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2018年は平昌冬季五輪に絡めたe-Sports大会に注目? 2017年のIntelを振り返るプレスセミナーをレポート
そういうイベントであるため,どちらかと言えばサーバーやデータセンター,AIといった近年のIntelが注力する分野の話題が中心で,ゲーマーに関わる話が出ることはあまりない。今回も話題の中心は人工知能(AI)で,最新の第8世代Coreプロセッサや,エクストリーム市場向けのCPUであるCore Xシリーズの話題は,ほんの少し触れられただけだった。ただ,2018年の話題では,ゲーマーにも気になりそうな話もあったので,簡単に概要をレポートしよう。
冒頭で登壇した代表取締役社長の江田氏は,2017年のIntelについて振り返り,まず,「Intel bong」と呼ばれるIntelのサウンドロゴ――Intel製CPU搭載PCのCMで流れるあのメロディだ――が,特許庁が新しく導入した音商標に登録されたことを取り上げた。
また2015年から2017年かけては,とくに自動車やIoT(Internet of Things)分野で,国内のさまざまな企業と共同で取り組んだプロジェクトが増え,多方面でのイノベーションを加速したと,江田氏は振り返る。
今回のメインテーマだったAI分野だが,およそゲーマー向けの話題ではないので,ごく簡単に触れるに留める。製品としては,サーバーおよびデータセンター向けのCPUである「Xeon Scalable Processor」(関連記事)を投入したほか,スティックPCタイプのAI用小型コンピュータ「Movidius Neural Compute Stick - with Myriad* 2 VPU」(以下,Neural Compute Stick)といった製品を投入したことがアピールされた。
ただ,Neural Compute Stickは,2017年9月末で「End Of Life」(製造終了)となっており,後継製品も登場していないので,「今さらアピールされてもね……」というのが正直なところではある。
AI分野におけるIntel製プロセッサの活用事例としては,薬の研究開発(以下,創薬)にAIを利用するという話題が取り上げられた。
このパートを担当した,京都大学医学部付属病院 先端医療機器開発・臨床研究センターの種石 慶氏によると,現在の創薬事業は,非常にコストがかかるわりに成功率が低く,完成して流通できるようになるまでの時間もかかるため,極めてリスクの高いビジネスになっているのだそうだ。そこで,創薬のさまざまなプロセスにAIを利用することで,精度の向上と時間の短縮を実現しようという取り組みが進められているとのこと。そうしたAI用途に,Xeon Scalable Processorを利用すると,GPUを使ったソリューションよりも高速に処理できますよ,というのがIntelの主張というわけだ。
といったわけで,ゲーマーの興味をそそるような話はほとんどないセミナーだったが,最後に再び登壇した江田氏が,2017年の取り組みと2018年以降の展望で触れたオリンピック関連の話題は,ゲーマーにも関わる話となりそうだ。
2017年6月にIntelは,2024年までの契約でオリンピックのワールドワイドトップパートナーとなったことを発表したが,それに関する最初の大きなイベントを,2018年2月に韓国の平昌(ピョンチャン,PyeongChang)で行われる冬季オリンピック大会に先駆けて実施するという。それが,オリンピック開幕直前の2月5日から7日まで行う予定のe-Sportsイベント「Intel Extreme Masters」平昌大会だ。
この大会では,韓国で根強い人気のあるRTS「StarCraft II」と,オープンワールドタイプのウィンタースポーツゲーム「STEEP」の2タイトルが種目となっている。どちらも,国内でメジャーなゲームタイトルではないのが残念だが,興味のある人はTwitchなどでの中継を見るのもいいだろう。合わせて,国内でのe-Sportsに対するIntelの支援が,拡充されることにも期待したい。
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