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GIGA-BYTE,未発表チップセット搭載マザーボード13製品を発表。ゲーマー向け製品はサウンド機能を重視
報道関係者向けの事前説明会で公表された,日本市場に投入される予定の製品は以下のとおり。搭載チップセットや対応CPUはいずれも未公表とのことで書けないが,ほとんどの製品は,製品名を見ればどのチップセットを搭載するのか丸わかりである。
ゲーマー向け製品
- G1.Sniper 5
- G1.Sniper M5
- GA-Z87X-OC Force
- GA-Z87X-OC
- GA-Z87X-UD5H
- GA-Z87X-UD4H
- GA-Z87X-UD3H
- GA-Z87MX-D3H
- GA-Z87M-D3H
- GA-H87M-D3H
- GA-B85M-D3H
- GA-Z87N-WIFI
- GA-H87N-WIFI
USB 3.0関連機能が加わった「Ultra Durable 5+」
まずは新製品に共通する特徴について説明しておこう。GIGA-BYTEは2012年6月に,同社独自の品質規格「Ultra Durable 5」を発表していた。今回の新製品では,これをさらに拡張した「Ultra Durable 5+」に対応した製品が,9製品もラインナップされている(スタンダード microATXの4製品は,Ultra Durable 4 Classic+対応とのこと)。
名称からも想像できるように,Ultra Durable 5+はUltra Durable 5に機能を付け足したり,既存の機能を改良したものだ。主な機能は,「Ultra〜」と名付けられた,4つのカテゴリーに分類されている。
Ultra Durable 5の特徴として大きく強調された,International Rectifier製のMOSFETドライバー「PowIRstage IR3550」の搭載による,電源部の放熱低下と効率化といった特徴は,Ultra Durable 5+では「Ultra Performance」と呼ばれている。
これに加えてUltra Durable 5+対応製品では,Ultra Durable 5対応製品に使用していた固体コンデンサよりも2倍の寿命を持ち,外観も専用にカスタマイズしたというコンデンサ「Durable Black Solid Caps」を採用するという,新しい特徴も備えている。
また,マザーボード上の冷却機構は「Ultra Cool」と呼ばれており,ヒートシンクの形状が変更された。
Ultra Durable 5で大きくアピールされた,PowIRstage IR3550も引き続き採用している |
Ultra Durable 5+対応マザーボードでは,VRMやチップセットを覆うヒートシンクの形状が変更された |
GIGA-BYTE製マザーボードの特徴でもある,UEFIフラッシュROMを2基搭載した「UEFI Dual BIOS」は,「Ultra Safe」と呼ばれている。UEFI Dual BIOSはUltra Durable 5に対応する2012年モデルで導入されたものだが,新製品ではリアルタイムのシステムモニタ機能が強化されたほか,使用頻度の高い項目をユーザーが選んで独自のメニューを作れるといった,ユーザーインタフェース面での機能追加が行われた。
ちなみに,ゲーマー向けマザーボードはグリーン,オーバークロッカー向けはオレンジ,スタンダートはブルーをシンボルカラーとしているため,各製品のUEFI BIOSの画面も,それに合わせたカラーリングとなっているそうだ。
新しいUEFI BIOSの画面。よく使う項目を選んでカスタマイズメニューを作れる機能は,昨今のマザーボードで流行のようで,GIGA-BYTEの新製品も対応してきた |
製品カテゴリーのイメージカラーに合わせて,UEFI BIOS画面の色もこのように異なるという |
Windows上で動作するシステム設定ツール「GIGABYTE EasyTune」(左)。画面構成が一新され,デスクトップアプリではあるものの,Windows 8ストアアプリ風に大きなボタンが並ぶ見た目になった。こちらもUEFI BIOSと同様に,製品カテゴリーのイメージカラーに合わせて,アプリのカラーリングが異なる |
これらのUSB 3.0ポートは「3x USB power boost」という機能を搭載しており,PCの電源がオフやスタンバイ状態でも,USBポートに接続した機器を充電できるほか,標準的なUSBポートよりも多くの電流を流せるため,接続した機器をより速く充電できるとしている。
また,GIGA-BYTEの日本法人である日本ギガバイトに確認したところ,Ultra USB3+に対応するマザーボードでは,USB 3.0ポートが背面I/Oパネルと前面パネル側の合計で,10ポートまで用意されるという。しかし,同社が公開した別の資料を見ると,USB 3.0ポートが6ポートしかない製品にも,Ultra Durable 5+対応の記述がある。ポート数そのものは,Ultra Durable 5+の条件ではないのかもしれないが,現時点ではよく分からなかった。
