インタビュー
[E3 2010]1か月以内にはβテストが開始!「FINAL FANTASY XIV」田中弘道氏,黒澤尉志氏インタビュー
プレβバージョンは,4Gamerでもお伝えしたように,バトルのテンポアップが図られているほか,グラフィックスのブラッシュアップや,キャラメイク画面のリニューアルが行われており,ミコッテも作成できるようになっている。下記の記事からは,FFXIVの公式プレイムービーにアクセスできるので,まだ見ていないという人は忘れずにチェックしておこう。
バトルシステムに変化。田中プロデューサーがE3出展版「FINAL FANTASY XIV」の見所をYouTubeで披露
「ファイナルファンタジーXIV」最新ムービーが公開。βバージョンにおける“ミコッテ”のキャラメイクが初お披露目に
田中氏:
ほぼβバージョン,ですね。まだ最終デバッグが終わっておらず,バランス調整も完璧ではないのですが,それでもαバージョンよりは,だいぶ変わっていると思います。
――実際にβ版をプレイした人の反響はいかがでしたか?
黒澤氏:
――今回,このタイミングでプレβバージョンを公開した,理由や狙いなどを教えてください。
田中氏:
本来は,すでにこのタイミングでβテストをやっていないとね……という話になっていたのですが,αテストで時間を食いすぎてしまいまして。サーバーの負荷がネックになっていたので,まずはそれの解決に時間をかけました。
――今回公開されたプレβバージョンでは,グラフィックスとキャラクターメイキング,バトルシステムなどが大きく変更されています。とくに目立つのが,バトルのテンポがかなり改善されていること。これが,当初予定していたFFXIVのバランスなのでしょうか。
田中氏:
テンポアップをするにはどうすればいいかを考え,パワーを溜めて,ある程度溜まったら攻撃を繰り出すのではなく,溜まっているゲージを消費して攻撃を繰り出す仕様に変更したというわけです。
――戦闘のテンポが良くなりましたが,このペースだと,戦闘中にチャットをするのが難しいかなとも感じました。そのあたりに関する対策は検討されていますか?
田中氏:
βバージョンの戦闘のテンポだと,確かにチャットはちょっと厳しいですね。プレβバージョンには入っていないのですが,βテストまでにはマクロパレットを実装する予定です。そこで,自分なりのメッセージを組み合わせて,プレイしてもらえばいいなと思います。ほかにも,戦っている敵をパーティの仲間に,視覚的に知らせるシステムなどを予定しています。
――ボイスチャットのサポートは?
田中氏:
PC版の人はSkypeなどを使ってもらえればいいのですが,それだとPS3版の人が難しい。PCとPS3,両方のプラットフォームにまたがるボイスシステムというのは難しいですね。なのでそれに関しては,サポートできないと思います。また,FFXIのような簡易翻訳システムはボイスチャットでは無理だと思います。
ちなみに,本日プレイしたのは,通常版のほうですか? 今回「3D Vision Surround」版(※3画面)も参考出品として用意しているんですよ。
――はい,プレイしたのは通常版ですが,3D Vision Surround版のほうもちょっとだけプレイしています。かなり自然にキャラクターが立体化されていましたが,機能として実際に導入するかどうかは,まだ検討中とのことですね。
田中氏:
今回,NVIDIAさんの協力もあり,試しにやってみようということで用意したのですが,実際にどうするかはまだ検討中です。
田中氏:
被写界深度やアンビエント・オクルージョンなどは,それなりに負荷が高い処理ですが,それはオプションで設定可能です。それ以外の部分に関してはαバージョンよりもかなり軽くなっているんですよ。
――グラフィックスの設定を同じ条件にすれば,βバージョンはαバージョンよりも軽いということですか?
田中氏:
はい。とくに一番大きく変わったのが,プロジェクションシャドウという影の付け方をしていたんですが,βではデプスバッファシャドウという,影がくっきり出るようなものを使っています。実はそちらのほうが,処理負荷が軽いんですね。
――βバージョンから,オプションで画質のクオリティを細かく調整できるのですか。
田中氏:
はい。メインメニューのコンフィグで変更できるものもありますし,ゲームを起動する前に,カスタマイズ設定から変更できるものもあります。FFXIVベンチマークソフトの配信を開始したので,それを使ってぜひチェックしてみてください。
――PC版に関しては,今まで以上に安定した環境でプレイできるようになりそうですが,PS3版のテストに関してはいかがでしょうか。
田中氏:
鋭意開発中というか,今回,開発から河本とかも来るはずだったんですけれど,その辺のツメや,β版の追い込みなどもあって,今回は私だけが来たという状況です。
――PS3版は環境が一定しているということで,オプション項目の調整にも違った苦労がありそうです。
田中氏:
――やはり,ハイスペックPCと比べると,描画距離やキャラクターの同時表示数などが若干控えめになる感じでしょうか?
