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[Gamescom]早くも「BioShock: Infinite」のゲームプレイを実演。左手にパワーを秘めた主人公が,空中都市コロンビアで見たものは?
開発を手掛けるのはIrrational Gamesで,実は3年前にその社名で「BioShock」を制作していた,ボストンに本拠を持つ開発チームである。その後,2K Gamesの親会社であるTake-Two Interactiveに買収されて,2K Bostonという名称に一旦は変更されていたのだが,この機会に再びIrrational Gamesという名称をブランド化することで,コアゲーマーのハートを掴んでおこうという思惑のようだ。
さて,BioShock: Infiniteはすでにティザームービーが公開されており,4Gamerでも「こちら」の記事で取り上げたが,2K Gamesが今回紹介してくれたのは,実際に開発者がゲームをコントロールして,それを見せていくというもの。そこにディレクターのTimothy Garritsen(ティモシー・ガリットセン)氏が,解説を加えていくというスタイルだ。
ゲームの時代設定は1912年。各地で万国博覧会が催されて進化を競い合い,アメリカでも電話や飛行機が発明されたり,市街地には上下水道がパイプで連結されたりするなど,人類の文明の急速な発展に沸いていた時代の話だ。
ゲーム内のストーリーでは,半永久的にオブジェクトを浮遊させるテクノロジーを開発したアメリカ人が,天空の都市コロンビアを完成させて世界中を回り,その英知を“自慢してまわっている”という。いわゆる,当時イケイケになっていた「アメリカン・エクセプショナリズム」(自国例外主義)をゲームで誇張表現しているわけだが,コロンビアには星条旗があちらこちらに掲げられているなど“古き良き時代のアメリカ”が,これ見よがしに描かれている。
ガリットセン氏によると,コロンビアは各地を回り切ったあと,目的が失われてしまったらしく,地上に生活する人々にとっては,何のために浮かんでいるのかさえ,わからなくなってしまっている存在なのだという。
主人公の探偵ブッカー・デウィットは,そんなコロンビアの中に20年近く幽閉されているという女性“エリザベス”を救出するという仕事を依頼される。簡単な仕事に思えたので,快く引き受けたのだが,その結果,自らをコロンビアの内紛の中に立たせることになってしまうのだ。
今回の紹介してもらったデモシーンは,ブッカーがコロンビア内部への潜入に成功したあとのもので,すでにエリザベスとの面会も果たしている状態だという。エリザベスは,リリース済みのムービーにある,バラのシーンでもおわかりのように,重力を操作するパワーを持っているらしく,コロンビアで生活する人々に政治利用されており,このことが内紛に大きく関わっているらしい。
デモは,どこかヨーロッパ調の石畳の中を,荷台を引く馬の形をしたロボットとすれ違うシーンから始まった。荷台に乗っている人物は,気力もなく座っているのか,座ったまま死んでいるのかもわからないが,車輪の片方は外れかけており,石畳との摩擦で火花を散らしながらガリガリと進んでいく。
そんな初っ端から異様な雰囲気が漂う中,鐘を鳴らしていた建物の浮遊装置が破壊され,プレイヤーの目の前に崩れ落ちてきた。その一部は画面左手の建物を直撃して燃え上がるのだが,そんな事態にも関わらず,まったく意に介さず掃除を続ける女性の姿が。こういった惨事は,このコロンビアではもはや日常になっているかのようだ。
さらに,中央のパビリオンの中で観衆がいないのに演説を行なっていた人物に,突然ブッカーが銃撃を浴びせるというシチュエーションが展開。その男は,カラスにエサをやっていた男を呼んでカラスの大群でブッカーを襲わせている隙に,自分はレールに飛び乗って別の場所にまで一目散に逃げてしまった。
残されたブッカーは,遠方にあるウイスキーのビンのようなものを引き寄せて飲むなど,テレキネシスを使いこなしていた。すでに不思議なパワーが覚醒しているようだが,不味そうに飲んでいたウイスキーのようなものが,本作におけるプラズミドのようなものなのだろうか?
そんなことを考える暇もなく,突然背後のパビリオンが大爆発。スコープで近辺を覗いてみると,逃げた男が遠方からキャノン砲を撃っている。それを阻止するために,ブッカーもレールにフックを引っ掛けてローラーコースターのように滑り始めるが,男の手下らしい人物が反対方向から進んできて,ブッカーの邪魔をするのだ。
ようやく男を追い詰めたブッカーだが,至近距離からキャノン砲を撃ち続ける男に対して,たまらずにビルの中に逃げ込んでしまった。
この建物は酒場のようになっており,ブッカーがドアを開けて入るや否や,20人ほどの客が声をかけてきて歓迎している様子だ。しかし,バーのカウンターの方向から飛び出してきた男――あの演説オヤジが乱入してきたのかも知れない――が,プレイヤーに向かってくると,客達がモブとなって襲い掛かってきたのである。プレイヤーは逃げ出ようとするものの,袋小路で掴まってしまう。
その中の2人を左手のパワーを使って感電させて対抗するのだが,すべての敵を倒すことは難しそうだ。ところがその時,ジリジリと迫ってくる群衆の反対側から,あのエリザベスが現れ,彼女のパワーで小型の雨雲を召喚。そこに,プレイヤー電撃を組み合わせることで,群集を一機に感電させてしまうことに成功した。
こういったエリザベスとのコンボ技には,複数のパターンがあるようで,この直後のシチュエーションでは,エリザベスが金属食器を集めて溶かした熱球を,プレイヤーがテレキネシスで飛ばして,進路を塞いでいたオブジェクトを粉砕するシーンも。
カラス男もそうだが,BioShock: Infiniteでは,さまざまな能力を持ったキャラクターが存在するようだ。プレイヤーが使えるパワーで今回確認できたのは,テレキネシスと電撃の二つのパターンだけだった。
さて,今回のデモのクライマックスでは,両手足が機械化され,ゴリラのように襲い掛かってくる大男との橋の上での対決となる。なんとか相手を始末し,ブッカーが「やったぞ! キミをずっと付け狙ってたってのはアイツか?」と聞いたところで,エリザベスが,「違うわ,彼よ!」と指差した方向にいたのが,建物の上に掴まっている大きな頭のワシのような姿をしたロボットだ。これが,ひょっとしたら「BioShock」シリーズにおけるビッグダディのような存在なのかも知れない。
多くの場面で連れ立っての連携プレイが楽しめそうな,エリザベスというミステリアスなキャラクターの存在,よく計算された臨場感のあるスクリプティング,そしてIrrational Gamesらしい,ほかのゲームでは余り見かけない時代設定を,うまく練り上げ,ストーリーに調和させたBioShock: Infinite。同席したジャーナリストからは,Gamescom 2010のゲーム・オブ・ザ・ショーという呼び声が高かった。発売は2012年となっており,今後なかなか新情報が出てこないかも知れないが,相当期待できるゲームであるのは間違いなさそうだ。
- 関連タイトル:
BioShock Infinite
- 関連タイトル:
バイオショック インフィニット
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バイオショック インフィニット
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(C)2002-2010 Take-Two Interactive Software, Inc. Developed by Irrational Games.BioShock, BioShock Infinite, Irrational Games, 2K Games, Take-Two Interactive Software and their respective logos are all trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc.
(C) 2002-2013 Take-Two Interactive Software, Inc. Developed by Irrational Games. BioShock, BioShock Infinite, Irrational Games, 2K Games, Take-Two Interactive Software and their respective logos are all trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All rights reserved.
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