インタビュー
新クラス「銃術士」登場も? クロスブレイブ運営インタビュー 開始3か月の推移とこれからの展望
これまでの軌跡を振り返りつつ,ゲームのチューンアップがどのように行われてきたのか,今後はどのようになっていくのかなど,プレイヤーが気になっているであろう部分も含まれているので早速お知らせしたい。
これまでの変更点とユーザーからの意見から見た
「クロスブレイブ」成長の軌跡
まず,限定SNSに登録していた人だけが参加できるという1次βテストが2月26日から開始された。日本ではクロスブレイブ初のお披露目となった。
それに対するユーザーの意見として寄せられたものから,代表的なものを見てみよう。
●ユーザーの意見
- アクションがダメ
- 移動が手間
- クラスチェンジが難しい
- ペットや乗り物がほしい
- UIが使いづらい
一月末にSNSを公開し,2月に3日間の一次βテストを行いました。いろいろなご意見をいただきましたが,一番多かったのはアクション部分が微妙,ということでした。まず初めにやるべきこととして,アクションゲームとしてしっかり遊べるようにしようという方向が決まりました。対モンスター戦がしっかりできていないと,パーティプレイやPvPなど,より深いコンテンツを遊んでもらえなくなってしまいますので。 (駒形氏)
続いて,5月28日から行われた2次βテストでは,
- 攻撃時の間合い調整
- チュートリアル改善
- 自動トレース(移動)導入
- 魔獣育成システム
- スキルLvアップがどこでも可能に
などといった点が追加/改善された。アクション部分もやや改善されたほか,自動移動機能が付いたことで,クエストの進行などが格段に楽になり,操作性は大きく向上した。この段階で目立った意見は以下のとおりである。
●ユーザーの意見
- 部隊募集機能がほしい
- チャットが使いづらい
マップが広すぎるという意見に対し,自動トレースを導入したり,遊びの幅を広げるために魔獣育成システムなどを追加しました。アクション面も調整を加え,結構よくなったという意見をいただきました。 (駒形氏)
6月3日からはプレオープンβテストが行われた。これまでの限定的なテストとは違って,非常に多くの人の目に触れることになった。ここで改めて出てきた指摘は以下のとおりである。
●ユーザーの意見
- アクションがダメ
- 爽快感がもっとほしい
- アイテム自動分配がない
- アイテムの所持数が少ない
1次βテストからやっていたような人にとっては,アクション部分の改善などもある程度は実感されていたようなのだが,先入観のない目で見ると,まだまだアクション部分は十分なものではなかったようだ。
それを踏まえて,6月25日から正式なオープンβテストが行われた。これと同時に導入された変更点は以下のとおりである。
- ミラージュキャンセル導入
- モンスターのHPを下方修正
- モンスターAIを改善
- スキル獲得の手順を簡略化
- 移動速度上昇
- 操作方法を変更(1ボタンでバックステップなど)
- インベントリ倍増
●ユーザーの意見
- 生産で装備強化のチャンスを増やしたい
- Lv30以上のレベリングが厳しい(クエスト不足)
オープンβの目玉として,ミラージュキャンセルという通常技やスキルをキャンセルできるシステムを導入しました。ユーザーの皆さんには一定の評価をいただいたのですが,それはクラスチェンジ(Lv25)までで,それ以降の経験値取得が極端に少なくなってしまうとの指摘がありました。クエストの数も少なくなり,レベルを上げづらいというご意見を多くいただきました。こちらでキャラクターデータを確認したところ,レベル25〜30で離脱してしまう方が圧倒的に多かったです。それを解決するために,クエストやイベントの追加,チャレンジマップの導入につながっていきました。 (駒形氏)
そして,6月29日,正式サービス開始が開始された。
●ユーザーの意見
- チャットで半角カナが打てない
- クライアントの不具合(フリーズ/強制終了/黄土色画面)
正式サービスが始まり,より多くの人に多彩な環境でプレイされるようになったためか,βテストでは出てこなかった意見が現れた。また,ここにきて環境依存の動作不具合などもいろいろと判明している。本来ならこういったものをつぶすためにβテストを行うわけだが,βテストに参加するような人と比べて,正式サービスから参加する人のハードウェア環境やドライバ整備状況はあまりよくないのかもしれない。
これらに対応するため,7月1日のアップデートでクライアントの安定性を向上させ,7月16日には,クラス間のバランス調整を行うアップデートが行われている。
その後もマップ追加などのアップデートとともにクライアントの安定性改善に加え,機能追加が行われていった。そして,9月15日には新マップ「アルカーナ」の実装とともに,以下のような多くの機能が追加された。
