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【ヒャダイン】今さらだけど「ドラゴンクエストXI」の感想を
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印刷2017/11/30 16:14

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【ヒャダイン】今さらだけど「ドラゴンクエストXI」の感想を

ヒャダイン /  音楽クリエイター

画像集 No.001のサムネイル画像 / 【ヒャダイン】今さらだけど「ドラゴンクエストXI」の感想を

ヒャダインの「あの時俺は若かった」

ブログ:http://ameblo.jp/hyadain/


第60回「今さらだけど『ドラゴンクエストXI』の感想を」


 ども。今さらですが,「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」PlayStation 4 / ニンテンドー3DS。以下,DQXI)をクリアしたので,その感想を書こうと思います。
 発売直後に買ってはいたものの,なかなかどうしてスタートできず「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」Nintendo Switch / Wii U)の2周めを始める始末。評判がいいし楽しみだったんですけど,なかなか心の準備ができなくて。久しぶりに恋愛をするときのような感覚ですよ。楽しみなんだけど,感情のダイナマイトが襲ってくることにちょっとビビる,みたいな。

PlayStation 4版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
画像集 No.002のサムネイル画像 / 【ヒャダイン】今さらだけど「ドラゴンクエストXI」の感想を

 そんなこんなで始めたDQXI。結論から言うと,最高! めちゃくちゃ楽しかったです。まず骨子となるストーリーがバツグンに良かった。僕はニンテンドー3DS版を3Dモードで遊んだのですが,3DSの画面を見ながら3度ほどガチ泣きしました。そして何度も声を出して笑いました。嗚呼,めっちゃストーリーがちゃんとしてるやんけ。
 そしてクリア後も「なるほどねー」と整合性のとれる続きが待っている。すごく綿密に繊細に作られたストーリーの中を冒険していくという貴重な体験を,DQXIは僕らに提供してくれるわけです。神様に感謝だね。

 バトルも3Dモード,2Dモードのどちらも楽しく,とくにれんけい技は選択肢が広がるし演出もいけてるし(主人公らによる「忠義の鉄塊」の演出は声を出して笑いました)。
 そうそう,セーニャとベロニカの連携技に「マヒャダイン」というものがありました。ヒャダインは「ドラゴンクエストIV 導かれし者たち」以降,姿を消してしまったけれど,ここにスピリットが生きていた。感涙。
 あと,今までは攻撃呪文がおおよそ固定ダメージだったのが(例えばメラゾーマが180とか),詠唱者の魔力によって与えられるダメージが変わり,魔力さえ高ければメラでも40くらいのダメージを与えられるというのも理にかなってていいですね。

 で。この連載でも何度か書いていることなんですけど,最近のゲームのホスピタリティ問題ね。DQシリーズのリメイクでも感じたことなんですが,ファミリーコンピュータ時代の作品と比べると,いろいろとクリアしやすくなっているんですよね。今回のDQXIでも,やはりそれは感じました。
 まずフィールドやダンジョンの歩幅です。かつては歩いても歩いても目的地につかずウンザリしたものですが,今作も最近の作品と同じく一歩が大きいです。どかーんと歩く。だからすぐに次の目的地に到着します。さらに,モンスターとのエンカウント率も低いので,「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」で3歩ぐらい歩くたびにザラキで死んでいたあの日とはグッバイです。
 さらにさらに。フィールドの途中にキャンプできるところがあって,そこで休めばHP&MPは全回復。教会代わりの女神像もあるからセーブはもちろん状態異常からの回復だってバッチリです。なんなら旅の商人もいることもあって,足りない道具を買えちゃうよ。さらにさらにさらに,序盤は戦闘中にNPCが薬草だったりベホイミだったりで回復してくれるので楽ちん楽ちん。

