ソーシャルゲームメーカーZyngaの株式評価額がElectronic Artsを超える。変わりつつある欧米ゲーム業界のビジネスモデル

　「FarmVille」などでおなじみのZynga Game Network（以下，Zynga）の資産評価額が約55億1000万ドル（約4509億円）になり，長らく欧米ゲーム業界の“ジャイアント”と呼ばれてきたElectronic Artsを超えたと，Bloomberg Business Weekが報じている。
　記事は，株式非公開企業の分析を専門に行うSharesPostが発表したデータをもとにしたもので，Zyngaの資産評価額である55億1000万ドルは，2009年のElectronic Artsの52億2000万ドル（約4268億円）をわずかながら上回っている。

「Zynga」公式サイト

　「FarmVille」「Mafia Wars」，そして「FrontierVille」など，FacebookやMySpaceなどのソーシャルネットワークシステム（SNS）をプラットフォームにしたゲームを開発するZyngaは，車や服，家具といったゲーム内アイテムを売る手法で急成長してきた。
　Facebookのユーザーは全世界で5億人にもおよぶ巨大なものだが，Zyngaの成長もFacebookの発展に応じて伸びており，現在，毎月1度でもZyngaのゲームにアクセスする登録ユーザー数は，2億1000万人に達しているという。
　Zyngaに限らず，ソーシャルゲームやモバイルゲームのメーカーは不況知らずで業績を伸ばしており，今回の記事は，欧米のゲームビジネスが変貌しつつある証拠だと考えられそうだ。

　現在のところ，欧米ゲーム業界の最大手は，2008年にフランスのVivendi Gamesと合併したActivision Blizzardであるとされており，こちらの資産評価額は139億ドル（約1兆1365億円）。ZyngaやElectronic Artsの3倍近くの規模だが，果たしてZyngaがこの数字をも超える日はやってくるのだろうか。