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日本初公開の携帯型ゲームPC「Claw A1M」や,コスパに優れた14型ゲームノートPCなど,MSIの2024年新製品をまとめてチェック
MSI初の携帯型ゲームPCとして話題を呼んだ「Claw」(型番:A1M)や,価格対スペック比に優れる軽量ゲームノートPCなど,注目に値する製品を中心に紹介しよう。
Claw A1M Core Ultra+携帯型ゲームPCは受け入れられるか?
まずは,多くのゲーマーの注目を集めそうなClawから見ていこう。発売時期は確定していないが,おおむね2024年3月頃の発売となるようで,価格は10万円台前半を想定しているという。
MSI初の携帯型ゲームPCというだけでなく,Intel製の新世代CPU「Core Ultra」シリーズを採用した史上初の携帯型ゲームPCということで,2024年1月の発表後から話題を呼んでいた製品だ。
世界初のCore Ultra搭載携帯型ゲームPC「MSI Claw A1M」をチェック。性能だけでなくゲームパッドや放熱にも見どころあり!
Intelの全面協力を受けてMSIが開発した,世界初のCore Ultra搭載の携帯型ゲームPC「Claw」。会場でも注目を集める期待の新型ゲームPCの実機をチェックしてみると,スペックだけでなく,ホールセンサー採用のゲームパッドや,安定性を重視した放熱機能など,見どころの多い製品だった。
Clawの本体は,7インチサイズで解像度1920×1080ドット,最大リフレッシュレート120Hzのタッチ操作可能な液晶パネルを備えた本体部分の左右に,Xboxレイアウトのゲームパッド部分を取り付けた,携帯型ゲームPCとしてはごくオーソドックスなデザインをしている。
見た目に面白いのは背面で,左右のグリップ部分の間にある部分は,吸気用の開口部がほとんどを占めているのだ。内蔵する2基の冷却ファンで,この広い開口部から空気を取り入れ,CPUを冷やした熱を上側面から排気するという冷却構造を採用しているという。
国内販売予定の製品は,CPUに「Core Ultra 7 155H」を,内蔵ストレージには容量1TBのPCI Express接続型M.2 SSDを採用する上位モデル(Core Ultra 7モデル)と,CPUに「Core Ultra 5 135H」を,内蔵ストレージには容量512GBのM.2 SSDを採用する下位モデル(Core Ultra 5モデル)の2モデル構成となっている。
メインメモリ容量はどちらも16GBだ。想定売価からすると難しいだろうが,ゲームマシンとして多用するなら,メインメモリ容量32GBモデルがあれば良かったかもしれない。公称本体重量は約675gで,競合であるASUSTeK Computerの「ROG ALLY」(約608g)に比べると,やや重い。
気になるのは,Core Ultraがどの程度のゲーム性能を有するのかだ。MSIは,Clawで3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」の「Time Spy」テストを実行した結果を示し,ROG ALLYが採用するAMDの携帯型ゲームPC向けAPU「Ryzen Z1 Extreme」よりも高性能であるとアピールしている。
とはいえ,IntelのIntel Arc Graphics系GPUは,GPUそのものの性能は悪くないが,ドライバソフトウェアの成熟度や最適化が不足しがちで,ゲームにおいて実力を発揮しきれない傾向にある(関連記事)。そのため,3DMarkの結果だけを見て,「Core Ultraはゲーム性能でRyzen Z1 Extremeを上回る」とは言えないだろう。ここはIntelの努力に期待するしかない。
話を本体に戻そう。インタフェース類は上側面にまとめられているが,ここにThunderbolt 4ポートを1つ備えているのも,Clawにおける特徴だ。
2023年に登場したほとんどの携帯型ゲームPCは,CPUにAMD製のプロセッサを採用しているが,これらはUSB4(≒Thunderbolt 3)ポートか,USB 3.2ポートまでしか備えていないのが普通だ。
Thunderbolt 4の存在は,ゲーム性能に大きく関わるものではない。ただ,たとえば,外付けの高速SSDを使ったり,外付けGPUボックスを携帯型ゲームPCに接続して使ったりしたいという場合には,性能を左右する可能性があるので,Ryzenベースの携帯型ゲームPCに対する利点とは言えよう。
MSIは,Clawにプリインストールされた同社独自のフロントエンドアプリ(システム管理ソフト)「MSI Center M」についてもアピールしている。携帯型ゲームPCでは,ゲームパッドだけでWindowsの操作やゲームの起動をしやすくするため,独自のフロントエンドアプリを用意するのが一般的で,各社の個性やノウハウが現れるところでもある。
MSI Center Mでは,ゲームの起動やPCの設定といった一般的な要素から,TDP(Thermal Design Power,
ゲームPC大手から登場する携帯型ゲームPCで,Core Ultra搭載ということもあって,発売となれば,かなり注目を集める製品なのは間違いない。価格もROG ALLYほどではないが,比較的手が届きやすい程度で収まりそうなので,発売が楽しみである。
ミドルクラスのスペック&持ち歩ける重さの新ノートPC Cyborg 14
MSIが製品発表会で,Clawに続けてアピールしたのが,ミドルクラス市場向けの新型ゲームノートPC「Cyborg 14」だ。
MSIのCyborgシリーズは,2023年に最初の製品が登場したもので,同社の製品群では,エントリー市場向けよりもスペック面で少し上に位置付けられる,価格対スペック比重視のシリーズだ。
そんなCyborg 14の見どころは,公称本体重量が約1.6kgと,持ち運びしやすい範囲に収めていること。薄型軽量のゲーマー向けノートPCといえば,比較的高価な製品が主流で,とくに円安が加速した2023年は,30万円以下で買える新製品は,ほとんど見かけなくなってしまったほどだ。
Cyborg 14は,CPUとして前世代の第13世代Coreプロセッサを採用したり,液晶ディスプレイには解像度1920×1200ドットの液晶パネルを選択するなど,妥協できるところは妥協しつつ,GPUにはノートPC向けの「GeForce RTX 4060 Laptop GPU」を,メインメモリは最大で64GBのDDR5メモリを搭載できるなど,ゲーム性能を左右する部分は充実しているのがポイントだ。
解像度は高くないが,液晶ディスプレイは最大リフレッシュレート144Hzに対応。インタフェース周りも,映像出力が可能なUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートや有線LANポートを備えるなど,隙のない仕様で揃えている。
まだ正式なメーカー想定売価は発表されていないが,これで10万円台後半から20万円台前半の価格で登場すれば,「ゲームをきちんとプレイできて,日常的に持ち歩けるノートPC」として人気を呼びそうだ。
Cyborgシリーズは,比較的スペックが低めの製品だが,もちろんMSIは,ハイエンド級のゲームノートPCも用意している。それが18インチ級の「Titan 18 HX A14V」だ。
上位モデルの場合,CPUとGPUには,いずれもノートPC向けでは最速の「Core i9-14900HX」と「GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を採用しており,メインメモリ容量は最大でなんと192GB(48GB×4)を内蔵可能というモンスター級のPCだ。ストレージも,標準で2TBのM.2 SSD 2枚をRAID 0構成で内蔵しており,データの読み書きも抜群に速い。
税込価格が90万円近いという価格もモンスターなPCであるが,「一番いいのを頼む」な人なら,響くところのある製品かもしれない。
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