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NVIDIA,「Quadro RTX」を発表。「世界初のレイトレーシングGPU」
Turingは,186億トランジスタを754mm2という巨大なシリコンダイに統合するGPUだ。Pascal世代で最もCUDA Core数の多かった「Quadro P6000」の3840基と比べて1.2倍,「GeForce GTX 1080」の2560基と比べると1.8倍という規模感になる。
そんなTuringをHuang氏は,3つのプロセッサからなるGPUと位置づける。
具体的には,Turingは最大4608基の「CUDA Core」を集積して最大16T FLOPSの性能を持つシェーダおよび演算(Compute)用プロセッサと,10G Ray/s(秒間100億レイ)を処理できるレイトレーシングエンジン「RT Core」,そしてAIの推論を秒間500T回実行できる(500T Tensor OPs)AI推論エンジン「Tensor Core」だ。
レイトレーシングエンジンだけでなくAI推論用のエンジンまで統合してきたのが面白いところだが,Tensor Coreを利用することで,レイトレーシングのグラフィックスからノイズを高速に取り除く(denoise,デノイズ)ことが可能なのだそうだ。NVIDIAはこの技術に「DLAA」という名を与えているが,RT Coreによるによるレイトレーシング演算処理,Tensor Coreによるデノイズ処理,そしてラスタライザを内包するCUDA Coreが協調して働くことにより,「TuringはリアルタイムレイトレーシングにおいてPascalの6倍のパフォーマンスを実現した」とHuang氏はアピールしている。
それが果たしてゲームに応用されるのかだが、Huang氏はEpic Gamesの「Unreal Engine」やMicrosoftの「DirectX Raytracing」(DRX)でTuringが利用可能だと紹介していた。ゲームエンジンやDirectXで利用できる以上,レイトレーシングを応用した新世代のグラフィックスがゲームにもたらされる日もそう遠くはなさそうだ。
また,QuadroとGeForceでは機関設計を共有することが多いという過去の事例からして,独時間8月20日の発表が期待されている次世代GeForceのスペックにも期待が高まるところである。
なお,組み合わせられるグラフィックスメモリ容量は最大48GBだが,「NVLink Multi-GPU Interface」により2基のGPUを1基のGPUとして扱うことも可能で,その場合は最大で96GBを利用できることになる。
発表時点のラインナップと北米市場におけるメーカー想定売価は以下のとおりだ。
- Quadro RTX 8000:4608 CUDA Cores,576 Tensor Cores(10G Rays/s),グラフィックスメモリ容量48GB(GDDR6),1万ドル(税別)
- Quadro RTX 6000:4608 CUDA Cores,576 Tensor Cores(10G Rays/s),グラフィックスメモリ容量24GB(GDDR6),6300ドル(税別)
- Quadro RTX 5000:3072 CUDA Cores,384 Tensor Cores(6G Rays/s),グラフィックスメモリ容量16GB(GDDR6),2300ドル(税別)
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