レビュー
今度はハワイの「オアフ島」とスペインの「イビサ島」,2つの島を舞台にセレブ生活
テストドライブ アンリミテッド 2
スペインのイビサ島とハワイのオアフ島で
繰り広げるカーライフを満喫しよう
日本人にもお馴染み,常夏の島ハワイにあるオアフ島をまるまる再現し,憧れのスーパーカーを駆って世界中の仲間達と島内でドライブを楽しんだり,レースをしたりなど,自由気ままなカーライフを満喫できた「テストドライブ アンリミテッド」が発売されてから,かれこれ4年半。
その続編となるシリーズ最新作「テストドライブ アンリミテッド 2」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)の日本語版がサイバーフロントから発売された。
ゲーム開始時,プールサイドでノリノリにダンスを披露している男女6人の中から自分の分身となるアバターを選ぶ。アジア系の女性をチョイスしたが,もっと可愛いほうがよかった |
序盤は紹介された中古クラシックカー店で車を買い,住まいとなるマイホームに行き,ソーラー・クラウン出場に必要なライセンスを取得して最初のレースへ……チュートリアルも兼ねて,半ば自動的に進行していく |
「2」で初めて登場する舞台は,スペインの楽園イビサ島。コバルトブルーのサン・アントニビーチ,白壁の建物が並ぶ街並み,イビサ・タウンから見える“ダルトビラ”と呼ばれる旧市街など,イビサ島が丸ごと再現されており,今にも地中海の匂いが漂ってきそうなほどだ。筆者はイビサ島に行ったことがないので,どんな匂いがするのかまでは分からないが。
2にはオアフ島も収録されており,イビサ島とオアフ島の両島を行き来してのカーライフを楽しめる。空港に行けば両島を簡単に移動できるので(多少の条件あり),特色のまったく異なる2つの島で,「今日はどっちの島で過ごそうかなぁ」などというセレブリティなプレイを満喫していただきたい。
毎晩走り回っていた日々が懐かしく感じる,あのオアフ島も健在。ダートルートなどを中心にいろいろと前作から変わっているところもあるので,違いを見つけてみよう |
時間帯や天候がリアルタイムに変化するのも見どころの一つ。レースやチャレンジにも影響が出るので,できるだけ晴れの日の日中を選ぶようにしたい |
基本的なゲームシステムや,フリーローミング型のゲームスタイルは前作から変わっていない。基本はオンラインプレイで,世界中のプレイヤーがイビサ島,オアフ島の合計3290平方kmという広大なマップに滞在することになる。
マッチングシステムにより,近くにいる8人のプレイヤーが同じマップ上に現れ,広大なマップの中を自由気ままにドライブしたり,ディーラーやショップを見つけてお買い物したり,チャレンジ(イベント)をこなして小遣いを稼いだりと,思うがままにプレイできる。
「テストドライブ アンリミテッド 2」公式サイト
大迷惑カーレース番組でセレブ達を打ち負かすべし
イビサ島で開かれているパーティ会場で,セクシーなドレスを身にまとったお姉さんに「誕生日プレゼントよ」と,真っ赤なフェラーリをプレゼントされた。「私はセレブ,うふふ。セレブ最高!」なんてニヤニヤしながら愛車フェラーリを転がしていたら,徐々にフェードアウトして……実は夢でしたというオチ。2は,こんな演出からゲームが始まる。
このセレブ風の姉さんは,「ソーラー・クラウン」なる,ストリートレースで「チャンピオンシップ」を競い合うという大迷惑な人気番組の進行役兼参加者,「テス・ウィントリー」。
主人公はテスの付き人だったが,ドライバーとしての腕を見込まれてソーラー・クラウンに参加することになった。……という,なんともセレブらしい(?)強引な展開で,イビサ島でのカーライフの幕が開くのだった。
イビサ島,オアフ島で開かれる本作のレースは,すべてソーラー・クラウンのチャンピオンシップの一部だ。参加できる車のクラスごとのライセンスを取得すると,チャンピオンシップに挑戦できるようになる。
例えばレーシングスクールでA1ライセンスを取得すると,マップ上にA1チャンピオンシップが現れるという寸法だ。
アスファルト,オフロード,クラシックそれぞれのレーシングスクールで,ライセンスを取ろう。上位クラスは難度が高いので覚悟すべし |
レーシングスクールではさまざまな車を使用するため,自然と多くの車のドライビングテクを習得できる。繰り返し挑戦してコツをつかもう |
レーシングスクールはアスファルト,オフロード,クラシックの3種類あり,それぞれクラスごとに用意された課題をすべてクリアすれば,そのクラスのライセンスが手に入る。
