEに期待する人に向けてメッセージをお願いします。
遠藤氏:
クロンバトルは,これまでの「くろネコONLINE」とはまったく異なるコンテンツです。別のゲームといえるほどの内容になっていますので,現役プレイヤーの皆さんはもちろん,最近遊んでいない方,新たに興味を持っていただいた方にも自信を持ってオススメできます。ぜひ,一度遊んでみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「くろネコONLINE」公式サイト
- 関連タイトル:
ネコと勇者(クロニア) くろネコONLINE改
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