- 部隊募集機能追加
- アイテム分配機能追加
- チャットシステム改善
- 新マップ(チャレンジ,迷宮含む)追加
- ダンジョン内でのアイテム修理/売却が可能に
- 再挑戦のカギ
- 装飾装備追加
現時点での問題点についても駒形氏に聞いてみた。
今後の課題としては,まず思った以上にクライアントが動かないという方が多いことですね。今までも何回か調整は行ってきましたが,いまだに根本的な原因を特定することができていません。特定のグラフィックボードやチップセットなどが関係しているようで,特定できた部分については随時修正していますし,今後もそれは続けていきます。それと,弊社独自で作った「CPS」というセキュリティツールが,ほかのセキュリティツールとバッティングを起こしている部分もあるようです。そのあたりが今後の課題になると思います。 (駒形氏)
オンラインゲームの動作環境は,本当に千差万別であり,ゲーマー向けハイエンドPCを使う人もいれば,かなり旧式のPCやちょっと非力なノートPCなど,あらゆる種類のものが存在する。もちろんドライバのバージョンなどもさまざまだろう。クロスブレイブは3D表示を使ってはいるものの,要求動作環境自体はさほど高くないことから,ある程度のPCでも動いてしまう。動作で不具合を起こすケースがいくつも見つかっているものの,原因はさまざまなようで,現状では対症療法で対応するしかないようだ。
今後のアップデート予定についてはどうだろうか。
ゲームシステムについては,現在のレベルキャップが55ですが,今後のアップデートで60まで開放を予定しており,それに伴った戦闘マップやクエスト,装備品も追加していきます。 (駒形氏)
クラス別のキャラクター分布
狂戦士 17%
黒騎士 13%
白騎士 14%
元素師 11%
霊媒師 9%
聖職者 8%
格闘家 8%
邪闘士 8%
念術士 7%
(※数値は目安)
二次クラス以上のキャラクター分布を大まかな数字で表したデータだ。扱いやすい剣闘士が最も多く,中でも評判の高かった狂戦士が飛び抜けている。個人的にはもっと差がつくと思ったのだが,その他の職についてもだいたい同じくらいのキャラクターが作られており,顕著な差は見られなかった。
聞いた話だと,今後はとくに念術師と元素師の強化が予定されているようである。
今後のアップデート予定について
プレイヤーにとっては,最も気になる部分であろう今後のアップデート予定について一通り聞いてきたので,その概要と駒形氏のコメントをセットにしてご覧いただきたい。
●10月28日のアップデート予定項目
- 露店アイテム一覧表示
- レベルキャップ55→60
- 新装備追加
- チャレンジマップのクリア報酬をアイテム化し,伝説の武具などレアアイテムと交換可能に
- ワークスキル熟練度
- 戦友親密度
- Lv20で騎乗魔獣体験
かねてより多くのご要望をいただいていた露店を一覧表示する機能がようやく登場します。今回は一覧表示させるだけになりますが,販売,買取,生産スキルの代理と,露店でできることがすべてこのリストで一覧できるので目当てのアイテムが探しやすくなります。これは日本側からの要請で始まったものになります。さらにログアウトしていても出品できるなど,今後もより使いやすく改善していく予定です。
それと「騎乗魔獣」が体験できる「騎乗訓練馬」というアイテムがもらえるクエストも追加します。Lv20という,ある程度ゲームに慣れた段階で騎乗魔獣を体験できるようにしました。 (駒形氏)
露店をまとめて見る機能については,プレイヤー待望のものではないだろうか。当初は低機能なものになるようだが,オフラインで商品を出店できれば,無駄な売り子放置なども不要になるので,こちらも期待できる機能といえそうだ。
現在,装備では「伝説の武具」一択といった感じの人気集中ぶりで,入手に挑む人が多いのだが,伝説の武具のドロップ率は低く,自分のクラスの武具が出てくる率はさらに低い。自分のクラス用ではない伝説の武具を取ってしまった場合など,対処に困っている人も多いのではないだろうか。そのあたりの問題が一気に解決されそうなアップデートになりそうだ。
チャレンジマップの報酬である伝説装備については,現在はクラスごとの装備が直接ドロップする方式ですが,これからは交換用のアイテムをドロップし,それを一定数集めてNPCに持っていくことで,任意の装備を入手できるようにします。すでに入手している他クラス装備についてもトレードできるようにする方向で検討していますので,入手済みの装備も保管しておいていただけるといいかと思います。 (駒形氏)
●12月以降のアップデート予定項目
・4対4のPvP