クラスが上がれば課題の難度も上がり,他車やパイロンに軽く接触するだけで失敗になるようなシビアな走りを要求される。ゲーム本編はおおらかなのだが,レーシングスクールは非常に厳しいので,心して挑みたい。
どのモードも難度は高くないと思うが,狙っているとしか思えないタイミングで一般車が登場してビリ,なんてことも |
オフロードもあるのが本作の特徴の一つだ。同じクラスでも,オフロードに不向きな車などがあったりするので,購入前にしっかりチェックしよう |
それぞれのチャンピオンシップは,いくつかのレースモードで構成されており,レースで獲得したポイントの合計によってチャンピオンが決まる。苦手なレースで勝てなくてもチャンピオンになる可能性があるのは嬉しいところだ。
チャンピオンになると,同じクラスの上級チャンピオンシップ(HIGH)がマップ上に出現するので,気合いを入れてライバルを打ち負かしていこう。
レースモードは,スタートからゴールまでの順位で競い合う「レース」,できるだけ速いスピードを維持する「スピード」,1周するごとに最下位が脱落していく「エリミネーター」,スタートからゴールまでの最速タイムで競う「タイムアタック」,コース上に配置されたレーダーの通過速度の平均値で競う「スピードトラップ」と,前作よりも増えてはいるが,欲を言えばもっと個性的なものも欲しかったところ。
チャンピオンシップそっちのけで楽しめる
要素満載のフリーライド
チャンピオンシップなんて気にせず,自由に島を走り回るのも本作の楽しみ方の一つ。そんなフリーライド中に楽しめる要素が,2ではさらに増えている。
まずは「F.R.I.M.メーター」だ。これは走行中にジャンプやドリフト,他車とのニアミスを繰り返すことで上昇するメーターで,フルにするとお金を獲得できるチャンスが訪れる。
例えば最初にメーターをフルすると,この段階で$100獲得する権利を得られるのだが,さらに続けてメーターを溜めていくことで,金額は最大$4000まで上昇していく。ただし,途中で何かに接触などするとゼロに戻ってしまうという仕組みだ。欲を出して苦労が水の泡,ということも多い。
また,ヒッチハイカーを送り届けたり,高級車やヤバイ荷物を運んだりなど,マップ上に用意された「チャレンジ」が,本作にも100個登場する。チャレンジは7種類あって,疲れちゃったから家まで乗せてという人を運ぶ「ドライビング」,車酔いしやすい人を丁寧な運転で目的地まで乗せる「インパクト」,スリルを求める人のためにドリフトやジャンプ,ニアミスなどといった危険走行をする「アドレナリン」,どういうわけか高額のスーパーカーを預かって目的地まで運ぶ「代行運転」,浮気相手の尾行などをする「追跡」,制限時間内に目的地まで送り届ける「タイムアタック」,指定された速度で制限時間のあいだ走り続ける「速度制限」が登場する。またしても,セレブのわがままを聞いて回る感じだ。
オンラインプレイのチャレンジも前作より増えており,1位でゴールを目指す「レース」,決められた最低速度を維持することでポイントを稼いでいく「スピード」,レーダーの通過速度で競いあう「スピードトラップ」のほか,リーダーだけに次のチェックポイントが知らされ,ほかのメンバーはリーダーを追って走る「リーダーの後を追え」,参加者は追い越し禁止で一定の車間を保って走る「車間距離を保て」といったチャレンジが登場。
パッシングにより突然開始される「インスタント・チャレンジ」も健在だ。とはいえ,自由気ままにドライブしている人が多いせいか,オンラインチャレンジに参加する人は少なく感じられた。
また,警察車両の近くで接触などをすると「交通違反ゲージ」が上がっていき,最大になると警察の追跡を受けることになるのだが,追跡が始まったときに近くにいるオンラインプレイヤーが警察車両として参加できるシステムが「2」で採用された。
日頃,追いかけられるばかりの人も,このときばかりは追いかける側の走りを楽しめるのが面白い。
なお,前作ではオンラインプレイヤーとのコミュニケーションにテキストチャットが利用できたが,2ではテキストは使えずボイスチャットのみとなっている。そのため,フリーライドで走っていると,いろいろな会話や鼻歌が聞こえてきて賑やかだ(うるさいくらい)。
ただし筆者のようにボイスチャットが苦手という人は,無理にボイスチャットを使わなくても大丈夫。体当たりやクラクションでいくらでもコミュニケーションが取れるのは前作同様だ。
クラシックカーからスーパーカーまで
実在する60車種以上が登場