OPAMPを交換できるゲーマー向けマザーボード
G1.Sniper 5,G1.Sniper m5
13製品の中から,ゲーマー向けマザーボードである「G1.Sniper 5」と「G1.Sniper m5」について見ていこう。
G1.Sniper 5はATXサイズのマザーボードで,PCI Express 3.0 x16スロットを2基と,同形状のx8スロットを2基備えており,4wayのSLIやCrossFire構成が可能となっている。SATAポートは10ポートあり,すべてがSATA 6Gbpsに対応。マザーボード上の映像出力端子としては,HDMI出力を2ポートと,DisplayPort出力を1ポート備える。
一方のG1.Sniper m5はmicroATXサイズのマザーボードで,PCI Express 3.0 x16スロットと,同形状のx8スロットおよびx4スロットを,それぞれ1基ずつ備えている。SLI/CrossFire構成が可能かどうかは,資料に記述がないため不明だ。SATAポートは6ポートで,全ポートがSATA 6Gbps対応であるのはG1.Sniper 5と同様である。マザーボード上の映像出力端子は,HDMI出力を2ポートと,DisplayPort出力,DVI-I出力を各1ポート備えており,G1.Sniper 5よりも多い。
G1.Sniper 5 |
G1.Sniper m5 |
G1.Sniperシリーズはゲーマー向け製品らしく,非常に多くの機能を搭載したマザーボードとなっているが,その中でもGIGA-BYTEが最大の特徴であるとアピールするのが,オンボードサウンド機能のOPAMP(オペアンプ)を,ユーザーが交換できるという点だ。
マザーボードのソケット上には,Texas Instruments(以下,TI)製OPAMP「OPA2134」が,装着されている。これとは別に,交換用のTI製OPAMP「LM4562NA」と,チップの引き抜き器具のセット「OP AMP Upgrade Kit」が付属しており,簡単に交換できる。
GIGA-BYTEの資料によれば,OPA2134は全周波数帯でクリアであり,一方のLM4562NAは,ポップミュージックなど音楽再生に適した特性を持つとのこと。付属品以外にも,交換用OPAMPが3種類入った「GIGABYTE OP AMP Upgrade Kit」というオプションも発売されるようで,自分の用途に合わせて音も最適化したいという凝り性な人には,喜ばれる機能かもしれない。
OPAMPの交換以外にも,Creative Technology製のサウンドチップ「Sound Core3D」をオンボードで搭載するなど,ゲーマー向けマザーボードとしては異例なほど,サウンド機能を重視した製品であると言えよう。
G1.Sniper 5の主な特徴を示したスライド |
交換可能なOPAMPやSound Core3Dの搭載など,サウンド関連に力が入っている |
VRMやチップセットを覆う大型ヒートシンク「Super Shield」が,外観上の大きな特徴である。外すのも簡単で,液冷システムを装着しやすい |
G1.Sniper 5のI/Oインタフェース。映像出力とS/PDIF出力,アナログ音声出力は金メッキされている。OPAMPからの音声出力は画像右下にある |
そのほかにも,G1.Sniper 5はマザーボード上に,Intel製1000BASE-T LANコントローラとQualcomm Atherosのゲーム向け1000BASE-T LANコントローラ「Killer E2205」をそれぞれ搭載し,1000BASE-T対応LANポートを2基備えるといった特徴も備えている。G1.Sniper M5はIntel製のみとなっている。
両製品とも,価格や発売時期については未公開だったが,対応CPUの登場に合わせたタイミングで発売されるのではなかろうか。新CPUに合わせてゲーム用PCを組んでみようと考えている人には,有力な選択肢となるかもしれない。
こちらは新設されたオーバークロッカー向けカテゴリーのマザーボード「GA-Z87X-OC Force」(左)。スペック的にはG1.Sniper 5と近いが,マザーボード上にオーバークロック動作の設定ボタンが並んでいたり,PCケースに装着せずに使う際に,拡張スロット周囲に取り付けてカードが外れないようにする「OC Brace」(右)といった特徴を備える |
GIGA-BYTE日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
G1 Gaming,Xtreme Gaming
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