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名作「北斗の拳」のテイストを忠実に再現する新たな「無双」の誕生!? コーエー「北斗無双」発表会レポート
同タイトルはコーエーの人気ゲーム「無双」シリーズと,名作として知られるコミック「北斗の拳」とのコラボレーション作品。原作コミックで人気の高い“一撃必殺”の奥義を無双アクションで再現している。プラットフォームは上記のとおりPlayStation 3およびXbox 360で,価格は未定。
【速報】これこそが一撃当千の爽快感! コーエー最新作「北斗無双」を発表。PS3/Xbox360で2010年発売
発表会は,シンガーの谷村奈南さんが歌う北斗無双のイメージソングでスタートした。この曲の歌詞は,谷村さんが北斗の拳のヒロインであるユリアをモチーフに書いたもの。曲自体はバラード調のアレンジが施されており,後述するもう1曲のイメージソングと対になっている。なお谷村さん自身も,ユリアを思わせる白いドレスに身を包んでいた。
ゲームモードとして紹介されたのは,「伝説編」と「幻闘編」の二つ。前者は原作のストーリーに基づいたアクションアドベンチャー風の展開で,後者は原作にはない本作ならではの“ifの戦い”が繰り広げられ,従来の無双シリーズに近い内容のものもあるとのこと。
会場では,開発中の実機プレイ映像が公開されていた。その内容は,伝説編の冒頭でケンシロウが最初の村に攻め込んできたジード軍を蹴散らしていくというものだ。
リアリティを追求するために,これまでコーエーがあえて避けてきた残虐表現にも“やりすぎない程度”に挑戦し,北斗神拳による身体内部からの破裂や,血しぶきなどもしっかりと再現されている。そのほか,物理エンジンを搭載し,建物などを破壊することで,それに敵を巻き込むといった戦い方も可能となっている。また,鯉沼氏によれば,従来の無双シリーズよりもアクションに厚みを持たせており,“掴み”“ステップイン/アウト”“投げ抜け”といったこともできるようになっているとのこと。なお無双シリーズ最大の売りである爽快感も,原作よりも多めに雑魚敵が登場するといった手法で実現してしている。
一方,伝説編には,ストーリーの節目にボスキャラとの1対1のバトルも組み込まれ,原作の盛り上がりを再現しているという。会場では,ユリアをめぐって対峙するシンとのバトル映像が公開された。ボスキャラは一定のダメージを受けるごとに,攻撃方法が変わったりパワーアップしたりしていく。ステージと技,敵のアルゴリズムでバトルを盛り上げるとのことで,映像では無敵状態になり手刀で突っ込んでくるシンと,それをバックステップで避けるケンシロウの姿などが披露された。なお,ボスキャラの各攻撃にはそれぞれ対処法が用意されており,例えばシンは,手刀が柱に刺さると一定時間無防備になるといった感じだ。鯉沼氏はスタッフ一同が原作のファンであり,開発の意気込みも大変高まっていることをアピールして,ゲームの紹介を終えた。
原作を手がけた武論尊さんと原 哲夫さんも「北斗無双」の高いクオリティを絶賛!
続いて,本タイトルのために用意されたケンシロウの等身大フィギュアと,登場キャラクターを演じる声優陣が紹介された。
・ケンシロウ:小西克幸さん
・ラオウ:立木文彦さん
・ユリア:桑島法子さん
・リン:伊藤かな恵さん
そのあと,再び谷村奈南さんが登場し,今度はマミヤをモチーフにした衣装とイメージソングを披露した。実はこのイメージソング,冒頭のものとメロディは同じで,アレンジがハードロック調になり,歌詞も異なっているという趣向。谷村さんによれば,同じメロディでユリアとマミヤという異なる女性を表現するために,こちらの歌詞では怒りなど“強さ”を意識したという。
また鯉沼氏は,マミヤの曲を依頼するなら谷村さんがピッタリだと考えていたところに,ちょうど谷村さんの所属事務所であるエイベックスから声がかかったこと,さらには原 哲夫さんも谷村さんを知っていたという偶然が重なったことから,今回の起用がトントンと決まったと経緯を紹介した。加えて,谷村さんにマミヤの曲だけでなくユリアの曲も合わせて依頼したのは,原作にあるユリアとマミヤが瓜二つというエピソードにヒントを得たとのこと。なお谷村さんは,ケンシロウのように強い存在ながらも,愛に翻弄されるような人間味のある男性が理想だという。
さらに特別ゲストとして,北斗の拳の原作者である武論尊さんと原作画の原 哲夫さんが登場し,谷村さんと鯉沼氏を加えてトークを繰り広げた。まず原作を手がけた両氏は,北斗無双のクオリティの高さに賛辞を贈った。とくに原さんは「自分が描いたものを上回る形で演出が加えられている」「今まで北斗をゲーム化したものの中では最も期待できる」と絶賛。また,北斗の拳が長年にわたり多くの人に愛されていることについては,武論尊さんが「作者冥利に尽きる」と答えたのに対し,原さんは「生活がかかっているんで,売れ続けてもらわないと困る」と,冗談とも本気ともつかないコメントを返した。
両氏による原作連載当時の裏話もいくつか披露された。武論尊さんが明かしたのは,原作に登場したさまざまな奥義の名称は,辞書にあったそれっぽい漢字を組み合わせて名前を考えていたという,北斗ファンなら驚きの事実。しかし,原さんがそれに合わせた凄い絵を仕上げてくるので,さらに武論尊さんも凄い名前を考えるというスパイラルが生まれていたという。その様子は,熱烈なラブレターの交換のようでもあると同時に,本気のど付き合いのようでもあったと,両氏は当時を振り返った。
さらに,ケンシロウの持つダンディズムについて,武論尊さんは「自分から攻撃しない」ことを意識していたという。自分から相手に向かっていく話は,どうしてもチンピラ風になってしまいがちとのことで,正義のヒーローたるケンシロウは,必ず相手の先制に対してリアクションを取る受身の姿勢で話を進めていったそうだ。
また「ひでぶ」「あべし」といった,北斗の拳独特の断末魔の叫びは,原さんが考案したとのこと。しかし最初のうちは,武論尊さんや編集者に誤植と勘違いされ,意図しない校正が入ることもあったというエピソードなども披露された。
最後に登壇したのは,コーエー 代表取締役執行役員社長 COOを務める,松原健二氏。松原氏は,時代を超えた名作をゲーム化することの栄誉とプレッシャーに触れ,多くのファンの期待に応え,さらに新しいものを生み出したいと意気込みを述べて発表会を締め括った。
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(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証K01-001
(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.
(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証K01-001
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