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ノートPCの液晶パネルが300Hzに突入。MSIがCES 2020で新型ノートPCやデスクトップPCなどを発表
GE66 Raider&Limited Edition
まずはゲーマー向けノートPCの新製品「GE66 Raider」から見ていこう。
GE66 Raiderは,15.6インチサイズの液晶パネルと,第10世代Coreプロセッサの「-H」シリーズ,NVIDIAのGeForce RTXシリーズを搭載するハイスペックなノートPCである。
本製品における最大の特徴は,最大リフレッシュレートが300Hzという極めて高速な表示が可能なIPS液晶パネルを採用している点だ。なお,解像度は1920×1080ドットとなっている。
実際に300Hz(=300fps)の高速表示が可能なゲームは,グラフィックス表示の負荷が低いeスポーツタイトルに限られるだろうが,そうしたゲームのプレイヤーであれば,操作が画面に反映されるまでの遅延時間が短いという利点が魅力となるかもしれない。
なお,GE66 Raiderにはカラーバリエーションモデルとして,「GE66 Raider Limited Edition」が用意されている。Star Warsシリーズやトランスフォーマー,アイアンマンシリーズで実績のあるデジタルアーティストのCollie Wertz氏が担当したというLimited Editionは,宇宙船をイメージした,いかにもメカメカしいデザインを身にまとっており,良い意味で非常に目を惹く。
個性的な見た目という点ではピカイチであり,国内販売が行われたら,価格次第では人気を呼びそうだ。
GS66 Stealth
MSIのゲーマー向けノートPCの中でも,高性能と薄さや軽さを両立させたミドルハイ〜ハイエンド市場向け製品となる「GSxx Stealth」シリーズにも,300Hz表示に対応するIPS液晶パネルを採用する「GS66 Stealth」が登場した。
詳細なスペックは非公開であるが,液晶ディスプレイを閉じた状態での厚みは20mmを切る程度で,重量も2kg未満とゲーマー向けノートPCとしては軽い部類だ。
相応に高価な製品となりそうではあるが,薄型軽量で高性能なノートPCを求める人には響く製品となるだろう。
ノートPCではもう1機種,AMDプラットフォームを採用する「Bravo 15」も紹介しておきたい。
AMD製プラットフォームを採用するMSIのゲーマー向けノートPCとしては,CPUに「Ryzen 7 3750H」,GPUには「Radeon RX 5500M」を採用して,実勢価格14万円前後を実現した「Alpha 15」という製品がある。
一方,Bravo 15は,北米時間1月6日に発表となったばかりのノートPC向け新型APU「Ryzen 4000」シリーズを採用して性能を向上させた点が大きな違いとなっている。
搭載GPUは,Alpha 15と同じRadeon RX 5500M。液晶ディスプレイには,15.6インチサイズで解像度1920×1080ドット,リフレッシュレート144Hzに対応するIPS液晶パネルを採用するとのことだ。価格次第ではこれもまた人気を得られそうだ。
多機能ダイヤル「Gaming Dial」搭載のデスクトップPCが登場
MSIは2017年に,正面から見るとロボットの顔にも見えるゲーマー向けデスクトップPC「Aegis Ti3」を発表したことがある。
そんなAegis Tiシリーズの最新モデルとして,MSIは,まったく新しい筐体デザインを採用する「MEG Aegis Ti5 Gaming Desktop」(以下,Aegis Ti5)を発表した。
Aegis Ti5で最大の特徴は,ロボット顔でいう額の部分に組み込まれた入力装置「Gaming Dial」にある。Gaming Dialは,左右回転とクリックが行えるダイヤル型入力装置で,ダイヤル中央部には小型の有機ELパネルが組み込まれているのだ。
この有機ELパネルには,CPUやメモリの動作状態や動作中のゲーム名とアイコンを表示したり,MSI独自のLEDイルミネーション同期技術「Mystic Light」の表示や設定を行える。ダイヤルを回転させて設定内容を選び,クリックで決定といった操作によって設定を変更できるので,たとえば,ゲームのプレイ中にWindows上の設定ソフトウェアに切り替えたりしなくても設定を変えられるわけだ。
Aegis Tiシリーズは,デスクトップPCのコンポーネントを,CPU,GPU(グラフィックスカード),電源ユニット(PSU)という3種類の「チャンバー」に分けて放熱効率を高める構造を採用するのも特徴であった。
新しいAegis Ti5は,その構造をさらに発展させて,電源回路の「VRM」も独立したチャンバーに配置しているという。放熱効率と同時に静音性の向上も期待できるので,製品版が登場したら静音性を検証してみたいところだ。
大画面湾曲ディスプレイに新製品登場。15.6インチサイズのモバイル液晶も
続いては,MSIの液晶ディスプレイ新製品を簡単に紹介したい。
まずは一番大きな「Optix MEG381CQR Gaming Monitor」(以下,
38インチサイズで解像度3840×1600ドット,アスペクト比21:9というIPS液晶パネルを採用するというスペックも注目に値するが,本製品の特徴はそれだけではない。
MEG381CQRは,液晶パネル左下のベゼル部分に小型の有機ELパネルを,そのさらに横にはダイヤル式入力装置「Control Dial」を備えているのだ。
一般的な液晶ディスプレイの場合,いくつかのボタンやジョイスティックを使ってOSDメニューを操作することでディスプレイの設定を変更する。一方,MEG381CQRは,小型有機ELパネルの表示を見ながらダイヤルで設定を変更できるので,OSDメニューやWindows上のアプリケーションを使うことなく,簡単に設定を変えられるというのがMSIの主張である。
相応に設置場所とコストが必要な仕組みなので,サイズの大きな高級モデルくらいにしか採用できないかもしれないが,ディスプレイの操作性を改善する試みとしては評価したい。
次に紹介するのは,34インチサイズの「Optix MAG342CQR Gaming Monitor」(以下,MAG342CQR)だ。
34インチで解像度3440×1440ドット,アスペクト比21:9という仕様は今までにもあったが,本製品の液晶パネルは,画面の曲率が1000R(=半径1000mmの円を描くカーブ)と,大きく湾曲しているのが最大のポイントである。従来の液晶パネルは,曲率1500R程度が最も高かったので,一気にカーブがきつくなったとも言えよう。
ここまで湾曲していると,ゲームプレイにおける見た目の変化も大きそうで,実際に試してみたいところである。
液晶ディスプレイの最後には,ここまでの2製品とは逆に,小さいサイズの「Optix MAG161 Gaming Monitor」(以下,MAG161)を紹介しよう。
数字から想像がつくとおり,MAG161はノートPCの液晶パネルで定番の15.6インチサイズのパネルを採用するポータブルタイプのゲーマー向け液晶ディスプレイなのだ。
MAG161の液晶パネルは,最大リフレッシュレート240Hzという高速表示に対応しており,ゲーム用途にも十分なスペックを有する。PCとの接続インタフェースには,HDMI入力とUSB Type-C入力の2種類を用意しているとのこと。
ゲーマー向けノートPCと組みあわせて,持ち運べる2画面環境を構築するのに役立ちそうなディスプレイだ。
MSIのCES 2020関連Webページ(英語)
MSI日本語公式Webサイト
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