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ゼニマックス,2011年10月に日本で発売される「Rage」の最新情報を公開。Open Environmentで繰り広げられる,FPSプラスαのプレイ感覚とは何か
ゼニマックス・アジアは本日(2011年5月25日),同社が2011年10月6日の発売を予定しているFPS「Rage」(PlayStation 3/Xbox 360)の最新情報を公開し,合わせて日本語公式サイトをオープンした。今回紹介されたのは,Rageを構成する数々のユニークな要素,具体的には「Open Environment」を舞台にした「コレクション」「ゲームの進行」「車両」,そして本作で使用されているゲームエンジン「id Teck 5」についてだ。
「Rage」日本語公式サイト(要年齢認証)
そんな彼らの新作となるRageは,同社の従来作のようなリニアな構成のシンプルなFPSではなく,オープンワールドを舞台に,撃ち合いだけではなくRPG/アドベンチャー的な要素もたっぷり含んだ野心的な作品になっている。これまで掲載した記事でも何度か触れてきたが,ここでもう一度まとめてみよう。
ゲームの舞台となるのは,巨大隕石が落下して文明社会が崩壊した未来の地球だ。事前に小惑星の接近を察知した人類は,エデン計画という秘密プロジェクトを開始する。これは,「アーク」と呼ばれるシェルターを数千個,地中深くに建設し,冷凍睡眠させた人々をそこに保管するというもの。地球環境が元に戻った頃,彼らは目覚め,新たな社会を再び築き上げることになるというわけだ。
ゲームの主人公は,そのエデン計画によってアークに収容された一人の男だ。しかし,目覚めた彼が外で見たものは,想像を絶する世界だった。予想よりはるかに多くの人類が生き残り,法も秩序もなくなった野蛮な世界でサバイバルに明け暮れているほか,不気味なミュータントが徘徊し,さらには“オーソリティ”と呼ばれる組織が地上を支配していたのだ。カオスで荒廃した世界,ウェイストランドへようこそ!
プレイヤーはそんな,生き残るだけでも大変な世界で,地上がなぜこのようになってしまったのかという謎を解き明かしていくことになる。
シングルプレイキャンペーンに軸足を置くRageは,FPSとしては非常に自由度が高い。メインストーリーから逸脱しない範囲なら,自由にあたりを探索し,サブクエストを引き受けてポイントやお金を稼いだり,さまざまなNPCから情報や武器を得たり,ミニゲームやカーレースを楽しんだりといったことができるのだ。
訪れたビルや廃墟を探索して新しいアイテムを手に入れ,そこから新たなサブクエストが始まることもあるという。もともと資源がきわめて乏しい世界であり,生き残っていくためには探索行為が重要だ。Bethesda Softworksの「The Elder Scrolls」シリーズや,「Fallout 3」シリーズといったRPGほどではないにせよ,FPSとしてはかなり高い自由度を誇っており,id Softwareは,これのフィーチャーを“Open Environment”と呼んでいる。
プレイヤーの訪れる街,「ウェルスプリング」では,街角でさまざまなゲームに興じる人々を見られるはず。ネオンサインが灯っているので,発電装置も備えているらしいこの街では,さまざまなNPCから仕事がもらえたりもするという。
コレクション要素も,Rageの楽しみの一つだ。生き残るために武器や弾薬を集めるのは当然だが,ユニークなのが,さまざまなアイテムを拾い集め,それを組み立ててガジェットの作成ができることだ。セントリータレットは,設置すると自動的に前方の敵を攻撃してくれるものだし,クモ型のセントリーロボットは,自ら移動しながら敵を一掃してくれる便利な兵器で,こういったガジェットを,所定のアイテムを集めることで作れるわけだ。「DOOM 3」にも小さくて可愛いが,やたらと強力なセントリーボットが出てきたが,id Softwareのスタッフはこういうアイテムが好きなのかもしれない。
ともあれ,これらの兵器は壊れるまで使用可のであり,たとえ壊れても,また部品を集めることで修理が可能という環境に優しい設計だ。これは面白そうである。
