ZOTAC International(以下,ZOTAC)は,米ネバダ州ラスベガスで開催中の2011 International CESで,「Intel H67 Express」(以下,H67)チップセット搭載のMini-ITXマザーボードとして発表済みの「H67ITX-A-E」と,その上位モデルで,
デスクトップPC向けGPU「GeForce GT 430」をオンボードで搭載する
「H67-ITX built-in GT 430」などを公開した。
H67-ITX built-in GT 430
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Mini-ITXマザーにデスクトップPC向けGPUを搭載
H67ITX-A-E
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H67ITX-A-Eは,国内代理店のアスクから,予想実売価格1万7000円前後として国内発売がアナウンス済みの製品。開発コードネーム「Sandy Bridge」と呼ばれていたLGA1155版Core i7・i5・i3-2000番台に対応したマザーボードで,CPUに統合された「Intel HD Graphics 2000/3000」からDual-Link DVI-IとHDMI各1をサポートし,Serial ATAポートとして6Gbps×2,3Gbps×4,eSATA(3Gbps)×1,USBポートはI/Oパネル部だけでも3.0×2,2.0×4と,充実のストレージ機能を持つ。拡張スロットはPCI Express 2.0 x16 ×1,Mini PCI Express×1で,後者は標準でIEEE 802.11 g/n対応無線LANカードが取り付けられている。
そんなH67ITX-A-Eの上位モデルとなるH67-ITX built-in GT 430は,GPU(とグラフィックスメモリチップ)を覆う,
大きなパッシブヒートシンクが目を引く製品となっている。
撮影環境の都合で若干暗くて申し訳ないが,写真左端,大型ヒートシンクの左隣に,黒いPCI Express x4スロットが見える
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ヒートシンク以外にも,限られた面積にGPUを搭載するため,DIMMスロットがSO-DIMM用に変更されていたり,Serial ATAポートも6Gbps×2,3Gbps×2, eSATA(3Gbps)×1へと若干削られていたり,CPUからのPCI ExpressインタフェースをGeForce GT 430が専有するため,拡張スロットはH67側からのPCI Express 2.0 x4と,Mini PCI Express×1(※下位モデルと同様に無線LANカードが標準で差さっている)になっているという違いはある。
GPU用のヒートシンクとPCI Express x1スロットの間隔が相当に詰まっているため,カードの形状によっては差せない可能性もありそうだ。この点は最終製品での改善を期待といったところか。
おそらくZOTACは,GeForce GT 430のビデオ再生支援機能を駆使したメディア再生PCでの利用を想定しているのだろうが,
スペック的には,オンラインゲームやカジュアルゲーム用でも十分使えると述べていいだろう。第1四半期中に発売予定とのことなので,期待して待ちたい。
IONもFermiアーキテクチャ採用へ?
4画面出力対応のGTX 460カードもデモ
アルミ製PCケースを採用した省スペースベアボーン「ZBOX with Fermion」の開発途上サンプル
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ZOTACはこのほか,2011年前半中の市場投入を検討しているという,アルミボディの小型PC,
「ZBOX with Fermion」も公開している。
同製品は,「Celeron SU2300/1.20GHz」をオンボードで搭載したIONプラットフォームのマザーボードで,2010年後半に販売が始まった「IONITX-P-E」と組み合わせる計画だ。ただ,「Fermion」という名称からピンときた人も多いと思われるが,本製品はFermiベースのGPU搭載も視野に入れたデザインのようだ。同社関係者は,「公式なコメントはしない」というスタンスを貫いていたが,会場では
FermiベースIONの噂も聞こえ始めているだけに,今後が楽しみである。
ZBOX with FermionのI/Oインタフェース(左)と,搭載されるMini-ITXボードであるIONITX-P-E(右)
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ZOTACが参考出展した,VIA Nanoプロセッサ搭載のNano-ITXボード。チップセットは「VX900」だ。反響があれば,先頃発表されたデュアルコアCPU「VIA Nano X2」搭載モデルも検討したいとのこと |
Blu-ray 3Dに対応したスリムベアボーン「ZBOX Blu-ray ID36」。デュアルコアの「Atom D525」を搭載し,グラフィックスメモリ容量512MBのION GPUを搭載した,シリーズ最上位モデルになるという |
もう1つ,すでに国内市場で販売が始まっている4画面出力対応「GeForce GTX 460」カード
「ZOTAC GeForce GTX460 3DP」(型番:ZT-40407-10P)の動作デモが,ブースにおいて大々的に行われていたので紹介しておきたい。
ZOTAC GeForce GTX460 3DP搭載システムによる4画面出力のデモ
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動作中のZOTAC GeForce GTX460 3DP
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ZOTAC GeForce GTX460 3DPは,オンボードに搭載したDisplayPortハブチップ経由で,GPU側のDisplayPort出力を3つのDisplayPort端子から画面出力できるようにし,別途用意されるDual-Link DVI-Iからの出力と組み合わせて,合計4画面の出力を可能にしたグラフィックスカードである。
ただし,4Gamer読者には釈迦に説法だろうが,現在のGeForceシリーズは,デジタルディスプレイインタフェースを2系統しか持っていない。そのため,単純にDisplayPortハブを搭載したところで,6基のディスプレイコントローラを搭載したRadeon HD 6900&6800シリーズと同じように,「Multi-Stream Transport」機能を使って独立3画面出力を行うことはできないのだ(
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そこでZOTACのとった対策は,3つあるDisplayPortからの出力を“1画面”として認識させるというもの。これにより,合計4画面に対応しているのだという。
ZOTACの担当者によれば,「シングルカードでマルチ画面出力は魅力的だけど,ゲームはやっぱりGeForceだよね」というユーザーには非常に好評とのこと。反響が大きければ,ほかのGPUで同様の製品が登場するかもしれない。
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ZOTAC公式Webサイト