 こうしたことに関して「昔のほうが良かった」みたいに言いたくなる気持ちは分かるんですが,僕はすっかり否定派ではなくなりました。
 確かにフィールドが難しかったりすぐ全滅したりと,七転八倒しながら冒険していったら記憶にも残りやすいし,思い入れだって強くなるかもしれません。だけどネットを開けば攻略法がまとめて書かれている2017年現在,そんな作り方をしていたら,プレイヤーはそっぽ向いちゃうと思うんですよ。
 とくにチビっ子ね。チビっ子ゲーマーはソシャゲのオートバトルに慣れているんだから,小難しいことさせたら離れていくよね。でもですよ。あまりにホスピタリティを気にしすぎて簡単にしすぎると,それはそれでスルスルーと流れてしまって思い出にも残らない。やりがいもない。このバランスがめちゃくちゃ難しいんだと思います。

 今回の作品,前述の通りのホスピタリティもありつつ,「ドラゴンクエストVI 幻の大地」から出てきた,「盗賊スキル」がほとんどないんですよ。
 具体的には,まず「しのびあし」。敵のエンカウント率をかなり減らせるというアレ。MPがかかるわけでもないから使いたい放題です。ダンジョンとかでも使っちゃうよー。レベル上げは専用の場所ではぐれメタル狩りするからさー。一応,主人公はトヘロス使えるけど,そもそも弱いモンスターはこっちの姿を見れば逃げていくし。
 あと「とうぞくのはな」ね。あと何個宝箱が残っているのか教えてくれる特技です。これがあると答え合わせのような旅になるのよね。スタンプラリーっていうか。今回は「ルパスのお宝メモ」という似た機能のアイテムはありますが,これをもらえるのはクリア後のイベント。序盤中盤は自分の足で稼げということです。
 宝の場所が光るレミラーマもないので,タンスやツボは一個一個チェック。じゃまくさいけどしゃあない。その分,道に落ちている宝物は既に光っています。天然レミラーマ。だからトントンですかね。

 で,こうした仕様について肯定的にとらえられるようになった理由ですが……。充実したムービー,ストーリー,グラフィックス。そっち側に集中することができるんですよね。「あー,難しい,どうやってクリアするんだろう?」とヘトヘトになりながら作業としてプレイするより,ちょっとクリアしやすくてもそれでスッキリプレイできて,その分,凝ったグラフィックスやドラマティックなムービーに集中できるってもんです。
 場面場面で仲間に話しかけると,ちゃんとそれぞれのキャラを活かした語り口で意見を言ってくれるし。いろいろと話しかけたくなるから忙しいよ。ストーリーもほんと泣いたもん。Aボタン連打なんてとんでもない。Xボタンでスキップなんてとんでもない。ストーリーをちゃんと見ちゃいますよ。
 今回のストーリーはすごく現代の実世界の潮流も反映していて,大震災,そして復興を思わせるような場面や昨今のジェンダーレス,そして死への向き合い方なんかも含め,予定調和をなるべく避けて現実にも置き換えられるような描き方になっていて,非常に今っぽいなーと思いました

 もちろんやりこみ要素もたくさんあるし,「ドラゴンクエストヒーローズ」シリーズのいいとこ取りのような要素もあって楽しめるし,何より懐古派にとっては2Dモードでスーパーファミコン時代の気分にもなれるし,果てには過去作の一部に必然性を持ってお邪魔することもできる。
 愚直にちいさなメダル集めするのも楽しいし,本格的なスロットでひたすらコインを稼ぐのもいいかもしれない。装備するとビジュアルが変わる装備品があるので,それを「ふしぎな鍛冶」で作りまくるのも面白い。

ニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
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 つまり,やることがたくさんあるド名作だということです。うん。一つだけ注文したいことがあるとすれば,ボス戦でピオリムを唱えまくるのだけはやめておくれよAIさん。ザラキを唱えまくってたクリフトを思い出すよ! メダパニを唱えまくってたブライもね。ブライ……。ドラゴンクエストヒーローズシリーズで,一人導かれなかったDQIVの爺さん。南無。

■■ヒャダイン(音楽クリエイター)■■
ヒャダイン氏が出演する「久保みねヒャダこじらせライブ VOL.3」が,12月26日に開催されるとのこと。チケットやライブの詳細については「久保みねヒャダこじらせナイト」の公式サイトをご確認ください。
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    ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

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