1対1の対人戦では,クラス差や相性が大きく表れやすいのだが,チーム戦になることで戦闘の多様性は一気に拡大していく。基本的にアクション要素が強いので,同一画面内に大人数での対戦というのはなかなか難しいようだが,小規模の対戦を同時並行して行うことで大規模なチーム戦を実現するものも検討されているとのこと。今後は,バランス調整など,対人戦の面白さの追求にも期待したいところだ。
10月末の次のアップデートでは,まだ大人数というほどではないですが,4対4のチームPvPを実装予定です。今回は単純に生き残った人数が多いほうが勝ちというシンプルなルールですが,今後は特定の目標物を先に壊したほうが勝ちなど,競技っぽいルールの対戦も企画しています。また対戦ではないですが,16人で大部隊を組んで一つのマップを攻略するというモードも開発中です。
赤チーム200人対青チーム200人で対戦するイベントも開発中です。個々に対戦するのは4対4ですが,勝敗によってチームごとにポイントが蓄積され,勝利チームに所属していた全員に特別な報酬が与えられるといった感じのものです。PvP関連はエンドコンテンツとしても機能する重要な要素と考えていますので,とくに力を入れて開発していくつもりです。 (駒形氏)
・銃術師
新クラス「銃術師」は,初めて登場する人間以外のプレイアブルキャラクターとなる。絵を見る限り,長い耳と尻尾が特徴となっており,ビジュアル的にも楽しめそうな感じである。攻撃方法もなかなかユニークそうなので期待したいところ。今後,マップの拡大とともにさらなる新しい系統の種族が追加される可能性もありそうだ。
銃術師は4体目の基本クラスになります。精霊の血を引く種族(エルフやドワーフのような)で,新エリアであるアルカーナに根付いています。武器は「銃剣」で,主に遠距離での戦いを得意とします。それに加え,召喚魔法を駆使して戦います。召喚するのは魔獣のようなものだけではなく,巨大な剣やハンマーなどを一時的に作り出して攻撃するという,既存のクラスとは異なる形態になります。まずは男性(男の子)が実装になりますが,銃術師の女の子だけでなく,他クラスの別性についても開発しています。(駒形氏)
・装飾装備(アバターアイテム)合成システム
アバターアイテムを合成して新たなアバターアイテムを作るというシステム。中国では課金アイテム用として実装されているようだが,日本では多少仕様を変えて,非課金アイテムでも合成できるものとして検討されているようだ。
日本にもグラフィックス担当の人間がいますので,日本オリジナルのデザインも作れるよう調整しています。全クラス分を用意するのは手間がかかりますが,2Dゲームよりは開発しやすいというのはメリットだと思っていますので,最速1週間程度でどんどん追加していければと思っています。 (駒形氏)
・三次クラスの実装
現時点では,基本クラス3種類(剣闘士,武術家,魔導師)が二次クラスに転職時にそれぞれ3系統に分岐していくという部分までが実装されているわけだが,どんどんレベルキャップが開放されていくにつれ,やはり上位クラスへの転職を期待する声も聞かれるようになってきている。期待のかかる三次職についても,聞いてみるとすでに開発が始まっているという。
二次クラスの上位にあたる三次クラスについてもすでに開発中で,現在スキル部分を実装している段階です。二次クラスから固定の上位クラスに上がるか,また3種類に分岐するかはまだ調整中です。 (駒形氏)
さまざまな調整と変更は続く
三次職など今後のアップデートについて
当初,中国版のアップデート内容をほとんど間を置かずに日本版に実装していく予定でしたが,やはり新規要素を実装するといくつかの不具合が出てしまいますので,まずは中国版をしっかりと開発しようという方針に変更しました。日本には,中国版で出た不具合を直してから実装するようにしていますので,どうしても少し時間が開いてしまうのはご了承いただきたいところです。とはいっても,ズレは長くても1〜1.5か月以内には収めていくつもりです。 (駒形氏)
サービス開始から3か月以上が経過し,やや落ち着きを見せている「クロスブレイブ」。日本の運営会社が中国にある開発会社と同じ系列なだけに,ユーザーの意見をゲーム内にフィードバックする期間が短いことが大きなアドバンテージといえるだろう。
現在でもクライアントの安定性やクエスト関連の不具合など細かな不安要素は残るものの,アップデートごとに徐々に完成度が上がってきていることは疑いなく,わりと頻繁に行われる大きなアップデートも評価に値するだろう。最初のテストから数えても,まだ一年にも満たない新しいタイトルなだけに,まだまだ伸び代が大きく,今後も注目し続けたいタイトルといえそうだ。
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