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Intel 6シリーズチップセットに不具合。Intel,出荷を停止しリコールへ
問題があるとされるのはマザーボード上のSerial ATAポートで,時間の経過によって劣化し,接続しているHDDや光学ドライブなどの機器に影響を与える可能性があるという。発表の中で米Intelはこれを,組み合わされる第2世代Core iプロセッサ側に問題はなく,あくまでもチップセットレベルの問題であるとしている。
影響を受ける可能性がある製品は,2011年1月9日以降に出荷されたIntel 6シリーズチップセット搭載システムとされており,Intelは「影響を受けるユーザーの数は比較的少ない」という見解を示しているが,現実的には,初回に出荷されたPCやマザーボード製品,ほぼすべてが対象と見るべきだろう。実際,秋葉原のショップでは,搭載マザーボードやPCシステムの撤去を始めたり,事情を説明したうえで,納得した人には販売したりといった形で,対応を始めている(※13:40追記 販売を停止するショップが目立つ)。
なお,Intelの英文リリースによると,問題のあるチップセットの出荷はすでに停止しており,修正版となるチップセットの提供を2月下旬に開始,4月までに出荷量を元に戻せる見込みになっているとのこと。問題のあるチップセットを採用したマザーボードやシステムは,OEMパートナーを通じて回収を行うとして,Intelは購入者に対し,同社もしくはOEMパートナーに問い合わせるよう呼びかけている。
ただし,マザーボード単体やゲーマー向けPCを「誰が,どうやって」交換することになるのかは分からない。すでに搭載マザーボードや搭載PCを入手した人は,ひとまず使い続けながら続報を待つということになりそうである。
※14:05追記
Serial ATAポートだが,3Gbps対応となる2〜5番ポートがデータ転送異常を引き起こす一方,6Gbps対応の0&1番ポートを使う限り,問題は生じないという情報を入手した。いま裏付けを急いでいるので,判明し次第あらためてお伝えしたい。
※14:20追記
Intelから同社の顧客となるOEMメーカーに渡った案内状で,「Intel 6シリーズチップセットと,サーバー&ワークステーション向けのIntel C200シリーズチップセットで,2〜5番のSerial ATAポートを利用するときに今回の問題が生じる」とされていること,そして,「0&1番の6Gbps対応ポートを使う限り,本問題の影響を受けない」とされていることを確認した。
米Intelによる英文リリース
#### 以下,米Intelの日本法人であるインテルからのリリース ####
インテル コーポレーション
チップセット製品の設計上の問題を特定し、解決策を実施
〜今回のチップセットの問題、インフィニオンの無線ソリューション事業の買収、およびマカフィーの買収計画を考慮し、業績予測を更新〜
- チップセットの回路設計の問題を特定し、解決策を実施、顧客に通知
ーインフィニオンの無線ソリューション事業(WLS)の買収は2011年1月31日に完了
- マカフィーの買収は、2011年第1四半期に完了予定
- 今回のチップセットの問題、インフィニオンの無線ソリューション事業の買収、およびマカフィーの買収計画を考慮し、2010年第4四半期、2011年第1四半期、2011年通年の業績予測を更新
インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は、品質検査の過程で、先日発表したインテル6シリーズ・チップセット(開発コード名:Cougar Point)の設計上の問題を特定し、解決策を施しました。
この問題では、場合により、チップセットのSerial-ATA(SATA)ポートの品質が時間経過とともに低下することにより、SATAで接続されたHDDやDVDドライブの性能や機能に影響が及ぶ可能性があります。
本チップセットは、第2世代インテルCoreプロセッサー・ファミリー(開発コード名:Sandy Bridge)搭載PCに利用されています。インテルは、該当するチップセットの工場からの出荷を停止し、今回の問題を解決した新しいチップセット製品の製造を開始しています。第2世代インテルCoreプロセッサー・ファミリー、およびその他の製品には、この問題による影響はありません。
インテルでは、解決した新しいチップセット製品の顧客への出荷を2月後半より開始し、4月までに通常の出荷体制に回復すると見込んでいます。インテルは、製品およびその品質に対して最大の努力を投じています。該当製品やその搭載システムを購入したコンピューター・メーカーや他の顧客に対しては、インテルではOEMメーカーなどと協力し、該当チップセット製品の返品を受け付け、マザーボードやシステムの変更や交換をサポートする計画です。該当チップセットを搭載したシステムは、2011年1月9日に出荷を開始した、第2世代インテルCore i7プロセッサーおよびインテルCore i5プロセッサーのクアッドコア製品を搭載したシステムのみであり、今回の問題で影響を受ける一般ユーザーは限定的であると考えています。
インテルは、一般ユーザーの方が、コンピューター・メーカーの対応策が公表されるまで、搭載システムをそのまま利用できると考えています。
今後の対応については、購入したコンピューター・メーカーに問い合わせるか、http://www.intel.comで公表する予定です。
インテルでは、該当チップセット製品の製造中止と解決済み製品の製造開始のために、2011年第1四半期の売上高が、約3億ドル減少すると予想しています。今回の問題によって、2011年通年の売上高が大きく影響を受けることはないと予想しています。
当該チップセットや市場に出荷されたシステムの修理や交換などにかかる総費用は、おおよそ7億ドルと見積もっています。今回の問題で対象となるチップセットは2010年第4四半期に製造および出荷されているため、インテルは、すでに公表した2010年第4四半期の粗利益率67.5%を約4ポイント下方修正する予定です。
インテルでは、また2011年第1四半期の粗利益率の予想を約2ポイント、通年で約1ポイント、下方修正します。
最新の2011年第1四半期ならびに通年の業績予測
インテルは先頃、インフィニオン・テクノロジーズの無線ソリューション事業の買収を完了し、インテルのモバイル通信事業部に組み入れました。マカフィーの買収完了は第1四半期末までに完了する予定です。
チップセットの問題とこれらの買収の影響を反映した業績予測は下記の通りです。
2011年第1四半期
- 売上高:117億ドル プラス/マイナス 4億ドル(従来の予測:115億ドル プラス/マイナス 4億ドル)
- 粗利益率:61% プラス/マイナス 2ポイント(従来の予測:64% プラス/マイナス 2ポイント)
- 費用(研究開発費、ならびに販売費および一般管理費):約36億ドル(従来の予測:約34億ドル)
2011年通年
- 売上成長率:10%台半ばから後半(従来の予測:約10%)
- 粗利益率:63% プラス/マイナス 2ポイント(従来の予測:65% プラス/マイナス 2ポイント)
- 費用(研究開発費、ならびに販売費および一般管理費):約157億ドル プラス/マイナス 2億ドル(従来の予測:約139億ドル プラス/マイナス 2億ドル)
- 研究開発費:約82億ドル(従来の予測:約73億ドル)
2011年第1四半期と通年のその他の予測に変更はありません。
2011年第1四半期と通年の業績予測には、マカフィーを除き、1月31日以降に完了しうる買収や事業の売却などの取引による影響は含まれていません。
マカフィーの買収は、慣行の完了条件に従った上で、完了する予定です。
2011年第1四半期非GAAPとの比較
GAAP
非GAAP
- 粗利益率 61% プラス/マイナス 2ポイント
2011年通年非GAAPとの比較
- 粗利益率 62% プラス/マイナス 2ポイント *1
GAAP
非GAAP
- 粗利益率 63% プラス/マイナス 2ポイント
- 粗利益率 64% プラス/マイナス 2ポイント *1
*1: 買収に伴う無形資産の償却費用と棚卸資産購入の調整費用などを除く
- 関連タイトル:
Intel 6
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