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[Gamescom]謎に包まれていた新作「From Dust」の内容が明らかに。自然と人間の戦いを描く,なんとも不思議な雰囲気のゲームだった
2010年6月のE3 2010で仮称「Project Dust」として発表された時点では,スクリーンショット数枚が公開されただけだった本作。それ以来「いったいどんなゲームなのか?」と話題になっていたが,その神秘のベールがすこしだけ剥がれたというわけだ。
19日に掲載したムービーでも確認できるが,From Dustでは,形状も動きも虫のようなカーソルを動かすことで,地形をリアルタイムに変化させられる。標高の高いところに湖があったとして,その縁をカーソルで削れば,そこから水が溢れ出して川となり,低地へ向かって流れていく。カーソルで掴み上げた土地や水は球状になるので,それを別の場所に持っていって島を作ったり,そこに植物を植えたりといったことも思いのままだ。
というわけで,これは地形シミュレータなのか? もちろん違う。Ubisoftが売るゲームなんだし。
彼らを指導するのは一人のシャーマンで,彼の特技というか能力は「未来予知」,それも,もっぱら自然災害の予知が専門である。そして,ゲーム中,シャーマンが「津波」を予知すると,画面の右下にバーが出現した。これが津波の予想到達時間で,バーの右側に現れた“津波アイコン”が左端に来たときが,津波襲来ということになる。
ここからがよく分からないのだが,ここでシャーマンは,村から離れた山の中腹にある,何やらスピリチュアルな存在に助けを求めに行くべく,ヒイヒイいいながら全力疾走を開始する。彼が進むべきルートは1本のラインとして画面に表示されるのだが,文字どおり1本のラインなので,そこには河川やら障害物やらがあって,当然のことながらまっすぐは進めない。
画面では,移動できる部分が緑,できない部分が赤で色分けされているのだが,ここからがプレイヤーの出番だ。プレイヤーはシャーマンの彼が“スピリチュアルな存在”へうまく辿り着けるよう,川をせきとめたり,障害物を取り除いたりしてあげるのである。このあたりは物理法則に従ったパズル風になっており,例えば,行く手を阻む川を単純にせき止めると,水が意外なところで溢れて,別の流れが生まれ,困ったことになったりする。
目的地に到着したシャーマンはそこで祈りを捧げ,再び来た道をとって返すわけだが,途中,突然襲ってきた水の流れに呑まれて難儀したりと,いろいろ一筋縄ではいかないようにできている。彼が無事に帰れないことも当然あり,その場合,島の村は全滅してしまうだろう。
こうした自然災害は,津波のほかに火山の噴火や地震など,さまざまなものが用意されており,それらをうまく切り抜け,人々の安全を確保するのがプレイヤーの仕事だ。今回は,どちらかというと神(?)頼みの解決方法だったが,前述した地形改造システムを駆使して災害から人々を守る必要もあるだろう。
そうやって幾多の災害を乗り越えていくと,やがて人々の数は増え,あちこちの島や土地に植民していくとのこと。地上を人々で満たすことが,プレイヤーの最大の目的なのだ。
基本的にはいわゆるゴッドゲームだが,文明と文明が戦うといった要素はなく,あくまでも自然と人間の葛藤に主眼が置かれたゲームになるとのこと。
久々の新作として,Chahi氏は約2年もの間,From Dustの開発に取り組んでいるという。
プレイヤーを選んでしまうところもありそうだが,新たなゴッドゲームとしてどのような評価を受けるのか興味深いFrom Dust。対応機種はPCとPlayStation 3,Xbox 360で,Steam,PlayStation Network,そしてXbox LIVE Arcadeでの配信が予定されている。詳しい日時は未発表だが,発売は2011年とのことだ。
From Dust公式webサイト
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