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GPUとCPUを後から交換できるモンスターノートPC「ALIENWARE Area-51m」続報。ユーザーがパーツをアップグレードしても保証は切れない
4Gamerでは,そんなArea-51mについて,Dellでゲーマー向け製品を担当するグローバルマーケティングディレクターのChristopher Sutphen(クリストファー・サトペン)氏に話を聞くことができたので,続報をお伝えしてみたいと思う。
さて,まずは外観からだ。
Area-51mは白基調の「Lunar Light」と黒基調の「Dark Side of the Moon」とからなる2色展開となるが,Lunar Lightのほうがメインカラーのようで,実機の展示もほぼLunar Lightモデルだった。17.3インチ液晶パネルを搭載し,本体サイズも約410(W)×402.6(D)×27.65〜42(H)mmという大型ノートPCではあるのだが,少なくともLunar Lightモデルは,そのソフトなデザインもあってか,「うわ巨大だ」という印象をあまり受けない。
筐体正面向かって背面側では,従来モデルから引き続き,冷却機構が突き出たような筐体デザインになっているが,ここはLunar LightもDark Side of the Moonも黒色。正面向かって真後ろになる側面に,楕円状に縁取るカラーLEDが入るデザインが目を惹くところだ。
Alienwareとしては今世代の“推しデザイン”がこの楕円のようで,後ほど紹介するが,ノートPC以外でもこの意匠を取り入れていた。
17.3インチ液晶搭載モデルということでキーボードの設置スペースには余裕があるということか,キーボードはフルキー配列となっていた。さらに,[Esc]キー列の左にもう1列6個,[Num Lock]キーの奥に1行4個の追加キーを搭載するが,このあたりは17.3インチ液晶パネルを搭載する従来製品「ALIENWARE 17 R5」とほぼ同じだ。
ところで,Area-51mの吸排気は,底面から空気を吸い込んで,背面と左右後端から放出するという,いまどきのゲーマー向けノートPCでは一般的な構造を採用している。それこそALIENWARE 17 R5だと,本体正面向かって右側面は吸気孔だったりしたのだが,Area-51mだとここも排気用だ。
……とは言うものの,ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズGPUと,デスクトップPC向けの第9世代Core CPUを採用し,クロックアップやオーバークロック動作にも対応するだけに,Area-51mには冷却系はかなり大がかりだ。
まず,底面吸気の効率を上げるべく,底面を持ち上げる「脚」はかなり大きく,かつ背も高くなっている。
また,内蔵するアクティブクーラーは,端的に述べて大きい。GPU用とCPUの熱をヒートシンクで受けて,それをそれぞれ4本ずつのヒートパイプで合計4つある放熱フィンブロックへ送り,ファンで筐体外へ放出するように見える基本構造それ自体は,ゲーマー向けノートPCでよくあるものなのだが,たとえばファンの時点で羽の直径は90mm近くあったりと,1つ1つの構成部品が巨大なのだ。
「世界で初めて,真の意味でデスクトップ代替になる」とDellが主張するArea-51mは,CPUとGPUをエンドユーザーが交換可能であるのが大きな特徴だ。デスクトップPC向けCPUを採用するゲーマー向けノートPCは,他社製品にも存在するが,それをエンドユーザーが交換できるというものは,あまり聞き覚えがない。
ところで,ユーザーがGPUやCPUを交換可能となると,交換によって製品保証が失われたり,交換作業に失敗したりといった点が気になる人もいるだろう。その点についてSutphen氏に確認したところ,氏は,「ユーザーが独自にパーツを交換しても製品保証は切れない」と明言していた。
また,自分でCPUやGPUを交換するのには不安を感じるという人向けに,DellにArea-51mを送ってパーツを交換してもらうサービスや,万が一交換に失敗して問題が出た場合のサポートも提供するということだ。
Area-51mが採用したDell独自のGPUモジュール「Dell
ただしSutphen氏は,ノートPC用のGPUモジュール「MXM」(Mobile PCI Express Module)が,ユーザーによるノートPCのアップグレード手段としては普及しなかっことを挙げ,DGFFが広く普及する可能性は低いという見解も示していた。Alienwareとしてはあくまでも,Area-51mというデスクトップ代替ノートPC用をユーザーに長く使ってもらうためのオプションとして考えているということなのだろう。
Dell Gは17インチモデルにも白系の筐体色を用意する可能性あり
今回Sutphen氏には,新しいDell Gシリーズ「Dell G5 15(5590)」「Dell G5 15 SE(5590)」「Dell G7 15(7590)」「Dell G7 17(7790)」ついても話を聞くことができた。なお,こちらも製品概要は別途お伝え済みなので,興味がある人はそちらを合わせてチェックしてもらえればと思う。
新しいDell G5 15(5590)には今回,白系のカラーリングを採用するバリエーションモデルとしてDell G5 15 SE(5590)も用意されているが,これは好評だそうで,Sutphen氏は「17.3インチモデルにも白い筐体を出そうかと考えている」と語っていた。
そんなDell Gだが,デザイン以外では,従来モデルだとミドルクラス以下のGPUしか搭載できかったところ,今回はハイクラス以上のGPUも搭載できるようになっているところが注目点だ。GPUとCPUのスペックだけなら,ALIENWARE mシリーズの新作としてCES 2019で登場したモデルに匹敵するものもあったりする。
しかしSutphen氏は,Dell Gの新製品がALIENWAREの市場を“喰う”とは考えていないそうだ。前述のとおりALIENWAREはヒーローブランドで,それであるがゆえに,高コストパフォーマンスを追求したALIENWARE mシリーズであったとしても,BTO標準構成価格は相当に高くなってしまう。そのため,価格に敏感なユーザーにとってALIENWAREは選択肢にならず,他社製品に流れてしまったが,Dell Gの登場によってその層に訴求できるようになったのが重要だと,氏は述べていた。
「高性能かつ魅力的」という点では,Dell Gシリーズの15.6インチモデルが,解像度3840
Sutphen氏に確認したところ,氏からは「15.6インチモデルではALIENWAREでも有機ELパネルの採用を拡大していく」との回答が得られた。ディスプレイパネルのスペックでDell GがALIENWAREを逆転している状態は一時的なもので,いずれ解消されるのではないだろうか。
55インチ4K,垂直リフレッシュレート120Hzのゲーマー向け有機ELディスプレイの開発を表明
なおAlienwareは,北米時間2019年1月8日に行ったプレスカンファレンスで,55インチ,解像度3840
大画面テレビを置き換える用途にも使えそうだが,少なくとも安価にはならないだろう。
ALIENWARE日本語公式Webサイト
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