登場する車として,フェラーリ,アルファロメオ,アストンマーチン,アウディ,ブガッティ,ダッヂ,フォード,ジャガー,メルセデス・ベンツ,フォルクスワーゲン,日産,スバルなど,実在する自動車メーカーの車種が60車種以上収録されている。
普段から目にすることの多い一般車,レアなクラシックカー,さらに普通の人にはなかなか手を出すことのできない高級スポーツカーまで,幅広く収録されているのが嬉しいところだ。しかし,ポルシェやランボルギーニといった,前作には収録されていたセレブ御用達の車がごっそり抜けているのは少々残念だ。
車種によってA1〜A5,B2〜B4,C2〜C4にクラス分けされているが,当然ながら同じクラスでも性能に違いはあり,それがチャンピオンシップの勝敗に繋がることも多い。
同じクラスでもキビキビ走る車もあれば,オフロードが得意な車などもあり,実際にレースで使ってみてから「買って失敗した〜」なんて思うこともある。
そんな車はチューナーにてチューンナップすることで,ワンステップ上の性能が手に入ったりもするので,それで頑張ってみるのも手だ。
チューナーでは,アクセル,ブレーキ,スピードをレベル4までチューンナップできるのだが,どのレベルまでチューンナップできるかは,どういうわけかマップ探索状況次第となっている。マップ探索があまり進んでいないうちは,レベル2までしかチューンナップできないなんてことにもなるのだ。
車の扱いやすさとなるドライビングエイドについては,フルアシスタンス,スポーツ,ハードコアがあり,プレイ中にいつでも変更可能だ |
加速性能,最高速,扱いやすさなどから,前作に引き続いて「フェラーリ F430」が筆者の一押し。ドライブやツーリングに最高 |
車の挙動については,前作同様アーケード寄りの挙動特性となっており,クラシックカーの不安定な挙動,スポーツカーのキビキビした走り,スーパーカーのピーキーな挙動など,車ごとに特徴のある挙動特性は再現されているように感じられた。
いろいろと乗り比べてみると,乗りやすい車,乗りにくい車が分かると思うので,試乗でしっかり確認してから購入するのがオススメだ。
なお,筆者はXbox 360版(輸入版),PS3版(日本語版)をプレイしたが,どちらもゲームパッドでの操作性が非常に悪く,設定を調整をしても納得のいく操作性に至らなかった。ゲームパッドであえてプレイするなら,アナログスティック,アナログトリガーの作りからか,個人的にはXbox 360ゲームパッドのほうがまだコントロールしやすかったように思える。
ステアリングを使えば操作性の悪さはかなり改善されるので,基本的にステアリングでのプレイを考えたほうがいいだろう。
広大なマップの中を
自由にドライブできる楽しさは健在
2ではプレイヤーが成長していくシステムが取り入れられており,成長の度合いは「レベル」(グローバルレベル)で示される。レベルはチャンピオンシップをこなすと上がる「競争」,車や洋服などを買い集めると上がる「収集」,マップ探索や写真撮影などをすると上がる「探索」,クラブやオンラインイベントに参加すると上がる「社交」という4種類でそれぞれ15レベルずつ,グローバルレベルはその合計で最大レベル60までアップする。
レベルアップすると,金属探知機など役に立つアイテムの報酬が得られるほか,レベル10になればイビサ島とオアフ島を無料で行き来できるようになる。レベル10に達する頃には,走りが素敵なスーパーカーにも乗れるようになっているだろうし,快適にマップ内をかっ飛ばせて,面白さも上がってくると思う。
半面,このレベルの導入が自由度を下げてしまっている印象も受けた。何の目的もなく,どこまでも好き勝手に楽しめる自由度が本シリーズのウリなはずだが,2はライセンスしかりレベルしかりで“何かを達成しなければ利用できない”ものが多く,遊びたいようには遊べないのだ。
とはいえレベルの要素を抜くと,やっていることは前作とほとんど変わらないかもしれない(マップは増えた)。
総合的に見ると,あいかわらずゲームとして荒削りな部分も目立つものの,広大なマップを好きな車で走り回るのは単純に面白い。オープンワールドを探索するのが好きで,ひと味違うドライブゲームを求めている人ならば,プレイしてみるといいだろう。末永く遊べるだけのコンテンツは用意されているので,イビサ島とオアフ島で夢のカーライフを送ってみてはいかがだろう?
「テストドライブ アンリミテッド 2」公式サイト
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