田中氏:
そうですね。でも見た目はほとんど変わらないように作っていますし,ゲーム性はまったく変わりません。
――βテストが一般公開されるタイミングは?
田中氏:
先ほどプレイしてもらったので分かると思いますが,システム的な部分はほとんど実装完了しているので,あとは今回マスクしている部分をブラッシュアップし,バグを取り,ある程度問題なさそうということになれば,すぐにでも公開できます。
――早ければ1か月以内にも……?
田中氏:
そうですね。αに関しては今週いっぱいでいったん終了ということで,日本に帰ったらすぐにβの準備に取りかかります。時期に関しては確定次第,あらためて報告させてもらいます。
――βが始まれば,またテスター枠なども拡大されるわけですね。
田中氏:
はい。αでも10ワールド/数万人規模まで拡大しましたが,それをさらに増やしていきます。
――FFXIVのαテストについて,海外のプレイヤーからも多くの意見が送られているようですね。
黒沢氏:
αのテスターサイトに寄せられた意見をまとめて,開発のほうに提出しているのですが,いろんなものを組み込んでいく中でも,アレがいいコレがダメと,良い意味で活気づいています。
田中氏:
――海外のプレイヤーは,日本のプレイヤーに比べて積極的に意見を言うそうですね。
黒澤氏:
そうですね。遠慮なくどんどん言ってくれるので,非常に助かっています(笑)。
田中氏:
日本の10倍くらい来ているね(笑)。
――日本と海外のプレイヤーが,今後コミュニティを作っていけるようなシステムは検討されていますか?
黒澤氏:
田中氏:
βの途中から……かどうかはまだ決まっていないのですが,コミュニティツールのようなものを提供予定です。いわゆるプレイヤーサイトと呼ばれるもの,掲示板機能を各人が自由に持てるような感じのものを検討しています。
――ゲーム内の自動翻訳に関しては?
田中氏:
FF11と同様,トランスレーション機能は入れようと思っていますが,リンクシェルに相当するものも今回用意しています。それよりも一段大きい仕組みとして,“カンパニー”と呼ばれるものを開発しています。詳細については,今後あらためて情報を公開します。
――とりあえずカンパニーは,ギルドのようなもの……と何となく考えておいても,大きな間違いはないですよね?
田中氏:
――年内サービス開始予定,βテストも近日公開予定,PS3版のテストもそう遠くないうちに,ということで,開発に関しては順調に進んでいるようですね。
田中氏:
そうですね。βテストをスタートさせたあとにどうなるかは,まだ見えませんが,皆さんからのフィードバックによって,方向性はほぼ確定しましたので,期待していてください。今回のβバージョンは,できることは全部盛り込んだという形になっています。これの安定度を高めていき,発売に踏み切れればと思います。
――戦闘,光源処理,バトルのテンポアップなどが,βバージョンの大きな変更点ですが,それ以外にぜひ注目してほしいという点があればお願いします。
田中氏:
そうですね。ゲーム性自体は結構変わっているのですが,それはあくまでも見かけ上の話で,本質的な部分は変わっていません。アーマリーシステム,オートバトルではないアクション寄りのゲーム性,ギルドリーヴなどは,ゲームの安定性が増し,プレイヤーが増えることで,より奥深いものになっていきます。
黒澤氏:
田中氏:
ミコッテのしっぽの色が変えられないとか,オプション部分の調整は残っていますが,種族自体はすべてβに盛り込んでいます。細かな部分に関しては,製品版までには盛り込みます。
――ミコッテの男性キャラクターは,やはりプレイヤーキャラとして選べませんか?
田中氏:
はい,今のところはいないですね。NPCとしてはいるかもしれないんですけど。ほかにもいろんな種族の案があったのですが,開発しているうちに諦めなきゃならないものも出てきて。今のところここまでです。
それと,フィジカルボーナスにも変化があります。HP/MPは自動で成長するようになって,エレメンタルに関してはエレメンタルボーナスというものが用意され,分かりやすくなりました。今まで,ボーナスをどれに振ったらいいか分からかったという人もいたと思うのですが,今後はもうちょっと遊びやすくなると思います。
――最後に,読者へメッセージをお願いします。
田中氏:
まもなくβテストが始まりますので,ぜひそちらをお楽しみください。開発一同,E3に来られなかった河本も,いま日本で必死に頑張ってもらっています。
黒澤氏:
世界中の皆様に楽しんでいただけるように,いろんな環境を用意していきたいと思いますので,ぜひ楽しんでください。
――本日はありがとうございました。
FINAL FANTASY XIV公式サイト
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ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア
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