コレクション要素とはちょっと違うが,id Sofewareのこれまでの作品にはなかったほど,多種多様な武器類が用意されているのも特徴の一つだろう。例えば三枚刃のブーメラン,ウィングスティックは,銃と併用できる便利なアイテム。一人の敵目がけてウィングスティックを投げ,その間に銃で別の敵を攻撃できるのだから,慣れてくれば,手放せない武器になりそうだ。もちろんこれも,壊れるまで使用可能。また,一度で複数の敵を倒せる,アドバンスド・ウィングスティックは,ゲームを進めることでアンロックできるようになるという。
こうしたさまざまな武器を,敵に応じて,あるいは単純に好みで使っていけるのも,本作のお楽しみの一つだろう。
上にも書いたように,Rageはシングルプレイのキャンペーンをメインにした作品になっている。ストレートにゲームを進めた場合,プレイ時間は15〜20時間,サブクエストに挑戦したり,いろいろな場所を探索したりしていると,30〜40時間は遊べるとのことなので,最近のタイトルの中では十分なボリュームだ。ウェイストランドは広大であり,ATVやバギーを使っても,全部見て回るのはなかなか難しい。
行けなかったあの建物に強力なアイテムがあったかもしれない,あるいは面白いサブクエストをくれるNPCがいたかもしれないと思うと,もう一度ゲームに挑戦したい気持ちになるだろう。武器を含めて多数のアイテムがあるため,一度のプレイですべて見つけるのは難しい。そんな感じで,リプレイ性は高いのだ。
登場するNPCも,一癖も二癖もありそうな面構えで,見ているだけでも面白い。
Rageの開発発表は2007年のことだが,そのときから車両の要素が前面に打ち出されていた。2011年4月19日に掲載したBFG 2011のレポートでお伝えしたように,ビークル類はオンラインマルチプレイのカーレースで活躍することになるが,それ以外でも,マップの移動には欠かせない重要な存在だ。車両なしではクリアできないミッションもあり,例えばNPCから「ボムカーの居場所を見つけ,すべて吹き飛ばしてもらいたい」などという依頼を受けることもあるという。
また,移動中に敵と不期遭遇することもあるので,最初は貧弱な車を,どんどんパワーアップしていくことも重要だ。
パワーアップのためには,マルチプレイのバトルに出場するのが手っ取り早く,このように,シングルとマルチが微妙に絡んでいるのも,システム上の面白さかもしれない。
最後に,本作で使われているid Teck 5の話。以上のように,FPS専門ともいえるid Softwareが,得意のFPSにプラスαの要素をできる限り盛り込んだRageだが,このグラフィックスやAIを支えるのが,同社の顔でもあるカリスマ的プログラマー,ジョン・カーマック氏が作り上げたゲームエンジン,id Teck 5というわけだ。
サイズの大きなテクスチャを用意して,緻密な世界を作り上げる「メガテクスチャ」技術がよく知られているが,これほどのグラフィックスを毎秒60フレームで実現している例はほかにあまりなく,しかも,それをマルチプラットフォームで実現しているのだから,ちょっと驚きだ。
実際にプレイしてみると,それぞれの地域に特徴があり,オブジェクトの数も多く,さすがに長い時間をかけているだけに作り込みはすごい。遠景も見事で,遠くの渓谷や奇妙な形でそびえ立つ岩山などのリアリティの高さは,プレイヤーの没入感を否応なく高めてくれるはずだ。
id Softwareのクリエイティブディレクター,Tim Willits氏によれば,id Tech 5でライセンスビジネスをする予定はなく,希望があればBethesda Softworksなど,Zenimax Media傘下のスタジオに提供するだけだという。つまり,今のところRageのほかに,この最新技術を目の当たりにするチャンスはないわけで,その点に心惹かれるというテッキーなプレイヤーもいるかもしれない。
というわけで,今回ゼニマックス・アジアから発表されたRageの最新情報は以上のとおり。今後さらに東京ゲームショウをはさんで,発売まで情報公開が続くとしているので,FPSプレイヤーだけでなく,Fallout 3のファンや,ポストアポカリプスものが好きだという人,さらにレースゲームに興味のあるプレイヤーは,続きもお楽しみに。
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