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XBLAで2011年配信予定の「Fire Pro Wrestling」は,アバターを使った“なりきり”プロレスゲームに。新たなフランチャイズを目指す試みはどのような形になるのか
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“ファイヤープロレスリング”の名を冠したプロレスゲーム「Fire Pro Wrestling」は,Xbox LIVE アーケードのタイトルとして,2011年内の配信が予定されている。
本作は,2010年の東京ゲームショウで発表されたタイトルだが,これに伴い熱心なファンからは「これはファイプロじゃない」という批判もあったと,飯塚氏は語った。
飯塚氏によれば,本作は既存シリーズの続編ではなく,新たなフランチャイズとして,「ファイプロを覚えてもらいたいという試みからスタートした企画とのこと。
飯塚氏自身,以前ファイプロシリーズの制作に携わっており,これからも作品を作っていきたいという思いはあるが,今回のXBLA版「Fire Pro Wrestling」ではその前段階として,ブランド名やユーザー層を“もう一段階上げていくためのもの”にしたいという意図があるそうだ。
このことについて飯塚氏は,Xbox LIVEのアバターを使って遊べるゲームが少ないことから,「アバターのコスチュームやアイテムを着替えて遊べるゲームは何か」と考え,そこからプロレスゲームにたどり着いたと話していた。
「Fire Pro Wrestling」が目指すものとして,飯塚氏は以下の4つをポイントとして挙げた。
・豊富なカスタマイズ要素
・誰でも楽しめるゲームバランス
・キャラクターの成長(RPG)要素
・マルチプレイ
たとえば,「Halo」のマスターチーフの格好をしたアバターと,「Fable III」の英雄の格好をしたアバターがプロレスをするといったこともできるわけだ。通常であれば実現できないようなコラボ(?)も可能というのが,アバターを使うメリットになるわけだ。
また,入場シーンでは,演出を強化するアイテムも用意されているのだが,こちらでもアバター用のアイテムを使えるようになっている。このとき表示されるカットインの画面も,アバターを使ったゲーマーアイコンを作るときと似た手法で,自分で撮影&カスタマイズができる。
プロレスの技については,総数300以上を収録。あまりプロレスに詳しくない人もプレイするであろうことから,必殺技の概念を導入している。
ステージとなるリングは,「カジュアル」「チャンピオン」「アンダーグラウンド」という3つのカテゴリが用意されている。
カジュアルなら,「裏庭」「遊園地」「ビーチ」といったオープンエアのリング,チャンピオンは「体育館」「アリーナ」といった王道のプロレスを再現するリング,アンダーグラウンドは,危険な香りのする裏路地ににあるリングなど,それぞれ特徴付けられている。
飯塚氏によれば,“プロレスは屋内でやるもの”(それに縛られない一部団体もあるが)という前提にならうと,屋根のある建物の中ばかりになるということから,さまざまなリングを用意したそうだ。
登場するレスラーも,カジュアルなら「おじいさん」「おばあさん」,チャンピオンなら「マスクブラザーズ」,アンダーグラウンドなら「クンフー使いと怪しいトレーナー」というように,それぞれのリングの特徴を反映したものになっている。
そこで採り入れられたのが「読み合い」だ。本作では,相手と掴み合った状態になったら,対戦しているプレイヤーはどちらも,A/B/X/Yボタンのいずれかを一定時間内に押す。
技を仕掛ける側から見ると,相手と違うボタンを押せば勝ち,同じボタンを押されたら負けという判定になる。判定に勝てば,押したボタンに応じた技が発動し,判定に負けると技を返されるというわけだ。
どのボタンを押したかは判定終了後に表示されるので,対戦相手がどのボタンを押すか,傾向やクセを読み取ることで,試合の駆け引きが楽しめるということになる。
言うまでもなく,プレイヤーのプレイスタイルに応じてレスラーをカスタマイズできる(特定の技には,一定値のパラメータを要求されるものもある)。一度割り振ったパラメータをキャンセルすることはできない。また,レベルを上げきってもすべてのパラメータをMAXにはできないそうなのでご注意を。ちなみに,アバターのサイズなどは見た目のみの反映で,体格による有利/不利はないとのことだ。
また,ゲームではレスラーデータを6人分まで保存可能で,異なる成長方針でレスラーを育てていける。ただし,性別や見た目などはアバターに依存する仕組みのため,異性のレスラーを作りたい場合は,別のゲーマータグでプレイするしかない。
マルチプレイは「シングルマッチ」「タッグマッチ」「バトルロイヤル」が用意されており,オフライン/オンラインともに最大4人で協力/対戦ができるという。
今回は,実際に開発中のバージョンをプレイさせてもらったので,ここからは,ゲームの流れを紹介しながら,その印象をお伝えしよう。
まず操作方法だが,アナログスティックで移動,A/B/X/Yボタンでは強攻撃/つかむ/打撃/チャージ攻撃を行う。十字ボタンにはアピールが割り振られていて,あらかじめ設定した3種類+必殺技を出すときのフィニッシュアピールを行える。
操作そのものはシンプルで,技をかけるタイミングも読み合いが重視されている。力比べになったときは,ボタン連打で判定の勝敗が決まるといった要素もあるが,アクションゲームが得意でない人でも,それなりに戦えるという印象だ。
また,本作のレスラーにはレベルの概念があるため,初心者がレベルの高いレスラー,上級者がレベルの低いレスラーを使うことで,ハンデをつけることもできる。
ソウルゲージは必殺技を使用するのに必要で,アピールを行うことで溜まる。ゲージがいっぱいのときにフィニッシュアピールを行うと,レスラーがオーラをまとい,必殺技が使用可能になる。ただし,必殺技を出す前に攻撃を受けるとオーラが消えてしまい,ゲージを溜め直すハメになる。
スタミナゲージは技を使うと減り,少し経つと自動的に回復する。
試合は1対1のシングルマッチや2対2のタッグマッチなどベーシックなもののほか,1対3といった「ハンディキャップマッチ」の存在も確認できた。なお本作では,Xbox LIVEでフレンド登録しているプレイヤーのアバターが,たまにレスラーとして試合に乱入してくることもあるそうだ。
試合以外の部分では,「いつでも着替えられる」ということを大事にしているそうで,試合中でなければ,Xボタンを押すことでいつでもコスチュームや使用する技の変更ができるとのこと。
コスチュームなどのアイテムは,基本的に試合で得たファイトマネーで買う仕組みだ。本作では男性用/女性用/ユニセックスのコスチュームが用意されており,男性なら男性用とユニセックスのみ表示される形になっている。
筆者はそれほど熱心なファイプロファンではないのだが,本作をプレイして感じたのは,掴み合った時にどのボタンを押すのかという読み合いがアツいし面白いということだ。ゲームそのものの動きも軽快だったので,友人で集まってワイワイ騒ぎながら遊ぶのも楽しそうだ。
飯塚氏はプレゼンの最後に,「ナンバリングタイトルと比べられると“そうじゃない”かもしれないけど,ファイプロに必要な要素は入れてあるので,これはこれで面白いと思います。ぜひとも楽しんでほしいです」とコメントしていた。シリーズのコアなファンは戸惑うかもしれないが,新しい取り組みとして,本作の今後に注目してほしい。
なお,Xbox LIVEアーケードのタイトルは,お試し版を無料ダウンロードでき,気に入ったら完全版を購入するというスタイルになっている。「Fire Pro Wrestling」が配信されたら,まずはダウンロードしてプレイしてみてほしい。
- 関連タイトル:
Fire Pro Wrestling
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